感動と驚愕の国産竹材「楽屋」秘話

宇佐の漁師さん、竹虎四代目


この辺りで一番のオススメと聞いてやってきた銚子港「浜めし」は、さすがに人気店だけあって暖簾をくぐると昼前というのに満席状態。足を踏み入れてると正面奥の座敷に陣取る目付きの鋭いお客様と目が合った...こっ怖い!!あの人は、きっと店のヌシに違いないと思って一番離れた遠くの席に座った。


しばらくすると、どうもこのヌシのいる座敷席の様子かオカシイ。とにかく皆が何度もジョッキを注文しているのは良いとしても、これだけ沢山のお客さまでガヤガヤしている店内でもハッキリと聞こえてくる大きな声は...間違いなく土佐弁だ!?気になってヌシの方を見るとコチラに向かって手を振っているではないかっ!?


ええっ!オレに...!?
悪い事でもしたのかっ!?
恐る恐る近寄ると


「おまん、須崎の竹屋じゃろ」


浜めし


何と、このグループは須崎市の隣、土佐市の宇佐港からやってきた漁師さんたちで、ヌシと思っていたのは船頭さんだった。これは嬉しかった。初めて来た知らない町で懐かしい方言に高知の皆様。


漁師の方々は自分のように飛行機や新幹線でやって来るのではない、板子一枚下は地獄と言われる漁船に乗り、命がけで遠くまでやって来て束の間の休息を取っていたのだ。そう思えばここだけでの話ではないように思える。枕崎や焼津などカツオの水揚げでも有名な港をはじめ日本中のアチラコチラで、この店と同じように土佐の漁師が束の間の骨休めをする場所があるに違いない。頑張っているなあ、自分もやらなれればと気合が入る。格好が良い、さすが海の男たちだ。


竹の楽屋


それにしても何故、高知から遠く離れた千葉県は銚子にいるのかと言うと近くに楽屋と呼ばれる竹で設えたセンリョウ成育場が沢山あるからなのだ。


孟宗竹


日本最大級の孟宗竹は現在あまり活用方法がなく、各地の里山で荒れ放題になっている竹林が問題視される事がある。しかし、その竹を農業資材として大量に必要とされるなら面白いのではないかと思ったのだ。


竹工場


それにしても楽屋の工場は、数十年前の竹虎を思い起こさせてくれる素晴らしく懐かしい場所でもあった。何時間でもいたい、いや出来るなら一日中でもいたいと思った。日本は案外狭いようで広い、しかしここでも自分達も含めて竹産業が同じく抱える課題があった。動画でもお話しさせてもらっている。




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