黒竹をそのまま活かした箸箱

黒竹筒箸箱


ちょっと見ると虎模様のように斑が入っているので間違える方もいそうですけれど、これは黒竹です。近年の気候変化によって虎竹の色づきが変わってきたというお話しをする事があります、同じように黒竹も以前のように黒光りするかのような黒竹林が少なくなってきています、やはり本当に自然というのは敏感なものです。そんな虎竹と黒竹の違いは、色合いの他には太さ、黒竹は竹の中でも小ぶりな分類で太さも小さく背丈も低いのが特徴なのです。


黒竹箸箱


細身な竹の性質を活かして、丸竹をそのまま使った黒竹筒箸箱は籐編みのタガで蓋をしっかり留める仕組み、蓋をあければ中には同じようにタガで留めた虎竹箸がでてくる面白さです(笑)。


黒竹筒箸箱


この上蓋部分は、ゆるいカーブを描いて切込まれています。籐編みタガを上にずらして小さく飛び出したタガ留め部分まで持って来てから上蓋を開きます。


黒竹マイ箸


自然の黒竹は太さもそれぞれ違いますので中に収納している漆仕上げの虎竹削り箸も籐タガで留めるようにしています。こうする事により持ち運びの際に二本のお箸が固定されて不必要に動きませんし、取り出しやすくもなります。




黒竹伐竹

黒竹伐竹


竹を一年中伐っていると思われている方も多いようです、だから作りたくとも竹材が無いので作れないと言う話はお客様によって何度もご説明させて頂くお話しです。そんな伐採のシーズン真っ盛りに黒竹の伐採もはじまりました。


竹林の空


虎竹の里からすぐ近くには、虎竹同様に昔から笛などの素材として好まれた黒竹の産地があります。近年は需要低下や輸入材の影響で多くの職人が竹から離れ荒れている竹林も増えていますが竹虎では無くてはならない竹材です。


虎竹縁台


例えば虎竹縁台、細身の黒竹を並べて座面にすることによって独特のしなりのある座り心地になります。


別誂え黒竹玄関すのこ


黒竹玄関すのこも有難い事に20年前に考案して以来、ずっとご愛用者の方がおられる製品のひとつですが、革靴を脱いでホッと癒されるような気持ちのよい足触りは黒竹あっての事です。


黒竹伐採


自分の記憶にある黒竹の竹林は淡い緑の葉が茂る中に、真っ黒い竹が垂直に立ち並ぶ美しい光景です。竹は竹林にある時がやはり一番、あの生き生きとした竹の表情は忘れません。




白竹クギ留め粗四ツ目角籠

白竹籠


四ツ目編みの竹籠は数多くありますけれど、こうしてクギ留めで仕上げていくものは珍しいです。熱を加えて直角に曲げた竹フレームを組み合わせて角籠を作っていきます。昔の工芸作家の作品で、もっと幅の広い竹ヒゴを使った美しい籠があったのを思い出します。


粗四ツ目竹角籠


現代では竹材や価格など容易ではなくなりつつある中での製作ですが、クギ留めも場合によっては面白いなと感じます。


竹ざる四枚組


熟練の竹職人が少なくなり美しい竹細工だけでなく、このような三枚組だったり四枚組の竹籠を国産で見る機会は少なくなりましたので、形や大きさにバリエーションのできそうなクギ留め四ツ目籠には、それだけでワクワクします。


竹かご


こうして見ていると、ああも使いたい、こうも使いたい...。竹虎のお客様同様に自分も妄想して楽しんでいます(笑)。




続・天敵!チビタケナガシンクイムシ

チビタケナガシンクイムシ


今回、竹の害虫であるチビタケナガシンクイムシの動画を公開する事にしました。過去にこのような動画を観た覚えがありませんので、もしかしたら初めてご覧になられる方も多いのかも知れません。温暖化、気候変動による竹材の変化をずっと感じている中で竹を喰う虫の生態にも変化を感じています。もちろんこれは一部の竹材ではありますものの、自分達が毎日接する日本唯一の虎竹はじめ、孟宗竹、真竹、淡竹、など日本国内の三大有用竹はもちろん、寒い地方のスズ竹、篠竹、根曲竹など今まであまり無かった竹材にも同じような被害を目にします。


