竹碗かごのある家が好き

竹籠、椀籠のある暮らし


竹細工がひとつあれば、いつものキッチンが大変身します。竹の持つ優しさ、強さ、しなやかさ、温かみが自然と広がるのだと思います。ホッと気持ちが緩むのは竹を見た時、だから、竹碗籠のある家が好きです。


椀籠の活躍した土佐のお客


自分は中学から全寮制の学校に入学したので縁遠くなるまでは地域のあちこちの「お客」に顔を出していました。「お客」というのは法事や神祭の度に親戚やら隣り近所から沢山の方が、それぞれの自宅に集まる宴席です。その日は母親達も手伝いに出ていますので自宅での夕食はありません、自然と子供たちも皆その「お客」にやってくるのです。


襖を取り払って大広間のように設えた部屋には座卓が用意され、ツマミからお寿司、羊羹まで大皿に盛り込まれた高知ならではの豪快な皿鉢料理、カツオの刺身も負けないくらい大きな皿盛られてズラリと並んでいます。


ガラガラと戸を開けるとワッと聞こえる上機嫌の大人達の笑い声!本当に楽しい思い出ですが、自分の場合は、そんな温もりに竹籠が重なります。


スズ竹丸かご


何人来客があるか分かりません、入れ代わり立ち代わりですから小皿やコップ、お箸が沢山必要です。台所には次々と使用済みの食器類が運び込まれるのですが、とても乾かしれきません。大きな竹笊に重ねられ土間から庭先や縁側に運ばれていくのです。竹碗籠にはそんな小さい頃の思い出あるので大好きで、大切にしたいのです。


当時は家族の人数も多かったので沢山の食器を入れる大きな籠が必要でしたが今では事情がかなり違ってきています。少し前まで販売していたスズ竹丸かごは直径が30センチ程度だったでしょうか。上げ底になっていて茶碗籠として愛用されてるいるのを拝見した事がありましたが、深さもありますので今の生活に茶碗籠としては少し大きすぎるかも知れません。


足付き台所籠(大)


淡竹で編んだ台所籠は大きいサイズでも33センチ程度にしています。深さも足部分もいれて10センチ、これでも二種類用意している大きい方のサイズです。竹籠のある暮らしが好きだからこそ、皆様に使っていただけるサイズ感は大事だと思っています。


すべての小中学校の玉入れ籠が竹籠戻ればと願っていますが、同じように多くのご家庭に竹籠が戻る日を願っているのです。


この動画は出版記念の懇親会ですが「土佐のお客」は、こんな感じです。


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