最後の寿司バラ職人

バラ寿司用竹ざる


この竹細工を見て何か分かる方は少ないと思います。緻密に編まれた網代編みを六ツ目で補強した二重編みですが底の竹ざるに上蓋がピタリと閉まるように製作されています。


寿司バラ、竹虎四代目(山岸義浩)


このような竹ざるを寿司バラと呼んで、寿司飯を作る生活道具として使うのは鹿児島県と宮崎県だけです。寿司飯を作るための細かい網代編み、乾燥を防ぐ上蓋、どれも最後の寿司バラ職人らしい確かな技で仕上げられています。

 
寿司ばら


縁部分や六ツ目編みには孟宗竹、真竹を使い、繊細な網代部分には節合いの長い蓬莱竹を使います。




素晴らしい出来映えの寿司バラについてはYouTube動画でもご紹介しています。


寿司飯を作る蓋付きザル


蓬莱竹の寿司バラ


寿司バラは何と言っても蓬莱竹の網代編みだと思います。節間が長い株立ちのバンブー系の竹で鹿児島や宮崎など温かい地域では良く護岸竹としても見られ防災面でも役立って来た竹です。直径約45センチのこの竹ざるにも節がなく編み込み面は手で触れるとツルツル、なるぼとこれなら美味しい寿司飯が作れそうだと感心します。


蓬莱竹(ほうらいちく)の事をご存じない方は是非こちらのYouTube動画もご覧いただけると嬉しいです。まさに土地の守り神なのです。




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