シダ籠、二重編みの秘密

2019年7月25日

シダ編み籠


シダ編み籠と言うと温泉場の脱衣場で見かけるようなザックリ粗目に編まれた脱衣籠がほとんどです。自然素材でこれほど高い耐水性のある素材はそうありません、編組細工に使うとなるとシダ以上のものは見当たりませんのでお風呂場や台所など水回りでは昔から愛用されてきました。


しかし、この卵型のシダ籠の素晴らしさの秘密は持った時にズシリと感じる重量感に隠されていました。実は何と二重編みになっていて尖った素材の端部分が外側はもちろん、内側にもどこにも出てはません。


シダ編み手付き籠


シダは撥水性のある硬さと丈夫さを持つ反面、切断面は指に刺さるくらいですので編み込みの処理は非常に大事なのです。ねじった持ち手付のシダ編み籠など、恐らくご覧になられた事もない方が多いかと思いますが、そのあたりのシダヒゴの仕舞はしっかりされています。


シダ小籠


ワラビ籠とも呼ばれることのあるシダ細工は、素材集めによって編まれる籠の種類やサイズが決まってしまう難しい細工です。大きな籠が編みたくても、その日の山に太いシダがなければ、このような小振りな籠しか編むことができません。


シダ編み足付籠


昔はシダ籠がもっと一般的な製品でしたので染色された物も多く、このように足付のシダ籠も編まれていました。時代は令和へと進んでいますが、手仕事は昭和40年、50年辺りまでのものが今よりずっと多彩で先進的だったのです。














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別誂え市松模様の胡桃手提げピクニック籠

2019年7月12日

胡桃手提げ籠バッグ


胡桃は山葡萄などと並んで手提げ籠に多用されている素材です。以前はヒゴ幅も概ね同じの単色な籠しかなかったものが近年随分とファッション性の高い編み方が目につくようになっています。この胡桃を使って底が広くモノを出し入れしやすいピクニック籠を製作してもらいました。


胡桃手提げ籠バッグ素材


そもそも、この色違いの市松模様がどうなってるのか?と言いますと胡桃の樹皮の色の違いを利用しています。樹皮の表皮はこのように明るい色合いなのです。


胡桃材


樹皮の裏側は、このように渋い木肌の色です。昔はこのような色合いの籠が多かったので「胡桃の籠=渋い」印象があります、もちろんこの色目でも十分に格好が良いのです。


胡桃手提げ籠バッグ


現代では使い勝手と共に見た目の華やかさや個性も大切なので、このような市松模様であったり、ヒゴ幅を極端に太く取った籠も編まれています。


胡桃手提げ籠バッグ.jpg


このように四角形で底の広い安定感のある籠は昔から好きです。休日を自然の中に過ごす時などは特に心まで解き放つことができそうな胡桃籠です。














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柿渋と漆、新しい一閑張り角手提げ籠

2019年7月11日

一閑張買い物籠


一閑張とは竹編み素地に和紙を貼りつけて柿渋や漆を塗布して仕上げる細工の事で、防水性、堅牢性が高まり長くご愛用いただけるようになります。日本はモノを大切に手直ししながら愛用する文化でした、一閑張の細工にもたとえ壊れた部分が出来たとしても穴の空いた障子に和紙を貼って修復するかのように元通りにしてきましたので修復性も抜群の細工と言えます。


一閑張竹編み素地


長く使ってボロボロになった竹籠に和紙を貼って真新しい道具が出来あがります。ひとつの役割を終えた竹に新たな命を吹き込むような一閑張職人の仕事を横目で見ていた頃から国産竹で四ツ目編みされるこのような手提げ籠を作りたいと思っていました。少し無骨なくらいの素地の表情を和紙の下に作りって、竹と編みの存在感を出したかったのです。


一閑張買い物籠


細い竹ヒゴの網代編みとは違う、少し広めの竹ヒゴと粗目の編みが前面に出た一閑張り手提げ籠となりました。


一閑張買い物籠(漆)


落ち着いた風合いが好みです、なのでいつも竹虎の一閑張は柿渋で仕上げるものばかり。ただ今回は下地が違うので、どんな風になるのか試作的に漆仕上げで数個製作してみました。表面の輝くような色艶、ツルツルするような手触り、漆に塗り固めなれた硬さ、軽く叩くとコンコンと心地のよい音が響きます。同じ形の小さな手提げ籠ですがこんなに雰囲気の違う籠になりました。














