田辺小竹さん「水の恵み」

田辺小竹作「水の恵み」


田辺小竹さんが岐阜県美術館で創作された「水の恵み」には、まっこと広い会場に一歩足を踏み入れた時から圧倒されっぱなしぞね。大きさからの迫力は、もちろんですけんど、確か1万本と言われよったと思いますが沢山の虎竹が織りなす、様々に絡み合うた複雑な模様の連続が虎竹の不規則な模様ともあいまって「水の恵み」と名付けられた全体的な大きな流れと共に、生命力を感じる、こじゃんと力強い作品になっちょります。


田辺小竹作「水の恵み」


正面から見たら象を思い出すような形をしちょりますぜよ。そして象の鼻のような滝が流れだす下流に来てみたら、大量に流れ落ちる轟音や水しぶきまで感じられそうちや。こうやって見せてもろうたら壁から竹ヒゴが無数に伸びてきちょって、何かのエネルギーが集まり集約されて流れ落ちで広がる、そんなイメージを持ったがです。


田辺小竹作「水の恵み」


この流れの後ろにはループがありますぞね。ちょうどお伺いした時には小竹さんがおられましたので、靴を脱いで作品の縁の方なら歩いて良いとの事でしたきに、さっそくループの中をくぐらせていただきましたちや。足の裏に感じる竹ヒゴの感触と虎竹に包まれるような不思議な居心地。ここに座ってしばらく時を過ごしたくなっちょりました。


田辺小竹さん


田辺さんは代々続く竹工芸一家の四代目。幼い時から竹を触り、竹を編み、海外での活動にも力を入れられるなど宿命的な竹の道を精力的に邁進されよりますが、こんな芸術的な大作を産み出す事ができるとは素晴らしいがです。


そして何と言うたちご自分の作品作りに日本唯一の虎竹を多用していただき、こんな嬉しい事はないがぞね。高知の山に育った虎模様の竹達が加工されて、全国の竹メーカーや竹職人さんのお手元に届けられる。そして、日用品から始まり様々な竹製品、竹細工に使われて形を変えていきますけんど、今回のこの虎竹達はどうですろうか?アートになって沢山のご覧になられる皆様を魅了しよります。


日本唯一の虎斑竹


竹の造形というのは、まっこと面白いものながです。堅さと柔らかさという正反対のような特性を併せ持っちゅう。竹だからできる形の表現があるかと思うがです。以前、正木美術館さんで田辺さんの作品を拝見した時同様に、ちっくと誇らしく凛としているような虎竹に又会いに行きたくなっちょります。


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