伐竹時期や竹材管理を今まで以上に徹底してやる外にありませんが、昨日の30年プログでお伝えした炭化加工した竹材でさえ少ないものの虫が入る事があって防虫は100%ではありません。さらに言うと薬剤で防虫加工された竹でも虫が喰うものは喰ってしまうのです。しかし、反対に伐竹時期の悪い竹でも全く虫の来ないものもあり不思議に思う事が多々あります。


チビタケナガシンクイムシ熱湯処理


竹虎では実験も兼ねて、孟宗竹、真竹、淡竹など様々な竹の種類のザルや籠を数回から十数回、熱湯処理を施す事があります。多くの場合は一度や二度の熱湯処理ではあまり効果はなく、時間が経つと再度虫が喰う場合があります。熱湯処理と天日干しを根気よく繰り返す他ありません。


チビタケナガシンクイムシ、竹の害虫


チビタケナガシンクイムシは小さいだけに見つけづらい上に意外と動きも素早く、アッという間に小さな穴に隠れたりしますので、竹細工から落ちる細かい粉に日頃から注意することが必要です。


チビタケナガシンクイムシの穴


早く対処すればどうと言う事はありません、しかし対応が遅れるとこの竹串のように全く使用できなくなります。虫が喰うのは一部の竹材ですし、薬剤を使っていない安全な証と言っても、ここまでだとユーザーの皆様の支持を失くしかねません。山の職人が少なくなり良質の竹材確保が大変な時代に、ますます難しい竹管理は避けては通れない課題です。




天敵!チビタケナガシンクイムシ

 
竹製鬼おろし


寒くなったら湯気の立ちのぼる鍋料理がいいですね、食される機会の多くなるご家庭もあるのではと思います。自分なども毎日鍋でも構わないほどの鍋好きです、鍋料理と言っても様々な食材、味付け、食べ方があって実は飽きない食事ではないでしょうか。


そんな鍋料理に大活躍する大根おろしをシャキシャキの新触感に変えてしまう竹製鬼おろしは全国のご家庭に一台はご用意があると美味しく豊かな食卓になること間違いありませんが、ただ一つ、特に近年増える傾向にある竹の害虫の事をお話ししておかねばなりません。




YouTube動画でご覧いただきましたように出来るだけの虫害、カビ防止のために高温と圧力によって炭化加工をした竹素材を使用する事にしています。防虫剤などの薬剤処理ではありませんので自然の竹と同じように安心してお使いいただけます。


炭化加工竹鬼おろし


ところが、動画の中でもご説明していますように本体や持ち手には炭化加工を施しているものの、鬼歯部分には強度面を考慮して炭化加工しておりません。ご覧いただきましても確認できるのではないかと思います、鬼歯は白っぽいままになっています。


チビタケナガシンクイムシの穴


今年になって炭化加工された製品への被害は目に見えて少なくなりホッと安堵していましたけれど、何と今度は炭化していない鬼歯部分にだけ虫が喰っています!さすがに炭化していない部分を狙うとは見事!(などと呑気なことは言ってられませんが)害虫の名前はチビタケナガシンクイムシ、小さい虫なのに被害は甚大。それぞれが自然の営みの中で生きている証、しかし気が抜けません。




虎竹フロアライトの製作

 
虎竹フロアライト


日本唯一の虎斑竹と土佐和紙という高知県特産の素材を組み合わせて製作した虎竹フロアライトは、同じ地域の山の恵みというだけあって相性も抜群で、自然素材ならではの優しい灯りが心を静かに落ち着かせてくれます。


虎竹フロアライト


サイズは大小に種類からお選びいただけますが、和洋問わず様々なお部屋のインテリアに馴染むと好評です。


虎竹ライト、竹虎四代目(山岸義浩)


柔らかい光と、浮かび上がる虎竹の影に魅入ります。何となく幼い頃、母の実家にあった大きな囲炉裏でパチパチと燃えていた小さな明かりを思い出しました。


虎竹フロアライト製作


今回は、この虎竹フロアライトがどのように製作されているのかを動画でご紹介しています。竹材の扱いだけでなく、台座の木工の技術もある職人によって生み出される癒しの灯りの様子もご覧ください。




虎竹アーマーで地元高校の授業?