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サステナブル(Sustainable)竹籠

2019年6月10日

根曲竹籠


壊れた竹籠が持ち込まれてきました。根曲竹という丈夫さが自慢の竹で編まれた籠ですけれど、やはり十数年手近で愛用していれば何処か傷んでくるものです。

今回は2つの籠の持ち手部分が壊れていましたが手直しするとどうでしょうか?一体何処を修理したのかと思うほど全く分からないように元どおりの籠としてお使いいただけます。


根曲竹手付き籠


サステナブル(Sustainable)と言う言葉をよく耳にするようになりました。本来の意味は「維持できる」ですが、近年は世界規模で起こっている環境問題を解消に向かうための持続可能な生産などを指して使われています。竹は継続利用可能な唯一の天然資源という事から自分達は1985年から21世紀は竹の時代と言い続けてきました。


竹は、わずか3ヶ月で親竹と同じ大きさに成長する神秘の植物として注目されています。昨年参加させていただいた世界竹会議などにも50カ国もの国と地域から沢山の方が集い熱い議論が交わされているほどです。しかし、日本ではずっと昔から暮らしの中で無駄なく大切に使われてきたのです。


一閑張買い物籠


一閑張という技法も竹籠を長く大事に使いたいという発想から生まれました。編み込みが破れて穴の空いた竹籠に和紙を張りつけ、柿渋や漆で塗って補強したのがその始まりです。サステナブル(Sustainable)と言えば目新しく感じてしまいますが、日本人の生活は竹と共にありずっと持続可能だったことを忘れてはいけません。













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丸籐と皮籐の手提げ籠バッグ

2019年6月 8日

籐手提げ籠バッグ作り


表皮を剥いだ丸籐手提げ籠バッグが作られています。籐を水に浸けて柔らかくして編んでいきますので色が少し濃く見えますが乾燥させたらナチュラルな白色の籠が出来あがるのです。


白あけび手提げ籠バッグ


アケビ蔓も職人によっては表皮を剥いで使う事があります。お湯で煮て皮を剥いだ後に米のとぎ汁に3日間も浸け込んだ白あけびは籐素材にも良く似ています。


籐バッグ


籐バッグには丸籐で編むものと、薄く剥いだ籐皮で編むものがあります。


籐盛り籠


この大きなサイズの籐盛り皿をご覧いただきますと分かりやすいかも知れません。縁をグルグル巻いているのが籐皮、内側の編み込は細い丸籐を使っています。
















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右巻、左巻の竹籠

2019年6月 5日

淡竹籠


右巻、左巻と言っても誰も気にする人はいないだろうと思います。たとえ竹籠の口巻きの方向がどうであれ、使う方にとっても丈夫で快適でさえあれば問題ないのです。


真竹小籠


日本で編まれる大方の竹籠は右巻です。これは右効きの人が多いためなのですが、このような小さな籠であっても。


魚籠


川蟹やイダなどを入れた大きな魚籠であっても。


磨きの竹籠


竹表皮を薄く剥いだオブジェに使っている磨きの籠であっても。


籠


農作業に使われる籠も。


温泉籠


野菜を入れる手付きの青物も、多くは右巻です。


竹虎本店


竹虎本店を一回りしても圧倒的に右巻ばかり。そんな中やはり日本は広い、地方によっては左巻でばかり編まれる竹細工もあるのです。


篠竹ざる


昔ならいざ知らず、今となっては右も左もあまり関係ないので若い職人さんの中には左巻で作る方もおられます。しかし、知りたいのは伝統的に左巻を継承し続けている竹の事。


この竹籠もそうですし、一番最初の画像の籠は左巻×淡竹(はちく)というレアさ、しびれます。













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白あけび、200年

2019年5月25日

白あけび籠バッグ


白あけび手提げ籠バッグには特有の存在感があって、初めて手にする人も魅了されてしまいそうです。あのコゲ茶色の蔓が、このような色合いになる手間のかかる蔓の加工のお話しを昨日の30年ブログでしましたけれど驚くのはこれからです。


白あけび200年


これは普通のアケビ籠ではありません。今まで持ったことのないような細い蔓を丁寧に編み込まれているのを見るだけで熟練の技を感じてしまいますが、実は何と200年前に作られた白あけびなのです。


白あけび200年


出来あがったばかりの白アケビと見比べても、にわかには信じられないような経年変化に手にとっていつまでも眺めてしまいます。通常のアケビ籠は数十年使ったものでも山葡萄などに比べれば色合いの違いというのが際立つことはありません。しかし、これはどうしょう?百年単位という時間の長さにも驚きながら、やはり自然素材の底力をまた教えてもらったような気持ちです。


