竹夫人(竹婦人)

白竹抱き枕(竹夫人)


竹夫人(竹婦人)をご存じですろうか?実は日本だけでなくアジア一帯で昔から広く愛用されてきた快眠グッズのひとつながですぞね。この画像は、その竹夫人の先端部分。竹をしっかりと編み込んじゅうのが分かるかと思いますぜよ。


さて、まっこと早いもので3月も今日で終わるがです。1月はいぬる、2月は逃げる、3月は去る等と言われますけんど、その通りながぜよ、2014年が始まったばかりと思いよったら、早くも明日から4月になるがです、けんど4月となれば、さすがの南国土佐でも、まだまだ寝苦しいとまでは行きませんが、そろそろ暑い季節の快眠対策を考えてもエイ頃ですろう。なにせ暑い季節は日中の体力消費が大きいがです。それでなくても夜はしっかり休んで力を蓄えちょかんとイカン。けんど6月、7月...梅雨の頃らあはムシムシして、ああ、、、考えただけでも汗がにじみそうやにゃあ。


今年のはじめにお伺いしちょりました山形で、竹に雪が降り積もる光景を拝見させていただきましたちや。真っ白い雪の世界に青々とした葉を繁らせる竹とのコントラストは、いつまでも眺めちょりたいほど美しいものやったです。竹と雪は結構似合いますちや、自分も大好きながぜよ。だから、寒い地方にも竹は沢山あると考えられちゅう方も、もしかしたら案外とおられるかも知れんがぞね。けんど、竹は南方系の植物で東南アジアらあにも多いがです。


高温多湿な地域で少しでも涼を求めたい。そんな先人の思いと知恵が生んだのが竹夫人(竹婦人)。身近にある竹を使うて抱き枕に編み込み使われてきたがです。日本でも扇風機やエアコンなどがなかった昔にはあったと聞く竹製品、なんとか復刻できないろうか?もう十数年前になるがですが試行錯誤しながら、何とか今の形の竹抱き枕を完成させる事ができましたぜよ。


今の時代は便利な電化製品もいっぱいありますけんど、節電の方やエアコンの冷えすぎに注意される方に、ちっくとづつ見直されてきちょります。竹の自然な涼味を活かした快眠グッス、職人も今から大忙しになりますぞね。


美しいアケビ丸籠

アケビ丸籠


アケビ細工も丈夫な籠で、こじゃんとエイもんです。ずっと昔から竹虎のお店でも取り扱いがありましたきに、実は、かなり馴染みの深い商品のひとつながです。竹編みと同じようにアケビのツルを使い編み込んでいきますきに、ひとつ、ひとつが職人さんの手作り。昔から続いてきた伝統的な工芸品ながぜよ。編まれるのは、ほとんどが東北地方ながです。竹は南方系の植物ですきに寒い所や高い山々には、大きな竹はあまり育つ事はないがです。そこで、日本でも北の方に行くと樹木の皮や山葡萄、マタタビといった、身近な山の素材が使われる事が多いようですぞね。竹は真竹などの代わりに根曲竹やスズ竹といった細い竹が中心です。


雪や寒さに鍛えられたるせいですろうか?これらの竹にしろ、樹皮や山葡萄にしろ素朴な風合いながら、とにかく一番の特徴は、その堅牢さなががです。母から譲られたり、気に入って自分で手に入れたりした手提げ籠など、数点使いよりますが既に数十年愛用した籠も、使うたら使うほど光沢が増し黒光りする風合いは抜群ですが、何より感心するがはやっぱりその強さ。まっこと自然素材の強さを、これほど感じる事はないがぜよ。凄い山の恵みやと思いますがアケビのツルも、そんな素材のひとつ。


あけび丸かご


けんど、この丸籠の美しさと言うたら何やろうか?竹細工でも自分がずっと手元に置いちょきたいと思うような、どこか心惹かれる籠が時々あるがですが、このアケビ細工も、ちっくとそんな感じがするがです。飾り気のないシンプルな趣、凛とした存在感、ホッと心落ち着くような優しさ、自然素材ならではの安心感、職人の手の温もりさえ伝わってくるような丁寧な作り。いろいろな事を思うてしもうて、いつまで経っても、どこにも行かずに此処におる。そんな不思議な竹籠達の仲間入りをしちゅうがです。


銀座線「日本橋駅」

日本橋駅通路


もう随分と前の話になるがです。日本唯一の虎竹をもっと知ってもらいたいにゃあと思うて、全国のデパートやイベントで販売をさせてもらいよった事があります。自分も若かったですきに今以上に竹の事は何ちゃあ知りません。竹製品や竹細工をいっぱい並べちょりましたら、好きな方が立ち寄られます、そしてお話をさせて頂く中で、竹についての色々な知識や楽しみ方などを教えていただく事ばっかりやったような気がするがです。


最初は祖父はじめ、会社のベテランの社員と一緒に行きよりました。自分が前に立つという事ではなくて、販売助手のような感じやったがです。何せ竹虎から持っていく製品は小さな物も多いですが、袖垣や縁台など大きく、重たい物もあって、それらを10トントラックに満載して行く売り出しなどもあり、運搬や設置要員として若い力が必要とされちょったがです。


そんな中、最初に一人で行く事になった催事があったがぞね。銀座線「日本橋駅」下車、薄暗い階段を上がって行きます今、歩いても何という事もない通路ですが、あの日は地下道の出口から射し込む外の明るい陽射しが、大袈裟でも何でも無く、新しい世界への光に見えました。


あの時の一歩...。


階段から外に踏み出して道路と反対の左側を見上げると、そこには右も左も分からない田舎者の自分に、大きな壁のような高島屋がそそり立って、まるで近寄る事を拒んでいるかのように見えたがです。


当時、催事の入れ替えはデパートの休日にしよりました。休みの日の売り場は人気もなく静かながですが、自分の行かねばならない催事場は最上階。エレベータで上がってドアが開くと、様子が一変するがぜよ。内装用の資材が積み上げられ、台車が行き交い、模様替えの業者さんやら、搬入に来られた方、催事担当の方など会場は沢山の人でごった返しちょります。まっこと心細いにゃあ。こんな場違いな所に来てしもうて困ったにゃあ。緊張と不安で動けないかと思うくらい。


あの時の一歩...。


職人の手


足がすくんで声もかすれそうな自分の背中を誰かが押してくれゆうがです。


東京など数えるくらいしか来た事がない。竹の事も知らず、自分が誰かさえ知らない。ボソボソと小さな声で高知弁しか話せず、自信も何もない。もしかしたら今日、今ここに居なくとも誰も気づかない。そんな、どうしようもない男の背中を、誰かが押してくれゆうがです。


