ご覧ください、竹の割箸に小さな穴が開いていますが、これは虫が喰った痕です。竹虎の竹割箸は虫が喰べるのです。旬の良い時の竹材を使って製造していますが、防虫剤など使用していませんので、どうしても虫が入ることがあります。しっかり管理しているつもりでも、虫を100%防ぐことはできません。
カビ、割れ、ムシは竹の三悪と昔から言われていますが、暖かくなってくるこれからは虫との闘いです。竹の虫というは何種類かいて、チビタケナガシンクイムシ、ヒラタキクイムシなど小さいけれど、食欲旺盛で薬剤を使わずに退治しようとすると大変です。
生しい竹はカビが生えます、防カビ剤も使わないので湿気の多い時期は製造を控えなければなりません。また、竹が真っ白いなんて事はありません(笑)、それぞれの個性があり色合いが違うのが当たり前です。この割箸は、漂白もしていないので、お届けした竹箸の中で色目が異なる事もあります。けれど、お箸は食に関わるものです、口に入るものなので自然のままが良いと思っています。
お気づきの方もおられるでしょうか?近年は、環境意識の変化もあって、お弁当などに付いてくる割箸は竹製が増えました。飲食店で使われる割箸も、一部の高級な店舗では国産木材を使って綺麗に仕上げた割箸ですけれど、それ以外のお店では竹箸の方が断然多くなっています。
ボクたちは、今年で131年間という長い時間を竹と向き合い続けてきていますので、竹材の扱いの難しさを心底分かっています。大量に製造し、コンテナで輸送し、保管せねばならない場合、効率的な製造・管理の方法に苦心されているのかも知れません。しかし、それにしてもお弁当屋さんだったり、料理屋さんでだされる竹割箸は、竹の香とは違う匂いがするので、どうしても苦手です。
だから、ある時から国産の竹割箸を復刻したいと考えました。元々は豊富にある里山の竹を使い、日本の竹工場で製造していたものです。けれど、コストの安い海外に機械ごと運ばれて行ったそうなので、実は、こんな小さな竹箸ですが国内で復刻するのは結構な労力です。それでいて製造できる量も多くありません、そこにカビのリスクがあったり、今度のように虫が喰う事すらあるので誰もやらないのです。今は、日本の竹を知ってもらいたいと願う心意気で職人に頑張ってもらってい、レア中のレアな国産の竹製割箸ができています。
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