虎竹アーマー


いよいよ今週になってしまいました。いよいよ、と言いますのは今週高校生の授業でお話しさせていただくのですが折角の機会なので虎竹アーマーでお伺いするとポロリと話してしまったのです!テーマは今年地元中学生にお話しさせていただいた「NO BAMBOO NO LIFE」なので分かりやすくて良いアイデアだと、その時は思っていました。


虎竹アーマー腕


あっ、もしかしたら虎竹アーマーをご存知ない方もおられるかも知れません。昨年の竹虎創業125周年記念で参加したスペインはビトリアでのボックスカートレースに日本唯一の虎竹カートを製作して参加したのですが、その時に着用するプロテクターとして作ったものなのです。細部まで職人がこだわりぬいた傑作です(笑)。


スペインでのレース


虎竹は土佐藩政時代に山内家への年貢として献上されていた歴史がある竹なので兜のモチーフは山内家初代の山内一豊公が被っていたものを再現しました。お陰でスペインでも拍手喝采でしたが、今の若い高校生には果たしてどうでしょうか?


竹虎四代目(山岸義浩)


この格好でドン引きされたら...。虎竹アーマーは本格的なので重量もあって重いのですが、鎧よりも気が重い月曜日です。




炭鉱で使われていた背負い籠「タンガラ」の不思議

タンガラ、竹虎四代目(山岸義浩)


タンガラ(炭殻)の一番の特徴は何と言っても縁部分にヒョッコリと突き出したアタマ!一体何だろうか?と考えていて背負った時に背中に当たる面を多くする事で円形のタンガラが安定して背負う事ができるのではないか?等とも考えていましたが、実は背負った荷物を下ろす際に役立つというのが正解でした。


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しかし、これは当時の仕事のやり方を知っていないと分かるはずもない事です。今はリュック式のバッグが流行っていますので若い方をはじめとして多くの方が使っています、背負っている鞄を下ろす時には、片方の腕を背負い紐から抜くのが普通ではないでしょうか。だから、このタンガラにしても片側の紐から腕をぬいて両腕に籠を持ち換えてから中の石炭を下ろすのかと思ってしまいます。ところがです、何と荷物を下ろす時にも両腕から背負い紐を抜くことなく頭を下にさげて、そのままバラ撒くような格好で使っていたのです。下のYouTube動画で詳しく説明していますけれど、その時にこの突出したアタマが役立ったのでした。




もう一度先日の30年プログでご紹介した大きな背負い籠をご覧ください。背中の方にある大きな背負籠は乾燥した軽い枯れ葉を集めるための籠、前に持っている少し小さな背負籠の方は草刈り籠で、生の葉を集めて入れる籠なので重量がある分だけ少し小さめに編まれています。背負籠の大きさ、使い方、それぞれによって違いや工夫の生まれる暮らしの道具、興味が尽きません。


背負い籠


2021年新春は青竹箸

 
青竹箸


お正月には気持ちのよい青竹箸でお節料理がいい。青竹の塗り箸というのは不自然な色合いのものもあるのですが、この青竹塗箸はかなりリアルな色合い。サイズも23センチで、どちら様でも不自由なくお使いいただけるお箸となっています。


青竹箸コントラスト


アッと言う間にお正月がやってきますけれど、玄関先に置かれる門松を思い出していただきたいのです。中心に3本立てられた青竹とハス切りされて見える竹の身の白いのコントラストは日本人の一番好む色の組み合わせてとも言われます。この青竹箸も裏返せば美しい竹肌をご覧いただけます。


真竹、青竹


青竹箸塗箸です、もちろん天然の青々とした真竹を使う自然そのままのお箸もあります。しかし、この青竹の青さが長く保たれればよいのですが、青い色合いは本当に一時のもので伐採するとその切口からみるみる間に白くなっていきます。


メゴ笹籠


たとえば、このメゴ笹籠も青く瑞々しい内でないと編めない素材なので編み上がったばかりの籠を見ると目が覚めるような美しさです。ところが少し時間が経つと青さがぬけ、更に時間がたつと白く落ち着いた色合いに変化します。


青竹酒器


実は竹の良さは色合いが落ち着いてから長く長く使う内に醸し出されるものなのですけれど、青竹の良さを、一瞬の香りを楽しむ場合には伐竹してすぐの青竹を使わねばなりません。ただし青竹を愛でることのできるのは一回限り、次の日には青竹の良さは消えてなくなるので店舗で出された青竹酒器を自由にお持ち帰りできるのはそのためです。(カビも生えやいすのでご注意ください)


青竹箸


青竹の塗箸は、このような問題を解決して使い勝手の良さと青竹の色合いの両方を味わいたいという欲張りですが自然なご要望から生まれました。お求めやすいお値段ですのでご家族の皆様揃ってお正月をのんびりお過ごしいただきたいのです。


