軒下に吊るしていた飯籠

飯籠


直径は尺3(約40センチ)ある最近ではちょっと見かけないような大きさと美しさの飯籠が編み上がりました。自分の小さい頃ですと祖父母と父、母、兄弟の8人家族でしたのでこれくらいのサイズは余裕で必要でした。そうそう、また当時は糖質ダイエットなどという事も夢にも思わず、「仕事が飯を食う」とか何とか言いながら白米を思いっきり食べていた記憶がありますので一日に炊くご飯の量も今とは比較にならなかったのです。


飯籠蓋


実は最初編み上がった飯籠の蓋には銅線が使われていました。せっかくこれだけの逸品なのに一体どうしたのか?と職人に訊ねると何と手持の籐がなくなって急ぎだと思い仕上げたとの事。籐は日本にはない素材なので全て輸入なのですが、確かに近年は良質の籐が手に入りづらくなっています。そこで、竹虎で使っている籐を手渡して仕上げを巻き直してもらうと、さすがにしっくりきます。


飯籠使い方


電気炊飯器がいくらでもある現代でも飯籠に入れたご飯が美味しいからと使い続ける職人もいます。一方、この籠をどのように使うのかご存じない若い世代も増えています。余ったご飯を保管しておくために、こうして風通しの良い軒下に吊るしていたのを覚えているのは自分たちが最後の世代なのでしょうか(笑)。




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