まだ続く、京銘竹、角竹作り

2015年5月11日

角竹作りの竹林


筍が次々に生えだしている明るい竹林です。ここは、最近まで筍栽培用とされていた所との事ですので、竹のウラ(先端部分)が切り飛ばされちょります。実際には切るのではなく、ある程度大きくなった時に揺さぶり折るのですが、こうする事により、枝が少なくなった竹林には、太陽の光が多く差し込み、土中を温めてくれますし、強い風が吹いても竹の揺れが小さく、竹根を傷めないとの事なのです。筍収穫用の竹林はすぐに分かりますぞね。竹の先端がポキリと折れたような竹が並んでいます。今度竹林を見る機会があれば、是非注意深く見てもらいたいがぞね。


へこみ角竹


満足いく角竹ができる確率が半分とも話しされちょりましたが、筍に対して木枠が大きすぎると、綺麗な角竹にはなりませんし、反対に木枠が小さいと、竹中心部にへこみができたりするがです。木枠は大きすぎても、小さすぎてもダメ。ちょうど筍の成長ぶりを見越してピッタリの木枠を取り付ける、この角竹作りの大事な部分は竹林での竹と職人との対話に尽きるのです。


木枠から頭のでる筍


筍の成長は、まっこと早いがですぞね。見る見るうちに伸びるというのも大袈裟ではないほど、一日に1メートルを超えて大きくなる驚くべき成長力なのです。前にはめ込んだ木枠から頭を出して伸びている筍を見つけましたぜよ。さて、これからどうするかと言うと...。


角竹作り


「ヨイショ!」と声を揃えて二人がかりで木枠を下から持ち上げます。下の部分は既に木枠で四角形に固まっているので、筍の成長にあわせて木枠を上へ上へとズラしていくのです。清水銘竹店の職人さんが、人の合わせるのではなく、竹に合わせる、という自分達の仕事の事を話してくれましたが、意味が少しづつ分かってきましたぜよ。


角竹作り途中の竹


木枠が外された竹を触ってみると見事に四角形の形になっちょります。なるほど、これが角竹になった瞬間か...。しっとりと湿気を含んだ竹皮の下に角張った形を確認して嬉しくなります。竹皮の表皮には細かな毛が生えています。この短い毛のお陰で滑りやすくなり木枠をズラしていくときに役立っているようです。竹虎では竹皮草履や包材としても利用する竹皮ですが、やっぱり、なかなかスグレモノなのです。


木枠を筍に合わせる


見上げるような、ずっと上の方にまで木枠が上げられました。こうして木枠を使う工程は5月一杯くらいまで続くそうです。木枠の先端から筍が更に伸び枝がでる頃になると木枠を外します。この頃になったら梅雨がそこまで来ちょりますが、木枠をしたままの長雨は箱の中が蒸れて竹が傷むので、それまではに作業を終わらせねばなりません。角竹作りは、自然そのものが相手ながです。その年の筍の成育、気象条件、その時々の天候など、複雑な要素のからまる中で、毎年変わらない品質の竹を仕上げつづけるのは、長年の伝統の技術と、竹への愛情ではないかと思うちょります。


美しい角竹


角竹で意外に知られていない事は、角竹は全て一年竹なのです。木枠を外してそのまま竹林で成育させておき、11月には伐採するというのは自分達の虎竹からすれば、ちっくと考えにくい事ではありますけんど、職人技により創られる角竹は慎重の運ばれて油抜きして、このような見事な、まさに京銘竹と呼ぶにふさわしい、威風堂々とした竹になっていくのです。













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清水銘竹店の角竹作り

2015年5月 9日

京都の角竹作り


「自分達は予想屋や...」


まず最初の言葉に何!?とビックリさせられると共に、並々ならない竹への自信と愛情を感じて嬉しくなりますぜよ。予想屋というのは、その筍が一体どのくらい成長するのか分からない段階で、サイズの決まった木枠選び、はめ込んでいくからなのです。だから、木枠を決める工程は真剣勝負そのもの。部外者に立ち入ってもらっては困るという厳しい雰囲気ですぞね。