「若さん、売っとうせよ」


今でも目を閉じたら聞こえてくる、あの内職のおばあちゃんの声。


「若さん、売っとうせよ」


病弱なお子さんがおられて外に働きに行くことができず、竹虎で数十年もの長い間ずっと自宅での仕事をしてくださった方ぜよ。


「若さん、売っとうせよ」


四代目の跡継ぎと言うことだけで自分は、昔の職人さんからかは「若さん」と呼ばれよりました。自分が都会に行って竹を売らないと、内職のおばあちゃんのやる仕事がなくなる。だから、仕事場に行く度に病弱なお子さんも手伝うて作った竹製品を売っとうせ、売っとうせと口グセのように言いよったがです。


あの声に背中を押してもろうて、本当は弱くて、自信がなくて、何の取り柄も力もない男が、なんとか声をあげて一歩を踏み出したがぜよ。内職のおばあちゃんのシワだらけの手を思うたら、なんと自分は情けないろう。後から考えたら、ずっと奥底にあった冷め切ったエンジンが、ブルル...と静かに回りだした瞬間やったかも知れんぞね。


あの手は守り神ぜよ、宝物やにゃあ。その時にそう思うたがです。だから、ずっと後になって2000年の年賀状に使わせてもろうた「手」。


もう、どこに行っても、何があっても、怖い事は何ちゃあないがです。自分の背中には、こんな内職のおばあちゃんのような、数え切れんほどの職人さんを背負うちゃある。一人では何もできず、迷うてばっかりの自分でも、真っ直ぐな竹のように歩いていけるがです。


しびれるラインの竹籠

竹手提げ籠


まっこと、しびれるヤツに出会うたぜよ。格好がエイが違う。これが本物の迫力言うがぞね。竹の表皮を薄く剥いだ「磨き」と呼ばれる技法。誰が呼んだか知らんけんど磨きとは良く言うたもんぜよ。何でも磨かれたら光りだすように、竹も内に秘めた美しさに気づいてくれたと、こじゃんと喜んで輝きだすがです。


誰かの価値観を押しつけられるモノではない。誰かの物真似で見てくれだけのモノではない。自分の中から沸き上がってくる本当の気持ち。自分にだけ素直に、正直に、真っ直ぐに、本質を見られる自由さ、強さ、気持ち良さ。竹手提げ籠のシェイプされたラインに惚れ惚れする。どこにでもない、誰にもでもない、自分が自分で決める。まっこと、しびれるヤツに出会うたぜよ。格好がエイが違う。これが本物の迫力言うがぞね。


かんじきに竹

かんじき


「かんじき」をご存じですろうか?そうながです、あの雪国で靴の下に固定して使う道具ながです。柔らかい雪の上は、かんじきがないと、歩くのにはこじゃんと不便ではないろうか。実は高知では見た事も使った事もありませんので、想像するだけながですが、けんど雪の中でしかも靴に紐で縛って使われるものなので、かなり丈夫なものでないと用にならないという事は分かりますぞね。


木製のかんじきしか知らなかったがですが、最近ではスポーツ用品と見間違えるような、金属製やらプラスチック製やら色もカラフルなもの、形も「かんじき」と言う昔ながらの呼び名では言わないような、洗練された格好のエイものも沢山あるようながです。けんど自分のような古い人間は、やっぱり昔ながらの木を削り、楕円形に曲げて手作りしたかんじきが、しっくりと来るがですぞね。そして、注目いただきたいがは、この写真。かんじきの木と木を留めてある接合部分ながです。


さすが、寒い雪の中で歩けなくなったら大事ぜよ。もしかしたら生命の危険すらあるかも知れませんちや。だから、丈夫な紐でガッチリと縛られちょります。けんど、良く見ていただきますと、その大事に接合部分になんと竹が紐として使用されゅうがぞね。


昔の事ならいざ知らず、今の時代なら手近に良い素材のロープは手に入ると思うがですが、やっぱりこうやって昔ながらの作りを守られゆうとまっこと嬉しくなりますけんど、竹の堅牢さを証明してくれちゅうようで、たったこれだけの事やけんど胸が熱くなってきますちや。そもそも竹職人は刃物ひとつ腰に下げて竹林に入り、竹を伐り、竹を割り、竹を紐代わりにして竹を縛り、山から悠々と竹を出してきたものながです。実際、ちっくと前まではそんな職人は虎竹の里にもおったがです。竹はこんなに役立ちよりますぜよ。竹は凄いですろう!?声高らかに叫びたいぜよ。


虎竹の謎に迫る?

焼坂の山道


虎竹は、まっこと不思議な竹ながぞね、間口が1.5キロ程しかない、この虎竹の里の谷間でしか成育せんがです。成育しないと言うと、ちっくと語弊がありますちや。竹は生命力に満ちあふれた植物ですきに育つのは間違いなく育ちます。けんど、虎のような模様が色づく竹には成らんがです。実は今まで何度か移植を試みた事があるがですが、他の地域では何故か分らないものの虎模様が表れずに、数年経ったら普通の竹になってしもうちゃあるがです。


先日、ある大学の先生にこの虎竹のお話をさせて頂く機会がありました。そしたら、その先生が申されるには、竹にそのような模様がでるのはストレスが一つの原因ではないろうか?そんな風に言われるがです、今まで考えた事もないお話やちや。さすが大学の先生の言われる事は違うにゃあと感心しよりましたが、そう言われたら思い当たる節があるがぜよ。


虎竹の里の山々は岩が多く決して肥よくな土地ではないがです。山道を登って行っきよったら、それは実感しますけんど、道路脇の斜面もゴツゴツした岩ばかり続いちゅう。そして、その硬い岩盤をぬうようにして樹木が根を張っちゅうぜよ。これは竹にとっても、もしかしたら暮らしやすい環境ではないかも?そして、先生の申される、もうひとつの要因が潮風。


実は山の職人さんの中には科学的な根拠があっての事ではなく、自身の長年の経験から潮風が虎模様に関係あるのではないかと昔から言い続けゆう方もおられます。「塩害」という言葉がありますように、植物にとって塩分は成育を阻害する要因ともなるもの。そう考えたら痩せた土地、潮風という厳しい環境が、虎竹に負荷を与え、虎竹を育ててくれゆうがですろうか?


