竹ブローチの花畑

2020年2月 7日

  竹ブローチ


先日、虎竹の里にお越しいただきましたSilvia Furmanovichさんを30年ブログに掲載した時にもご紹介した色鮮やかな竹ブローチが一足早い花畑のように咲き乱れています。


竹ブローチ


ひとつひとつのブローチを見ると細い薄く取った竹ヒゴを組み合わせて弾力を活かした編み込みにしています。これらの竹細工は60年以上も前に考案されたもの、奇跡的に竹工場の倉庫から45年ぶりに見つかったいわゆるデッドストックの数々なのです。


竹ブローチ


当時は非常に人気があり様々な形の竹編みが作られ全国で販売されていました。営業開始から50年の年月を経た竹虎本店にも同じようなアクセサリーが竹バッグなどと共にズラリと並んでいたことを懐かしく思い出されます。しかし今でも古さを感じさせないのは流石に本物、スカーフを留めるのに使ってもオシャレです。


竹ブローチ


「技術の進んだ現代なのに、どうして新しく製造できないのですか?」とお客様にたずねられます。竹を大量生産できていた時代には熟練の内職さんが多くいて分業化も確立されていて、このような手業の逸品が比較的お手頃価格で作られていました。ところが現代は機械技術やテクノロジーは進んでいるものの手仕事はすっかり消え去ってしまい職人もいません。古き良き頃を伝える竹細工のひとつなのです。

















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竹の魅力、経年変色

2020年2月 3日

白竹経年変色


竹細工の魅力の一つに経年変色があります。竹と言っても色々ありますので今回は白竹(晒竹)の竹編みで長く使うほどに飴色となり風合いが増していく様をご覧いただきたいと思います。それぞれ同じ加工をした白竹の竹籠ではありますけれど、ひとつづつ微妙に色合いに違いがあるのがお分かりいただけますでしょうか?これが経年変色であり、元々真っ白い色合いだった盛籠が30年、40年の間にこのように変わってくるのです。


白竹経年変色


この盛籠の縁巻には籐が使われています。白竹と同じように籐自体もこれだけ色合いが深まる事が良く分かります。そして長い間のご愛用でこれだけ進化あるいは成長とも言える姿に変わった籠はもう手放すことができないのです。


マタタビ細工経年変色


もちろん、このような経年変色は竹だけではなく米研ぎざるとして人気の高いマタタビ細工でも見られます。編み上がったばかりのマタタビざるは白竹と同じように真っ白い地肌をしています、さすが雪深い東北地方の籠は色白だと思うのですが、それも長く使っているうちにこのような飴色へと変わります。


マタタビ米研ぎざる


もっと分かりやすいようにと思い近くから写真を撮ってみました、こうして並べてみますと一目瞭然です。


オーバーナイター


最近復刻した白竹持ち手付籠オーバーナイターが誕生したのは50年も前の事ですから古いものは随分と良い見栄えになっています。これからの若い方に、こんな美しい飴色になるまで使っていただきたいと思うのです。

















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青竹の香り

2019年12月30日

真竹四つ目籠、めかい


前回の30年ブログで孟宗竹で編んだ四つ目籠のお話しをさせてもらいましたが、日本全国で同じような形の籠は需要がありましたから真竹や淡竹、あるいは根曲竹、篠竹、スズ竹などでも編まれてきました。手にしているのは「目籠(メカイ)」と呼ばれる四つ目籠は真竹で作られています。孟宗に比べると持った時の感触にも弾力があって柔らかい印象を受けますけれど弱い訳ではありません。


真竹、苦竹


真竹特有のしなりがあり重たい物を入れても上手く籠全体で支えあうので高い耐久性を誇ります。このメカイには口部分に返しがあって中から物が飛び出すのを防ぐというスグレモノです。


虎竹新竹


「木六竹八」という言葉があって、竹は旧暦の8月頃が伐採時期という意味です。新暦で言いますと8月下旬から10月上旬ごろに当たっていて虎竹の伐採も10月から11月にかけて始まっていますので竹虎の工場には今年の新竹が入って来て活気づいていてきました。


竹ざる


同じように真竹も伐採したばかりの新竹を使って籠やざるが一番鮮やかに見える季節です。青縁巻も美しいワクワクするような今では珍しい4枚組のざるが編み上がってきました。