この日、木枠を決められていたのは清水さんの弟さん。近年まで筍畑だった陽射しのタップリ入る竹林で兄弟二人で働かれゆうがです。久しぶりにお会いする弟さんは若い頃には竹を運ぶためにトラックで何度も竹虎にお越し頂きよりました。あの頃に比べると白髪は増えたけんど、角竹作りの職人としての凄みの増し方は、それどろこではない、現場では声もかけられないほどの迫力ながです。


角竹用木枠


木枠は数百本あるとの事やったのですが、それぞれサイズが明記されちょり、太さが細かく別れていて、どんな太さの筍にも対応できるように用意されています。角竹に作る筍はその竹林でも1番筍か2番筍に限るそうぞね。それ以降の筍は成育も悪く大きくなりきらないものもあるそうです。けんど、「予想屋」と自らを言うだけあって、頭を出し始めて伸び出した筍に、それぞれ決まったサイズの木枠をはめるのは、長年この仕事をされてきた職人さんでも非常に難しい作業ですろう。


清水銘竹店、清水さん


木枠をはめ込んだら数カ所を紐で固く縛っていく作業があります。こうすることで丸く成長する筍の形を木枠でギュッと抑え込み、角い形にしていくのです。


竹製コミ栓


職人さんの傍らに置かれた竹籠にはコミ栓と言われる半割した竹をハス切状にしたものが入れられちょりました。何に使われるのかと思っていましたが、木枠を部分的に締めたい場合には、縛った紐部分にコミ栓を打ち込み、更にきつく調整をされているのです。


竹小枝


ふと横に置かれちゅう木枠を見ると枝打ちしたばかりの小枝を切って、コミ栓にされているものもありましたぜよ。本当に微妙な調節はこんな風に、その場の職人さんのカンと工夫です。こんな細やかな仕事ぶりが、自分が小さい頃から竹虎にも沢山立てかけてあった、あの見上げるような立派な角竹に繋がっていたのか...!?「この竹は、どうして角い形やろうか...」小さい両手で角竹をなで回していた日の事が蘇ってきて、まっこと、感動してしまうのです。


角竹作り竹林での作業


木枠を決めてはめ込んだ後は周りの竹に紐を張って固定していきます。青い竹が無数に生えている竹林に色も鮮やかな白い紐が張り巡らされた様子は、他ではまず見ることがない、この辺りの竹林だけの景色です。まっこと、知らない方がたまたまご覧になられたら、一体何事かと、幻でも見たかのように目を何度もこすって驚かれるような光景ですぜよ。













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京銘竹、角竹作り その1

2015年5月 8日

角図面竹


さて、先日竹セリ市で銘竹を色々と拝見させてもらいました。実は、竹虎には特産の虎竹ばかりがあるように思われちょりますが、今は少なくなったものの祖父の代から集めてきた県内外の銘竹が沢山あり、自分も小さい頃から、虎竹と同じように、この銘竹が暮らしと共にあったがです。大学卒業してから一人で住んでいた離れの玄関は、もともと一番最初の店舗だった所で天井が5メートルほどの高さになっていて、各地から来る色々な銘竹置き場になっていましたので、朝晩行き帰りに毎日観て、毎日触れていた馴染みの竹達でもあるがです。


そんな銘竹の中でも京都で作られる角竹という竹があるがぜよ。竹は丸いのが常識かと思いますがこの常識に真っ向から挑戦して、誰も見た事のないような角い竹を創り出す先人がいるから、まっこと竹の世界というのは面白いがぜよ!