更に、もうひとつ、最近の温暖化で虎竹の里も霜が下りる事がなくなったがぜよ。南国土佐といわれる高知ですけんど自分の小さい頃は、雪合戦できるくらい雪も降ったし、寒い日もありましたちや。そんな厳しい寒さがないために虎竹の色付きが悪くなった、そう言う年配の職人さんもおられます。


大学の先生も寒さも植物への大きなストレスの一つ。そう、言われよったがですぞね。まっこと、いちいち腑に落ちる事ばっかりやにゃあ。厳しい自然が竹に試練をあたえ、それによって虎模様が生まれる。かってはイギリスBBC放送が取材に来られた事もある。日本唯一の虎竹の謎の解明に一歩近づいたような気がしよりますぞね。


復活した箕

箕


は遙か昔から農業用として使われきた、無くてはならない道具の一つやったがです。昔から使われてきた竹細工と言うものは、その土地ならではの素材、編み方などに特徴が際立ちます。


前に大学の先生が研究された資料を拝見した事があるがです。こんなに種類があるがやにゃあと感心するくらい、全国各地の様々な箕の写真が掲載されちょりました。東北の方には大きな竹は少ないので、細い篠竹や樹皮で編まれた箕がありますし、同じ竹でも矢竹を使うたりチンチク(沈竹)やったり、その土地で手に入りやすい素材を工夫して編まれてきたがと思います。


これが面白い事に箕は日本だけでなく、海外でも広く使われゆう事やきに、まっこと凄いぞね。ちょうど高知県立美術館では「ボストン美術館 ミレー展」言うて、大きな企画展を開催中と高知新聞に載っちょりました。あの有名な「種をまく人」いう絵も展示されちゅうそうですが、なんと、実は、そのミレーの絵の中にも、箕を使う農夫をイキイキと描いたものがあるがです。「箕をふるう人」「小麦をふるう人」がそうですけんど、同じような形の箕が遠くヨーロッパでも使われよった言う事ですろう。


箕


高知で編まれる箕は主に淡竹(はちく)を使いよります。持ち手の丈夫にしたい部分には孟宗竹を使い、使いやすいように棕櫚で巻いちゅうがです。棕櫚で巻く事などは、ずっと当たり前のように思いよりましたが、実は、これも高知ならではの独特の形のようですぞね。


けんど、こうやってずっと続いてきた伝統の技は後継者がおらず、風前の灯火と言うてもエイものもあるがです。今では存在感のなくなりつつある箕ではありますが、このような箕、ひとつ取ってみても日本の手作りの仕事は、こじゃんと大きな曲がり角を迎えちゅうと言えそうです。竹の現場でつくづく感じずにはおれんがですぞね。


牧野植物園、100年の縁(えにし)

虎竹


昨日のブログでお話させていただきました。高知市、牧野植物園で始まりました五台山花絵巻。だんだんと暖かくなってくる季節にピッタリのイベントですぞね。けんど心安らぐ木々の緑や、うっとりしてしまいそうな美しい花々など、植物といえども生き物なので毎日の管理や成育状況には関わられゆう職員の皆さんは、さぞ心を砕かれゆうと思うのです。


椿の咲く鉢の下には虎竹をズラリと並べさせて頂いちょります。それぞれの竹をビス留めして固定しちゅうがですが、ふと見たら、ビスの頭には...何と虎竹模様のシールが貼られちゅうではないですか!?


虎竹シール


わざわざ虎竹が並んだ所を写真に撮って、コピー機で打ち出してビスの頭に貼り付けて頂いちゅうがです。これで虎竹の独特の虎模様も金属部分が見える事なく、自然に違和感なくご覧いただけるかと思います。


牧野植物園


けんど、まっこと、こんな細やかな所まで気使いして、来園されるお客様に心から楽しんでもらいたい。そんな一人一人の思いが集まって、この広い牧野植物園をこれだけ気持ちのエイ場所にしちゅうがですろう。


日本唯一虎斑竹


高知にしか成育しない土佐虎斑竹。牧野富太郎博士が命名してくださったのは、1916年(大正5年)だから、もう100年近くも前の事ながですぞね。そんな牧野博士ゆかりの植物園で沢山の方の目に触れる機会を頂き、不思議な、不思議な縁(えにし)、偶然とも思いよった事が実は必然で全てが繋がっちゅうように思えてくるがです。


五台山花絵巻【五ノ巻】

五台山花絵巻【五ノ巻】


五台山花絵巻【五ノ巻】伝統の美、和花の世界が、今日から高知市五台山にある牧野植物園で始まりましたぜよ。この植物園は高知県出身で世界的な植物学者であられた、牧野富太郎博士を記念して開園しちょります。牧野博士言うたら土佐虎斑竹の命名の父でもあられますきに、竹虎とは深い縁がある植物園ながぜよ。


県外からのお客様に高知の見所をたずねられたら、まず一番にオススメさせて頂くのが実はこの牧野植物園ちや。そもそも自分も正直いうたら、植物園にはあまり関心があった方ではないがです。けんど、十数年前のリニューアルオープンの時に、虎竹を移植させていただく事があったがです。


虎竹の里でしか色付かない不思議な虎竹は、今まで全国各地で育てられた経緯がありますぞね。牧野博士自身もご自宅に移植されたけれど、虎模様が出ず、思うような結果にならないと記録が残っこちょります。自分も話しには聞くものの実際に移植した虎竹は始めてです。その後の竹の成育状況が気になって、植物園には何度も何度も足を運ぶようにりました。そしたら、いく度に何とも心地のエイ風が吹きゆうのに気づきます。日頃、自然の中に暮らしゆう自分でもここの木々や草花には何とも心安らぎます。


牧野植物園スタッフ


モダンな曲線美の建物もあるろうけんど、やはり何より、この植物園を支える人。まっこと草や木や花が好きながやろうにゃあ。ここで働く方々を見よったら、そう思います。それは虎竹の里で竹を伐る山の職人さんに通じるものを感じるがです。


都会から来られたお客様から電話がかかってきます。「この前、教えてくれた牧野植物園が素晴らしかった!」飛行機の便を最終に変更してまで、少しでも長くここにいたい、そう言うて喜んでいただくと自分も、こじゃんと嬉しゅうなりますけんど、この植物園を維持、管理する裏方の皆さんの努力のたまものですろう。


伝統の美、和花の世界


今回の「伝統の美、和花の世界」は、日本の花の美しさを観ていただこうという趣向のようですぞね。そこで、和の雰囲気の演出に虎竹をふんだんに使うて頂いちょります。


虎竹御簾垣


椿の鉢の下に虎竹を使い、その背景には虎竹御簾垣をしつらえて、さらに、足元にも虎竹が使われちゅうがです。こうして拝見したら虎模様の渋さというのは、そのものだけでも光ますけんど、他の誰かに輝いてもらう引き立て役にもなりますにゃあ。


虎竹


美しい植物たちに癒されながら一日のんびり、ゆったりと歩く。日常を忘れて気持ちよく過ごせる牧野植物園の休日。南国土佐には、こんなかけがえのない時間もありますぞね。


古い魚籠たち

魚籠


千利休が川で魚を捕っていた漁師の腰に提げていた魚籠を譲ってもらい、花入れに使ったという有名な逸話が残っちょります。今では桂籠と呼ばれて美術館でしか見る事のできない竹籠も、元々は京都は桂川で、生活の道具として普通に使われよったモノやったと言う事ながです。


遠い、あの時代に魚籠を活用しようと思うた利休という方の感性は、まっこと何も縛られない自由さを感じさせてくれますけんど、竹魚籠には茶道の達人でなくとも人を惹きつけ、魅了する不思議な力があるがですろうか?