青竹の香り


こちらには今年最後の新製品、3本の小さな竹節の足がポイントの真竹茶櫃籠もあります。それにしても青竹の瑞々しい香り...大好きです。














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新登場の白竹蓋付き脱衣籠について

2019年11月12日

蓋付き脱衣籠


あまり見なくなったせいかハッと目にとまる四ツ目編み蓋付きの脱衣籠が新登場しました。近年、白竹の質も思わしくない中でよくこれだけ程度の揃った竹材を使って編み上げているなと言うのが第一印象です。


白竹蓋付き脱衣籠


衣装籠


美しい編み込み。軽くて手触りがやさしく、しなりがあって丈夫という竹ならではの使い心地のよさ。蓋付きでこれだけのサイズでありながら扱いも簡単です。


衣装籠


角物の竹籠で傷みやすい角の四隅はしっかりと籐巻で補強されています。


蓋付き脱衣籠


通気性のよい脱衣籠としてだけでなくお使いの方次第で色々と活用できる竹籠です。見た目にも清々しく涼しげ、季節はずれではありますが竹虎は竹しかありませんのでご容赦ください(笑)、しかし生活様式も大きく変わってきましたので白竹でも今は一年通してご愛用いただいています。


角脱衣カゴ


角物の脱衣籠といいますと今年のはじめから夏にかけて大量に用意させてもらった磨き衣装籠を思い出します。これだけの数を製作する事はなくなりましたので、この写真だけ見ていると昭和初期か?とさえ思ってしまうそうです。新登場した白竹蓋付き脱衣籠は当然沢山作る事はできません、ひとつ、ふたつお使いいただける方にお届けできればと思っています。













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竹四ツ目編みエビラ完成

2019年11月 4日

竹四ツ目編み


エビラ籠とは元々は養蚕農家が蚕棚として使っていた竹編みの平籠の事で、最盛期には今では考えられないくらいの数が使われていました。近くの河原に運んで洗っている様子を何かで見た覚えがありますが、小山のようなエビラの量に驚きました。だから蚕を飼わなくなった現在でも近所の農家さんに行けば必ず一枚や二枚は見つかるものです。


民族資料館の四ツ目エビラ


なので高知の歴史民俗資料館にも多数のエビラが保管されていて前々から気になっていた四ツ目編みエビラを来年に向けて復刻してみたいと思っています。四ツ目編みは網代編みに比べて更に通気性がよく梅干しや野菜干しには適しています、しかし何より古い四ツ目エビラの竹の枯れた風合いが、ずっと忘れられずにいたのです。


竹四ツ目編み


あの竹ヒゴが何度も何度も擦れて磨かれ艶のある光沢になるには一体何年愛用すればよいのだろう?そんな事思う間にすぐに四ツ目エビラは完成しました。


竹四ツ目編みエビラ


思った通りの出来映え、しかし新品の四ツ目エビラなど、もしかしたら日本にこれ一枚かも知れません(笑)。


竹四ツ目編みエビラ


竹四ツ目編みエビラ


木枠に入った青竹の四ツ目を見ると丈割を思い出します。丈割は壁竹とも木舞竹とも呼ばれている土壁の芯に使われていた竹材の事です。丈は10尺、つまり約3.03メートルの長さに割った竹の事で、竹虎では虎斑竹の中でも色付きが少なかったり、キズがあったりする二等以下の竹を使っていました。


温暖化の影響でしょうか?虎竹の色付きが今年もかなり良くありません。丈割の製造も二十年近く前には採算が合わなくなり止めています、二等以下の色付きの無い竹の加工が課題です。














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洗いぞうけ、伝統の竹細工の終焉に

2019年11月 1日

竹職人の工房


ボクは、ちょうどのタイミングでこの世に生まれて来させてもらった。何千年も続いてきた日本の竹文化、代々続く伝統の竹細工、その最後の瞬間に立ち会えるギリギリの時だ。


洗いぞうけ


たとえば、この洗いぞうけ。5尺3寸で編まれていた一升ぞうけより一回り小さく4尺3寸。高知で長い間作られてきた竹細工、何と孟宗竹と淡竹(はちく)で編まれた感激ものの逸品だ。