タンガラと呼ばれる背負い籠の職人

 
タンガラ、背負い籠職人


とにかく格好が良い職人だった。このタンガラと呼ばれる背負い籠は元々は炭鉱で石炭を運ぶのに使われていた物で漢字で書くと「炭殻」。重たいに荷物を運ぶのに孟宗竹のような丈夫な竹が使われる事が多かったようだ。太い孟宗竹で編む場合には1本子(いっぽんこ)と言う一枚の竹ヒゴを使い、真竹の場合には孟宗竹のように大きくはないので二本子(にほんこ)という幅の狭い竹ヒゴを二枚並べて編んでいる。武骨で丈夫な竹細工は上質な竹から生み出される、今回使われた青々とした真竹を粗割する。節を払う、竹編みがはじまる。


淡々と進む竹編み、終始寡黙な職人から伝わる野武士のような気迫。この職人は真竹と向き合い、格闘しているかのようだった。編み上がった時、工房から一気に緊張感がスーッと消えるのが見えた。




竹二段重箱のすすめ

竹二段重箱


そろそろお節が気になり始めた方もおられるのではないでしょうか?先日テレビニュースを見ていましたら、何とお節の予約販売が好調だと言われていました。自分の母の頃は家で作るのが当たり前だったお節料理が、現代では冷凍で30日や大晦日に届けられる時代なのかも知れません。


竹二段重箱、お節
 

けれど、いやいや私の家ではやっぱり手作り、家の味にこだわるという皆様には竹二段重箱をおすすめいたしております。「松竹梅」と縁起のよい植物に数えられる竹は、お正月に無くてはならない門松の中心にドン!と三本ならんで存在感を示していますがそんな竹を集成材に加工して製作された重箱です。


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仕切りには「井型」「十文字」と二種類あってお選びいただけますし、追加で仕切りだけをお求め頂く事もできます。


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十文字仕切りもお使い用によっては色々と応用がきいてお正月だけでなく春の行楽などにもご愛用いただいております。


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竹集成材ならではの竹節の現われる木目の美しさをお楽しみください。


大きな竹の背負い籠

 
背負い籠


近年あまり編んでいないという大きな背負い籠を見せてもらいました。竹編みの背負籠自体があまり多く流通しているものではありませんが、更にこのサイズとなると博物館に展示されているレベルです(笑)。一体何を運ぶための籠だろう?重たくなりすぎて背負えないのではないか?等ご存知ない方からすれば色々と疑問が浮かんでくるのかも知れません。


背負い籠


このような巨大な籠は、枯れ葉や雑草などを集めるために編まれていたのです。農家では堆肥作りをするために沢山の枯れ葉を使っていましたので、重量はないものの、かさばってしまう落葉拾いにはこのような竹籠は欠かせませんでした。まさに軽く、丈夫な竹の特性が十分に発揮された道具だったと言えます。また、このような大きさになると各籠はその農家さんの使う方や、使い勝手によって別誂えで作られる事が多かったのでそれぞれ大きさが違っていたりします。


背負籠というと高い山々の連なる日之影町で「かるい」と呼ばれる背負い籠作りをされていた飯干五男さんを思い出します。名人と二人で過ごしたあの時間、ひとつの籠が編まれるまで数時間かかったはずなのに一瞬だったような...不思議です。




リビングで活躍する虎竹スクエアバスケット

 
虎竹スクエアバスケット


日本唯一の虎竹で編んだスクエアバスケット(リビング四角)は結構おしゃれな感じに仕上がりました。毎日の暮らしの中でご愛用いただける竹細工をいつも目指しているのですが、そんなアイテムに近づいたひとつではないかと思います。


虎竹スクエアバスケット


最初は持ち手を付けずに製作していましたものの、やはり持ち手があった方が持ち運びに便利です。縦ヒゴ、横ヒゴを切って小窓のような持ち手を作っています。


虎竹スクエアバスケット持ち手


バスケットの側面には虎竹模様の浮かび上がる竹表皮のヒゴと、その内側部分の竹ヒゴが交差します。同じような編み方をしても虎竹でないとこのようなコントラストにはなりません、改めて虎竹の里の自然が生み出した神秘の竹に魅入ります。


