Laurent Favre-Motさんの竹炭スイーツ

Laurent Favre-Motさんの竹炭スイーツ


そもそもフランスのパティシエさんからお声が掛かったのは、パリ在住の日本人の方を通してやったがです。突然に竹炭パウダーを使ったスイーツ作りをされたいとのお話しでしたが、日本では、すっかり定着して色々な食品に使われる竹炭なので、ヨーロッパで注目されるようになっても不思議ではないとは思いよりました。


けんど何というたち花の都パリですぞね。洋菓子というたら世界最高峰のいうてもエイような、まさに本場中の本場。そんな夢のような街で活躍されている方からの竹炭を使ってみたいとのお問い合わせに、まっこと心が躍ったのです。だから、山ばかりの虎竹の里から煌びやかな憧れの街というと、想像もつかないくらい極端に差があるにゃあと思いながらも、一度、お伺いしてみる事にしたがぜよ。


竹炭スイーツ


田舎者で大きな空港では迷ってしまい飛行機にも乗れない自分が、まっこと、まさかパリまで行くとは考えても見なかった事ですちや。そして、その彼の地に、真っ黒な竹炭が届けられて、一体どんなスイーツが完成するがやろうか?実はあまりにドキドキわくわくしすぎて12時間くらいかかるフライトも、「あれっ早から着いたろうか...」そんな風に思うくらいアッと言う間やったちや。初めてのフランスの空港でも、ドキドキしたはずですけんど、さっぱり何も感じんかったぜよ!それっぱあ、フランス人パティシエ、Laurent Favre-Motさんにお会い出来る事を楽しみにしちょったがぜよ。


Laurent Favre-Motさんの工房


竹虎でも毎日のように投稿させてもらいよりますが、最近ではフェィスブックなどというものがあってLaurentさんが、どんな方なのかは、だいたい分かっちょりました。けんど、何か職人気質な頑固さのある少し怖そうな方やにゃあ、眼光鋭い写真を見てそう思いよったがです。


Laurent Favre-Motさんの竹炭お菓子


ところが、お会いさせてもろうたら、どうやろうか、こじゃんと(とても)気さくで陽気、笑顔の格好のエイ、クールな方やったがです。しかも、パートナーの方も遠くからでも華を感じられるようなパリジェンヌ!個性的でもあり、感性豊かそうなお二人を拝見させていただいて、これは竹炭を使うた、とびきりなスイーツを体感できると期待が高まったがぜよ。


竹炭生地


普段は恐らく部外者には、こんな風にご自分の仕事を見せる事もないかと思いますが、今日はLaurentさんが生地作りから詳しく見学させて頂く事になっちゅうがです。淡々と手際よく進める仕事ぶりはさすがプロですちや。けんど、フランス語は案外早口ですし何を言うているのか、さっぱりぞね。Laurentさんが、何か話たりすると間髪いれず通訳をして頂く方がいてくれて、今回は本当に助かっちゅうがです。実はあまり表に見えないこのような素晴らしい方々のお力添えがあって、パリでも、まるで高知にいるかのような仕事ができたがです。


竹炭焼き菓子


竹炭入りの焼き菓子やスポンジを試作してくれます。スポンジ生地はレンジに入れて簡単に膨らませよりましたが、それぞれを、一つかみ食べて食感を確かめさせてもらいますと、竹炭の黒い色合いは、しっかり付いちゅうのに、口に微妙に残ったりするザラ感がないのは、配合を何度か調整されているのだと思うたがです。


竹炭粉


こんな粉状のものまで作られちゅうちや。バニラやイチゴのアイスクリームの上からかけるがやろうか?白×黒あるいは赤×黒と色合いに変化を持たせたい時にはエイろうにゃあ。後は、何かのスイーツに使うのだと思うのですが、本場フランスのお菓子、やはり奥は深いようなのです。


パリのパティシエ、Laurent Favre-Motさん


実はLaurentさんは新しいお店を出されるという事でした。自分がパリに到着する時には既にオープン予定であったものが、工事が遅れてしまい新しいお店に行く事ができません。そこで、別に用意していた工房で、色々なお菓子の試作を繰り返されているLaurentさんだったのです。なぜ竹炭に注目したのかと聞いてみました。すると、竹炭微粉末をスイーツに取り入れる事によって、今までのフランスのお菓子にはなかった彩りや風味の表現が、自分のインスピレーションで幅広くできるようになったと話されちょりました。


Laurentさんは日本が大好きな方なのです。お菓子職人としての自分の求めるオリジナリティや自分が作りたいモノ作りを追求していくなかで、好きな日本の「竹文化」というのは当然でてくるがですろう。Restaurant A.Tという同じように炭を使うた料理を創作されているのも日本人シェフとの事ですが、いつもお話しさせていただくようにイネ科である竹は、お米の品質がそうであるように、竹の品質は日本が世界一だと確信しちょります。今までにない最高のスイーツを求めていくのなら日本の竹炭といのうは、さすがLaurentさんです、一流のパティシエらしい選択ながぞね。


ローランさん創作竹炭スイーツ


日本びいきのパティシエさんが創作した作品の一つに、「まんじゅう」があったぜよ。おっと、いやいや、饅頭とは呼ばないと思うがですが、そんな形を思い起こさせる表面の薄皮に微量の竹炭が使われちょります。上品なグレーは自分も好きな色合いです。白、黒、グレーは日本の城好きならピンとくる色の取り合わせ、白は漆喰壁、黒は焼板の黒壁、そして瓦のグレーです。フランス人のLaurentさんが、そこまで意識したとは思えませんが、形から色合いに到るまで、まるで日本を表したかのようなスイーツぜよ。


お菓子の中身には濃厚なバニラアイスが入っていますけんど、その真ん中、饅頭で例えるとアンコの中心部分には、今度は竹炭パウダーを沢山入れて黒くなったコアスイーツが隠されちゅう。底には岩おこしのように砕いたアーモンド類を敷き詰めた創作MANJUスイーツ、これが又、何とも説明ができないような甘さと美味しさやったがぜよ。


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