今年も竹を十分に伐採しているので、竹ざるの製作をドンドンと進めている。高知は比較的真竹が少なく、良質の孟宗竹が身近に豊富だったため、普通なら真竹を使う竹細工にも昔から孟宗竹を使ってきた。伝統を繋いでいきたいと言う思いで編む竹ざるなので、竹虎でも時期によっては真竹や淡竹も使用する事があるけれど主に孟宗竹を使うようにしている。
古老の熟練職人は、まったく無駄のない流れるような手さばきで次々と竹ざるを編み上げていた。暮らしや農作業に竹製品が欠かせなかった当時からの仕事ぶりは、今の竹職人のそれとは一線を画している。まさに生きるための気迫に満ちたモノ作りだ。
さて、そんな竹ざるも人の生活に合わせてサイズが違ってきているのをご存知だろうか?少し前の竹ざるでご説明すると、例えば大小2種類のサイズがあれば、(大)が直径90センチ、(小)が直径60センチが定番だったように思う。ところが、いつくらいだろうか?家族の人数も少なくなり、お使いいただく皆様も一戸建てからマンションでのご使用も普通となってからは、(大)が直径60センチ、(小)が直径40センチと、いつの間にかダウンサイズざせている。
まあ、60センチの竹ざるを40センチに小さくする程度なら、実はあまり問題はない。しかし、直径25センチくらいの米研ぎざるを半分近い13センチにするとなると、かなり難しい。これだけ美しい横編みの竹ざるに仕上げられる職人は皆無と言っていい。
また、今度は反対に先に出た60センチの網代編み竹ざるを、倍の120センチサイズにするとなると、これはも至難の業。ご覧のように直径が倍だと大きさはこんなになるのだから、何となく困難さも想像できるのではないだろうか?只今開催中のクラウドファンディング「よさこい祭りの地方車を土佐の虎竹で!創業130周年記念の地元盛り上げプロジェクト」では、二人乗り小型EVで製作したモノが何倍もの4tトラックになる。はじめてのチャレンジで予想もつかないけれど、どうか応援よろしくお願いいたします!
クラウドファンディングで竹虎を応援する
→ 「よさこい祭りの地方車を土佐の虎竹で!地元盛り上げプロジェクト」
最近はクラウドファンディングの話題ばかりだが、それだけ昨日から始まった「よさこい祭りの地方車を土佐の虎竹で!創業130周年記念の地元盛り上げプロジェクト」にも思いを入れ込んでいる。何せ、4tもある大きな車体を虎竹で製作していくのだ。そして、高知市内に設けられた9カ所の競演場と7カ所の演舞場で乱舞するのは200チーム、18000名!チームの数だけ地方車もあるから、その中でどうやって虎竹らしさを出していくのか考えどころだ。
須崎は天然の良港に恵まれて、新鮮な魚が美味しい土地柄だ、近年そんな地域性を活かした飲食施設や、ギャラリーなどが出現し、少しづつ賑わいのある町づくりに動いている最中でもある。
港まで真っ直ぐなメイン通りには、須崎シンボル・ゲート(須崎百寿門)も造られた。
須崎の港には、何と100種類以上の魚が水揚げされるそうだ。それほど多い様々な種類がいるとは驚きだが、海の幸が豊かな証に違いない。新しくできた須崎のサカナ本舗は、季節により魚種が次々と入れ替わっていくようなので行くたびに楽しみがあるのではないだろうか。
こうして、変わりつつある須崎の町に、またもう一つ元気の起爆剤としてよさこいがあるのだろうと思っている。
いよいよ本日の正午から、クラウドファンディング「よさこい祭りの地方車を土佐の虎竹で!創業130周年記念の地元盛り上げプロジェクト」がスタートする。自分たちの創業の節目でもあり、地域への感謝の気持ちも込めて、地元と一緒に作り上げていく企画を是非応援くださりますよう何卒よろしくお願いいたします!
