編み上がったウツボ籠用のエギに思う

竹編みエギ


パリから虎竹の里に帰って来ましたぞね。さて、そこで今日は鰻捕りのお話しながですが、都市部で育った方や若い皆様方でしたら川で鰻を捕った経験のある方はあまり多くないかも知れません。しかし、自分の小さい頃の虎竹の里では小学生から中学生くらいの年頃の男子は必ず竹製の鰻ウケを数本持っていて鰻捕りに勤しんだものです。


自分が左手にもった肌色のものは鰻ウケ用のエギ、それに比べて別誂えで編み上がったばかりの青々としたエギはウツボ用ぜよ。通常のウツボ用より大きめなサイズとはいえ、こうして並べてみるとその違いは圧倒的!一目瞭然なのです。


竹編みエギ入り口


エギの入り口は奥に進むに連れて細く萎んだように作られていますが、竹の弾力性を活かしていますのでエサのニオイに誘われて泳いで来る獲物は難なくスルリと中に入ってしまう仕組みですぞね。これは鰻やウツボだけでなく、ツガニや他の川魚を捕獲する竹籠でも共通の仕掛けとなっています。


竹虎工場にて


しかし、この大きな竹製のエギがこれだけ沢山使われているとは!?驚かれるかと思いますが、ウツボ漁を盛んにしている地域は高知県の他にも和歌山や宮崎など黒潮の流れる太平洋側の県に何カ所かあるのです。使う漁師さんも漁師さん、編む竹職人も竹職人、まだまだ日本の伝統は残っているし、消え去ってしまった過去のものではないがぜよ。


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