虎竹スクエアバスケット


虎竹スクエアバスケットのリビング用籠には、現在この四角タイプと一辺が少し長い長角タイプの二種類があります。竹伐採がはじまったり、年末に向けての気ぜわしい時期だったりですが、もう少し先になれば又違うタイプもできそうで楽しみにしています。




ご存知ですか?竹製爪楊枝の強さ・耐久性

竹虎四代目(山岸義浩)、竹楊枝


「竹ようじ最強伝説」なるハチマキをしていますが、一体何なのか?ご存じ無い方は不思議に思われるのかも知れません。まあ、竹の強度の高さは自分達からすれば常識なのですが実際に使ってみるとあまりにその使用感が違うので一度ご説明させていただこうと思ったのです。


竹楊枝、木製楊枝


もしかしたら、竹も木も区別がつかないという方もおられるかも知れません。また、若い時には爪楊枝などあまり使わないと思います、自分もたまに使うようになったのは最近の事です。そして、一般的な木製の爪楊枝を使うたびに先端の尖りがすぐに丸まってしまったり最後には折れてしまう強度の無さに物足りなさを感じていました。


竹製楊枝


ところが、この竹製楊枝の強さと言ったら本当にスゴイです。先端の尖りは使っても使っても全く元のまま、これが丸くなるには何か他の硬い石にでも打ち付けねばならないのでは?と思うほど。木製のように折れるなどという事はまず考えられません、まさに「折ってヤル」という意識がないと折れません(笑)。


竹の強さを十二分に活かした素晴らしいものの一つですが、国産なので竹串などと同様に製造がなかなか追いついていないのが現状です。竹串にしろ、この竹楊枝にしろほとんどの工程は機械化されていますが、その機械を扱うのは人の手ですし、機械自体の老朽化も進んでいてメンテナンスも負担になっています。竹材不足など二重苦、三重苦の中製造の続く日本製竹楊枝や竹串については後日動画でご覧いただけるように準備しています。




感動!国産の竹製熊手工場

国産熊手、竹虎四代目(山岸義浩)


高知でも山間部に行けば紅葉が始まっていて行楽には良い季節です。このような時期ではありますものの野外であり美しい景色を求めて行かれる方は多いかと思います。紅葉から落葉になると庭のお掃除、お手入れに活躍する道具のひとつが「熊手」。しかし、年末にも出番があるのではないかと思いますが、日頃からあまり皆様の関心は薄いのではないでしょうか。


日本製竹熊手工場、孟宗竹


熊手を、わざわざ「竹製熊手」あるいは「国産」「日本製」と付けて呼ばねばならないのはホームセンターなどに行くと既に竹の熊手はプラスチック製や金属製の熊手によって隅の方に追いやられていますし更に竹製と言っても輸入品ばかりです。


日本製竹熊手工場、孟宗竹


地元の孟宗竹を伐採し熊手を作る工場など日本にはもうここの一軒しか残っていないようです。大量に使われる事がなくなった孟宗竹がまるで邪魔者のように思われている昨今、ますます貴重な存在になっている熊手工場と言えます。


竹割機械


これだけの数の菊割を付けた大型機械が、これだけ忙しく稼働しているのは恐らく日本でこの一台だけです。


竹熊手工場、孟宗竹


国産竹熊手工場竹材


熊手工場竹材曲げ工程


粗割された後、割幅を整え薄く削られた竹が並べられる風車のような機械こそが、この熊手工場の心臓部分。熊手はゴミをかき出す先端の曲りをいかに効率良く強度を持って作られるかが大事なところです。この唯一の熊手工場では回転式曲げ加工機械を開発して連続して次々に大量製造できる仕組みを作っています。


竹製熊手工場職人


職人が高温に熱した鉄棒を曲げ部分に入れて操作すると竹から湯気があがります。


竹製熊手曲げ工程


濃い緑色をした孟宗竹表皮がウグイス色に薄く変色している箇所が熱の入っている部分です。熱を加えながら鉄棒で挟んで自動で決められた角度に曲げられる仕組みでした。


竹熊手


こうして生み出される国産竹製熊手の先端部分。


国産竹熊手


流れ作業によって次々に扇状に留めていく職人の手際も見事です。


日本製竹熊手


あまり注目される事もない熊手ですが福を集めると酉の市などでは縁起物とされています。多くは安価に製造される国外からの竹製品ではありますが、こうして国産にこだわり続ける熊手工場もある事を知っておいてください。動画の中では先端が曲げられる様子をじっくりとご覧いただけます!まさにミラクルワールド!感動しますよ!




