創業明治27年日本唯一、虎斑竹専門店 竹 虎 

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AERU booklet 2014 March "すごい"をつくる高知の企業



AERU booklet 2014 March "すごい"をつくる高知の企業

AERU booklet 2014 March


AERU 特別企画講演会
株式会社山岸竹材店四代目社長
山岸義浩さんを迎えて
すごい"をつくる


2014年1月27日、TEAM AERU<マイナス×マイナスがプラスに~高知の「スゴイ!」を堀り起した男~>が、株式会社山岸竹材店四代目社長 山岸義浩を講師お迎えして高知県立大学で行われました。 これは、1時間以上にわたる講演内容をダイジェストすると同時に、学生が記憶に残ったものを記録したものです。

【講演内容から】

竹は持続可能な地球にやさしい資源

竹虎は、竹文化の創造と発信で豊かな竹のある暮らしを提案するという経営理念のもと、本社工場とEC事業部の三つの柱でやっている会社です。竹虎は、1985年から「21世紀は竹の時代」と言ってきました。どうしてかと言うと、竹はたったの3か月で親竹と同じ20cmくらいの大きさになる。で、3年経ったら製品に加工できる。杉や桧やったら30年以上かかるところが、です。しかも竹は毎年、植林もしないで生えてきてくれる。こんな継続利用可能な天然資源は他にないわけです。
けんど、そんなに竹の製品って、ないやか?と思うかもしれませんが、竹炭のお菓子があるのって知っていますか?昔からのカゴや炭だけではなく、いまは竹は、牛の飼料、鳥のえさ、それからプラスティックと混ぜて自動車の内装材に使われていたり、竹の繊維でTシャツやソックスになったり、いろいろと形を変えて利用が広がっています。その竹が、なんぼ切っても増え過ぎて困るばあある。

高知にしかない不思議な虎竹

竹の中でも虎竹は不思議な竹で、虎斑竹(とらふだけ)の里の、ほんとに狭い範囲にしか生えないんです。日本の、四国の、高知の、須崎の一角、虎斑竹の里の山の際から頂上までにしかありません。徴用を超えたら全然生えてないんです。1.5キロのこの谷間の間口の内側でしか育たない、という竹なんです。
山に遍路道が通っているんですが、歩くツアーで来た県外人に「この山は不思議やねー」とよう言われます。この竹を求めて、竹虎は明治27年に大阪で創業したんですけど、高知を本拠地にするようになったんです。
そんな虎竹も地元ではあたりまえで、須崎の田舎の小さい店で売ってもなかなか売れない現実がありました。そんなところへ珍しい竹を追ってイギリスBBC放送が取材に来た。それはちょうど僕らがインターネットのお店を始めたところで、その当時の高知県の人口は80万人だったんですが、コンピューターの向こう側に日本だけでも4000万人いたんです。これは当たる!と、もう舞い上がってしまいました。


(雑誌「AERU booklet 2014 March "すごい"をつくる高知の企業」より転載)



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珍しいだけでは売れない

ところが、竹虎の商品は1997年から2000年までの3年間でたったの300円しか売れなかったんです。なんで売れんかったかというと、市場があまりにも大きいので適当に情報を投げても当たると思っていたかというと、市場があまりにも大きいので適当に情報を投げても当たると思っていたんですが、違った。デパート販売に挑戦した時も同じだった。人はたくさんいるのに売れない。理由がわからず、もうどん底でした。
その時にインターネットをやめなかったのは、たまたま運よく、ある人の話を聞いたからです。その出会いがなかったら、今の僕はないし、竹虎も虎斑竹そのものも、みなさんに知られることもなく、市場からなくなっていたと思う。
それをきっかけに、僕の視点が変わりました。置いておくだけでは売れない。商品のこだわりを直接お客さんにどう伝えるかが大事、ということです。並ぶ商品を誰がどんな思いで作ったか、この竹がどんな竹か、どんなストーリーがあるのか......、いかに伝えるかが勝負なんです。そのお客さんの顔が見えてこんと売れない、ということがわかったんです。
こうして2000年以降、竹虎の商品は少しずつ売れ出しました。

自分のとんがり部分はなんだろうか?

いま日本のインターネット人口は約9610万人で、人口普及率で言うと80%くらいです。ネットで電子商取引される金額は2010年の時点で8兆5000億円、日本中のコンビニエンスストアの売上げは7兆9700億円なので、それより多い。日本全体での流通額は300兆円ぐらいらしいので、その中に占めるEC化率ではわずか3.1%。だいたい欧米では10%ぐらいなので、日本でもまだまだ伸びていくはずです。
しかし、EC化率が伸びれば売り上げが伸びるか、というとそうじゃない。ここでは、インターネットをする人は必ず検索をするということがポイントです。検索世界はどういう世界かというと、1位の人はどんどん強くなり、2位以下の人はどんどん弱くなっていく世界なんです。
何が言いたいかというと、インターネットで何か情報を発信しようと思ったら、自分たちが一番になる「とんがり」これなら自分たちはまけないという長所を出さないといけないということです。県立大なら、高知の田舎にある大学だけど、よその大学にないものがあるはずです。そういったとんがりは必ずだれにでもあるんです。
そこにしかないオンリーワンの魅力というものが必ずある。そこを突き出していって、お客さんに見てもらう、共感してもらうのがインターネットの売り方であり、露出の仕方なんです。売れないのはうちと一緒。虎斑竹という竹を知らないから流通しないだけなんです。特徴をPRできず、ただ載せているので売れないだけなんです。そこができれば、高知県は100億の会社はなかなかできんけど1億の会社は100社すぐできますよ、って僕が言うのはここです。