清水銘竹店、清水さん


京都の清水銘竹店さんは祖父の代からのお付き合いのある老舗竹屋さんぜよ。自分も学生時代や修行中には運転手の助手として大型トラックに竹を満載して、京都まで何度か走ってきた事があるがです。小さい頃から角竹は良く目にする竹であり、木枠にはめて作る事を竹虎に来られていた清水さんのお父さんや、祖父から聞いていました。けんど、話しに聞くだけで実際に見た事がなかったので、今回、どんな仕事をされているのか様子を拝見させていただける事になり、まっことドキドキワクワクやったがぜよ。


京都の孟宗竹林


京都は孟宗竹の筍の栽培が盛んな地域でもありますぜよ。こちらの筍と高知で自分などが職人さんから頂く筍の違いは、土の中にあるか、土の外にあかるやろうか?高知では土から出て大きく育った筍を食用にしますぞね。穂先筍というて人の身長より高くなったような筍を採る事もあります。ところが、京都の筍は土の中にある真っ白く柔らかい筍ちや。土から出て黒くなった筍は「クマ」と呼ばれてあまり食されないようです。


まあ、それはさておき角竹作りは、そんな筍シーズン真っ直中の竹林で行われるがぜよ。手入れの行き届いた竹林は、まさに筍畑ちや。こんな美しく気持ちのよい職場は、何処を探してもちょっと他にいはないがぞね。


角竹用木枠


これが角竹作りに使われる木枠ぜよ!高知でこれを見みせたら、鰻を捕る道具かよ...?などと言われそうなくらい、まっことソックリですぞね。竹製で編まれたウケの他に、ちょうどこんな大きさの木枠でつくられた細長い鰻捕り用の道具が使われちゅうがです。けんど、これは鰻などとんでもないがぞね。角竹を作る筍用として使われる伝統ある道具なのです。清水銘竹店さんでも、お父さんの代から40年、50年と大事にしながら、ずっとこの木枠を毎年使って角竹作りをされてこられちゅうのです。


孟宗竹林にて清水さん


どうやって筍に木枠をはめていくのだろうか?自然の筍だから同じ大きさのものとかあるはずありません。また、その時々により筍の成育状態も違いますろう。1日に120センチも伸びることのある爆発的な成長力のある筍相手やき、まっこと、想像もできないような苦労があるのではないろうか?


「明日は作業があるさかい、見せてあげるよって」


竹林で見る職人さんの姿は、本当に格好がエイものです。自分達の仕事や竹林に並々ならぬ自信と誇りを感じるがです。


竹材置き場


竹葉の敷き詰められた竹林の中にリンが置かれちょります。伐採した竹を積み上げて保管する場所になっているのです。考えたら、この辺りの竹林は平地が多いのです。手入れの行き届いた竹林は差し込む陽射しも柔らかく絶好の竹置き場ぜよ。


竹の養生


ふと見ると、竹置き場にある一本の竹の根元何やら巻き付けられています。竹を積み上げた時に、当たってキズなどが入らないようにという、この竹への思いやりですぞね。こうやって竹を愛しむ仕事人の方々です、創り出す角竹は、さぞ素晴らしいものに違いないと期待が高まるのです。













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竹のセリ市 その2

2015年5月 5日

芽付竹


銘竹のセリ市が滋賀と京都で今も続いているのは、竹が茶華道と深い繋がりがあるからながです。この芽付竹なども竹の枝を長さを揃えて切られちょります。節部分の油抜きには手間がかかるとの事ですが、そんな事を全く感じさせないような美しい仕上げになっているのです。しかし、このような茶室などに多用される竹は、一般のご家庭では見ることはありませんし、普通の方が来られると「一体何のためにこのような竹があるのたろう?」少し不思議に思われたりするかも知れませんちや。


しゅみ竹


しゅみ竹という独特のシミのような模様の入る銘竹も展示されちょります。このような竹も見た目の渋さが好まれて、切りっぱなしの竹に銅板をはめ込んだ寸胴と呼ばれる花器にもされてましたし、職人さんによっては景色のよいところを茶杓などにも作られるのです。


