胡麻竹の作り方

胡麻竹(ゴマダケ)


胡麻竹(ゴマダケ)は、文字通り竹の表皮にゴマ状のブツブツができる何とも変わった竹ではありますけんど、これも銘竹として茶華道では珍重されてきたがです。竹虎の本店で製品として一番多かったのは、やはり寸胴と呼ばれる花器でした。このゴマ柄と言いますか、いやいや柄ではないのです。手で触るとまさににゴマのような感触で本当に小さなゴマが付いたようぜよ。それが竹全体に均一に入った大きな竹が製品にされちょったのです。


実は、このゴマ竹については小さい頃から竹林で遊んだ自分達にとっては、まったく馴染みのない竹材ではなかったがですぜよ。竹は驚くくらいの生命力と成長力とがありますが、たまに何かの拍子で立ち枯れのような状態になった竹が竹林にあるのです。枯れて軽くなってしまっている竹を掴んだ時に、あれっ?と思うのが竹表皮に付いているゴマ状のブツブツ、まさに、これが胡麻竹やったわけです。


自然にできたゴマ竹


別に立ち枯れしているものだけではなくとも、竹を伐採して積み込んである竹に雨等がかかり、湿気が抜けず、湿ったまま長い間置かれていても、同じようにゴマ状のものが出来ている事があります。このような竹は、竹自体が傷んでいますので銘竹にはなりません。


ゴマ状のブツブツが出来る原因は、アピオスポラ・シライアナ(Apiospora shiraiana)又はアピオスポレラ・バンブサエ(Apiosporella bambusae)と呼ばれる糸状菌(カビ)の作用によると言われちょります。そういえば虎竹の山を研究に来られた京都大学の先生も、虎竹の模様は特殊な細菌のせいとも話されていたそうですぞね。竹には、このような菌による作用が多々あるがです。その菌の作用を人がコントロールして、より美しい銘竹に作り出すのが京都の銘竹の技ながぜよ。それなら、どうやって胡麻竹は作られるがですろうか?


胡麻竹の作り方


この孟宗竹の竹林には、ある部分にだけ異様な光景が目につきます。何か変だと思われませんでしょうか?そうながです、竹の先端が切りとられていて枝葉がないのです。実は、これが胡麻竹の作り方そのものながぜよ。3年から5年の孟宗竹は十数メートルにもなりますので、長いハシゴで先の方まで登り、先端と枝葉を切り落としてしまうのです。こうすると光合成のできなくなった竹は立ち枯れ状態となります。これを3月頃にしておいて、後は放置するだけ。あと胡麻竹に必要ものは適度な湿気ですろう。梅雨を経て秋以降くらいには菌のうまくついた竹には綺麗なゴマがつくそうです。その年の天候などにより胡麻竹の出来具合が違うというのは、こうやって人の手は加えるものの、その作り方には、ほとんど自然の力による所が大きいせいなのです。


けんど、こうやって竹林のある一箇所にだけこうやって胡麻竹を作るようにしているのは、先に出ました舌を噛みそうな細菌がそれぞれ発生した時に、近くに立ち枯れの竹が集まっていた方が菌がつきやすいためだそうです。まっこと、けんどこの枝葉のない竹林の光景も珍しい景色ぜよ。テレビに「なんとか珍百景」という番組がありましたが、これこそ「竹珍百景」のひとつですにゃあ。


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