幻のメゴ笹洗濯籠を編む、小春日和の庭先

メゴ笹伐採


メゴ笹洗濯籠が「幻の籠」と呼ばれていたのは一体どうしてでしょうか?自分も入社したての数年間は、他の職人から話だけは聞くものの新しく編まれた籠を見たことがなかったという程の希少な籠でした。それには理由があって、実はメゴ笹は伐採した後に時間をおかず、すぐに編まねば硬くなって籠に作る事ができなくなってしまうのです。


メゴ笹の葉


高知県ではメゴ笹ですが、全国的には酉の市でオタフクを飾ることからオカメザサ、あるいは神楽に使うカグラザサとも呼ばれます。笹の葉が特徴的だと記憶されている方もおられるかも知れません、青々とした葉が茂っていますので細工のためには全て取り除きます。


メゴ笹竹籠職人


とても小さい竹ですから鎌で刈り取るように伐採したメゴ笹、伐採したら手際よく葉をむしり取りヒゴごしらえしていくのです。


メゴ笹


こうして葉を取り除いたらヒゴごしらえは完了です。(笑)


メゴ笹籠職人


メゴ笹


メゴ笹は、稈の高さが1~2メートル、直径が3~5ミリと小さいことから笹と名前が付いていますが竹の仲間で、細いながらも非常に丈夫で強い性質を持っています。また、竹肌がツルツルとした丸竹そのままで編み込んでいきますので衣類の繊維が引っかかる事もなく、まさに洗濯籠を編むために生まれてきたような素材なのです。


メゴ笹素材


近年は竹の虫害が増えているので竹材の品質管理には十分注意しています。伐採時期もしっかり守り、晩秋からの寒い時期だけに伐採して、伐採した分だけを籠に編んでいかねばならないメゴ笹洗濯籠は、一年でも本当に短い期間しか製造できず、数量はおのずと限られます。


鳥の巣


小鳥たちの遊ぶ近くの森には、孟宗竹で作られた巣箱が見えています。暖かい小春日和の庭先で、父から受け継いだ籠編みの音だけがいつまでも聞こえていました。




トラックバック(0)

コメントする