矢竹


こじゃんと綺麗な矢竹もありましたぜよ。矢竹は文字通り、昔の合戦などに使われた弓矢の矢にする竹ぞね。有名な武士が弓矢用にするのに、矢竹を庭に植えたものが、今に伝わっていると言うのも聞いた事がありますが、この竹は細さが、ほぼ均一で伸びがよく、比較的真っ直ぐ、そして、節が低い事から矢に適しちゅう竹なのです。


竹は、しなやかで柔軟なイメージがありますけんど、この矢竹を加工して火入れして矯められたものは、ビックリするくらい硬く丈夫になっちょります。三本の矢の話しがありますろう?一本なら折れる矢が三本なら折れない話しですが、まっこと、あの硬さで三本なら、簡単には折れませんぜよ。竹は、こんな柔と剛の相反する特製を併せ持つ不思議な素材ながです。


竹セリ市会場


それにしても、というのはエイです。こうやって選りすぐられ、それぞれの竹職人が手塩に掛けた竹たち。普通は竹細工といえば、竹を編むとか、何かを作るとか、そちらにばかり目がいくことが多いですけんど、ここにズラリと立ち並ぶ竹そのものにも伝統の技と職人魂がこめられた竹文化の結晶と言えるがですぞね。心地よい初夏の風が吹き抜ける展示場は、本当にいつまでも居たくなるような心地のよい空間になっちょりました。


煤竹


圧巻の煤竹が、やはり目を引きますにゃあ。縄目がクッキリと付いて、これが数百年という長い年月を経て、自然にできたものは信じられないようなデザインの見事さです。滋賀県の北部の方にいくと気温も低く一年の内かなり長い期間、囲炉裏に火を絶やさなかったと言います。そこで、煙にずっと燻されこのような濃淡がハッキリとした、誰かから手で描いたと聞いても納得しそうな煤竹が生まれるのです。古い民家では300年と聞きますので、まさに時というアーティストが創作した芸術作品なのです。


煤竹


もちろん、この煤竹も最初からこの美しい輝きを放つワケではないぞね。真っ黒く煤けた竹を一本、一本手入れして油抜きをして磨き上げる、竹職人の技がプラスされてこそ数百年の時を超えた竹に新たな生命を授けることができるがです。ただの汚れた竹として、その役割を終えるのか、次の世代に受け継がれて又数百年、人のお役立ちをさせてもらえるのか、竹職人の腕にかかっちょりますので、やはり職人は凄いです。


変竹


変竹(へんちく)と呼ばれる、少し変わった曲がりのある竹も、お茶室などの設えなどに使われる事があるようです。定番の竹ではありませんが、このような竹も銘竹として珍重されるのが日本の竹文化の一面でもあるのです。


竹セリ市


この竹のセリ市は63年間という長い歴史のある竹材業界の最先端の一大イベントであり、情報交換の場でもあります。昔の隆盛を知る方からは、ちっくと寂しい声も聞かれますが、いやいや、今の時代の中での竹のあり方を思えば、これだけの銘竹が並び、人が集い、セリ市が開催されちゅう事こそ、竹業界のひとりひとが誇るべきぜよ、素晴らしいではないですか!日本人と竹は数千年の歴史と付き合いがあり、竹はずっと生活の中にあったがです。竹虎では1985年から「21世紀は竹の時代」と言うてきましたけんど、忘れたように見える竹は、必ず竹は思い起こされる日がきますぞね。竹のセリ市は、そんな事も感じさせてくれたのです。














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竹のセリ市 その1

2015年5月 4日

竹セリ市看板


セリ市と聞くと魚や野菜など生鮮食品をまず思い浮かべると思うのです。だから、竹のセリ市...?最初はなかなかピンと来ないのが普通です。もしかしたら高知県で有名な四方竹のセリですか?せいぜい、そんな風に思われるのが関の山ですろうか。