「よさこい祭りの地方車を土佐の虎竹で!創業130周年記念の地元盛り上げプロジェクト」
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随分前の事だけれど、東京である大きな会合に参加させて頂いていた時、ステージでよさこいの演舞が突然始まった。円卓から眺めている方々が、踊り子が手にした鳴子を見て「あれは、北海道土産だ」と話しているのを聞いて驚いた事がある。確かに、北海道のYOSAKOIソーランで人気となり全国200カ所以上で踊られるようになっているけれど、よさこいは正真正銘、この高知が発祥の地であり本場であり、聖地とも呼ばれているのだ。
そんな、高知のよさこいを高知の竹で盛り上げたい。クラウドファンディングのリターンも、よさこい祭りならではのモノを揃えている。たとえば、一番のオススメ!追手筋本部競演場を虎竹地方車の煽り台に乗って本場よさこいを体感できる、なんて言うものがある。地方車の煽り台から聖地よさこい祭りを観ることのできる機会は、ほとんどないので本当に貴重で忘れられない体験ができると思う。
どんな、地方車になるのか?どんな、よさこい祭りになるのか?今のところ全く見えていないけれど、全国からの温かい応援に力を頂いて熱い夏を迎えたい。
よさこい祭りは衣装も華麗で見どころのひとつ、年々進化しているから楽しみにされているファンの方も多いのではないだろうか。今年、よさこいチーム「すさき ~真実(まっこと)~」さんが新調の衣装は、須崎市青木町にオープンされているホホ衣類さんが担当すると言うので拝見させてもらった。
歌舞伎をモチーフにした明るい衣装、お揃いの帽子とパンツが出来あがりつつある。昨年の衣装も良いが、今年はガラリと雰囲気の違う感じだ、踊り子が100人揃えば壮観だろうと思う。
テーマは「暁」、衣装を着たら、こんなイメージだそうだ。
特徴的な帯を見せてもらう、ご覧いただくと何か思い出さないだろうか?
実は、汽車の線路だそうだ。何を隠そう高知県で汽車が初めて走ったのは高知市内ではない、須崎駅から日下駅までが今からちょうど100年前に開通した。今年は、そんな節目の年でもあるからデザインに活かされている。
須崎と言えば「鍋焼ラーメン」がすっかりB級グルメとして定着した、お店には、そんなお洒落なバッグも置かれている。
衣装も音楽も地方車も一新して臨む今年のよさこい踊り。地方車も、皆様の応援をいただきながら進めていきたい。
いよいよ明日スタート!クラウドファンディング
「よさこい祭りの地方車を土佐の虎竹で!創業130周年記念の地元盛り上げプロジェクト」
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連休も明けて、明後日の9日(木)正午からはじまる「よさこい祭りの地方車を土佐の虎竹で!創業130周年記念の地元盛り上げプロジェクト」がいよいよ迫ってきた感じだ。朝早くから起き出して、使用する虎竹を選別していたが、今から焦ってもどうなるものでもない(笑)。しかし、考えれば、考えるほど今度のよさこい祭りの地方車は、大きな4tトラックの荷台に製作していくので簡単な事ではないように思えてくる。
今までの小型のEVなどと大きく異なる所は、二階建てとなっている構造と、数名のメンバーや踊り子が上にのって激しく動いても大丈夫なように頑丈に作らねばならないという点だ。なので、単管(鉄パイプ)を使い、ガッチリとした骨組みを仕上げた上に、虎竹を使い製作していく形になると思う。まず、耐久性が必要なので、この基礎の部分には既に9年間も出場経験があり、地方車を毎年作られてきた「すさき ~真実(まっこと)~」さんにお力添えいただく事になっている。
そして、問題はそれからだ。今のところデザインや構想等、まったくゼロの状態だが、今回のよさこい祭りは踊り子はもちろん、音楽、踊り、衣装、そして地方車までオール須崎で繋がり作り上げていく。日本いや世界でも類を見ない虎斑竹と、虎竹文化は地元須崎の自然が生み出し、土佐藩政時代から続いてきた伝統が育んできたものだ。須崎らしい、虎竹の里ならではの地方車にせねばならない。
「お前、また何やってんねん!?」
初代の宇三郎曾祖父は言うだろうか。でもね、大阪天王寺から外国のように遠かった土佐まで竹を求めて来て、見知らぬ土地で苦労した人だ。100年前、小舟から初めて降り立った虎竹の里の浜から見上げた虎竹が、地方車になって地元の踊り子を盛り上げる。きっと喜んでくれているに違いない。
須崎市は人口減少で2万人ちょっとと少し寂しい地域になりつつある。だからこそ、自分達の創業130周年という長きに渡りお世話になってきた地元須崎に、恩返しの気持ちも込めて元気づけて盛り上げられるような、最高の地方車にできればと思っています。頼りは、この竹と職人と、そして皆様の応援です。何卒よろしくお願いいたします。
「よさこい祭りの地方車を土佐の虎竹で!創業130周年記念の地元盛り上げプロジェクト」
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世界竹会議台湾から2週間ほど経って振り返ってみても、やはり台湾には竹文化が色濃く残り生き続けている感がある。日本でも見られるような竹細工がある一方で、非常に革新的な作品であったり、逆に素朴な伝統的な竹製品であったり、竹工芸の種類も多く裾野が広いのは、きっとそのせいだろうと思う。
今回の世界竹会議では、新竹の国立陽明交通大学から南投県の国立台湾工芸研究センターに会場を移して開催されたと以前の30ブログでもお話したが、ここはまさに竹の本場であり、竹のメッカだ。それだけに、この地域では頻繁に竹のワークショップが開催されていると聞いた。若い竹芸士の皆さんが、若い参加者の方に手ほどきされているのが印象的だ。
和気あいあいと開かれているワークショップでは、竹籠から竹の玩具まで色々な竹細工を体験する事ができるそだが、このようなグループが複数あると言うから、竹に親しむ機会は日本とは比べられないほど多いように感じる。
高名な竹アーティストであり、様々な大型の竹インスタレーションを創作され続けている徐暋盛さんは、今年は辰年なので竹の龍を製作された。このような竹の作品が生まれる台湾は本当に楽しい。
竹ドラゴンの動く様子 → 竹ドラゴンの舞?
