沖縄と言えばジンディール、そして世界遺産今帰仁城の石垣

2018年7月 6日

津嘉山寛喜さん、竹虎四代目(山岸義浩)


沖縄で印象に残るのはジンディールと呼ばれる竹籠。沖縄と高知が似ているというお話しをさせてもらっていますが、使われる竹は高知ではシンニョウチクとも呼ばれ良く見られる株立ちの竹、蓬莱竹なのです。


蓬莱竹のバーキ


温かい地域を好む南方系の蓬莱竹は、孟宗竹や真竹のように根が広がらない株立ちなので昔から土地の境界線として、あるいは川岸の護岸のためにも広く使われてきました。沖縄でバーキと呼ぶ籠を編むのは津嘉山寛喜さん、蓬莱竹細工が残っているのは素材が身近にある西日本でも沖縄と高知だけ。


ジンディール


ジンディールは、銭(ジン)と籠(ディール)、つまり釣り銭などを入れるための籠として発達してきました。子供の頃の八百屋さん、魚屋さんには釣り銭用の竹籠が吊り提げられていた事を覚えておられますでしょうか?屋根のある店舗にあった竹籠は、普通の米研ぎざるのような形をしたものを吊るしてありましたが、このジンディールは露店で使われてきた籠なので紙幣が風で飛ばされないように口をしぼめたツボ型の編み方になっているのです。


蓬莱竹の蓋付籠


高知にも蓬莱竹の伝統はわずかに残るものの、さすがに津嘉山さんのように代々続いて父親の籠が手元にあるような職人さんはいません。


古い蓬莱竹の籠


昔から作られてきた籠の歴史は古い製品を見れば分かりますが、面白いのは口巻が全てエビ止めなのです。土佐網代の伝統の籠も素材は真竹や淡竹など違っていることもありますがエビ止めでした、やはり沖縄と高知、繋がりは深いと感じます。


今帰仁城


さて、今回は世界遺産にもなっていて美しい石垣の残る今帰仁城まで足を延ばします。


沖縄、今帰仁城の石垣


何を隠そう石垣ファンの自分は時間があれば有名、無名問わず城跡を訪ねる事が多いのです。


沖縄、今帰仁城の石垣


石垣に興味が沸くようになったのは仕事で出かける山深い土地で木々に隠された古い石垣を見つけた事がきっかけです。このような急峻で人里から遠い場所を耕作されていたのか?と驚いて、先人の苦労に思いを馳せたのが最初でした。


お城の石垣は比べようもなく大きく大規模です、今帰仁城の石垣は曲線のある沖縄独特のものでありながら野面積み(のづらづみ)。自然の石をそのまま使って、これだけ美しい石積みを作り上げるとは感動します!他では見たことがありません。しかし、どんな勇壮な石垣であっても全ては最初のひとつから、自分への戒めでもあります。





このブログを書いた後、ショッキングなニュースが飛び込んできました。あの素晴らしい今帰仁城の石垣が台風の大雨で崩れたというのです。たまたま観ていたテレビには、親切にあれこれと石垣についてお話しいただいた職員の方が残念そうな表情で写っていました。自分がお伺いした日は楽園のように美しい景色の広がる城跡でした、あの光景が一日も早く元通りになる事を心からお祈りしています。














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糖質ダイエットを断念したパン籠

2018年6月30日

真竹楕円パン籠


あきらめました。2年間続けていた糖質ダイエットで大好きなパンを出来るだけ控えていて、ずっと食べずにいたのですが...。新しい竹パン籠にのせたパンがあまりに美味しそうなので、つい手がでてしまったのです。


人気の料理屋さんが食器にまでこだわるのは、器によってその料理が何倍も美味しく見えたりするからだと思います。水でもペットボトルで出されるのと、ガラスのピッチャーに入れられているのでは全く違います。


パンも同じです、恐らく普通の籠に並んでいるだけなら食指がここまでは動かないと思うのですが、この竹籠に入れられるとフランスの街角で洒落たガラスケースに並べられていたパンのように美味しく見えたのです。