滋賀県竹セリ市


ところが、今回の竹のセリ市は正真正銘の竹のセリ市。皆様が頭に思い浮かべる通りの長い竹のセリながです。ただし、竹は竹でも銘竹と呼ばれる値打ちのある竹ばっかり。現在では京都と滋賀の2箇所で毎年開催されよって、今年で何と63年目の歴史のある市でもあるがぞね。


滋賀県、田園風景


けんど、さすがに竹のセリ市ですちや。一般的に見本市とか展示会とかいえば都会の一等地などで開催しますが、こんな田園風景の広がる、のどかな所で開かれているのです。来場される方には、ちっとく便利とは言いがたいですが、竹の生産の中心地は、日本各地何処に行ったとしても、このような自然豊かな美しい土地という事で、まっこと嬉しいがですぜよ。


竹虎四代目と銘竹


更に嬉しくなるのが、長い竹をゆっくり立てられる天井の高い広々とした倉庫にズラリと並んだ銘竹の数々...!真竹や煤竹(すすだけ)、黒竹など馴染みの竹ですが、これだけの量が整然と並ぶのは、あまり見る機会はないがですぞね。こんな幸せな空間は無いですので思わず笑みがこぼれるぜよ。


竹セリ市の煤竹


同じ煤竹でも種類がいくつかあって、丸竹をワラ縄で縛ってつくる簾(ミザラ)に使われちょった竹や、忍べ竹(しのべだけ)というて細身の女竹が煤竹になったもの、これらの他にも芽付竹、しゅみ竹、矢竹、変竹、つる巻など、まっこと、こんな機会でないと絶対に見られない銘竹があるがです。


竹セリ市会場


会場の中央には長テーブルとバイブ椅子が用意されちょります。竹を見回って疲れたら思い思いに腰かけて、お茶やお菓子をいただけるようになっちゅうがです。なんか、虎竹の里にもある神祭のお客のような雰囲気で、これまた、何とも肌にあうエイ感じちや。


おもてなしのゆで玉子


最高に素晴らしいのが各テーブルに置かれちゅう、ゆで玉子ぜよ。庭で飼っている地鶏やろうか、遠くからも来られる方に、ご婦人方がこうやって、大事にもてなしてくれゆうのがしみじみ伝わります。竹の世界は、元々があまり広い世界ではありません。それぞれが知った仲同士のアットホームなセリ市は、まだまだ続くのです。














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竹割れへの挑戦

2015年4月 6日

割れ防止竹


竹は細く割って編み込まれると、しなやかでもあり耐久性もあり、正倉院に所蔵されているような、ずっと古い時代のものが、そのままの形で今に残っていたりするのですが、丸竹のまま使うとなると、どうしても「割れる」という天然素材の竹ならではの重大な欠点があるがです。まあ、重大かどうかは使われる方の判断もあるかと思います。割りやすい特徴から様々な竹工芸が発展したとも言えるのですが、その特徴が反対に割れてほしくない場面でマイナスとなるのです。割れを景色として見ることのできる竹花入れなどもありますが、これは稀な事ですろう。竹と向き合う多くの竹人にとって「割れ」は永遠のテーマでもあったがです。


竹の背割り


竹を割れないようにするためには、どうしたら良いか?多くの方が考えたと思うのです。割れの仕組みは、だいたい解明されちょります。竹の維管束と呼ばれる細かい組織が一本の竹を貫いちゅうがですが、この密度が竹表皮部分では密度が濃く、内側になるにつれ薄くなるのです。竹は伐採されたあとも「生きている」と、たまにお話しますが、呼吸もすれば、収縮もしています、密度の違いが収縮率の違いとなり、竹の強度の限界になった時、縦に割れが入るがです。


