晒した孟宗竹、真竹を見て

2019年1月25日

晒した孟宗竹、真竹


太さの違う竹が並んでいる、右の太い方が孟宗竹、左側が真竹である。節の輪が一本、二本とハッキリ分かるので初めての方にも分かりやすい。しかし、同じように晒して白くされた竹のここまでの道のりは知らない人には分からない。何気に見ている竹だが表面にはキズがない、これは伐り倒す際にも細心の注意を払い、険しい山道を一本づつ肩に担いで山出しされた証である。


晒した孟宗竹、真竹


孟宗竹は直径が18センチはあるだろうか?これだけの太さ、伐採した時の竹は想像以上に重いので大変な重労働だ。トラックに積み込むにも毛布に包んでロープで縛り大切に工場まで運んできた、そして熱湯で丁寧に油抜きし、何日も天日に干して仕上げられた竹が、ここに並んでいる。


孟宗竹


日本の竹は、山の仕事がおざなりにされてきた。しかし、自分達が昔から敬意を払って「山の職人」と呼ぶ竹のプロにやりがいがないと竹林は荒れ、竹の仕事はますます衰退してしまう。


太さの違う竹が並んでいる、右の太い方が孟宗竹、左側が真竹である。時間の経過と共に段々と深みが増してくるのは真竹の方。もっと言うならば、この竹は湯抜きされた竹だがガスバーナーの火で油抜きされた竹は手間も熟練度も必要なだけ更に美しい光沢を放つようになる。













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虎竹の里のキンメイチク(金明竹)開花

2019年1月21日

キンメイチク(金明竹)開花


牧野植物園のキンメイチク(金明竹)の開花をお話しさせていただいたのは昨年12月も終わり頃の事でした。実は、あれから暫くして虎竹の里のキンメイチクにも花が咲いたのです。


今年に入ってから黄金竹の事もこの30年ブログではお話しました。全体がゴールドに輝いており、おめでたい新春にふさわしい竹だと思ったからでした。この黄金竹とキンメイチクは色が黄金色という点では似ていますが、キンメイチクには黄金色の稈に緑色の筋が入り、またその青さとのコントラストが美しく鉢植えとしても好まれるのです。虎竹の里にあるキンメイチクも、元々はそうした鉢植えを買ってきたのを植えたものでした。


焼坂峠


キンメイチクの開花は120年に一度と言われる非常に珍しい現象です。それなのに、どうして牧野植物園のキンメイチクと時を同じくして開花するのか?同じ株から分けたものか、何か手ががりはないものかと訊ねられます。しかし、自分の記憶のあるだけでも30数年前から既にある程度の茂みに育っていました、植えたのはそれより更に前の事で詳しい事は残念ながら不明です。


今日は、虎竹の古里であり昔からの遍路道の続く焼坂の峠に来ました。ここまで登ってくる間には虎竹は沢山あるものの、この峠からは虎竹は一本も見当たりません。


虎竹


虎竹の虎模様は、同じ山なのに少し場所が異なると色付きも太さも全く違います。土中の特殊な細菌、土質、日当たり、潮風、気温、職人の手入れなど様々な要因が複雑に作用していると考えていますが神秘的なものです。竹は不思議に満ちているからこそ面白いものなのです。













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「竹の割れを防ぐ方法はありませんか?」

2019年1月18日

Dain Sansome、竹虎四代目


先日アメリカはオレゴン州から虎竹の里にDain Sansomeさんがご家族と共に来られていました。遠い異国の方ですが竹林経営をされているだけに、この虎竹の里の竹林の価値十分に感じていただいてる様子で嬉しかったのです。そんなDainさんから、ひとつ質問を頂きました。


「竹の割れを防ぐ方法はありませんか?」


竹は三悪といわれるものがあり、それが「割れ」「カビ」「虫」です。竹の割れを防ぐ方法はありません、竹は外側と内側の伸縮率の違いで割れますので理屈的には身の部分が厚いよりも薄い方が割れにくいのです。そこで、乾燥させて表皮から削りだして強度を保てる程度まで薄くして割れ防止を考えた製品でも使用環境等により割れてしまいます。竹の種類、個性、製法により違いはあるものの割れを完全に防ぐ方法はないのです。


炭化竹


熱と圧力で炭化加工された竹材には虫が好むような養分は既にないように思いますがそれでもチビタケナガシンクイムシがいる事があります。防虫、防カビ効果は明らかに感じる炭化加工でも完全ではないのです。


しかし、割れるから「竹」であり、虫害も同じです。こうした竹の性質と向き合い先人達は昔から竹を愛でてきました。三悪を十二分に知った上でも、それを遥かに上回る美しさや素晴らしさ、利便性があるからこそ日本の里山に竹はあります。それを、お使いいただくお客様にお伝えするのは自分達の役目です。













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黄金色に輝く黄金孟宗竹

2019年1月 4日

黄金孟宗竹


この黄金色に輝く竹はどうでしょうか!?