ワインクーラーのロゴマーク墨入れ刻印

 
竹ワインクーラー


竹虎で販売させて頂く竹製品の中には刻印して記念品やプレゼントとして活用できるものがあり個人の方はもちろんですが企業や学校関係の方からお問合せを多々頂戴しています。竹箸や竹ビアグラスにもレーザー刻印するだけで特別感のあるギフトとなりますのでお陰様で好評なのですが、中には刻印した後に墨入れをする場合のある竹ワインクーラーやアイスペールのような製品があるのです。


竹アイスペール


墨入れの場合には、文字や単調な図柄と違いロゴマークの場合には非常に時間と労力がかかる場合があります。


ワインクーラー刻印


竹ワインクーラー、竹アイスペール


ロゴデザインの細やかさによりますが、繊細な手作業が必要でブルーライトなども使いながら乾燥時間を入れて2日程度かかっています。その辺りの事も皆様に知っていただきたいと動画を製作しました、意外に手間がかかっていることをご理解いただけるのではないでしょうか。




2021年竹虎カレンダープレゼント

 
2021年竹虎カレンダープレゼント


いよいよ年末の恒例お楽しみ、竹虎カレンダーが出来あがりました。2020年の感謝と、2021年もよろしくお願い致しますという気持ちを込めまして、12月末日までに竹虎で商品代金合計3,300円(税込)以上、お買い物していただきましたお客様、先着2021名様に竹虎カレンダーをプレゼントいたします!


虎竹ランドリーバスケット


しかし一年は早いです、一体今年は何ができたのだろう?振り返れば反省ばかり、出来なかった事ばかりが思い返されます。ただ昨年は無かった竹籠が、こうして今ここにある、これは2020年も何とか竹と共に過ごさせて頂けた証です。




根曲竹の盛皿

根曲竹盛皿


根曲竹の盛皿など、なかなか出会う機会のない非常に珍しい竹製品なので実は自分で持っておきたいと思っていました。しかし、やはりこれだけ特徴的な竹材で編まれた盛皿なら恐らくご愛用いただく方の使い方、食材などによって何倍にもその魅力が引き出され多くの方に喜んでいただく事ができるのではないか?そう思いお譲りすることにしたのです。


根曲竹盛り皿


二本子とも呼ばれますが、ふたつの竹ヒゴを並べて編み込まれた根曲竹。熊が頻繁に出没する山深い竹林での逞しい竹たちを見ているだけに、この竹への想いは深まるばかりです(笑)。




竹の伐採は日本全国どこでも大変な作業というのは変わりませんけれど、爆竹を鳴らし、笛を吹き、ラジオの大音声の中で伐竹する根曲竹の山出しは特別かも知れません。このYouTube動画にそのシーンが出てきますので是非ご覧いただきたいと思います。


根曲竹盛り皿縁


縁のあしらいも良い。


根曲竹、竹虎四代目(山岸義浩)


この大きさなので一体どんな豪快な食卓を飾るのでしょうか。大歓声と笑顔が自然と浮かんでくるのです。


根曲竹盛器


根曲竹


三本の根曲竹ヒゴで編まれた少し小振りな盛皿もあって、料理人の方などインスピレーション沸いてくると思います。


根曲竹足


足もいい、好きになる竹細工は細かい所がいいのです。鋸で切った跡の残る鋸目までいいです。


根曲竹蓋付き提籃ミニバッグ

 
根曲竹蓋付き提籃ミニバッグ


野趣あふれる根曲竹は無骨な編みのイメージがありますけれど、 このような繊細な蓋付き提籃ミニバッグもあるので面白いものです。


根曲竹蓋付き提籃ミニバッグ


サイズは小さくとも堅牢さは変わりません、持ち手もフルオープンになりますので上蓋を外して使い勝手も良さそうです。


根曲竹蓋付き提籃ミニバッグ、竹虎四代目(山岸義浩)


このサイズ感なので一体どうやって使おうか?ご愛用いただく方のアイデアで色々とお楽しみいただけます。


根曲竹御所籠


根曲竹で編まれた御所籠などもあります、これは特製の燻製窯で長時間燻して人工的に煤竹状態にして素材を使っています。竹表皮をそのまま活かして編み込む根曲竹やスズ竹といった細い竹材は、このような加工をすることによって特に竹がイキイキと輝きだすのです。