パンかご


これが罪作りな竹籠たち、何でも無いような楕円籠ですがこの編み込みは熟練の職人ならではです。生活の籠というのは基本的に一つではありません。同じ竹籠を複数使われる事が多いので一つでは見えてこないものが、何個か揃って初めて見えてくる景色があります。














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35年生、飴色手提げ籠バック

2018年5月15日

白竹八ツ目手提げかご


竹はこれだから手放せないのです。35年前から母が愛用しているものです、もちろん最初は白竹の真っ白い色合いでした。この艶やかさ、色合い、新品の 白竹八ツ目手提げかごと見比べて頂きますとご存じない方は驚かれる事間違いありせん。


この違いは職人が手を加えて染めているのではありません。とても人では、こんな微妙な深みのある染めはできないのです。


白竹八ツ目手提げかご


「時間職人」が染めた色合い。母の使う手提げ籠ですが他にも竹籠は色々持っていますので毎日使うでもありません。時には、こうして片方の持ち手を引っ掛けて片方の持ち手は内側に仕舞って物入れにしていたこともありました。


白竹八ツ目手提げかご


軽く、丈夫、多少の雨でも平気です、と良い事ばかりお話ししていますが自然の竹なので使い方が悪ければヘソを曲げて壊れる事もありますし、放っておけば虫が喰うこともあります。


けれども竹の良いところは悪くなった部分を修繕して又同じように使える事です。古い竹と、新しくやり替えた竹では色合いが違ったりしますが、それすら良い味わいとなります。もっと沢山の方が、竹を日常使いするようになれば素敵だといつも思っています。













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「我に七難八苦を与えたまえ」日本の運動会に竹籠カムバック!?

2018年5月 8日

玉入れ籠製造


竹を知らない世代に竹に触れてもらう事を考えた時に、学校の玉入れ競技の籠を思い出しました。自分達の世代では当然竹編みの籠を使うのが身近でありましたし代替品もなかったので軽く丈夫な竹籠が全国的に使われていました。ところが近年そうでない事を知って、日本中の運動会の玉入れ競技の籠を竹籠にカムバックさせるという壮大な夢を見て「全国玉入れ籠プロジェクト」が静かに、ひっそりと(笑)始まりました。


今の日本の竹細工での問題点のひとつがスピードです。熟練職人が少なくなり、簡単に思えるこのような竹籠でも製作できる所はそんなに多くありません。もちろん製作だけならば多くの職人ができますが、量産する事ができないのです。


玉入れ籠製造


多少の量はできるという場合でも、今度は価格面でつまづきます。製作に時間がかかり過ぎて安価にできません。運動会の時期が年に2回で、その時にだけ注文が集中するという商品特性もマイナス要因です。編んだ籠は最長で半年間も倉庫で広い場所を取って保管しておかねばなりません。


配送面では玉入れ籠のサイズがネックです。ほとんど空気を運んでいただくような状態ですが、梱包の箱サイズは最大ですので昨年からの全国的な運送費の値上がりで更に厳しい状況となりました。


玉入れ籠製造


それでも玉入れ籠をお求めいただく多くは購入予算の決まっている幼稚園、小中高校など教育機関です。良いモノをより安価に提供できないと結局使って頂く事が出来なくなり、必要とされなくなるしかないのです。


地元の小中学校などに何個か編むだけなら何とでもなりますが、全国の運動会を対象に考えるとなると、このような取り組みは自分達にしか出来ないだろう(日本で、こんな事に関心のある方もいない)と思い10年近くやってきました。


武将、竹虎四代目


しかし、ここ数年は製造だけでなく山の職人の減少が加速していますので、ますます大変になってきています。技術的、経済的、そして社会的な課題が加わった三重苦の中で竹林が近くにあり竹の伐採から搬出、加工、製造、販売と、山の原竹からエンドユーザーまで自社で管理できる竹虎ならではの挑戦は一体いつまで続けられるのか?