(雑誌「AERU booklet 2014 March "すごい"をつくる高知の企業」より転載)



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とんがればマイナスはプラスに変わる

高知はみんな最果ての地みたいに思っている。都市から遠いし、コストもかかるし、とマイナスの面ばっかり今まで言われてきました。これがインターネットの出現でプラスに変わる。今まで高知県は知られてないし、来ていない。その遠い高知に私たちは居る。それは住んでいると気づかないけど、それっ、ものすごいブランド力なんです。
僕ら企業が意識してブランド力を高めようとするように、これからは学生のみなさん一人ひとりが「自分ってこんな人です、こんなことができます」というブランド力を高める時代になってきている、と思っています。
自分にしかできないようなことは何か―僕みたいな、生まれてきてもなんちゃないような、ざっとした男でさえ自分だけの道があった。これなら世界で絶対負けない、これなら世界一だ、これで僕は人の笑顔をつくってくんだ、っていう道が見つかったんです。必ず、みなさんにも見つかるはずです。

すべては「一」から始まる

みなさん、若いやないですか。これから辛いこと、しんどいこと、いろいろあると思います。一人きりの時は一人、一人しかおらんのよ。けど、「一」」がないと始まらん。一人では何もできない、けど一人じゃないと何も始まらない―と言うように、なにか新しいこと認められてないこと、革新的なことをやろうと思ったら、一人から始まらないんです。誰ちゃあ、手伝ってくれんき。
けどそういった時に、折れそうな自分の気持ちを支える人や物を持っていることも大事。ぜひ学生時代に友達とか先生とか、それ以外の方でもいいんですが、ぜひ見つけてもらいたいなと思います。


【講演を聞いて】
山岸さんの講演をお聞きして、いろいろ感じることがありました。何点か、お話を引用しながら書いてみたいと思います。

■デパートでは売れずネットで売れるスゴイ竹
―なぜか?


山岸さんは、竹虎の商品をデパートで売り出したことがある。しかし、それは売れなかった。山岸さんは言う。

山岸さん:デパート、たくさん人、来ますよね。でも、店員さんが商品のこだわりをお客さんに伝えきれんがです。なんでかって?これを、誰が、どんな思いで、どんなふうに作ったか、この竹がどんな竹か、どんなストーリがあるのかが分からんのよ、説明できんき。ところがインターネットやったら、なんぼでも自分たちの言いたいこと言うていける!だから売れていくということやと思います。
竹虎は日本唯一の虎斑竹を扱っている。だが、「オンリーワン」を知ってもらわないことには売れない。その「オンリーワン」をどのように広めていくのか?竹虎ではインターネットを活用し、またFacebookなどのSNSを使い、自分たちの商品を発信している。
ただ発信するといっても、商品を知らせるだけでなく、自分たちのこだわり、情熱、想い、そして「スゴイ!」を伝えているのだ。山岸さんはこのインターネットを介しての情報発信に多大な熱を注ぎ、「ブログ、メルマガ、Facebook、何しろ、その情報に魂を込めて発信する」と語った。300回も越えるメディア掲載も、知ってもらう入り口はすべてインターネットだそうだ。


(雑誌「AERU booklet 2014 March "すごい"をつくる高知の企業」より転載)



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■究極のワンツーマンここにあり

竹虎はインターネット販売を大規模に展開し、売り上げの大きな部分を占めているということだが、印象に残ったのは「インターネットは究極のマンツーマン商売」という言葉だった。パソコンの画面の向こうに何千、何万人の人がいるが、適当に情報を投げても当たらない。どんなお客さんが。どんな商品を見て、何が欲しいのか、お客さんの顔が見えないと売れない......。
竹虎さんはこのスゴイ信念を、『侍ジャイアンツ』という漫画の話から説いてくれた。

山岸さん:1000頭のバッファローの群れに、1本のやりを投げても当たらない。だが、1000頭のバッファローの中の「自分が倒すべき1頭」に向けて槍を投げると仕留められる。自分が持つ槍は1本であり、倒せる敵もまた1頭なのだから―。
一見、インターネットは、お互いの顔が見えないマンツーマンの商売とはかけ離れて見えるが、画面の向こうにいるお客さんお顔が見えないと商品は売れないい、情熱は届かない、ということを知ることができた。