洗いそうけ


大量の注文に間に合わせるために、もう50年も前からカズラをやめて針金を使ってきた。細く取った竹ヒゴをこの地域では「ネギ」と呼ぶ、家族で営む竹細工は全国的に見ても材料作りは男の仕事だが、ここでもネギを作るのは男達、女衆は編みを担当する。


隣近所が集まって総出してのそうけ作り、材料の竹が運ばれて来た時の話が面白い。なんと一斉にくじ引き大会が始まるのだ。曲りや節間により選別された竹が一本一本並べられて上位に当たった者から好きな竹を使うことができる。素材で籠の出来映えも早さも決まるので想像するだけで職人たちの熱気が伝わってくる一大イベントだったに違いない。


竹籠、そうけ


孟宗竹の口巻は厚く強く、これだけ古くなった洗いぞうけでも抜群の存在感。この口巻の内側は「内縁」、外側は「そら縁」。


竹籠、そうけ


一般的には当縁と呼んでいるが、ここの古老たちは「ふで縁」と言っていた。どうしてふで縁なのか聞くと「ふでるから」、そんな土佐弁聞いた事もない(笑)。


竹籠、そうけ


虎竹も淡竹の仲間なので、どうしても淡竹の風合いには魅かれてしまう。現在、日本には淡竹を巧みに編み込む職人は二人しかいなくなったが、当時はこうして数十人の職人が淡竹と共に生きていたのだ。


竹籠、そうけ、米揚げざる


細い横編みの「ネギ」に対して幅広い縦編みの竹ヒゴは「タツ」。どの大きさのそうけにも籠中心部分の「タツ」には皮付が使われていて「皮タツ」と呼ばれていた。


竹籠、そうけ、米揚げざる


後の「タツ」は皮無の二番、三番、四番...と竹ヒゴが使われる。それにしても「ネギ」を近くで見ると丁寧な仕事ぶり、触ってみると指先に三角形に尖ったヒゴがしっかりと主張してくるようだ。


竹籠、そうけ、米揚げざる


3本の「皮タツ」を挟んで両側にが同じ本数だけ使われるので「タツ」の総数はいつも奇数になる。一升ぞうけには17本、この洗いぞうけには13本の「タツ」が入っている。


竹籠、そうけ、米揚げざる


ボクは、ちょうどのタイミングでこの世に生まれて来させてもらった。こんなそうけが30個一括りになって山のような竹籠達が出荷されていた時代。男達が女達が村全体で竹に向き合っていた残り香だけでも感じられるのは幸せなのだ。














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青物細工、竹籠、竹ざる着々

2019年10月30日

国産竹ざる、サツマ、竹虎四代目(山岸義浩)


青物細工は竹を油抜きすることなく竹素材そのままで籠やザルに編んでいきます。竹の旬がよくなってきて少しづつ来年に向けての製品ができつつあります。

 
青物籠


竹の青さが鮮やかに残っているだけでなく、まだ瑞々しさも残る籠たちが沢山あると部屋の中が心地のよい竹の香りに包まれます。最盛期の仕事場に行くと屋外でも分かるくらいに香り立つ天然のフレグランスも青竹の色合いと同じですぐに飛んで消えていきますので竹人だけの楽しみかも知れません。


竹ざる、サツマ製造


高知は昔から竹細工では有名な地域でしたので鹿児島など日本最大の竹林面積を誇る県との結びつきも古く地元では「サツマ(薩摩)」と呼ばれる竹ざるが編まれています。


籐巻六ツ目かご


竹籠


四ツ目エビラ


実は来年に向けて製作したいものがあって試作の四ツ目平編みが一枚手元にあります。別に新しいものではりあません先人が毎日の暮らしの中で使っていたものを復刻してみたいと思ったのです。すぐに出来るかと思いますのでお楽しみに。
















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古き良き時代の竹アクセサリーたち

2019年10月 9日

竹ネックレス、首飾り


細くとった竹ヒゴで大小ふたつの大きさの玉を編んで繋げた竹ネックレスには白竹、染め竹の二種類があるのです。若い世代の皆様には新しくモダンに見えるかも知れませんが、これらは今では製作される事のなくなった40年以上前の竹細工なのです。