新年にふさわしい縁起の良さ、しかもこの竹は国内最大級の孟宗竹なので背が高く太いから最強の金運アップ!黄金(おうごん)孟宗竹は西日に照らされて葉までキラキラ輝いていて荘厳な感じさえありました。


ゴマ竹、錆竹


表皮にゴマ状のブツブツができるゴマ竹という竹があります。自然界でも立ち枯れの竹には同じようなゴマができたり、庭で雨ざらしになっている竹垣や袖垣にも同じようなゴマが見られる事もあります。黄金竹のような華やかさ派手さはないものの「錆竹」と呼ばれるゴマ竹の枯れたような風合いも竹の美しい一面です。


図面竹


竹は世界を見渡すと約1300種、日本にだけでも約600種もの種類があり奥深く本当に面白いものです。毎週日曜日の朝に放映される関口宏「サンデーモーニング」は沢山の方がご覧になられているのではないでしょうか?画面に映り込む豪華な生け花の中に使われている竹を「竹虎さん所の竹ですよね?」と聞かれる事が結構多いからです。


確かに虎模様が付いている竹ですので一般の方のみならず竹を扱う職人の中にも間違える方がいるのですが、あの竹は図面竹と言ってゴマ竹同様、京都の職人技が産みだす模様です。淡竹(はちく)の仲間である虎竹とは違って孟宗竹が使われるので直径の大きな竹を作る事ができるのです。一年の間に2~3週間しか色づけの仕事をするタイミングがない非常に貴重な竹でもあります。


日本唯一の虎竹


昨日はお正月恒例となっています「新春虎竹の里ウォーキング」でした。名前だけ大袈裟ですが,そう言いながら焼坂の山を一人歩いているだけ、しかし竹林の変化を感じながら新しい一年を思いました。日本唯一の虎竹は山々の内側でしか成育しておらず、峠を越えたら焼坂の山の景色は一変化します。


この不思議な虎竹はもちろん、黄金竹にしろ職人が作る図面竹やゴマ竹にしても結局は自然の力が全て、自然の大きな営みをほんの少しだけ知ることができます。













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ゴマ竹を模した人工竹(AS系樹脂)

2018年12月15日

図面竹


図面竹とは竹林にたっている状態で竹表面に薬剤処理をして模様を付けた銘竹です。硫酸、硝酸を混ぜた液体に粘度を出すために砥の粉や近くの山から集めてきた砂混じりの土などを混ぜて作られた薬剤を竹表皮に塗布していきます。薬剤に混ぜた砂が竹表皮に細かいキズを付けることにより薬剤の浸透を促すと言います。


こうして模様付けするのは職人ですが、その年に雨が多ければ薬剤が流れてしまい思うような色づきが無かったりと色々と苦労はあるようです。図面竹などの銘竹は注意をして見ていると和食の料理屋さんなどの柱や壁に使われているのを見つける事ができますので、今度そのような機会があれば少し店内を見まわてみてください。


ゴマ竹を模した人工竹(AS系樹脂)


さて、そんな図面竹と同じ銘竹にゴマ竹があります。名前の通りゴマ状のブツブツが表面についた竹なのですが、ご覧になられた事はありませんでしょうか?元々は自然の竹林で出来ていた竹を人工的に美しく作りだされている竹で、やはり京都の竹林で熟練の竹職人によって作られています。


ゴマ竹を作る孟宗竹の竹林に入ると異様な光景です、なんせその一帯の竹だけ立ったままウラ(先端)部分と枝葉がすべて伐られて丸裸のような状態になっているのです。こうすると光合成できなくなった竹は立ち枯れ状態になりますが、この作業を毎年3月頃にしておいて後は自然まかせ。ゴマの出来る原因であるアピオスポレラ・バンブサエ(Apiosporella bambusae)又はアピオスポラ・シライアナ(Apiospora shiraiana)と呼ばれる糸状菌(カビ)と梅雨時の適度な湿気で綺麗なゴマがついていき秋以降には伐採できるのです。