ビク


職人と話をしよったらゴソゴソと物置の奥から出してくるのは、数十年前に編まれたという古びた風合いが、こじゃんと渋い魚籠。実は何故か魚籠が好きで色々と集めてられゆうとの事。類は友を呼ぶと言われますが他にもそんな方がおられるそうぞね。けんど、それは釣りでもされるがやろうと思いよったら、もちろん、釣りを好きな方が実際に使う為に探す場合もあるようですが、そう言う方ばっかりでも無いようながです。


腰籠


魚籠は昔から一般的に使われてきた竹細工だけに、広い日本のアチラコチラで竹素材や編み方、形など異なりますし、編んだ職人さんによっても出来映えがそれぞれあるがです。そんな違いが面白くて自分もいくつか手持ちの魚籠があるがぞね。なので、魚籠そのものを楽しまれる方がおられる事にビックリもしますし、自分のような変わり者が他にもいることに嬉しさもあるがぜよ。


それにしても、この赤い色合いは凄いにゃあ。ご存じない方が見たら竹に色を付けちゅうくらいに思いますろう。いやいや確かに色付けはしちょりますぞね。けんど、この色合いは人が付けた色ではないがですちや。長い年月という「時間」が染色した色合いぜよ。竹表皮を薄く剥いだ「磨き」という加工をした竹編み細工は、出来たての清々しい美しさも人気ながですが、段々と色合いが落ち着いて、古くなるほどに増す貫禄のような風合いは使う人の心を掴んで離すことがないがです。


黄金の輝き

竹工房にて


職人さんの工房にお伺いする事も多いがです。町中にあっても、田畑の広がる田舎道にあっても、山深い所でも、竹が工房の表に立てかけられちょったり、長いまま横になっていたり、そんな光景に出会うだけで胸が高鳴りドキドキしてくるちや。ここに竹と人がおる、「竹」と「人」で「笑」という文字通り、何やら自然と笑顔がこみ上げてくるがぞね。


工房と言うたら格好がエイですけんど、自宅の一室や納屋等を仕事場にされゆう事も多いがぞね。内職仕事をしてくださりゆう職人さんは兼業で田んぼを耕したり、畑仕事をされゆう方も多いですきに自宅に並ぶお米や野菜などは、当たり前のように自分達が作ったものを食されゆうがです。小さい頃には普通の事にように思いよりましたけんど、これが今にしてみたら、なかなか結構贅沢なことながですにゃあ。


仕事場で一息つくのにお茶を入れてくれるがです。急須から湯気をたてて、こじゃんとエイ香りがしてくるけんど、このお茶も職人さんが作ってお茶にしちょったり、土のついたドッシリと重たい白菜や大根を、丈夫なビニール袋に入れてくれたり、竹の仕事自体が自然と向き会う毎日でもありますけんど、こうやって土の恵みをいただく機会が多い事は、まっこと幸せな事ながです。


前からずっと、ずっとお伺いしたかった竹作家の方がおられるがです。祖父が数十年前に、どこかで手に入れてきた大作を編まれたその方は、誰もが名前を知るような、ご高名な作家の方でもあります。なかなかお邪魔できる機会がなかったがですが、とうとう、お会いできるチャンスが巡ってきたがぜよ。


はじめてやのに、はじめてのような気がしないのは、きっと、いつも見慣れた竹のせいですろう。竹に囲まれた空間は、まっこと宝箱におるような気分ちや。目が回りそうなばあ色々な作品を拝見させてもろうて、ふらふらとテーブル帰ってきたら、無農薬で作られたというハッサクやったろうか?皮を剥いて、ちっくと砂糖をかけて出して頂いちょります。まっこと、こんな美味しい至福の一時はない、黄金に輝いて見えるがです。


厘木(りんぎ)の長期休暇

厘木(りんぎ)


どこまでも広がる青い空、キラキラと輝く太陽、心地のよい風。こんな美しい山々に囲まれた高知に生まれ暮らしよったら、ついつい、これが当たり前と思うてしまいがちかも知れません。けんど、南国土佐の大自然に感謝する気持ちを忘れたらイカンと思うちょります。そんな虎竹の里を見渡してみましたら、早い所では桜の花も咲きはじめちょってから山のアチラコチラが華やいで見えますぞね。明るい日差しと、ぽかぽか陽気に誘われて、焼坂の山道を登っていくがです。


虎竹は、この里の1.5キロの間口の谷間でしか成育しない、まっこと不思議な竹ながです。他所の土地に移植しても何故か虎模様が付くことがなく、普通の淡竹(はちく)になってしまうがぞね。それだけに、この谷間の峠までの斜面には、道沿いから見えるだけでも沢山の虎竹林が続いちょります。


すぐそこの竹の小枝で遊ぶ小鳥たちの楽しそうな歌声。そして、山道に映る木漏れ日の色合いの濃さに本格的な春の訪れを改めて感じて嬉しくなりますぞね。カーブを曲がった先に、山出しされた虎竹を積み込む場所がありますちや。こうやって、厘木(りんぎ)を数本並べた所に、伐りだした竹を積み込んで仮置きしちょくがです。虎竹の伐採が本格的になるのは晩秋から1月いっぱいまで、この厘木(りんぎ)たちもしばらくは骨休め。格好よく言うたら今はロングバケーションの最中ながやにゃあ。


そろばんの玉型の竹照明

竹照明


「そろばんの玉みたいやろう?」階段の上に吊り下げられた竹照明は、玄関から見上げる分には気づきませんけんど二階に上がらせてもろうて横から目線を変えて拝見すると、ありゃあ、まっことぜよ。そろばんの玉に変わらんがちや、面白いもんやにゃあ。


職人さんを振り返ったらニコニコと満面の笑み。モノ作りをされる方は年齢に関係なく、こんな時には誰でも少年、少女のような顔になっちゃある。自分もつられて遠い昔の笑い顔になっちょりますろうか?


