「かるい」という背負い籠

 
背負い籠かるい


独特の形状をしていて一度でも見たなら忘れられないような背負い籠「かるい」には、今でも時々問い合わせがある。背負い籠といえば少しでも沢山の荷物が入れられるように丸型であっても角型であっても寸胴の形をしているのが普通だと思っていたので、初めて出会った時には驚いた。竹ヒゴが立っているのか?編み方もユニークだし、口部分こそ広がっているものの、底になるに従って狭くなる籠など使い勝手も良くなさそうだと感じた。


背負い籠、かるい


ところが、この形状には理由があって宮崎の急峻な山岳地域で発達した「かるい」は、平地だと立てて置くことはできないが斜面だと威力を発揮する。反対に安定して置く事ができるし、背負う場合にもとても楽なのである。山深い土地で使われるため、いたずらに厚みをつけて大きくすることもなく、木立の多い山中でも使いやすいように、何とその昔は使う人の肩幅に合わせて編まれていたと言う。竹籠のオーダーメイド、家族の人数に合わせて作られていた米研ぎざるや、茶碗籠と同じではないか。かるい作りの名人・飯干さんに会いたくなった。


虎竹赤染革手提げ籠バッグ

 
虎竹赤染革手提げ籠バッグ


新しく仲間入りした虎竹赤染革手提げ籠バッグがある。虎竹の色づきは自然の意匠なので実に様々だ、最近「バンブーロス」という言葉を使うようになったけれど、虎模様の少ない虎竹にもしっかりと活躍できる場を用意したいと考えた時に、染めという技法はひとつの解決になる。


虎竹手提げ籠バッグ


特徴的なのは染めだけでなく持ち手部分にある。今までの手提げ籠は丸籐を使う事が定番であった、丈夫で持ちやすい秀逸な素材だ。籐は竹細工で唯一海外から輸入されている部材だが、近年は良品が少なくなって来た、特に竹籠バッグ用になるような太くて頃合いの籐が少なくなっている。


虎竹赤染革手提げ籠バッグ持ち手


これには少し困ったと一瞬戸惑ったけれど、籐持ち手ばかりでなく新しい革持ち手にチャレンジできて、結果的には面白い買い物籠に仕上がった。


虎竹赤染革手提げ籠バッグ底編み


虎竹赤染革手提げ籠バッグ


編み込み、底部分のあしらいや四隅の籐かがり、口巻など、ずっと虎竹と向き合い続けてきた熟練の技を見ると親しみが沸いてくる。昔から変わらない、しっかり編まれた籠が新しい定番となれば良いと思っている。


虎竹赤染革手提げ籠バッグ、竹虎四代目(山岸義浩)




背負い籠と飯干名人

 
背負い籠と竹虎四代目(山岸義浩)


最近、とんと食指の動くような背負い籠に出会っていない。実は全く需要がないという訳でもないのだが、他の竹細工に比べると圧倒的に少ないので特に凝ったものほど編まれる事がなくなった。自分の肩に引っ掛けた背負い籠をご覧いただきたい、利便性を考えた縦長タイプだが単調に見えないのは竹ヒゴ幅を変えて作られているからだ。竹表皮を薄く剥いだ磨きで口巻しているので、その部分だけ色合いが早く変色していて最初から狙っていたかのようなワンポイントとなっていて格好がすこぶるイイ。見るからに丈夫そうな丸みを帯びた力竹が底部分を補強しているのも堪らない。


背負い籠かるいのミニサイズ


秀逸な背負い籠として忘れてはいけないのが独特の形をした「かるい」だ。しかし、思えば芸術的な竹籠を産み出す技を持っておられた名人のあの方でさえ、時代の流れ中で必ずしも思い通りの竹編みを続けられなかった実情がある。むせ返るような青竹の香り、無言で坦々と進む竹の仕事、今となっては小物入れ用に作った小さな「かるい」に、工房で見たあの日の流れるような美しい所作を重ねるしかない。




