竹柄杓のある手水

柄杓(ひしゃく)


イヤシロチという言葉をご存じですろうか?たまに聞くことがあるパワースポットとは少し違うかも知れませんが、そこに居るだけで元気になったり、とても心地よく感じる土地の事を言うのです。はじめは良く分かりませんでしたけんど、神社仏閣というのは、ほとんどがこのような環境に建てられていると知ってなるほど、と思うたのです。毎年「竹ねり」というお祭りをする地元の天満宮などもそうですし、お隣の漁師町久礼の八幡様などもそう境内に入ると、何となく心も落ち着いて清々しい気持ちになってきますちや。


昔の人は「イヤシロチ」などと言う言葉は知らんかったでしょうが、きっと、そこに行くと気持ちが良く、快適に感じる場所に神社仏閣は建てたがやと想像するのです。だから、という事でもないのですが、どこかでお寺など見かけた時にはよほど時間がない場合は別ですけんど、結構お参りさせていただく事にしちょります。別に理由がある訳ではありません。どうも、やはり心地よい空間なのかなあと思うがです。


さて、そんな時に皆様ご存じのように、手水(ちょうず)と呼ばれる参拝する方が手や口を清める場所があります。そして、そこには竹製の柄杓(ひしゃく)をよく置かれちょります。ああ、もしかしたらコレも参拝させていただく一つの理由かも知れませんぞね。


竹製品など町中では、ほとんど見かける事がないですきに、手水にある竹柄杓(木製、金属製の場合もありますが)を見て何となくホッとするがかも知れません。新春の青々とした柄杓も気持ちがエイです。古くなってきて枯れた感じの竹柄杓も、又エイ。竹は新しくとも、古くなってからでも魅力のある懐の深いものやなあと、いっつも思うがです。


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