ただ、全ての竹が割れるというと、そうではなく、やはり自然の難しいところですが、古い竹でも何ともないものもあります。以前、竹虎と50年前までお付き合いさせて頂いていた京箒の職人さんの倉庫で、その当時の竹の在庫がまだ残っていたので、見せてもらいましたけんど、ほとんど割れも何もなく、まるで、つい先日お届けさせてもらったばかりのような当時のまま綺麗にあって、まっこと(本当に)感動した事があるがぜよ。


竹切口、発砲ウレタン樹脂


竹を割ったような性格等とも言う事もありますけんど、「パンッ」と知らない方だと驚くほどの大きな音をたてる事もある、そんな、竹を割れないようにするには?空洞の中に何か詰めて内側から割れを抑えこめば良いのではないかと考えた方は恐らく少なくないと思うのです。しかし、実際にやられた方は、あまり居なかったと思います。だから、この竹の事を知った時にはそのチャレンジ精神に感激したのです。長い歴史を誇る日本の竹の世界は、やはり凄いにゃあ。まだまだ、こんな方がおられるのだなあと心強く嬉しくなってきますぜよ。「割れ」をどうしたら良いのか、何とかならないのかと、本気で試行錯誤されてきた事が、ヒシヒシと伝わってくるがです。


近年の建物の中の環境は、エアコンなどの乾燥によって竹にとっては過酷そのもの。そんな中に果敢に挑むこの竹には、発砲ウレタン樹脂が詰めらちょります。室内装飾に多用する事を考えて、防火効果の高い難燃試験済みというのも素晴らしいがです。


竹釘


発砲ウレタン樹脂で、すでに割れにくく加工された竹に、さらに銘木などに見られる背割りを入れて、一定間隔で竹釘留めされちゅう念の入れように、竹のプロとしての仕事ぶりを感じるがです。この特別な竹材が、竹虎でどんな風に活用できるかは、まだ未知数ですが炭火で油抜きした竹肌の白竹は、やはり美しいですちや。真竹本来の生命力にあふれた力強さと、たくましさを感じるがです。もし、うまく一つの形に出来た時には、今までとは違う重厚感や雰囲気を感じさせる、ひとつの竹製品にできるのではないかと思うて楽しみにしちゅうがです。













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寸胴(寸筒)の油抜き

2015年3月30日

寸胴(寸筒)


竹は、ご存じのように中が空洞になっていて、一定間隔に節がありますので自然の竹そのままを切って筒にすれば立派な花入れが出来上がりますぞね。日本の華道というのは色々な流派があり、四季のある風土や日本人の感性で磨かれ今に至っちょりますが、想像するに一番最初の生け花の起源というのは、ただ切っただけの竹筒に花を入れたものだったように思います。


生け花は、それから時代を経るごとに進化を続けていますが、一番シンプルで簡素な形の竹筒は、寸胴などと呼ばれて現在でもお花の世界で広く使われているのです。自分の学生の頃などは華道人口も多かった事もあったのか、竹虎の店舗でもこの寸胴(寸筒)や二重切と言う花入れが二段になったものなど、大小様々なものが所狭しと並べられちょったのを覚えちゅうのです。


竹そのままを使う製品だけに大きく変化を付けられるのは竹素材です。そこで、真竹、胡麻竹、図面竹、煤竹と主だった竹は全員集合でしたぞね。中でも孟宗竹で作られたものが一番多かったです。節の間隔が狭く、末広がりになった根っ子に近い部分の意匠を活かし、特徴的で重厚な雰囲気を醸し出しちょりました。


虎竹の加工で、さんざん油抜きはするのですが、同じ火抜きにしても虎竹と孟宗竹は全く違うと感じる事がありましたぜよ。虎竹の場合はガスバーナーの火で一気に油抜きをしていきます。虎竹は身の薄い淡竹(はちく)なので、火が入りやすい事と表皮の虎模様の美しさを全面に出す事がほとんどで、身の部分を見せる竹細工にする事が、ほぼ無いのでそこまで気を使って油抜きをした事がなかったのです。