白あけび200年


ズシリと感じる籠の迫力、代々受け継がれてきた技の誇りに大柄な職人さんが一段と大きく見えました。













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白いアケビの手提げ籠バッグ

2019年5月24日

白あけび籠バッグ


白いアケビをご存じでしょうか?知らない方がこの籠バッグを見たら何と言うでしょうか?蔓の太さや風合いはアケビに似ているけれど色が全く違う、籐とも違う...これは一体何...?と驚かれることかと思います。


白あけび籠バッグ倉庫


白あけび籠バッグの秘密は、この薄暗い倉庫の中にあるのでしょうか?職人さんが自ら山に入り編む籠によって伐採してきた自然素材が山積みされています。


山葡萄素材


材料が少ないと言われていても昔からしっかり生産されている職人さんの所には、どこを訪ねてみても良質の山葡萄蔓が沢山保管されています。輸入の葡萄が増えたと嘆きながらも先祖代々の森の恵みの色合いは最高だと胸を張ります。


アケビ籠


納屋には長年使って歪んでしまった格好の良い大きなアケビ籠がつるされています。古くとも口巻の丁寧さから手技の技術を伺い知る事ができました。


あけび素材


普通にある、あけび蔓というのはこのような濃い茶色をしているものです。


白あけび籠バッグ素材


ところが、この白あけびの場合には、この蔓に手間をかけワンランク上の上品さを兼ね備えた手提げに仕上げていくのです。まず、あけびの蔓を一日かけて煮ていき表皮の皮が軟らかくなった所で一本づつの皮を剥いでいくといいます。そして、それから米のとぎ汁に3日浸け込んでこの独特の白い質感をもったアケビ蔓が完成するのです。














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磨き竹衣装籠の奇跡

2019年5月15日

磨き竹衣装籠


磨き細工とは竹の表皮を薄く剥いだ竹ヒゴを使って編み上げる竹細工のことなのです。竹材は沢山必要とするし手間もかかるものの竹は表皮に近いほど維管束と呼ばれる繊維が密集していて強く耐久性があります、また磨きをかけることによって長く使うほど愛着のわいてくる色艶の深まりが早いのも特徴です。


竹脱衣籠


スズ竹や柳で編まれた行李が山の様に積み上げられた写真を見ることがありますが全て白黒の時代のもの。職人が沢山いた当時ならこのような衣装籠もそれほど珍しくなかったかも知れませんけれど今では貴重品。しかも日頃は大、中、小の三個セットで編まれているので奇跡と呼びたくなります。


磨き竹衣装籠


近年ないような量の竹を伐採したと職人が笑います。ところが数ヶ月かけて揃った籠も実はまだ半分、製作はこれからも続きます。籠達が飴色に色付く頃には時間を作って様子を見に行きたい...まあ、いつの事になるでしょうか。













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スズ竹市場籠籐持ち手の修理

2019年5月 2日

スズ竹市場籠


この大型連休には各地で面白いイベントや青空市場が開催されています。高知では長い歴史を誇る日曜市が県外の皆様にも有名ですが、今度の5日(こどもの日)の人出はゴールデンウィークでもあり最高ではないかと思います。何を買うでもなくブラブラ見て歩くだけで本当に楽しい日曜市、そんな時の心強い相棒と言えば、かっての築地市場で板前さんにも愛されたスズ竹市場籠です。


スズ竹市場籠籐持ち手


近年は職人の高齢化で人気だった籐の持ち手は竹虎でも実に6年前から廃版状態。久しぶりに修理に戻ってきた籠は懐かしくもあり、いい色合いに育っているのを拝見して嬉しくもありました。竹籠の中でも最強クラスの丈夫さの市場籠だけあって持ち手の紐がこのように切れているのに、スズ竹の本体は何とも無いのはさすがです。


スズ竹市場籠籐持ち手


籐の持ち手は通常の市場籠よりも手間がかかりますので今ではあまり製造されていません。たまたま久しぶりに編み上がった籐巻を眺めていますが美しいものです。


スズ竹市場籠籐持ち手


そして、それを愛用された持ち手は更に美しく渋くなっています。自然素材ならではの経年変化は長くお使いいただく場合の大きな楽しみです。


スズ竹市場籠


今回、真新しく修理させてもらった籐持ち手は違和感がありますが、また使っていくうちに馴染んでいきます。













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