貴婦人、白竹差し六ツ目手提げ籠バッグ

 
白竹差し六ツ目手提げ籠バッグ


白竹は夏が似合う。最近は昔のように白竹は夏、染め竹は冬と区別して使われる方は少ないようで、白竹でも染め竹でも季節に関係なく使われている。もちろん自由に楽しめば良いのだけれど、強い日差しの中を日傘など片手に行く白竹の籠を見かけると、やはり美しいなあと思う。


白竹差し六ツ目手提げ籠バッグ


今どきの真竹の竹林に行くと、竹皮を脱ぎ捨てながら青々とした竹肌の若竹が、あっちにもこっちにも伸び出している。この青竹を熱湯で油抜きしたのが白竹で、冬場の太陽に当てて乾燥させ色をだしていくので晒竹(さらしだけ)とも呼ばれている。


白竹差し六ツ目手提げ籠バッグ


そんな白竹を使った差し六ツ目編みの手提げ籠バックだが、少し小さいサイズができている。大は小を兼ねるとも言うけれど、ちょっと小ぶりなのは粋なものだ。




続・篠竹で編まれる、どじょうど

 
どじょうど


さて、こちらのどじょうど(どじょう筌)は、しなやかで柔軟性に富んだ篠竹で編まれているのが素晴らしい。細い篠竹を割りっぱなしで編みこむ竹細工が、武骨な独特の雰囲気を醸し出している。昨日の30年ブログでお話ししたように、竹表皮を逆さに使う技法も素朴さに一役かっているようだ。


どじょうど


ところが、更に面白いのが捕れたドジョウの取り出し方なのだ。筌のお尻部分は竹の弾力だけでも、しっかり閉じているので、流れのゆるやかな田んぼや畦の小川では必ずしも紐で結ぶ必要はない。仮に紐で縛っていたなら、その紐をほどいてから獲物をどうやって取り出すのか?それは篠竹の柔軟性を大いに活かしてキュッと籠全体を絞るのだ。キュッとやるとお尻がパッと開く、竹以外にこんな芸当はできはしまい。



篠竹で編まれる、どじょうど

 
どじょうど


東北の寒い地方に成育する篠竹で編まれる竹細工のひとつ、地元では「どじょうど」と呼ばれるどじょう筌もこれだけあれば捕り放題である(笑)。高知では、どじょうより鰻だが鰻筌も長さが違うだけで似た仕掛けであり非常に近しいものを感じる。


篠竹


乾燥しすぎてしまうと使いづらいので、旬の良い時期に伐採した篠竹をビニールやムシロをかけて保管してある。拝見させてもらった素材の中には、こもった湿気でカビがきているものもある。ちなみに節の所に皮が付いているが、これは筍の時からの竹皮だ。竹が筍から成長する過程で竹皮を脱ぎ捨てるのと違い、一生このままなので篠竹は竹と名前の付いているものの典型的なササ類なのだ。


どじょうカゴの篠竹ヒゴ


この篠竹の表皮部分を内側にして編み込まれているのが一つの特徴。よくご覧いただくと、どじょうど外側には竹の内皮を確認できる。


どじょう籠、竹虎四代目(山岸義浩)


それにしても、このような素朴な竹籠に触れていると、次から次へと小さい頃の懐かしい思い出が目の前に浮かんでくる。豊かな流れのせせらぎと、川の香りの向こうに友達の笑顔が見えるようだ。


腱鞘炎になって重宝した竹籠バッグ

竹虎四代目、腱鞘炎


何をした訳でもないのだが左手首が腱鞘炎を起こしてしまった。痛いと思いながらも無理をして長距離ドライブをしたせいだろうか?昨日は最悪で何もしなくてもズキズキと痛みが襲ってくる。まさか病院に行くほどだとは考えてもいなかったから手近に置いてある竹炭温感サポーターを塗って様子を見ていたが、車に乗ってもシートベルトができない。右手だけでしようとすると、身体の左側にある差し込みに金具を差し込みづらい(泣)。普通の、このような動作ひとつも非常に大変だ、左手が使えない不自由さと両手が使えていた幸せをつくづく感じた。


