新しいコンビニ用マイバッグ!?

 
虎竹花籠バッグ、竹虎四代目(山岸義浩)


この職人は腕がいい、持ち手の巻きがまるで違います。元々は花籠として編んだものですが、軽く染めた虎竹の色合いが何とも美しくないでしょうか?ネジリ編みになっているのも面白い。そこで、これはオトシを取ってちょっとした買い物に使ってみたいと考えました。スーパーでガッツリ食材など買うのであれば市場籠や、いつもの白竹八ツ目角籠バックが必要ですが、コンビニくらいなら十分使えるかも。


虎竹コンビニ用マイバッグ、竹虎四代目(山岸義浩)


さて、さっそく試してみよう!今日は昼ご飯を食べるタイミングを逸してしまい、こんな夕方の時間になったのでオニギリかサンドイッチでも...500ミリリットルのお茶も1本なら余裕で入る...思い立って辺りをぐるりと四方八方見渡してみても、コンビニなど何処にもないので苦笑い。


ところで、この竹籠に使われている日本唯一の虎竹もこうして一本づつ選別して加工された竹です。




お茶農家さんの竹籠

 
茶農家の竹籠


昔ながらのお茶農家さんには大きく美しい竹籠が残っていることが多いのですが、ここにある籠も見事です。年期を感じる赤茶けた竹肌、一体何十年働いてきたのか?人が日焼けするように磨きの竹細工も日当たりが良いとこのように強く濃く色合いが変化します。このような籠が沢山編まれて使われていた当時には籠でもザルでも他の農家さんの物と間違えないように大きく墨で名前や屋号が書かれていましたけれど、これも例外ではありません。


茶摘み籠


いい籠はシルエットも綺麗です。別に綺麗に見栄え良く編まれたものではないのに使い勝手や機能性を考えていったら、このような秀逸な竹細工になったのです。


茶摘み籠力竹


働き者の竹籠は底が違います。それぞれの四隅中央に竹節を持ってきた力竹、二重、三重に竹で押さえて堅牢そのものの作りに竹職人の「これで、どうだ」という呟きが聞こえそうです。


茶農家の竹籠


縁巻


縁巻は竹表皮を薄く剥いだ磨きの竹ヒゴで丁寧に巻かれていて、かなりの腕前なのが分かります。一番最初の画像の口巻を抑える縦の竹ヒゴは白っぽく色合いが対照的、これが表皮を剥いだ時と残した場合の色合いの違いです。それにしてもお茶農家といえば茶葉を干すための大きな竹ざるがあった沢渡の茶畑を思い出します。来月には新茶のシーズンなので、あれから早くも一年という事です。




小さな虎竹手付き籠

 
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虎竹手付きミニ籠バック


昨日は真竹の手提げ籠バッグのお話でしたけれど、同じ竹でも全く違う色合いの虎竹の手付き籠です。こうして見ると普通にお買い物にいけるほどの大きさかと思われますが実は手の平にのるほどのミニサイズ。


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虎竹手付きミニ籠バック


昭和の時代にはお母さんのお買い物に定番だった楕円形の虎竹買い物籠がそのまま小さくした愛着のある形。スマホやお部屋の鍵など身近な小物入れにしていただきたいと思って製作している竹細工です。


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虎竹手付きミニ籠バック


沢山編み上がった虎竹の籠たちを見ながら考えます。この虎竹たちも前日のYouTube動画で大人気となっている日本唯一の虎竹の山出しでご覧いただけますように一本一本を急峻な竹林で伐採し、束にして細い山道を里までゴトゴトと下ろしてきた竹で出来ています。山の職人の汗も染み込んだ竹細工なのです。




赤茶色の飯籠

 
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自分の小さい頃には、まだ使われていた飯籠は持ち手がついて軒先に吊るせるようになっています。赤茶けた色合いが美しいので前からずっと手元に置いてある籠が一つあるのですが、現在竹虎でご紹介させて頂いているような小さな物ではなくて尺3といって約39センチくらいの大きさがあり炊いたご飯が一升くらいは入られるのではないでしょうか。家族の人数が少なくなるにつれて、このような大きさの竹籠は不要となり電化製品の進歩と共に籠は姿を消してしまったのです。


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大きなサイズの飯籠は編まれる事もなくなりましたけれど、今回久しぶりに瑞々しさの香りたつような青竹を手にすると度々お話させていただく経年変色についてお伝えせずにはいられません(笑)。ご存じない方は、きっと赤っぽい竹と青い竹があって其々の色合いの特徴を活かして作られているのだろう...とか、色のバリエーションのために赤茶に染めているのだろう...と思われるかも知れません。


