天狗巣病と竹の害虫(チビタケナガシンクイムシ・タケトラカミキリ)

 
テング巣病の竹


天狗巣病のような変な病が蔓延してしまうと、その竹を伐採して竹細工する職人さんはさぞ大変ではないだうろかと心配いただくかと思います。もちろん皆様のご懸案の通りなのですが、実はてんぐ巣病は今に始まったことではなく既に何年も前から竹林の症状なのです。ある青竹職人さんなどは現在では天狗巣でない竹林は無い状態だと言われます、病気になっても全てがすぐに枯れてしまうという事でもありませんので使える真竹を選びながら伐採して仕事を続けているのです。



別に真竹だけではありません、三大有用竹と言って日本で多く使われている孟宗竹、淡竹(はちく)などでも天狗巣病は見かけます。山の衰退、活力を失った竹林がこのような病気の原因となり、更にここ数年来ずっと続いている竹の虫の問題に繋がっていると考えています。


チビタケナガシンクイムシ


真竹などは実際に竹自体が柔らかくなったという話も聞きますけれど、寒い地方の根曲竹やスズ竹、篠竹も以前と比べるとチビタケナガシンクイムシの食害が明らかに増えました。竹の勢いがなくなり病原菌に対する抵抗力が衰えると共に害虫に対しても弱くなっている傾向がうかがえるのです。そして、そこに気候変動などの要因が重なってきます。




スズ竹の開花が始まっています。何と言っても120年に一度の事なので熟練の職人さんでもご存じの方など当然おられなくて地元でも驚きの声が上がっていました。スズ竹は「竹」と言う名前が付いるものの笹類です、竹と笹との違いがるのか?大きな竹の場合は部分開花といって竹林の一部での開花もあるのですが、スズ竹の場合は一本残らず全てに花が咲き枯れていて、まさに驚愕の光景が広がります。


日本唯一の虎竹


今のところ虎竹は、天狗巣病も開花も目立って起こってはいません。しかし同じ竹の種類である淡竹の全国的な開花や、竹虎が創業して今年で127年という事など考えると時間の問題だろうと考えています(淡竹の開花周期は120年)。そう遠い将来ではなく起こるであろう大きな変化...初代や二代目にまた一つ土産話ができそうです。


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