竹灯り


そろばんの玉型をメリハリの効いた印象にしちゅうのは、照明の胴部分と口部分にワンポイントで使われている虎竹ですぞね。まっこと少しの事ながですが違う色目の竹を使う事によって、全体の見栄えや高級感がまるで違うてくるがです。


虎竹と白竹の照明


別の場所にも、もう一つの竹照明が使われちょりました。白竹と虎竹を組み合わせて編まれていますが、年期がは入って竹の色合いが段々と良くなりゆう感じがエイがです。


竹と灯りというのは、つくづく相性がエイと思うがぜよ。日本人の感性にもピッタリ合うちゅうと言う事ですろうか?昔から竹は照明器具に、こじゃんと多用され、色々な形のものが作られてきたがですが、魅力は何というても、照明器具そのものの優しい光と影。そして、そろばんの玉型の竹照明のように、竹ヒゴが織りなす模様が天井や壁を飾ると、これが、たまらんほど美しいがです。


竹イヤリング

竹イヤリング


竹は昔から実に様々なモノに形を変えて、日本人の暮らしの中に入り込み親しまれて来ちょります。実は自分の小さい頃やったろうか。竹が装飾品として一世を風靡した事があったがです。ブローチやペンダントなど女性が身に付けるアクセサリーとして、色鮮やかな竹編みの細工が沢山作られて、竹虎のお店でも大人気やった事を今でも覚えちゅうがです。


そう言うたら、確かその頃の事ではないですろうか?竹のハンドバックやショルダーバック、あるいは竹ベルトなど、ファッション小物として竹細工が生活に取り入れられた、そんな時代やったがではないかと思うがです。当時のバック類は竹を編み込む、いわゆる編組(へんそ)細工ではなく、竹を球形や楕円形など色々な形のビース状に加工し、それを細い紐で繋げて作られたモノやったですが、母も祖母も、親戚のおばちゃんなど周りの女性陣は、当時、皆このシリーズの竹バックを愛用しよったように思います。


けんど、そんな素晴らしい時は過ぎ去ってしもうて、今では竹のアクセサリーは、たまに見かけるくらい。竹虎でも虎竹を使うたバレッタと虎竹ペンダントくらいやろうか。時代は巡ると言いますけんど、竹のアクセサリー新時代はいつ来るがやろうか(笑)。まあ、来ても、来なくても、そもそも、こんな竹イヤリングがある事自体皆様がご存じないがではないろうかと思いますので、日本唯一の虎竹なども使いながら、ちっくとでもご紹介できるようにしたいと思うちゅうがです。

 

ワインクーラーふたつ

竹ワインクーラー


いよいよ春の行楽シーズン間近となってきましたちや。今年はどこにお花見に行かれますろうか?昔から「花より団子」と言われちょりますので桜が美しい事は、こじゃんと大切ながですが何分咲きであっても花は綺麗ですので、それより楽しみな事はやっぱり美味しい料理とお酒ですろう。お花見と言うたち色々な楽しみ方があって、桜の木の下にゴザやシートを持ち込んでワイワイやるのが高知などでは一般的ではあるがですが、屋外ばっかりではなくて、ちっくと洒落たお部屋などでワイン等を楽しまれる事もあるかも知れませんぞね。


極太の孟宗竹を使うて渋く仕上げた竹ワインクーラーが本領を発揮するのはこんな時ですろう。竹の節間をそのまま活かして製作しちょりますが、自然素材ならではの温もりや面白みが集まられたお客様にも大好評間違いないがです。まっこと春の行楽の雰囲気をますます盛り上げそうぜよ。


そしてこの春、竹ワインクーラーに初めてですにゃあ、新しく仲間ができましたちや。それが虎竹タガのワインクーラーながです。四国産の杉材を材料にして手作りにこだわる職人さんが、ひとつ、ひとつ形にして虎竹のタガでガッチリと仕上げちょります。杉の白い木肌に虎模様のタガが栄えちゅう氷りを入れて使うたらワインだけでなくて、キリリとした冷酒にもバッチリな面構えが格好エイがちや。どちらにしようか、ちっくと迷うてしまいそうですけんど、お好み次第で選んでもろうて楽しい週末を過ごしていただきたいと思うちゅうがです。


炎の不思議

竹炭


その日は冷たい小雨が降りよりました。温かいイメージのある高知ですけんど山間部に入っていくと、今でも雪が残っちゅうくらいかなり気温が下がり肌寒い事もあるがですぞね。坊主頭ですきに濡れると、こじゃんと余計に冷たいがですちや。タオルで頭を拭きながら竹炭窯のある炭小屋に入るがです。


火と言うのは不思議なものです。大きく燃え上がる炎は恐怖心を覚えることもありますけんど、静かに炭火で燃える炎は妙に安心感があるがです。フッーと息を吐いたてしゃがみ込むと自然と心が落ち着いてきてます。職人さんとも、つい長話をしてしまいますぞね。


竹炭窯の取材


今回テレビ東京さんの取材をしていただいて、一番嬉しかったのは地元の小さな竹炭窯を撮していただけた事ちや。日頃、あまり前にでる事のない竹炭職人さんと竹炭窯にはじめて光を当てていただいた思いですぜよ。たぶんテレビをご覧になられたお客様自身も、今まであまり見たことのない土窯の様子には少なからず興味を持ってご覧になられたのではないですろうか?


竹炭窯テレビ撮影


そして光が当たったのは竹炭職人さんだけでなはく、実は焼き上がった竹炭そのものにもやったです。取材の方はテレビカメラで綺麗に撮影できるように、手持ちで明るく照らす事のできる照明器具を携帯されちょりました。その灯りで炭窯の中を照らして頂くと、まっこと、いつも自分達が見ているのは違う世界みたいぜよ。そんな風に言うと大袈裟かも分かりませんけんど、なかなか新鮮な気持ちで見させていただいたがです。


土窯竹炭


取材いただいた竹炭窯は規模も小さく、ご夫婦でコツコツと焼きあげられゆう昔ながらの土窯やったがです。最高級竹炭に比べると低温で焼かれる竹炭窯ぞね。けんど今回、取材の方々も交えて普段あまり聞く事もない、炭窯の話なども職人さんとしながら長い事過ごさせていただいて、改めて竹炭を焼き上げる苦労や大変さを痛感しましたし。焼き続ける竹炭への深い愛情のようなものを感じる事ができましたきに、冷たい雨の中、心はぽかぽかになっちょったがです。


憧れのチカラ

竹虎二代目義治


「いつかは、あんな人になりたい。」日本一の竹屋と言われた男、小さい頃から自分のヒーローやった。竹虎二代目義治、自分の祖父になるがぜよ。


愛車にジーンズにアロハ姿、雪駄履きで乗り込む。学生時代に全寮制の学校に何度か迎えに来てくれた事が、まっこと昨日の事にようやちや。思い出したら涙でキーボードが打てんなる。自分は頭も悪いしパソコンの事らあ何ちゃあ分からん男。文字が見えんと書けんぞね。けんど、仕事の鬼と言われよった、ひとたび竹を触ったら人が変わったようやった。


どうして、あんな怖い顔になるがやろうか?