四ツ目編みのエビラについて

四ツ目編み


竹の旬が良くなって伐採された竹が入り始めると、ようやく少しづつ仕事ができる職人がいる。少し前に復刻したばかりのエビラ(竹編み平かご)四ツ目編みもそんな竹細工のひとつ、このサイズなら思う存分の干し野菜を楽しむことができる。


エビラ籠


近年、竹伐り職人が少なくなっていると各地で耳にするけれど、日本一の森林面積84%を誇り山の仕事が多くありそうに思える高知でも事情は似たりよったりである。不足しそうな竹材なら余分にストックすれば良さそうでも実際はそうはいかない。


えびら竹編み素地


実は同じエビラでも昔から製作してきた網代編みと、復刻した四ツ目編みでは使う竹材が違っている。伝統的に網代編みには竹ヒゴがしっかりしている孟宗竹を使ってきた、木枠を取り付ける前の平編みでも結構な強度があるものだ。


孟宗竹


ところが四ツ目編みとなると孟宗竹のような強さより、しなやかで優しい真竹が編みやすい。


平編み籠


孟宗を伐ったり、真竹を伐ったり...確かに竹林は多くて、伐竹は歓迎されるが年々荒れていて良い竹は随分と少ないのが現状。それを何とか工面して竹編みしたら木枠を付けて仕上げていくのである。


土用干し、干し野菜用


四ツ目編みエビラは古い道具を展示している資料館で見かけてからずっと復刻させたいと思ってきた。同じものを作るのは簡単だが、続けていくのが難しい。そして同じように再現させたい竹は、まだまだある。




虎竹右近下駄の修理

虎竹下駄

 
昨日は山葡萄手提げ籠バッグの修理のお話しでしたが、手直しするのは他にも色々とあります。たとえばこの虎竹右近下駄、四角に切り取った虎竹を美しく並べた台部分が傷むことはないものの底がチビてしまいます。あまり下駄を履く機会が少ないと思いますので履き心地についてもご存知ない方が増えたように思いますけれど、桐の歯下駄などお使いいただくと柔らかい材質が歩きやすい反面、意外に歯部分が早くチビていくものです。


虎竹右近下駄


虎竹右近下駄も桐材ですので底の減りは早く、しかもご愛用いただくお客様の歩き方のクセによりチビ方は様々です。そこで修理にお預かりさせて頂くと底部分を均一になるように一旦すべて削り直します。新品の下駄と比べると、このように台部分が薄くなっているのがお分かりいただけます。


虎竹下駄の色合い


それにしても使い込まれた虎竹の色合いというのは良いものです。右側の新しい虎竹に比べ飴色のような深みのある風合いに変わっています。こうなってくると新しい下駄というより「手直しして使えるものならそうしたい」自然とそんな気持ちになってきます。自分も下駄は使用頻度は高くありませんので、30年以上使っているものが3足、4足あります。思えば安価な履物です。




30年前の山葡萄手提げ籠持ち手修理

 
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優しい丸みを帯びた山ぶどうの手提げ籠バッグは30年前に来客されたお客様が購入されたもの。今では譲られた娘さんがご愛用いただいているそうです。こうして親子二代、三代にわたって手に出来るのも丈夫な自然素材の素晴らしいところです。それぞれ使用頻度によって色合いは違いますけれど、この山ぶどうはまだまだこれから輝きを増しそう。現在巷に多くあるような技巧に走る派手目のものより、やはり昔ながらの素朴な籠は魅力があります。


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山葡萄手提げ籠に限らず持ち歩くことの多い買い物籠類は、底の四隅部分と並んで持ち手部分が一番傷みやすいものです。いくら丈夫さを誇る野葡萄でさえ、このようにヒゴが折れる事もあります。そう言えば自分が母から譲られた山葡萄セカンドバッグも同じように何か所かヒゴ折れがあります。


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セカンドバッグは網代に編み込んだヒゴ部分なので問題ありませんけれど持ち手は修理せねば使う事はできません。自然素材は強いと言われていても傷むことはあります、けれど元通りに手直しすればまた同じように何十年と傍に置いておくことができるのです。


根曲竹の手提げ買い物籠バッグ

 
根曲竹林


根曲竹が雪の重みで根元が曲がっているという話自体は竹関係の方なら誰しも知っている事なのですが、それが実際の竹林となるとあまり多くはありません。日本三大有用竹である孟宗竹、真竹、淡竹に比べますと一般的な竹素材ではない上に成育地域も限られているためです。