真竹六ツ目籠


とうとう、格好悪いので嫌だった手首サポーターを使うことになった、35年愛用している腕時計は右腕にはめている。今朝になって幸いなことに腫れが少しづつひいて痛みも随分と軽くなったが、少し動かしただけでも激痛が走る中、モノを握るという動きができないので本当に重宝したのが長い革持ち手の六ツ目籠だった。どうしても買い物に行かねばならない時、サッと腕を通して持ち運べる利便さに助けられた。女性の方がお使いいただく事を考慮して、革持ち手は若干短く作る予定だ。来月の完成が待ち遠しい。




国産山ぶどう手提げ籠の作り方

 
山ぶどう棚編み手提げ籠製作


山葡萄の蔓で編まれる手提げ籠は、若い世代からご年配の方まで女性の皆様にはご愛用されている方も多いと思います。竹虎では40数年前から扱っているので昔から使う母のセカンドバッグを譲られましたが渋い色合いに変色して、まるで黒光りする革のような素材感がたまらないのです。


山ぶどう棚編み手提げ籠、竹虎四代目(山岸義浩)


ただ現在では広く知られすぎたためか輸入される製品や素材が多く、それと共に技巧的な編み込みの籠もあって少し品が感じられない気がします。やはり自分などは昔ながらの網代編みか、せいぜい棚編みとよばれる透かし編みくらいしか手にする気にはなれません。自分が現在トートバッグのように愛用する大型バッグは元々は背負い籠として使われていた棚編みです。


山ぶどう手提げ籠作り


山葡萄の蔓は一年の中でも梅雨時の1~2週間の短い期間しか収穫することができません。


野葡萄蔓


山葡萄素材


堅い葡萄蔓を水に浸し柔らかくして丁寧にヒゴとりしていくのは竹細工と同じです。


山葡萄買い物籠編み


山ぶどう買い物籠製造


木型を使って編まれる国産山ぶどう手提げ籠バッグは、こうして丁寧な手仕事から生みだされています。




白竹八ツ目手提げ籠が三個入りできるなんて!?珍しい特大サイズは限定です。

白竹八ツ目手提げ籠の三個入りを持つ竹虎四代目(山岸義浩)


白竹八ツ目手提げ籠は大小の二つのサイズがあって、やはり人気なのは沢山の荷物が入る大サイズです。どの程度のお買い物ができるかと言いますと、例えば牛乳パック1リットル、キャベツ一玉、白菜半分、ホウレンソウ一束、リンゴ二個、ニンジン三本、玉子10個、バナナ一房(6本)、ケチャップ、醤油小瓶などがゆっくりと入れられる収納力です。この量を入れますと女性の方でしたら少し重たいくらいではないかと思いますので、スーパーなどへのお供には余裕のサイズではいなでしょうか。

 
白竹八ツ目手提げ籠


しかし、今回は特別に更に一回り大きなサイズで大の籠がスッポリ重ねられてしまう特別規格の約W46×H27×D24cmは、八ツ目編みとしてはかなりレアな竹籠となります。もっと荷物を沢山入れて持ち歩きたいという方にはご満足いただける限定の竹編みです。




竹虎四代目が痛恨のミス!虎竹トイレットペーパー籠を限定販売

 
虎竹トイレットペーパー籠


こちらは日本唯一の虎竹で編んだ虎竹トイレットペーパー籠なのです、少し分かりづらいですが左右ひとつづつの竹籠を並べています。見比べているのですがお分かりでしょうか...?虎柄もあるし何だかご覧いただくのも大変なので申し上げますと編み目の大きさが微妙に異なっているのです。


虎竹トイレットペーパー籠


編み目だけでは伝わりづらいサイズ感も、こうして並べて置いてみますと結構お分かりいただけそうです。左右どちらも高さは同じなのに左側の籠は編み目がちょっとだけ大きいために底が付いてしまっています(涙)。同寸の虎竹骨を入れても、この通りなので通気性が良いとは言えません。竹虎四代目痛恨のミスです!しかし20個も完成してしまいましたので今回は訳ありの特別価格にて限定販売させていただきます。下のYouTube動画もご覧いただきご検討ください~色々とお使い頂けそうな虎竹籠です。