子供心に不思議に思いながら、愛犬のアトマとずっと後ろ姿を見よったがやきに。


京都イージー


「いつかは、あんな人になりたい。」


ずっと、今でも、いつも思うちょります。そんな方が周りに次々に現れる、都会も地方も関係なくなった今の時代。早くもなく、遅くもない今の時代に生かされちゅう幸運にただ、ただ、感謝しちゅうがです。まだまだ近づく事もできんけんど、離されんように、見失わんように付いていくがぜよ。


ネームプレート


ふと社員のネームプレートを見たら、裏側には別の社員の名刺が入っちょります。不思議に思うて訪ねたら、


「いつかは、あんな人になりたい。」


自分と同じ応えが返ってきましたぞね。その名刺は入社以来ずっと入れていて変色しちゅう。憧れるチカラが、憧れ続けられるチカラになった時、人は思い込みの殻を破っていく。なりたい自分は、自分の中おってずっとその時を待ちゆうがですろう。


虎竹茶試飲用パック

虎竹茶試飲パック


竹工場には特有の甘い香りがあるがです。小さい頃から慣れしたしんだ大好きな香りぜよ。糖質の多く含まれる竹を油抜きすると工場の外まで香る事もあるほどちや。随分と前の事になりますけんど遠い初めて行った町でとあるバス停を下りた所...、


「あれ?懐かしい嬉しい香りやにゃあ...」


竹の油抜きの香りがするがです。きっと、この近くには竹工場があるはず、それにしても珍しいにゃあ。そんな事を思いながら塀づたいに歩いて行ったら、案の定!やっぱり竹工場があったがぞね。


虎竹茶は、こんな竹のほのかな甘みの香りも楽しめるお茶ぜよ。まだまだご存じない方ばっかりですきに、少しでも知っていただきたいと一袋だけ入った試飲用のパックを作っちょります。今のところアルミパックが無くなるまでは他のお荷物などに同梱してプレゼントさせていただきゆうがです。1リットルの水に1袋を煮出して入れてとうせよ。ほんわかと立ち上る湯気の向こうには、すっかり春の空気に包まれた虎竹の里が見えるかも知れませんぞね。


日本唯一の竹林におったら、まっこと気持ちがエイ。射し込む光、サラサラと音をたてる竹葉の音、頬をなでる優しい風を、この虎竹茶で少しでも感じていただけたらと思うちゅうがです。


テレビマン、細部の「こだわり」

竹虎工場取材


遠くからテレビや雑誌の取材でお越しの皆様には、自分達のような、まっこと歴史の他には何もない田舎の小さな竹屋に足を運んでいただきいつも心から感謝をしゆうがです、ありがとうございます!


テレビの制作とか映像とかには素人ですきに、詳しい事は何ちゃあ分かりませんけんど同じ「モノ作り」という大きなくくりで取材に来られた方を見よったら、その細やかな作りへの丁寧さ、こだわりは熟練の竹職人と何ちゃあ変わらん気がするがぜよ。まず虎斑竹(とらふだけ)という知られていない、ここにしかない竹を決められた時間の中で沢山の方に正確に伝えるという難しい仕事を楽しんでやられゆう姿勢には頭が下がるがです。


下調べには工場の周りや、竹林を、こじゃんと歩いたり、竹細工などでも知らない事を良く聞いていただき、少しでも美しく、全体も良く映るように工夫されよります。前に驚いたがは屋外で作務衣にマイクを付けて頂いちょった時に、立っている場所の風向きなどまで気にされちゃある事。まっこと、プロの方のそれぞれの仕事ぶりがやるがやにゃあ、とつくづく思うた事もあったがです。


先週金曜日にテレビ東京の「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」で全国の老舗特集の中で今年皆様のお陰で創業120年になる竹虎も取り上げていただく事ができましたけんど、特に制作の方の熱心さと、こだわりが際立っちょっりましたちや。責任者の方はまだまだ若いのに、何とかカメラに良い絵を撮ってもらおうという熱意がヒシヒシ、エイものを作りたいという気持ちがビンビン伝わってきちょりました。寒い日の撮影で更に肌寒い山の竹炭窯に行きましたけんど、この制作責任の方は、あっちに動き、こっちに動き、自分の作られたプラン用紙を片手にモノを運んだり考えたり額から汗が流れよりました。前日含めて、たった2日間の撮影期間でしたが、日本唯一の自分達の虎竹を美しく画面に収めたい気持ちや。映り込む細かい場面への配慮には、実はずっと感じ入り、感謝の気持ちでいっぱいやったがです。


だから、普通やったら虎竹茶1パックだけ持って「今から飛行機で東京のスタジオまで届けにいきます」そんな事は考えもしないかも知れません。けんど、電話を掛けていただいた女性の必死さと一緒に、竹虎にお越し頂いちょった撮影の方の真剣な姿を思い出した時に「感じて」「動く」つまり、これが感動言うことやろうかにゃあ。何日も経って考えよったら、そんな風にも思うたがです。


ほんとうに小さい事、細やかな事を大切にできる職人が人をこうやって感動させる事のできる竹を生み出せるがですろう。誰かの笑顔を見たいという気持ちが本物やったら本物の竹が生まれる...ただ、それだけの事やろうかにゃあ。


「タイガー・タケトラ」特別動画

タイガー・タケトラ


まっこと皆様、申し訳ございませんでしたぞね。昨夜のテレビ東京「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」実は高知ではテレビ東京の番組はリアルタイムで見られないのですが、放映をご覧になられた方からお知らせいただきましたちや。あの男は帰ってこなかったようですにゃあ...。そう、ブルース・リーならぬ「タイガー・タケトラ」がどうやらカットされて、映っていなかったようながです。


空気清浄機竹風、虎竹名刺入れ、虎竹ペンなど、老舗という切り口で虎斑竹専門店 竹虎ならではのユニークな製品をアレコレとご紹介いただいた番組ながです。虎竹の里にもお越しいただき、こじゃんと撮影して、なんと、なんと竹虎四代目の登場シーンには「タイガー・タケトラ」で張りきって、こじゃんと撮影いただきました。ええ、もちろん、もちろんですぞね。日本唯一虎竹ヌンチャク振り回しよりましたぜよ。


もしかしたら使われないかも知れんにゃあ~、刺激が強つぎるきにゃあ~、とは言われちょりましたがあれほど長時間に渡ってアチャヨー!アチャヨー!やりましたきに、当然番組には映っちゅうものとばっかり思いよりました。


ええっ?「アチャヨー!アチャヨー!」どれくらい、やったのか?