飯籠


ところが、この赤茶色に輝く色合いは年期の入った証。数十年前は、この青い竹籠と同じ色合いだったのです。にわかに信じられないでしょうか?けれど、これが竹細工の魅力のひとつ、使うほどに色合いが変化し、風合いが増していき愛着が深まっていく竹の良さです。お一人様でお使いいただくような小さな飯籠も長い月日の内に段々とまるで成長するかのように変色してきます。




惚れ惚れ根曲竹の一点もの籠

 
根曲竹脱衣籠


根曲竹は竹という名前が付いているものの笹の仲間で千島笹(チシマザサ)と呼ばれたりもします。ただ、やはり笹という優しいイメージとは少しかけ離れたところがあって大きなものだと3メートル以上のものもあり、冬場には雪に埋もれて鍛われるという材質は堅牢そのものです。熊が出るような山深い竹林に分け入って根曲竹を伐採する様子をYouTube動画でご紹介していますので興味のある方はご覧ください。




爆竹を鳴らし、笛や大音量のラジオを携帯しながらの竹伐採には少し驚きます(笑)。虎竹が広い日本の中でも、虎竹の里にしかないように別の地域には全く違う竹文化があって面白いのです。


根曲竹籠


思えば世界に約1300種もの竹の仲間がありますけれど、何と狭いと思われている日本には半分近い約600種もの竹が成育しています。これぞ南北に長く多様性豊かな日本列島の自然だと思います。


根曲竹買い物籠


そこで培われて生まれてきた竹細工だから魅力的です。この八ツ目根曲竹手提げ籠バッグも白竹の八ツ目にはない野武士のような表情がたまりません。前に動画でご紹介させて頂いた一点づつしかない根曲竹の籠たちを改めて見直してみても惚れ惚れします。




土佐の「いごっそう」白竹手提げ籠

 
白竹手提げ籠バッグ、竹虎四代目(山岸義浩)


たまには路線バスに乗るのもいい。自分でハンドルをにぎって何度も通ったことのある道なのに、目線が高いせいか?大きなエンジン音に揺られるせいか?まるで違う場所を走ってるようだ。見た事もないような景色が続いていると思いながら県境まで来た。


白竹手提げ籠バッグ、竹虎四代目(山岸義浩)


バス停に降りるのも、乗るのも一人、静かな山間の集落に白竹手提げ籠と共に。土佐の「いごっそう」は、肥後「もっこす」、津軽「じょっぱり」と並んで日本三大頑固と言われるが、そんな気質で編み上げた。自分を主張して譲らない、こびない大きさが気に入っている。


忘れ去られた里山の逸品、シダ編み籠

 
シダ盛り皿、竹虎四代目(山岸義浩)


里山に出かけると、どこにでも見かける植物のひとつにシダがあります。しかし、このシダが防水性、防湿性に優れ昔から台所やお風呂場で活躍してきた籠の素材と知る人がどれだけいるでしょうか?


シダ編み籠


艶々とした美しいシダ編み籠、まるで硬質のプラスチックのような素材感は使うほどに味わい深く変色し、何十年と長くご愛用頂けるのです。


シダ加工製造


シダ材は、まず専用釜で2時間程度煮たてます。こうして柔らかくなったシダ材を更に手で入念にしごいて、しなりと粘りのある素材にしていくのです。


シダ籠職人


熱湯処理した後、乾燥しないように保存した材料を1~2週間の間に籠に使いきりますが、なぜかと言いますとその期間を過ぎると硬くなって籠に編めなくなってしまうのです。丈夫で美しいシダ編み籠ですが製作にはこんな苦労があり、少しメゴ笹洗濯籠と似たところがあって、あまり沢山作ることができないのです。


シダ編みかご


今回は定番の丸型の籠の他に小ぶりで使い勝手の良さそうな楕円形の籠がいくつか編み上がっています。


シダ鍋敷


籠の底編みは何本ものシダの茎をかさねて交差させた丸いレコードと呼ばれています、これを応用して鍋敷きに作っています。


シダ材


使う材料はコシダです、オオシダは粘りがなく折れてしまいます。一度熱湯処理したシダ材は徐々に硬くなって使えなくなるのですが、再度熱湯処理すれば柔らかくなるものの、やはりこのように折れやすい素材になると言います。