根曲竹原竹


しかし伐採される竹林で触る根曲竹は工房で束にされている竹とは同じように青々としていてもやはり生命力が違います。まるで地を這うように伸びて逞しく生きる姿は感動的ですらありました。


根曲竹乾燥


伐採して山から持ち帰った根曲竹は水洗いした後に、こうして竹の束を立てて乾燥させます。奈良県の高山茶筅の工房が材料の晒竹(白竹)を同じように並べて干してあるのを思い出しましたけれど、効率よく乾燥させられますので竹虎でも天日干しする竹材は同様にしてズラリと並べています。


根曲竹職人


こうした素材で編まれる根曲竹細工の籠、今一番のお気に入りは少し大型の手提け買い物籠バッグ。スズ竹の開花によって市場籠が竹材不足となり作れなくなっています、もし代替品として使うならまず一番に思い浮かぶのはコレしかありません。


根曲竹手提げ籠バッグ


この大きさですと買い物の量も多くなり重量的にもかなりのものです。土佐の日曜市に続いてやって来た、木曜市などでも気兼ねなく使えるタフさは根曲竹ならではなのです。




根曲竹の生命力

根曲竹竹林


根曲竹は高知などでは身近ではないからかも知れませんが、の中でも非常に気になる素材です。「竹」と名前が付いているものの千島笹とか根曲笹という別名があるように笹の仲間、雪の多い地域で成育するので寒い季節は、ずっと雪の下敷きになっていて、そのために根元が曲がるから根曲竹と言うのです。


根曲竹の山


虎竹の古里焼坂の峠は標高228メートルなので、これほど高い山の竹林にはあまり来る機会はありません。景色の美しさは素晴らしいものですけれど最近多いと聞くクマがどうにも心配です。


根曲竹竹林


根曲竹の竹林は、さすがに笹類だけあって密集して生えていて竹をかき分け、かき分けして中に入るのにも一苦労。なるほど、これは同じ竹の伐採でも孟宗竹、真竹、淡竹などとは全く違います。


根曲竹の束


根曲竹は自分などからすれば籠やザルなどの細工用のイメージしかないのですが、実は農業資材としての一面もあって6尺(約1.8メートル)から9尺(約2.7メートル)まで束にされて販売もされているのです。近年はご多分に漏れず海外から似たような輸入竹材が沢山入ってくるものの、耐久性が倍も違うのでプロ愛用は全てこの根曲竹です。


根曲竹伐採


しかし、竹林に実際に入ってみて実感しますけれど9尺サイズの根曲竹など全体の5%だそうですが本当です。そもそも地面を這うように伸びる竹なのでそんなに背丈の高いものなど全く見当たりません。根曲竹職人は、そんな竹を一本づつ起こしながら伐採していきます。時々「ピーーーーーー!ピーーーーーー!」と笛を鳴らして警戒しながらの山出しが続きます。


根曲竹


前のシーズンの根曲竹が残っているのを拝見した事があります。さすがに一年経つと青々として色合いはなくなり、まるで真っ白く晒したようです。けれど、この竹も良くみればかなりの太さです。竹林にもよるかも知れませんが、これだけの根曲竹を集めるのは大変ではないでしょうか。


生きている根曲竹


そして、こちらが伐採したての生命力に溢れるような根曲竹です。その昔、活躍した超一流の竹作家もこの竹を愛で沢山の作品を遺しました。


飯塚琅玕齋


まだ竹が芸術の世界では認められていない時代。押しつぶされながらも粘強く野趣あふれる竹の姿を、自分達竹人にきっと重ねていたと思います。




新しい時代の虎竹籠

虎竹洗濯籠


先日の30年ブログでコタツライフを楽しまれる方にミカン籠としてお使いいただきたいとお話しした虎竹洗濯籠。一番小さいサイズは直径が25センチなので使いやすいかと思っています。


虎竹洗濯籠


昔からメゴ笹やシダ編み籠として長く慣れ親しんだきた籠が、虎竹で編まれるなど思ってもみませんでした。大きく影響したのは今年のウィズコロナ、虎竹の里のような田舎には関係ないと考えていたところが現代生活では当然そうはいきません。時代の潮目に自分たちの足元を見つめ直した、ひとつの形なのです。


虎竹ランドリーバスケット


虎竹衣装籠


脱衣場で、リビングで新しい時代を一番感じているのは自分です。