竹虎三代目


そのご質問には、この写真をご覧ください。お分かりのように事務所内での撮影にはあまりの馬鹿さ加減に父親である会長が頭をかかえてしまうほど...それくらいアチャヨー!アチャヨー!やりましたぜよ。


まあ、けんど映ってないものは仕方ないがやき、しかし、皆様ご安心くださいませ。ご期待に添えなかったお詫びと言うたらナニですが、代わりに「タイガー・タケトラ」特別動画をご用意しちょりますぞね。


アチャヨー!アチャヨー!アチャヨー!



今夜放送ぜよ!「所さんのそこんトコロ!」

竹虎四代目(山岸義浩、YOSHIHIRO YAMAGISHI、TAKETORA)、「所さんのそこんトコロ!」、虎竹茶


「所ジョージさんに虎竹茶を飲んでもらいたい...!」


それは、半分泣きそうな声でかかってきた、たった一本の電話から始まったがです。実は数週間前にテレビ局の方には虎竹の里にお越しいただいて、日本唯一の竹林から竹工場、竹炭窯まで撮影してもろうちょりました。そして、その後スタジオ収録のために色々と送らせて頂いちょった竹虎の製品の中に、なんと、メインとなる虎竹茶が入っていなかったとの事ながです!所ジョージさん初めとして、出演者の方が勢揃いする撮影まであと数時間しかないと言われるがです。受話器の向こうの女性の声は震えちょりました。


「今日、東京のお客様に到着予定の虎竹茶はありませんか!?」

「調べたら、あるかも知れんけんど、どうするがです?」

「そのお客様の所まで私がお伺いして譲っていただきます!」

「..............................。」


電話を持ったまま思いだしちょりました。デパートに売り出しに行っても誰にも振り向いてもらえなかった日々、インターネットに取り組んでからも、竹なんか売れるワケがない。アホな田舎者が何をやっていると馬鹿にされた、一人として相手にしてくれる人がおらんかった。暗闇にポツンと自分しかいなかった時の事が蘇るがです。


この女性とは何度も何度もやり取りしちゅう。そして今こんな強い想いで自分達にしかない「竹」を求めてくれゆう。そう思うたら、心から嬉しゅうになってきたがぜよ。虎竹の里から東京まで言うたち何ちゃあない。同じ日本やいか、遠くはないがやき。


「あと何時間でスタジオの撮影が始まるがやろうか?」


自分が飛行機で届けに行きますけんど間にあいますか?思わずそんな言葉が口から出ちょったがぜよ。


「局で打ち合わせしたら間に合いそうです...。」


竹虎四代目(山岸義浩、YOSHIHIRO YAMAGISHI、TAKETORA)


さて、そうと決まったら龍馬空港まで走って、羽田からテレビ東京まで、まっしぐらちや。虎竹茶を手渡して帰ったらエイと思うて訪ねていったがです。そしたら...なんとビックリぞね、せっかく来るのだからスタジオで一緒に撮影したらとの事。


「何っ!?」


予想外の展開に呆気にとられる間もなく、控え室で説明をしてもろうてスタジオに入ってマイク付けたら、ハイ出番です...!


(まっことギリギリやったがやにゃあ...夢みたいぜよ)


しかし、どうやら夢ではないみたいぞね。隣にはテレビでしか見た事のない所ジョージさんがおりますぜよ。まこと自然体やにゃあ、、、けんど凄い存在感やちや。そして、お顔は何度も見たことのあるタレントの方々に取り囲まれてこの状態で自分に何をせえと言うがですろうか?


照明の明るすぎる華やいだスタジオは、竹林の自然な陽射ししか知らん自分には、ちっくと眩しすぎますが。いやいや、何ちゃあ、おじる(怖がる)事はないにゃあ。東京のど真ん中やろうと、有名人がおろうと、テレビやろうと目の前に並んじゃあるがは虎竹の里の子供達やいか。いつものように竹の事を話すだけやと思うたら撮影時間もアッと言う間、こじゃんと楽しむ事ができましたぞね♪


空気清浄機竹風竹皮草履虎竹名刺入れ虎竹ペンなど、カットされてなかったらアレコレご紹介させてもろうちゅうハズぜよ。まっこと残念なことに高知では放映されちょりませんきに今夜の番組を見る事はできませんけんど、テレビ東京が映る地域の皆様には是非ご覧いただきたいがです!


今夜9時からテレビ東京にて放送予定!「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」老舗スペシャルで竹虎が登場しますぞね。なんと、なんと数分間のつもりが10分間も竹虎があるようです(^^)これは、まっこと創業120年の節目に、こじゃんとエイ記念になるかも知れませんちや。


ありがとうございます!!!!!



「ケガの功名」明日の夜9時テレビ東京

竹虎工場


しかし、今週は月曜日から虎竹ヌンチャクだとか、虎(トラ)ックシューズ、虎(トラ)ックスーツなど、どう考えても、あの男の登場を暗示しちょりますにゃあ...(^^)


そう、人呼んで「タイガー・タケトラ」いやいや実は誰も呼んでくれませんきに自分で勝手に呼びよりますが、まあ、呼び名はどうでもエイがです。そもそも、自分がこのスーツを身に付け、シューズを履くがは


黄色×黒=虎


たった、これだけの単純な理由ながぜよ。虎と言うたら、日本唯一の虎竹の里に生まれ育った自分からしたら、どうしたち他人とは思えんがやき。あの虎(トラ)ックシューズや虎(トラ)ックスーツは竹虎の制服にしてもおかしくないのではないろうか?(本当にしてみたい......!)そんな風にも思うちゃある程ながですぜよ。


竹虎四代目


けんど、この30年ブログ「竹虎四代目がゆく!」をご購読いただきゆう皆様。全ては明日の夜9時のテレビ東京系列での放送ぞね。「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」で明らかになると思うちゅうがです。まっこと残念な事に高知での放映は数週間遅くなりみたいですが、東京や大阪などにテレビ東京の映る地域の皆様には、明日ご覧いただける言う事でドキドキワクワクしよりますちや。


今回のテレビ収録では、実は大変な事があったがですぞね。大切な虎竹茶を荷物の中に入れ忘れたばっかりに、こじゃんと大慌てしてから自分が東京のスタジオまで、日帰りでお届けすると言うドタバタな事にもなったがです。大雪で荷物の配送が遅れたという偶然もありましたにゃあ。お陰で、高知龍馬空港に帰り着いたらグッタリやったぜよ。


けんど、そのお陰でスタジオ収録に参加させてもろうて、所ジョージさんに虎竹茶を直接入れて飲んで頂く事もできましたきにケガの功名とはこの事ですろうか。放送は明日夜9時からですぞね、あの男は出ちゅうろうか...?



