雪の竹

竹虎四代目


いつも見ている日本唯一虎竹の里の竹林は明るい陽射しが差し込み、小鳥が遊ぶ清々しい風の吹く最高の場所ぜよ。けんど、こんな雪景色の竹林も又エイもんやにゃあと思うたがです。


南国育ちの自分たちからしたら写真で見る事くらいしかない雪の竹。もともと竹も温かいところで育つ植物ではありますけんど、白い世界に青々とした鮮やかな色合いを放つ竹は美しいちや。昔の人々は、この色を見て竹の神秘的な生命力を崇め、色々な神事に使うようなったがではないろうか。思うたら極寒の中、葉も落とさずそのままに立つ竹は、まっこと不思議な植物ながぞね。


雪の竹林


雪の重みに頭をたれる竹に出会いましたちや。自分が竹の姿に学ぶ、竹の素晴らしい所がいくつかあるがです。一つは、節を持ち礼節を知りながら真っ直ぐ天を目指す姿。もう一つは、竹林全体に地下茎を張り巡らせて仲間同士が手と手を握り合うかのように助け合う姿。そして、最後が強い風にも、今日のような重たい雪にも負けないしなやかで決して折れる事のない粘り強い忍耐の姿。


とは本当に素晴らしいぜよ。美しい四季のある日本の竹は世界一と思うちょります。日本人の文化や思想にも竹はその影響を与え続けてきましたけんど、この先もずっと清々しい竹林がそのままにあるように、ずっと後世の人達が今自分が感じている竹がありますように、祈るような気持ちで自分達に出来る事、自分達にしか出来ない事、こんな使命がある事に、こじゃんと喜びを感じちゅうがです。


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