ところが最近ではこのゴマ竹を模した人工竹(AS系樹脂)が作られています。遠目には区別がつかず高い耐久性を誇りますので庭園等では重宝されますが、この人工竹を作るのにはオリジナルが必要。デザインの元となった自然のゴマ竹を作られた職人が言います、


「これワシの竹や」


竹を提供しているとは言え、こんな細やかなゴマ模様なのに区別がつくとは、さすがです。竹に愛情込めている竹の世界、まっことオモシロイ。













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豊洲移転後、築地場外の虎杖(イタドリ)

2018年12月 6日

虎竹ひしぎ張りの壁


築地市場が豊洲に移ってからは場外市場はお客様が少なくなったとは聞いていましたが、確かに減ってはいるもののやっぱり築地は早朝から元気です。


築地場外市場


見た所、海外からの観光客の方や自分のように地方から上京している人が、やはり多いように思います。ここだけなら移転前の築地場外とそう変わらない雰囲気を感じました。


虎杖(イタドリ)


そんな築地場外に数店舗あって人気となっているのが虎杖(イタドリ)です。もしかしたら何か変わった店名だなと思われる方もいるかも知れません、いや、そもそもイタドリをご存じでしょうか?


タデ科の植物で岸辺や土手、空き地など、どこと言うことなく育つ雑草のひとつですが、子供の頃にはお腹が空くとポキリと折ってオヤツ代わりにしていました。それどころか、実は何を隠そう高知では煮物など使われる食材として街路市でも販売されている山菜扱いです。まず炒めてから鶏肉や油揚げと一緒に出汁で煮ると歯ごたえも楽しめて本当に美味しい料理となります。


虎杖(イタドリ)の虎竹


名前に「虎」が入っているのも親しみを感じるところですが、これは茎に虎のような模様があることから来ています。そんな店名のお店だからか、店に続く通路には立派な虎竹ヒシギ張り、店内にも虎竹を多用いただいており渋い雰囲気満点です。角に使った材木の木肌も虎竹に合わせたような色具合、施主の思い入れを感じます。














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続・静かなる竹の異変

2018年12月 5日

竹林の異変


ここ数年、竹林の力が弱っているのを感じている事は以前の30年ブログでもお話しした通りです。一年には四季があり、山の木々はそのつど表情を変えていく。ずっと青々とした生命力あふれる緑をたたえている竹にも実は「秋」があるのです。


紅葉し落葉するのですが、すぐに若葉が芽吹くので普通に竹林を眺めている分には気づかないかと思います。しかも、季節の秋とは真逆の春から初夏にかけての頃なので更に分かりづらいかも知れません。


竹林


ところが、今感じている異変はこの「竹の秋」とは明らかに違っています。竹林全体の色づきが変わり葉が生まれ変わるのではなく、その竹林全体の勢いが無くなっているのです。場所によっては立枯れのような状態になっていて、山に10円ハゲができたような不格好な所があります。


これが地元だけかと言うと、高知県内でも各地で見られます。四国でも、中国でも、そして九州でも少し車を走らせば目につくレベルです。


竹の花


とても今年の気候変化だけでは説明がつかず、もっと大きな自然サイクルの中で動いてるいるのではないかと言うような気がします。今年はすぐ近くの孟宗竹の林で過去最大級の竹の花が咲きました。孟宗竹の場合は60年に一度開花があり、その後の竹は枯れてしまいます。真竹や淡竹は120年に一度、竹虎の社歴に虎竹開花がない事を考えると、そろそろそのような時期になっているのかも知れません。


竹林


西日本一帯で見られるテングス病も淡竹の開花時期を迎えて竹の力が弱くなり抵抗力が削がれている事も考えられます。竹林の異変、気をつけて見守っていかねばならないと思っています。














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静かなる竹の異変

2018年11月16日

竹虎四代目、タイの竹


色々な土地に出かけさせていただき多くの竹を見る機会があります。日本国内だけでなく海外でもそれぞれに興味深い竹があり、人と竹の密接な関わりがありました。民族、文化、習慣が違っても竹の特性は同じです、そこに長い月日をかけて生み出された竹細工には普遍的な美しさを持っています。


羽田国際空港の竹イルミネーション


イネ科の竹の品質は世界でも日本が最高だといつも申し上げています。海外から見れば「竹の国」日本、しかし、この地に暮らす人々にとってはどうでしょうか?