そして、古老の竹職人さんとも繋がり、技が継承されてるのは素晴らしい事だ。行政の違いなどあるかも知れないが、結局竹のへの親しみの気持ちではないかと思う。
台中市繊維工芸博物館での台湾国際竹芸フォーラムなどでも、熱心に聴講いただく沢山の皆様から、竹への関心度の高さをヒシヒシと感じた。数年前に中国安吉県で教えてもらった「可使食无肉、不可使居无竹(食事で肉がないのは許せるが、暮らしに竹がないのは許せない)」という言葉を思い出した。
さて、今日は高知の真夏の祭典よさこい踊りだ。竹虎四代目とよさこいは少し遠いような気がするかも知れないけれど、何を隠そうボクは、明徳中学一年生の時から大学、社会人とずっと、よさこいを踊り続けて来た。学生時代は幹事として盛り上げてきて、南国土佐らしい熱く燃える祭りが大好きで、好きすぎて、よさこいが終わってしまって来年まで待たねばならないのが、どうもやるせ無くて仕方なかった。ここは、お祭り好きの方には共感いただける方も多いのではないだろうか(笑)。終わらない祭り・よさこい、一年中踊れるよさこいをずっと見つけたいと熱望していて、それがふと足元にいつもあった日本唯一の虎竹だったのだ。
よさこい祭りとは全く関係がないように見えて、いつもボクだけのよさこいを踊っているようなものだ。だから、高知から横浜まで、11日間かけて1000キロ走破した日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」、メキシコのハラパの町でも走り、先日の世界竹会議では台湾でも走ってきた。そんな虎竹製EVしかり、スペインの坂道レースや準優勝させてもらった東京よみうりランドでのレッドブルボックスカートレースで活躍したREIWA-125号などは、もしかしたら今度の「よさこい地方車」へ続く道程だっかのかも知れないとも思う。
竹虎は、今年ので創業130年の節目を迎える。高知県須崎市でしか成育しない不思議な竹を求めて、戦後に大阪天王寺から現在の虎竹の里に本社を移してから、ずっと地元にお世話になってきた恩返しの気持ちも込めたいと思っている。そこで、須崎唯一のよさこいチーム「すさき ~真実(まっこと)~」さんと力を合わせて、虎竹を使ったよさこい地方車を製作しようと考えた。あの大きな4tトラックを、虎竹を使いどうやって製作していくのか?今のところ全く決まっていない。
けれど、地域の元気と笑顔を見るために集まった100名の踊り子と一緒に頑張りたい。費用もかなり掛かりそうなので、クラウドファンディングを5/9日(木)正午からスタートさせる予定だ。この30年ブログ「竹虎四代目がゆく!」をご覧の皆様には、是非よろしければ、よさこい祭りの地方車を土佐の虎竹で!創業130周年記念の地元盛り上げプロジェクトにアクセスして「公開したらメールでお知らせ」ボタンを是非ポチリとお願いします!そして、クラファン開始したら温かな応援をいただけると嬉しいです(笑)。虎竹地方車の煽り台から、よさこいを鑑賞できるなど、今回限りの超レアなリターンも用意させていただいています。
ところで、「タイガーポーズ」とは何だろうか?写真を撮る時には手持ち無沙汰になってしまって自然とポーズをするようになったが、ただ単純に竹虎だからタイガポーズだ。
台湾で開催された世界竹会議では、竹トラッカーと虎竹アーマーが人気で沢山の方と写真を撮らせていただいた。
今回は30カ国の国と地域から、竹に魅せられた多くの方が参加されている。
竹と言えば日本や中国、韓国、そして今度の開催地台湾などが印象的だが、もちろん東南アジア全域に広がっているし、南アメリカやアフリカなど赤道直下の国々に成育している。
載せきれないので、まとめてみた。皆様、本当にありがとうございました。
第12回世界竹会議台湾は無事に閉幕した、国立陽明交通大学特設コースでの虎竹EV「竹トラッカー」の走行もトラブルなく終える事ができた。そして、帰国のため台北港まで運んでもらう大型トラックが最終日夕刻には積み込みのために会場にやってきた。
ところが、トラブルは最後の最後にやって来た。搬入時に使用した木製台座に竹トラッカーを載せようとしていたが、狭いトラック荷台の上では手押しでは、なかなか丁度の位置に着ける事ができない。そこで、自分がエンジンをかけて載せる事にした。
竹トラッカーをバックさせながら、慎重に台座にはピッタリと載せていく。ああ、もう大丈夫と思ったところで急に「ガタンッ!」と右タイヤが沈み込んだ!台座の板が折れて大きな穴が開いたのだ!