誰だっ!?こんな所にトラックスーツ

トラックスーツ


トラックスーツは虎竹の里では「虎ックスーツ」と書くがぜよ。(これは、昨日も言うたばっかりやにゃあ)けんど、山から伐り出されたばっかりの虎竹の上に虎ックスーツとは、ちっくと変ですろう?竹林の仕事は想像以上に大変な肉体労働ぜよ。その上、竹の枝をナタで伐り除いた後は鋭利なトゲになっちょります。南国土佐の真夏言うたら、こじゃんと暑くて、とてもじゃないけんど上着など着てはおれませんが、どうしても、ランニングシャツ一枚になれないがにはこんな理由があるがぞね。


ずっしりと重みのある虎竹を担ぐ時、昔の職人さんなどは腰の前掛けササッと肩に当てちょって竹を持ち運ぶ事も多かったですけんど、自分などは上着を着る方を選らんじょったがです。


虎ックスーツで山出し


アメリカのこじゃんと丈夫な衣料を作るワークウェアブランドでカーハートというメーカーがありますけんど、ここのジャケットの薄手を夏用、裏地のついた厚手のものを冬用として竹林や竹工場の仕事をしていた時には、ずっと愛用してきよりましたが、この堅牢な生地でさえ1年もたずボロボロになった事もあるがです。


竹林は男の仕事場、チャラチャラした服は似合わんがぞね。ましてや虎ックスーツ?これも明後日の金曜日夜9時から放映予定のテレビ東京の人気バラエティー番組「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」の放送を観たらエイがですろうか?


そうながです、是非、観とうせやっ!!!


※テレビ東京がリアルな時間帯で映らない地域が思う以上に多いみたいですぞね。こちらに次回3/7放送の「所さんのそこんトコロ!」の予告動画が掲載されちょります。よかったらご覧ください(^^) 

ややっ?トラックシューズ

トラックシューズ


トラックシューズは虎竹の里では「虎ックシューズ」と書くがぜよ。こんなスニーカーは、あのカンフー映画でしか観た事ないけんど、一体誰が忘れて行ったがやろうか...?


竹虎で靴と言うたら、まず思い浮かぶがは爪先部分に鉄の入った安全靴ですろうか。紐で足首の上までしっかり固定できるので、竹林での急斜面や不安定な荷台の上でも安心して働けるがです。鉄が入っちゅう分重さはありますけんど、履きよったら全く気にならなくなりますぞね。竹虎で扱う竹は山で伐採したてのもの。生々しい竹は水分をこじゃんと含んじょってから皆様が思うちゅう以上に重量があって重たいがです。そんな重い竹の束が積み込みの時に足先に落ちたらこれが、こじゃんと痛い、特に伐採時期は冬場の寒い頃ですきに、まっこと自分達にとったら安全靴は必要不可欠な道具ながちや。


竹虎の現場には不似合いな虎ックシューズ。どうしたがかにゃあ...?そう言うたら2週間ばあ前に東京のテレビ局の方らあが、大きなカメラを提げて竹虎の工場に来ちょりましたにゃあ。なんでもテレビ東京の人気バラエティー番組「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」と言いよったけんど今週3月7日(金)午後9時からの放送を観たらこの謎も解けるかもやにゃあ...。


ふと見れば、虎竹ヌンチャク

虎竹ヌンチャク


ややっ!?これは一体何ですろうか?何ち......ヌンチャクですろう。ヌンチャクち、あのカンフーで使うアレ...。


一体、このような物が竹虎の工場にどうしてあるがやろうか?ちっくと不思議に思われる方もおられるかも知れませんけんど、いやいや、実は何ちゃあ不思議では無いがですぞね。これは虎竹と言うイギリスBBC放送も取材に来た事があるような、日本に600種類以上もあると言われる竹の中でも、こじゃんと珍重される竹ではあるがですが、この虎竹の里では竹と言うたら虎模様が付くのが当たり前!普通なら虎竹のヌンチャクなど、あまり考えられんかも知れんけんど、ここなら普通に使われちゃあがるがです。


そうながです、わずか1.5キロの間口の谷間にしか成育しない、まっこと不思議な竹ではあるがですが、この虎竹の里では反対に他の竹で作る方が難しいぜよ。まあ、虎竹ばっかりながですきに。


ええっ?そう言う事ではない...?ああ、なるほど「そもそもヌンチャクがあるのは、どうしてか?」そう言う事ですろうか、これは失礼したがです。それやったらコチラの竹虎四代目予告ページをご覧ください。


ああ、なるほど、ヌンチャクが工場にあるのも分かるにゃあ。そんな風に納得いただけるかも知れませんぞね。そして、実はなんと、そんな黄色と黒の虎模様の男が今週の金曜日3月7日テレビ東京の人気バラエティー番組「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」に登場するかも知れんがですちや。夜9時からの放送予定やきに今から録画せんとイカンぜよ!


午後の虎竹茶

黒竹アフタヌーンティースタンド


いよいよ3月になって、南国高知では上着を脱ぎたくなるようなぽかぽか陽気の日も増えてきちょりますぞね。ツクシや菜の花の便りも、随分前に聞こえてきちょりましたのでそろそろ春の行楽が楽しみになってくる頃かと思いよりましたが、まっこと最近、一気に春めいてきましたちや。


さて、そこで皆様にお尋ねしたいがですが、竹のアフタヌーンティースタンドをご存じですろうか?いやいや、もちろん初めてご覧になられた方が多いかと思うがです。黒竹を綺麗に曲げ加工して組み上げたフレーム。そして、黒竹の色目に合わせて日本唯一の虎竹を使うて編み込んだ竹皿。三段と二段の二つのタイプがあるがです。


虎竹皿


アフタヌーンティーは、もともとはイギリスの習慣やったと思います。イギリスと言うたら、やっぱり紅茶やにゃあ。紅茶と一緒に軽い食事やお菓子を楽しむ、まっこと優雅な時間ぜよ。けんど、虎竹の里で竹のアフタヌーンティーやったら、出てくるお茶は決まっちょますぜよ、そうぜよ虎竹茶しかないですきに。竹特有のほのかな甘い香りと雑味のない自然な口当たりが、サンドイッチ等軽食でもスイーツ類でも食材の味を更に引き立てて楽しい午後のお茶となるがです。