特別展「マダガスカル霧の森のくらし」

「マダガスカル霧の森のくらし」


大阪の万博公園にある国立民族学博物館なるものを知ったのは2年前ぞね。昔ながらの日本の竹細工を研究されゆう先生がおられて、東北の大学教授の方と二人して竹虎に来られたのが初めてやったです。鰻を捕る昔ながらの竹の道具である、うなぎうけ(鰻筌)の職人さんの製作工程を撮影したいとの事で機材を携えてわざわざお越しになられちょりました。


それで民族学博物館を知り、場所が千里の万博公園と聞き、小学校の時に連れて行ってもろうた大阪万博を思い出したがです。自分が小さい事もあってか、あの万博はこれからの日本が、世界がこんなに変わるぜよ!みたいな展示が多くて、まっことワクワクして見て周りましたちや。あんなに沢山の人が集まったのを見た事がなくて、ビックリ仰天した事も今だに鮮明に覚えちょります。


中でも強烈な印象に残っちゅうのが、やっぱり太陽の塔ぞね。あの顔、形は一回みたら忘れられませんきに。作者の岡本太郎さんはテレビCMでも有名やったし、ずっと後になって来高された時に近くで拝見した事もあり、勝手に親近感も持っちょりまして高速道路やモノレールから塔を見るたび、いつも懐かしく思いよったがです。


そんな、万博公園にエキスポ70大阪万博以来ずっと一度も行った事がなかったですけんど、国立民族学博物館さんの開催する、特別展「マダガスカル霧の森のくらし」で現地の家を再現するのに虎竹ヒシギを提供させていただき、お伺いする機会をいただきましたぞね。


虎竹ヒシギ


マダガスカルと言うたらバオバブというユニークな形の木で知られちょりますが、アフリカ大陸の横の小さい島やと思いよったら意外にも日本の1.6倍の広さがあるそうぞね。冊子には「みたことのある異郷」と書かれちょりましたが、日本の里山のような景色が今でも残っちゅうそうです。


そう言うたら山の斜面に棚田が続き、集落が寄り添うように立ち並ぶ、昔は日本のどこにでもあったような。懐かしい気分になる場所はマダガスカルだけでなく海外の写真等でもたまに見かける事があるがです。


竹製マダガスカルの民家屋根


長い別注の虎竹ヒシギは屋根の部分に使われちょりました。竹をエイジング加工されると聞いちょりましたが、さすがに展示のプロの方々ですちや。真新しかった竹が、まるで何十年も雨ざらしになって古くなったような雰囲気を醸しだしよります。何とか現地の住宅のイメージをそのまま展示物として観ていただきたい、そんな熱心な思いが伝わるような仕上げなので、マダガスカルの家の屋根をそのまま運んで来た、そう言うても全然分からないような風合いに、ただ、ただ感心したがです。


今回は、思いがけないチャンスをいただいてこうして民俗学博物館の方にお邪魔することができましたが、他の展示物も少し拝見させていただこうと担当の方にご案内いただきながら館内を回らせてもろうたがです。ここの展示点数は、まっこと凄いものがありますちや。ご関心のあられる方は一度、時間をゆっくり取って観にいかれる事をオススメしますぞね。


さて、明日は沢山ある展示物の中でひとつだけ、ご紹介したいものがありましたきに。担当の方に許可を頂きましたので掲載したいと思うちょります。


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