「我に七難八苦を与えたまえ」の武将・山中鹿介の気分です。













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頼れるスズ竹市場籠で、楽しいピクニック

2018年5月 3日

スズ竹市場かご


スズ竹市場籠はプロの料理人や板前さんも買い出しに使っていて、大事な食材を運ぶ信頼の丈夫さと使いやすさで評判の手提げ籠です。なのでスーパーや市場などへのお買い物に多用されているお客様はおられますが、それだけではもったいないのです。


スズ竹市場かご


竹の中でも抜群の強靭さを誇るスズ竹で網代編みされた市場かごは、収納力と堅牢性を兼ね備えたスグレモノです。たとえばピクニックなど遊びの場面でも、アレコレ余分な物まで入れられるゆとりのサイズと、その重さをしっかりと支える本体、少しぐらいの事では傷んだことのない持ち手は大活躍します。


スズ竹市場籠でピクニック


今日から4連休という方も多いと思います。天気の良い日には家にいるのはもったいないです、外に出て5月の風を感じてください。どんな荷物にも対応する信頼のスズ竹市場籠がお供しますぞね。
















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40年ぶりの新発売、土佐網代

2018年4月26日

土佐網代丸手提げ籠


「土佐網代(あじろ)」などと言っても高知に暮らす誰一人として分からないと思います。そもそも、このようなエビ止めの竹籠が高知で編まれていたのは40年以上も前の事、当時の事を知る方も居られません。土佐の竹職人が編んでいたから「土佐網代」と名付けられた名前は、この竹籠が編まれる事が無くなった後からの事なのです。


土佐網代丸手提げ籠


昔は水切り籠として製作される事が多かったようですが今回は手提げ籠として使えるように実用的な丈夫な持ち手を付けています。美しい形と色合い竹表皮を薄く剥いだ竹ヒゴで編まれた若々しい表情は一年、二年と時間が経つうちに色合いが深まります。


土佐網代丸手提げ籠口巻


口巻きに特徴のある地元の籠です、生活道具として沢山作られていたはずですので身近にもっとあっても良いようにも感じていますが、思うほどは残っていないのは暮らしの籠の宿命かも知れません。


土佐網代丸手提げ籠底部分


この丸手提げ籠最大の特徴は、名前の由来でもある底編みの網代にあります。菊底編みで同じような竹籠はありましたが、知る人が誰もいなくなり、かって高知でこの竹籠が編まれて県外に運ばれて行った歴史を知ってもらいたいと思いましたので、少し時間がかかりましたが昔と同じ作りで復刻したかったのです。実に40年ぶりの新発売となります。













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腰に小さな魚籠ひとつ

2018年4月18日

  180412004.jpg


職人が、あめご釣り用に大事にしていた魚籠は、かなり色合いも良くなっていますが同じような形でありながら数段小さく編んだ魚籠があるので比べてみると大きさがこんなにも違います。作られたのも更に古く、昔の竹籠特有の赤茶けた色合いになっているのです。


魚籠、竹虎四代目(山岸義浩、YOSHIHIRO YAMAGISHI)


この小さな魚籠の後ろには20センチ程度の竹ヘラのようなものが縛り付けられていて籠と同じように渋い風合いに変色しています。この竹ヘラの部分が便利なのです、腰籠として使いたい場合にはベルト等に差し込むだけなのです。あまりに簡単ですので籠を落としてしまうのでは?と思われる方も、どうかご安心ください。こうして差し込めば、めったな事では落ちませんし落とせばすぐに察知できるのです。


竹虎四代目(山岸義浩、YOSHIHIRO YAMAGISHI)


腰に装着するとこんな感じになります。釣りの時にも活躍するのでしょうが、小物入れとして日常使いもできそうです。そういえば、ちょうどスマホサイズ。これは格好が良いぜよ!スマホ籠など誰も持っていません。













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珍しいスズ竹背負い籠

2018年4月 6日

スズ竹背負い籠


スズ竹の背負い籠というのは、かなり珍しいものではないかと思います。細い竹ですので編まれるのは市場籠や椀籠の他にはザルや弁当箱など小さな竹細工が中心なのです。少し前までは行李なども編まれていましたが今では職人さんの高齢化と共に製造される事は少なくなっています。


