竹の顔

ロマンスグレーな竹籠


床の間に飾られる貴婦人のような竹もあれば、肝っ玉母さんのように台所で働いてくれる逞しい竹もある。毎日の食卓に当たり前のようにある竹もあるし、心強いパートナーとして行動を共にしてくれる竹がある。そして、庭先で目を楽しませてくれる竹。床下や壁の中など身近にありながらも目に触れる機会の少ない縁の下の力持ちの竹もありますろう。


一本の竹からは、まっこと多種多様な用途でいろいろな形の竹細工や竹製品、竹工芸が産み出されますきに、先人の知恵の深さや職人の手の素晴らしさをいつも、つくづく感じゆうがです。


そんな色々とある竹の中で、自分がいつも目をとめて心惹かれる竹達には庭先や屋外で、真っ黒になっちゅう籠たちもおるがです。この竹籠は外の水回りで活躍し続けよりますので、人間やったら太陽に当たると肌は黒くなるもんやけんど、反対に色あせて白髪になっちゅうように見えますちや。こりゃあ、こんながを確かロマンスグレー言うたろうか?なかなか渋いぜよ、もしかしたら竹籠界ではモテモテですろうか?


竹ち、まっこと面白いがちや。もともとは同じ竹であっても室内で飾られちょったり、たまの買い物について行ったり、キッチンで毎日活躍しよったり、外で力仕事をしよったり、暮らし方で顔がそれぞれ違うてくる。人と同じで竹の顔は、自分で作るがやにゃあ。


コメント(2)

西台 斗夢 返信

いつも「竹炭の洗い水」と「炭石鹸」にお世話になっています♪

同じ竹でもいろいろな顔があるんですね。
人間がみな違うように、竹も育て方、活用の仕方、によって
いろいろな姿をみせてくれてるんですね♪
人も竹もみな違う。
だから、人生も竹生も面白いんですね!

竹虎四代目 返信

西台 斗夢様

コメントありがとうございます!
まっこと、その通りやと思います。竹林に生えちゅう時には同じような竹が千差万別に自由に形を変えるように人は誰でも自分の思うように自分だけの顔になっていくがではないですろうか?そんな風に思うちゅうがです。

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