競い合い、磨きあった竹の技

竹職人


竹だけと真っ直ぐに向き合ってきた職人さん。竹籠が日本人の生活の一部として普通に使われていた時代。作っても、作っても籠が足りなくて早朝から深夜まで、ずっと竹編みを続けていた。そういう今から思うと、考えられない時代があったがです。


竹の工房


だから、竹籠作りは早さとの戦い、竹編みを仲間の職人と競い合い、技を磨き合うて数十年、竹が人々の暮らしから遠のいてしもうた今でも長年培ってきた熟練の手業は、ひとつも衰える事がないがです。いったん竹ひごを手に取ると、職人さんの表情がスッと変わります。仕事人の顔になった竹職人さんは凄いぜよ。その迫力、スピード、流れるような手さばきに感動と驚きと尊敬と、そして、こんな竹と真剣にかかわる大先輩とこの工房に一緒にいられると言う今という時間の喜びをかみしめます。いやいや、まっこと(本当に)職人さんの数だけ、それぞれの「竹」がある。いつまでたっても知らないことばかりちや。どこまでいつても終わりのない世界やにゃあ。



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