竹ネックレス、首飾り


大きな倉庫の片隅に置かれたまま忘れ去られていたものが、偶然発見されたタイムカプセルのように現れて見る者を驚かせています。


竹ネックレス、首飾り


古き良き時代の日本ではこんな美しく実用的なアクセサリーまでもが作られていたのを思い出します。


竹ネックレス


竹ネックレスの良いところは見た目のやさしさ、身に着けた時の軽やかさです。


竹レトロショルダーバッグ


竹編みのネックレスの他にも当時はこのように太い竹身を球形や楕円形に削りだして制作する製品は数多くありました。


竹レトロショルダーバッグ


先日、竹ポシェットを掲載させてもらいましたけれど大量に作る同じ竹素材から其々バッグであったり、アクセサリーであったりおよそ考えられる身の周りの物は、この竹ビーズで作られていたように思います。


竹アクセサリー


長い竹が水を吸い上げる維管束という細かい孔が、アクセサリーに加工した時にも面白い模様となって現れます。


竹ペンダント


実は竹ネックレスやペンダントなど装飾品は、女性の好みが多用ですから種類が多くてまだまだご紹介できていないものもあるのです。


竹アクセサリー


全て国産、手作り、当時を偲ばせる技術力の高さと竹がバリバリ元気だった頃を反映してか作り手の心意気を感じるものが多いのです。今では到底できるものではない竹製品はこうした内職さんたちに支えられていました。
















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45年の月日を経てレトロな竹ショルダーバッグ、竹ポシェット

2019年9月28日

竹ショルダーバッグ


古い倉庫から奇跡的に発見されたレトロバッグを色々とご紹介させてもらっています。型崩れを防ぐために中に入れられている詰め物には今からちょうど45年前の新聞が使われていましたが、その当時に多くの女性方に支持されていたバッグたちなのです。


竹レトロショルダーバッグ


自分もハッキリ覚えています、竹虎本店が開店したのは1970年(昭和45年)ですから店内にはこのようなショルダーバッグ、ハンドバッグ、クラッチバッグなどがズラリと並べられていました。


竹レトロポシェット


観光バスでやって来られたお客様がバッグの前で黒山の人だかりです、当時はバッグだけでなくベルトなどもありましたしネックレス、ブローチといったアクセサリー類も竹製のものが驚くほど沢山のバリエーションだったように思い出します。


竹レトロポシェット、竹ビーズ


そんな多くの竹製品のひとつに竹ポシェットもありました。ラグビーボールのような形に削られた竹の中心には穴が開けられていて紐で繋げてバッグに作り上げています。


竹レトロポシェット


昔の製品がこのような良い状態でそのまま目の前にあるとは、本当にタイムスリップした気分でする


竹レトロポシェット


自分達にしてみれば懐かしく見慣れた品のひとつでも多くの方は存在すら知らず新しい感覚で竹を見ていただけるかも知れません。海外で作られたものならいざ知らず、40年、50年前に日本の竹で日本の職人たちが生み出しお母さんやお婆さんの世代が愛用した竹なのです。













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続・60年、感動の箕作り職人

2019年9月23日

カズラ箕


型や出来映え全てにおいて非の打ちどころのない箕ではあります。ただ、だからこそ只一つだけ気になる所がありました。最後の仕上げの縁巻にビニール系の紐を使用しているのです。


重ねた箕


もちろん大量に製造していますので切れることがなく管理を容易で扱いやすいビニール系の紐を使うのは無理はありません。これ程の竹細工なら最後の仕上げまで昔からそうであったようにカズラで縛るのが一番ですが、そもそもカズラのような山の素材を集める職人がいなくなりました。


竹箕職人


しかし、この箕を見れば見る程に残念でなりません。そこで竹虎の袖垣に使用している四万十カズラで縁巻をお願いする事にしたのです。


四万十カズラ


職人さんはカズラの質をとても気にしています、今まであまり良い素材を使った事がなかったのかも知れません。あまり太いと使えませんし、均一の太さで質がよくないと細工の途中で切れて仕事にならないのです。竹虎のカズラは風通しのより天井裏に数年寝かしてあり格子を縛らねばならない自社製品にも問題なく使用しているので箕の細工には絶対使えるはずだと自信はありました。


カズラ箕


カズラの質が良かったせいか、予定の倍の数が編み上がりましたが、やはり箕はこうでないといけません。最後の竹製箕らしい最高の品の完成です。













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