土佐伝統の竹籠たち、四ツ目かごとサツマ

四ツ目籠


40数年前のポスターに写る竹籠は今でも全く同じものが編まれ続けていて、画像だけみれば長い時間を全く感じさせず今日出来あがったばかりの竹籠と言っても分からないモノばかりですが最後に紹介する四ツ目かごとサツマも、まさにそんな竹たちです。


四ツ目籠ポスター


ポスターには大小二種類の四ツ目籠が掲載されています。現在でも編まれている定番の籠を見るとシダの葉を飾ったヤマモモがいっぱい入れられていたり、この辺りでもよく採れる亀の手や、カラスの口などの貝類が沢山入った様子を思い出しますが、山から海まで広範囲にわたって使われてきた竹籠なのです。


梅干しざる製造


サツマとは網代編みの大振りな竹ざるの事なのですが、面白い事にどうしてサツマと言うのか実は誰もハッキリした事を知りません。「サツマ=薩摩」ではないかと自分は考えていて、古くにあった竹細工の技術交流の中で鹿児島からの技が伝わったからではないかと思っています。


梅干しざるポスター


土佐湾沖には黒潮が流れていますが、その潮流にのって九州から来て紀州の方に、そして更に遠くに繋がっていくという人やモノの動きがあったと思います。サツマに限って言えばそう古い話ではないかも知れませんが、生活に密着してきた竹を考えると古代のロマンを感じることも多いのです。


虎竹御用籠ポスター


ポスターには虎竹で編まれた御用籠がありました。御用籠は昔の自転車の荷台に太いゴムで縛り付けられていた竹籠と言えば懐かしく思い浮かべることのできる方もおられるかと思います。御用籠はご家庭で使われるような小さなものから、大人が数人がかりで運ばねばならないような大きなものまで実に様々なサイズがあって毎日の暮らしの中で役立っていましたが、虎竹で編まれたものは珍しいかと思います。


御用籠を虎竹で作ろうと思う人など日本に一人しかいません。元々真竹で編まれていた籠を虎竹にした祖父の思いは痛いほど分かります。このポスターを送って来ていただいた方は何も言いませんが、自分に示したかったひとつは、この虎竹なのですろう。


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