シダ籠


このシダ籠の色合いはあまり一般的には見られないものです。熱湯処理した直後からシダの色合いは薄くなり、編み上げてから日光に当てることによって濃いツヤのある色合いになります。そしてその後は皆様のご愛用いただく具合により深みを増していきます。




古老が編む磨きの竹手提げ籠バッグ

 
真竹磨き縦ヒゴ手提げ籠バッグ


竹表皮を薄く剥いだ竹細工は「磨き」と呼ばれています。伐採してきた青々とした真竹を一本そのまま大きなUの字形の磨き包丁で磨いていく場合もあるし、細い竹ひごにしてから磨いていく場合もあります。


磨き細工の竹端材


室内の工房で磨きの仕事をしていると、一歩部屋に足を踏み入れただけで青竹の瑞々しい香りにむせこんでしまうほどです。


竹職人


けれど竹細工70年というキャリアの職人の仕事場は庭の軒先、暖かな日差しが差し込んで来くるタイミングが始業のベルが鳴るようなものです(笑)。


青竹細工


愛犬が気持ちよさように居眠りする横で手仕事は黙々と続きます。


竹籠バッグ、竹虎四代目(山岸義浩)


こうして編まれた磨きの手提げ籠バッグ、縦に何本も入れられた幅広の竹ヒゴが特徴的です。最近はこのような籠はあまり見かけませんので自分用に一つ手元においてあって、そろそろ一年越える頃です。早くもこのような青みがかった色合いは上品なベージュ色に成長しています。




メゴ笹洗濯籠人生のスタート

 
メゴ笹手付き籠


高知では「メゴ」とよばれて古くから親しまれて来たメゴ笹籠、実はこの竹の枝に戎神社の酉の市にクマデや百両小判など縁起物と阿亀の面をつけて販売されていた事から阿亀笹(おかめざさ)と言う方が名前が通っています。取り付けたクマデがお金をかき集めてくれて商売繁盛や福を招く福笹として知られていますので、この手付きのメゴ笹洗濯籠もラッキーアイテムかも知れません(笑)。


地域にもよりますけれど11月~3月あたりまでが一番適した伐採時期で、この青々としたメゴ笹が見られるのもそう長くはない期間なのです。これくらいの色合いの籠だと持った時の感触も少しズシリとした感じです、色抜けが早く、すぐに乾燥してしまうメゴ笹は伐採して5日間しか竹材として使えない生鮮食品のような素材。


メゴ笹手付き籠


暫く置いておくとこのような落ち着いた上品なベージュ色に変わってきます。これくらいの色合いになると青々とした籠と比べると重さも半分になっています、軽くなると同時に編み込みがギュッと硬く締まるから使い勝手は最高なのです。地味な見栄えになるから...という方もおられますが、それは大間違い。メゴ笹洗濯籠は、このような色合いになってからが籠人生の始まりなんです。これから十年、二十年、三十年と歳を重ねて益々いい色合いに育っていきます。




賞味期限5日!幻と言われた洗濯籠

 
メゴ笹洗濯籠


メゴ笹(オカメザサ・神楽笹)洗濯籠の編みあがりは、いつ見ても美しいものです。冬から春にかけての新竹でしか編まれる事がなく、色合いもすぐに落ち着いた色目に変わりますのでこれも風物詩のひとつと言えます。


メゴ笹洗濯籠


さっき「新竹」と言いましたがメゴ笹はオカメ笹、神楽笹など笹と名前はつきますものの立派な竹の仲間です。最小の種類の竹ですが籠に編むのには物凄くやっかいな性格があって何と伐採してから5日以内に編まないと硬くなってしまいます。竹特有の弾力性やしなりのある素材なのに瑞々しさがなくなると途端に弾力を失い折れやすくなって美しく編めなくなるのです。


メゴ笹洗濯籠


つまり、賞味期限5日!これは職人にとったらなかりのハードルの高さです。虎竹のように素材を保管しておいて一年通して選びながら使っていくという事ができません。時間との闘いと話す職人もいますけれど、この扱いの難しさが高知県などでは素材は身近にあるものの「幻」となっていた所以です。


メゴ笹縦長物入れ籠


メゴ笹特大皿鉢籠


それでも籠に編めれば細い丸竹そのままで使われているだけにケバ立ちもなく防水性の高い優れた性質を持ちます。このようなクズ入れにしてもよいですし、豪快な土佐料理を思い起こさせるような皿鉢のような籠まで素材の太さによって何種類か編み分けられるようになっています。