虎竹の里の職人が日本唯一の虎竹が当たり前の普通の竹だと思っているように、外からの視点を持たないと見逃してしまう価値もあります。そういえば今年も羽田空港国際線ロビーには美しい竹林が現れていてイルミネーションが点灯するそうです。まさに日本ならではのお出迎えであり、お見送りに相応しい装飾です。


らっきょう竹


ラッキョウ竹と聞けば、なるほどと納得するような面白い形の竹を知りました。竹細工には不向きで釣竿やパイプなどに使われる竹ですが職人さんの中には竹を扱う内に国内に600種とも言われる竹そのものにも関心を持たれて大切に育てられている方も多いのです。


日本最大級、孟宗竹の花


また、近年は竹林の異変に足を止めることか多くなりました。先日の日本最大級、60年に一度の孟宗竹の開花は記憶に新しいてすが、ここ数年静かに竹林には変化が起こり続けています。


テングス病


テングス病もその一つ、この多さは高知県などという狭い地域ではなく、全国的な流れの予感があります。


孟宗竹


自然の変化を前にして人は、ただ見守ることしかできません。竹の山に来るたびに自分達は生きているのではなく、生かされているのだと感じます。













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大きな蓬莱竹とアンパンマン列車

2018年10月15日

蓬莱竹(シンニョウチク)


自然豊かな風光明媚な所ほど災害になると被害が大きいそうです。高知の場合は、山が高く、平野部が少ないから川の流れが速い。大雨が降ったら尚さらです、泥に濁った激しいうねりは見ているだけで恐ろしくなってきます。竹は衣食住すべてにおいて人の暮らしに役立ってきたと常日頃から口を酸っぱくして言っています、防災面でも人の命と財産を守ってきました。


この川岸にある蓬莱竹(シンニョウチク)は護岸のために植えられたに違いありません。株立ちで大きくなるので庭や畑に根が広がる事がないので重宝される竹なのです。山の境界線や目印としての役割もありました、川岸にポツリと生えている事があり子供の頃は不思議に思ったこともありますが、あの場所は川の流れが急になる曲がり角だったのです。


さて、いつだった樹齢90年の蓬莱竹を見たことがありますが、これより一回りも二回りも小さかった。ならば、この竹はここで人の暮らしを一体何年見続けているのでしょうか?脇には土讃線の鉄橋が架かっていてアンパンマン列車が子供たちを乗せて楽しそうに走って行きました。こんな平穏な日々を、ずっと見守り続けてくれているようで何やら誇らしげにも見えてきます。


竹林


皆さんの周りを良くご覧になられて見てください。実は竹は、いつでも人の近くにあります。話かけています。忙しい毎日、たまに立ち止まって竹を愛でていただきたい、そう思います。
















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命を頂いて編む、棕櫚の木は生きている

2018年10月11日

土佐箕


日本各地で作られてきた箕(み)ですが土佐箕の突出した特徴は持ち手部分の棕櫚巻です。それぞれの地域で手に入りやすい素材を使って編まれたきた道具ですので温暖な気候の高知では棕櫚の材料が豊富だったと言う事です。


棕櫚皮


棕櫚は水にも強く強靭な繊維を持っていて、かっては様々な生活用に活かされてきた素晴らしい素材です。





見た目は南方系のヤシの木を思い出させますが、自分たちは小さい頃から馴染の植物でもあるのです。


棕櫚箒


棕櫚が使われる代表選手としは束子があり、棕櫚縄なども竹垣の製造にも多用してきました。近年音が静かで手軽という事でフローリング掃きに見直されてきている棕櫚箒なども棕櫚皮を使った製品です。


シュロ


ところが先日、箕を作るために伐り倒してきた棕櫚の木の葉が開いたのです。これには職人も驚いていましたが、棕櫚の木は伐り倒されてなお、まだ生きているのです。慌てて職人は横に寝かせていた木を壁に立てかけてやります。棕櫚の生命力に驚くと共に、自分達も山の命を頂き製品作りをさせてもらっているのだと改めて気づきました。日本唯一の虎竹にも全てに命が宿っています、頂く以上は無駄にできるものなど何ひとつとして無いのです。













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