ところが身の厚い孟宗竹の寸胴の場合には、切り口の身の部分も製品の見せ所のひとつとなりますので、内側までじっくりと火力の弱い炭火で炙って油抜きしていくのです。この工程がかなり大事になってくる職人技の見せ所ぞね。どうしてかと言いますと、内側部分まで火がしっかり通っていないとこの大事な切り口部分に黒いラインとして残ってしまうからなのです。竹の身部分の乳白色のような綺麗な色に、うっすらとは言えども黒いシミのように見えてしまっては花活けは使いにいくのです。


火抜きの竹は、湯抜きの竹に比べて割れにくく、表皮の艶も全くちがい、光沢も素晴らしいものがあるのですが、炙りすぎてもこの竹表皮に焦げ目ができて製品として使えません。目で見ることのできない竹の内側まで火入れの状態を見極め、じっくり仕上げていく製竹の技術は隠れた職人芸ながです。













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プロの孟宗竹伐り

2015年3月23日

孟宗竹


竹細工になってしまうと、竹の軽やかさや、しなやかさなど竹の持つ素晴らしい特徴ばかりが出るものなので、素材としての竹にあまり関心を向ける方は少ないかも知れません。一度でも竹を伐った事のある方なら、その大変さは良くお分かりやと思うのですが、乾燥すれば体感だと3分の1くらいにも軽くなる竹材も、山に生えている竹はとにかく重く、伐り倒して山から運び出すのはまっこと重労働ですぞね。


先日にリニューアルしたばかりのワインクーラーは、そんな竹でも特別太いものばかりを選別しちょります。日本最大級の孟宗竹(もうそうだけ)という竹を使いますが、直径が太いだけでなく長さも20メートルを超えて、身も厚いのです。だいたい通常なら1本40キロくらいのものだと言われよります。ええ、そうです、これでも結構な太さと重さです。一人で肩に担いで歩ける方は、まずおりませんろう。しかし、竹ワインクーラーのような極太の竹になると更に重量があって、何と60キロ級のものまであるがです。


力持ちの皆様でも、これは結構手こずるかと思います。なにせ、ただ重いだけではないからですぞね。先端を切り飛ばしたとしても十数メートルもの長さがあるので、バランスを取るのが、こじゃんと(とても)難しいのです。実は竹には、ここを持てば楽々運べるというポイントがありますが、これは身体で覚えるしかないがぜよ。まるで肩の骨が折れたと思うくらい痛く、重たく感じる竹も、毎日やりよりますうちにごく自然に普通に歩くように、むしろ、肩に心地よいくらいに思えてくるきに、まっこと人の熟練度というのは面白いものながです。


近年、里山保全などと言われて、増えすぎた孟宗竹を伐採される団体がいくつかあるのです。このような竹林整備では長い竹のままでは運ぶ事ができず、動かしやすいサイズに短く伐られるのが普通かと思います。ところが、プロの竹伐りは違います。短くすると余計に運ぶ手間がかかると言われて、長いまま肩に軽々と担いで山を下っていくがです。小山のように青々とした孟宗竹が積み込まれちょります。一本、一本見ても、まるまる太っていて立派ぞね。これを、ご夫婦二人して、わずか2~3日で伐られると聞いて、まっこと驚くやら、感激するやら、隠された竹の技はまだまだここにも生きちゅうがです。













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心落ち着く竹の設え

2015年2月23日

竹柾割り


そのホテルのロビーに入っていくと美しい竹の設えに気付きますぞね。竹を縦に柾割りして、いつもの見慣れた竹とは違う竹の身部分の色合いや不規則に並ぶ竹節の面白さをデザインにしちゅうがです。そうそう、柾割りと言うても本当に割るとこんなに綺麗にできませんので、丁寧に竹を縦方向に切っていき、このような形にしちょります。