スズ竹


しかし考えてみれば、これだけしなやかさと丈夫さを兼ね備えたスズ竹です。大きな竹籠にしてこそ本来の力を発揮できますので、背負い籠のような重たい荷物を運ぶ用途に使われるのはごく当たり前の事なのです。


スズ竹二重編み背負い籠


触った感じの質感も、背負ってみた重量感でもゴザ目編みだけでも堅牢この上ない籠だと思うのですが、更にこの籠は二重編みときています。竹ヒゴを三本ならべて六ツ目編みで籠全体を包み込んでいます。 


スズ竹二重編み背負い籠


底部分もこの通り、本当に長く使うために強く、強くと考えられて完成した形。ハチ巻のようにも見えるのは、丸底の籠を置いた時の安定感があるように付けられたスズ竹製の足なのです。













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今では土用干しに活躍する、古いエビラについて

2018年4月 4日

エビラ


小学校の頃、蚕を飼っていました。そう言うとペットか何かかと思われそうですが確か実験か何かではなかったでしょうか。平らなお菓子の箱を使い、ベットの下に置いて食欲旺盛な蚕の姿を観察していたのを覚えています。土用干しに梅干しを並べるエビラ籠は元々この蚕を飼うための道具でした、平らな竹編みの上に沢山の蚕とエサになる桑の葉をのせて蚕棚に並べていたのです。


エビラ


このエビラも県内で古くから使われて来たものです。随分前のものらしいのですが竹編みはしっかりしていて、まだまだ現役で使えそうな渋い味わいを醸し出しています。


竹虎四代目


昔使っていたエビラは今では野菜干しなどに活用されていますが、農家の方に聞くと結構な数が残っていると言います、さすが高知です。さて、そんな中で珍しい蚕が繭を作る際に使う道具がありました。呼び名を聞くのを忘れましたが木材をくり抜いて作られた土台を何と一閑張りして仕上げています。


竹ざる、タイの繭づくり


蚕は家の中でも一番温かで良い場所で飼われていたそうですが一閑張りまでするとは当時それだけ大事にされていたのだと知ることができますぞね。


そういえばタイに竹を見にいった時にも蚕の繭をつくる道具を拝見しました。丸い大きな竹笊に仕切りがつけられていました、国によって様々なのですが竹が多用される事だけは共通なのです。













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土佐網代(とさあじろ)の籠をお楽しみに

2018年3月29日

えび止め口巻


磨きの竹籠の楽しみは何と言っても時間の経過と共に深まる色合いです。香り立つような青々とした竹ヒゴで編み上がったばかりの籠というも清々しい感じがして大好きなのですが本当の意味で竹を使う、竹を愛でるという事ならば使うごとに飴色に育っていく竹籠の姿を楽しみたいのです。


竹籠、買い物籠


今年編まれたばかりの籠と数年前のものでは色合いがこれだけ違ってきますので同じ編み方、形、大きさでも全く見栄えが違うのがお分かりいただけるかと思います。


土佐網代買い物籠


まだ試作の段階です。楕円形なのか丸型なのか少し詰めてから、竹材の事なども考慮しつつ持ち手の太さや形を決めて近日には皆様にご紹介できるようにしたいのです。


土佐網代


まず最初に目立つ特徴は口巻のエビ止めと、飛びゴザ目の編み込みではないかと思います。しかし真骨頂は「土佐網代」と呼ばれる底編みにあります、見た目が同じような竹籠でも菊底編みになっている籠とは違いルーツは高知の昔ながらの竹細工にある伝統の籠です。


土佐網代とは地元高知で言われていた名称ではなく、この編み方に感動して技を習得された県外の方が畏敬の念をこめて名づけた呼び名です。この籠が大量に編まれて流通していた40年以上前には、職人さんの父親や祖父が作るのを見よう見真似で覚えて当たり前のように編んでいた籠だから改めて名前など付ける必要もなかったのです。


このような竹籠が土佐の籠として製作さていた事を知る人は今では誰もいなくなりました。古い籠は自分も、たまたま納屋に残されていた一点を持っているのみ。だから、どうしてもこの底編みで形にしたいと思っています。













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