■情報発信力とは?
―相手は「日本商店街」


インターネットを使うことで、知られていないけどスゴイ!高知の逸品を世界に発信している山岸さん。なんと、インターネット信者のような人が、情報発信について重点を説く。

山岸さん:情報発信力というのはですね、あなたは誰?どんな小見ですか?何を売っている?どうやって売ってる?その商品は何に使う?使うとどうなる?そして、これ一番大事なとこなんやけど、「私にとってどんなメリットがあるんですか?利益・恩恵・利便性・便利さ・豊かさ・効用」
私にとって、それは一番どんなメリットがあるのか?ここが一番大事です。大体皆さん意識してるしてないに関わらず、ホームページにきた時に、昔は3秒やったんです、ところが今は1秒です。1秒で、<私にとって役立つサイトか、気持ちがえいサイトか>決めている。
で、帯屋町にお店を出して商売するがやったら帯屋町だけ気にして商売したらええんですけど、インターネットに出た瞬間にもう日本の商店街なんです。日本中の全てのお店に、みなさん気に入ってもらえたら長く滞在し商品も売れるけど、気に入ってもらえなかったらすっと他社にいかれる。インターネットというのはそういう特徴があります。
<私にとってどんなメリットがあるのか>というのをファーストビューと言いますけんど、飛んできてくれた1秒でどれっぱあ言えるかどうか、ということながです。


(雑誌「AERU booklet 2014 March "すごい"をつくる高知の企業」より転載)



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情報を発信する際に、相手に提供できる価値、メリットを明確にする必要がある、と言う。山岸さんの戦場は、「日本商店街」。ひとたびネットの電源を入れれば、全国各地のお客様、そしてお店がならぶ競争社会。ここで竹虎の持つ最大のメリットを発信すること、これが重要な
んだ。

■「世に生を得るは事を成すにあり」―坂本龍馬
「そらが自分にしかできないことか?―山岸義浩


情報発信するうえで、もう一つ大事なことがあると言う。それは「自分にしかできないことかどうか」ということ。

山岸さん:情報発信力で、一番大事な話をします。しれが、自分にしかできないことかどうかということ。「どこどこでラーメン食った」「どこどこで何しています」とか、メールやブログに書いたりするけど、これ、どうでもええんですよ、誰にでもできるようなことは。そうじゃなくて、本当に書くことが私にしかできないのかどうか、まず考えんといかん。
そういうお話すうと、学生のみなさん、自分探しっていうか、「私、自分にしかできんことがないけんど」って言う。それは、僕も30歳まで自分が何者か分からんかったき。みなさんもまだまだ若いうちから、自分が何で人の笑顔を作るか、ぜひ考えて一つのきっかけにしてもらいたい。

そして山岸さんは、かの英雄の言葉を借りて続ける。

山岸さん:僕の大好きな言葉は、「世に生を得るは事を成すにあり」。」これ、高知の坂本龍馬さんの言葉。「生まれてきたからには必ず役割がある」ということ。僕は22で大学を卒業して、30まで仕事面白くなくてね。もう竹の仕事なんて辞めたいとずっと思いよった。毎日。一体自分はどうして生まれてきたろう、ってスゴイ悩む時期が8年間あった。で、悩んでいる時にあるお客さんに会って、竹の素晴らしさ、竹がどれだけみんなの役に立っているか、誰の笑顔になっているかを考える機会を得て、僕はこのために生まれてきたんだな、と思ったんです。必ず誰にでも、どんな人にでも、その人にしかできない価値、その人にしかできん笑顔の作り方があると思うんです!絶対に!

次世代を生きる僕たち若者に、オンリーワンを見つける大切さを熱く語ってくれた。

■「才能」とは

山岸さん:「竹虎ではいつも才能とは?ってのを教えるんです。才能ってなんやと思います?」

(学生)「生まれる持ったもの!」「その人にしか持ってないもの!」

山岸さん:その人しか持ってないものは、あなたも持っちゅうで。みなさん、絶対持っちゅう、一人ひとり。私はなんちゃあない、できんと思う必要は全然ない。僕もずっとそう思いよった。けど、会った記。絶対に誰にも負けんもんがあった。必ず、みなさんも見つかると思うよ。
才能―竹虎では「夢を見続ける力」って言うんです。あきらめんかったら、必ず夢はかなう。これね、別に本を読んだりなんかやなくて、自分の経験でよ。
2000年の300円しか売れんかったあの時、「竹なんかインターネットで売れるはずがない。若い者向けの商品じゃないのに売れるわけない。やめよ、やめよ」と思った。けど、成功ってのは「やめよ、やめよ」のちょっと先にあるがです。失敗なんてのは自分が勝手に決めつけることで、誰に決めつけられることもない。自分があきらめんかったら、失敗なんてのはない、ということです。
で、僕はしみじみと、才能って夢を見続けること―自分たちはこうしたい、周りの笑顔が見たい、ということをずっと言っていくことじゃないかなあ、と思うちょります。


(雑誌「AERU booklet 2014 March "すごい"をつくる高知の企業」より転載)


















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