顔が青ざめた、このままでは帰国できないのではないか?台座の床板は薄すぎるとは思わないけれど、小型とは言え重量のある竹トラッカーだ、もっと丈夫な板材を使うべきだったかも知れない。
とにかく、異国での不測の事態は何ともしようがない。ドライバーさんとあれこれやっていたが、穴を塞がないと何ともしようがないのだ。辺りは、いつの間にかすっかり暗くなっていた。
結局、この場では台座に載せることはできないので、このままトラック荷台に竹トラッカーを固定して倉庫まで運んでもらう事にした。これは、竹虎本社から神戸港など国内輸送する時と同じ要領なので安心だ。
倉庫に帰ってから、壊れた台座を板で補強した後に改めて竹トラッカーを載せてもらう事にした。3日間、沢山の方に声援いただいた疲れを取りながら日本に帰って来てもらいたい。
今回の第12回世界竹会議台湾は、新竹の国立陽明交通大学で3日間の日程の後、会場を竹の本場である南投県、国立台湾工芸研究センターに移して開催された。こちらには、ちょうど10年前にお伺いした事があったのだが強烈な印象に残っていた竹編みソファが素晴らしい経年変色をしていて感動した。
感動の竹編みソファのお話しは改めてさせていただく事にして、今日は国立台湾工芸研究センターから車で30分程度走った所にある台中市繊維工芸博物館にお招きいただいた台湾国際竹芸フォーラムのお話しをしたい。
台湾の竹工芸のレジェンドであり、日本の人間国宝にあたる重要伝統芸術保持者であられる李栄烈先生、盛志華台湾竹美術館館長の徐暋盛さん、台湾竹工芸の竹彫り師である施さんとご一緒させていただいた。
主催が国立統一大学研究開発室イノベーションインキュベーションセンターと言うところで、もしかしたら学生さんが多いのかと思っていたが、ほとんどか一般の方たちばかりで台湾の皆様の竹への関心の高さを感じた。共催が台中市文化局、台湾竹工芸協会というのも竹産業が盛んな証だろうかと思ったりした。
講演では、自分達の地域資源として江戸時代から続く虎竹文化の話を中心に、日本の竹細工、竹製品をお伝えするつもりだった。
ところが、前日に国立台湾工芸研究センターで出会った竹職人さんと、10年ぶりに再会した竹ソファに感激してしまって講演を半分やりかえる事にした。
これは亀の甲羅のような形が独特な亀甲竹という竹だ。左右の色合いの違いは日本の古民家にあった囲炉裏の煙によって色づいたものである。台湾のような暖かな地域では、あまりご存知ないのではないかと思って用意していたが、竹の経年変色の価値について重点を置いてお話しする事にした。
ちょっとしたトラブルもあって、PCが変わるとパワーポイントの動画が動かない(笑)。仕方がないので後で竹虎のYouTubeチャンネルをご覧くださいとお願いした。「竹虎YouTubeチャンネル知っていますか?」そんな問いかけに、本当に多くの方が挙手いただき驚いた!
竹の経年変色の美しさは万国共通ではないだろうか?
パネルディスカッションでは、話しながら自分達の課題が見えてくる。
竹虎なのでタイガーポーズをいつもお願いしています(笑)今回は一体何度このようなポーズをとったろうか...。機会があればまとめてみたい。