価値ある細き山道

虎竹ピクニックバスケット


先日放映されたNHK world「A Treasured Creation」への感想が遠い国から寄せられています。こうして実際にメールやメッセージを頂戴すると、本当に全世界に向けて発信されているのだなあと実感します。


昨年11月からの打ち合わせにはじまって足かけ数ヶ月に渡り何度も虎竹の里にお越しいただき時間をかけて撮影いただいただけあって、自分達でも気づかないでいた虎竹や職人、高知の文化、自然の魅力をあますことなくお伝えできているのではないかと思っています。


今回は、特産の虎竹で編まれるピクニックバスケットをご紹介いただきました。番組にもあったように一昔前にはお豆腐を入れる豆腐籠として普通に使われていた竹製品のひとつです。今ではスーパーでプラスチック容器に入れられて簡単に持ち帰れるようになっていますので同じ用途にはできません。しかし、蓋や持ち手の付いた機能的な籠は今の暮らしの中でも十分にご愛用いただける力を秘めた籠だと思っています。


豆腐だけでなく昔の商店街への買い出しには手提げ籠や、ちょっとした笊を持って出かけるのが普通の時代があって時の流れと共に消えていった竹細工も多くあります。


虎竹の里の山道


この道は古の昔から此処にあって土佐藩のお殿様に献上された虎竹が運ばれた道です。大雨の降る温暖な土地柄の南国高知ですので、使われない山道は数年で通れなくなります、虎竹をトラックで運び出す未舗装の主要道路も峠までは同じ道幅で続きますが、その先は人がようやく歩けるどの小道が残るだけとなっています。


竹と人との変遷を見続けてきた虎竹の里の山道も当時と変わらないまま続きます。竹を載せるキンマ(木製のソリ)はキャタピラ付の機械に代わりましたが、その道筋はずっと変わることなくここにあるのです。


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