東秩父村の竹縄(たかなわ)作り

竹縄


竹縄と書いて「たかなわ」と読む竹の縄は現在のようなナイロン製のロープや紐がない時代には本当に重宝されただろうと思います。自然素材の縄と聞いてまず多くの方が思い浮かべるのは藁を使った藁縄だと思います。稲作農家が多かった当時だと材料は身近にあって比較的容易に作ることもできますので安価に流通もしていたものです。


しかし藁は水に弱く耐久性も高くありません、藁を使った草履も雨降りに一日外で履くとダメになってしまう程。その点、竹の皮を使う竹皮草履は水にも強く藁とは比べ物にならない丈夫さを誇ります、同じように縄に使う場合にも竹縄は他の自然素材にはない圧倒的な強さが売り物だったのです。


竹縄材料


竹縄の材料は真竹や淡竹の新竹を使います。その年に生えた竹の枝葉が開いて3日目が伐採時といいますが、3.5メートル程度の長さに切り揃えて油抜きの加工をするのです。一度のこの作業を映画で拝見した時のことが忘れられません。虎竹の油抜きなどと違い豪快でした、まるで高知特産のカツオのタタキを思い出すような火の勢いでした。それもそのはずタタキは藁を燃やしますが同じように竹縄の新竹油抜きも大麦を使い一気に大きな火で炙るのでした。


油抜きしてその場でカマをつかい1.5センチ幅の小割竹(サッパ)を作り束にして運び1週間程度は夜露を避けながら天日干しした後、農閑期まで屋根裏で保管します。竹縄作りをする前にサッパの束は1週間水につけて柔らかくするのです。


竹縄


こうして水に浸けた素材をウスバという刃物で厚みのある竹材なら12枚、薄い素材でも6枚に剥いでいきます。


竹縄


これをメダケを芯にして片よりして一本の紐状のものを作り、クモデという木製の十文字の形をした道具に巻き付けます。


竹縄


竹縄


更に縄ぶちの作業、片よりした竹縄を三本ないにします。


竹縄


竹縄


木製のよりかけ機にかける準備をしています。


竹縄


同じように竹で作った竹縄の束子、これでより機で仕上げた竹縄をこすって縄目をつぶしていくのです。


竹縄


昔は菜種油が使われていたようですけれど、今はゴマ油をつけて擦っています。


竹縄


仕上げ前と後でこれだけの違いがあるのです。


竹縄


竹縄


こうして人々の暮らしを支え、地域としては貴重な現金収入でもあった竹縄が完成します。竹から縄というイメージはあまりないかも知れませんけれど、先人は柔らかい若竹を使うなど工夫をして最強のロープを生み出すことに成功していたのです。






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