これを竹と気づかない人は、あまりいないと思いますが、もし、仮に竹と知らなくとも何となく心地のよい雰囲気であるとか、ゆったりとした和んだ空気感は感じていただけるのではないですろうか?まあ、自分などからしたらエアコンの年中効くロビー内で竹がどの程度ゆがみが出るとか、傷むのかとか、他の事が気になってチェックインで書き間違えたりもしたのですが...(笑)。


黒竹


コレと言って違うところの無いような家並みが続く道沿いに、黒竹という細い竹を並べた垣根が作られちょります。先ほどのホテルのロビーと同じく馴染みの竹林を思い出させるようで、ホッと安堵するような落ち着いた気持ちにさせてくれるがです。


「馴染みの竹林」と言いましたけんど、現代人に決して竹林は馴染みではないようです。もちろん大都会の真ん中に生活される方でも植栽に竹は多くなりましたし、近くの山々に沢山の竹林がある事はご存知ではあろうかと思います。けんど、遠くから眺める事はあっても竹林に入った事がないという方は意外に多いようですので、むしろ遠い存在となっているのかも知れませんぞね。


けんど、それなのに竹の造形をご覧になられた時、あるいは、先ほどのホテルさんなどは気づかないような細やかな所にも色々と竹をあしらい、お客様をもてなす心を感じましたが、もし竹と分からず、気づかずにいる方がおられたとしても、視覚から入る竹の優しさは必ず日本人の方には伝わると思うちょります。それだけ竹と日本人の付き合いは長く深いのです。いつも身近にあって、寄り添うてきたのが竹やと思うちょります。「竹冠」の付く漢字を数えてみたら119もありました。この多さは、その証のひとつですろう。そして、竹と知らずとも何とも言いようのない気持ち良さを感じるのも、その証のひとつだと思うのです。













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湯けむり、真竹も上機嫌

2015年2月13日

湯抜き釜


山の頂上の方は雪が積もって真っ白くなるような寒い日やったがです。曲がりくねった道の両側の木々は鬱蒼と生い茂っていて、日中というのにライトを点灯したくなるような箇所があるのです。開かれたカーブに差し掛かったところに小さな看板を見つけましたぞね。


「こんな所に竹屋さん...?」


九州でも大分県は良質の竹の多いところとして知られちょりますが、こんな山の中に竹屋さんとは一体何を製造されゆうがやろうか?


真竹


ちょうど一人の職人さんが真竹の油抜き加工をされゆう所でした。竹の油抜きには方法が二種類あって、虎竹のようにガスバーナーの火で抜く方法と、今回の竹屋さんのようにお湯を使ってする方法があるがぜよ。


湯抜きの道具


改めて湯抜きの釜を拝見させていただくと、ずっと向こうまで続いた長い構造という事が、一目でお分かりいただけるかと思うがです。こんな道具が立てかけられちょりますちや。竹虎では使っていなかったですがお湯をかき混ぜるのに使うようです。それぞれの工場に独自の道具があって面白いがです。


湯抜き釜


長い竹をそのまま切断することなく、お湯に入れられるようにとの工夫で長い長い釜です。竹虎でも湯抜きの際には竹の端材を燃やして使っていましたが、こちらでも同じように竹を燃料とされちょります。これだけ大きな釜だとお湯が温まるのに時間がかかりますので、朝4時、5時という時間から火入れせねばならず、なかなか大変でもあった湯抜きの朝を思い出すがですぞね。


真竹油抜き


湯抜き釜から竹を揚げる際には、ウエスで竹表皮を拭き上げながらの作業になります。お湯で温まって、ほんわかと湯気を立てながら上がってきたら、今度は一本、一本まるで人の垢すりのように綺麗に磨かれていく、こりゃあ、まっこと上機嫌のはずですろう。竹はこうやって時間と手間をかけて白竹になっていくがです。













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