茶碗籠のエルメス

真竹茶碗籠、竹虎四代目(山岸義浩)


本物の竹籠を暮らしの中にお届けしたい、そんな思いで真竹を伐って大事に保管しながら、今年は茶碗籠を多めに編む事にした。いつもお話しさせて頂くように、真竹は全国的にテング巣病が広がって、竹の品質があまりよろしくない。そこで、昨年末から少し足を伸ばしてみたら、まだまだ素性の良い竹はあるものだから、ついつい嬉しくなって出来あがりも予定を越えてましったかも知れない。


竹椀籠


こうして見ていても、この真竹茶碗籠は美しい。ブログをご購読の皆様の中には、もしかしたらこの籠をご愛用の方はおられないだろうか?全体の形、本体のゴザ目編み、機能的な底の竹皮を残した四ツ目編、通気性を確保する丈夫な足、若竹を丁寧に磨いて仕上げる口巻、これぞ、日本一の茶碗籠だと思う。


真竹伐採


しかし、このような竹籠を編む事ができるのも、良質の竹が成育する竹林があってこそ。生命力の強い竹は、少し手が入らなくなると途端に密林になり、竹林は竹藪になる。


国産竹籠


そう言えば、あの青竹細工の名人も最後の最後まで竹材にこだわっていた。他の作り手が言うように、竹林に入れなくなる時が、竹細工職人の引き際と考えられていた節がある。


真竹茶碗籠


さて、竹籠を使われた事のない皆様。竹がひとつあれば、いつものキッチンが見違える事を、まだご存知じない皆様。茶碗籠のエルメスで竹のある暮らしにご紹介したい気持ちです。





国産竹皮で、おにぎり弁当

国産竹皮


昔からずっと、吉野川流域の真竹を使って生産されてきた国産竹皮が、職人さんの高齢化と共に生産できなくなり、お客様には長い間ご迷惑をおかけしていた。竹皮草履用に竹皮を拾い集めている職人さんの苦労を知っているのだが、包材用としての竹皮集めや加工も本当に大変だ。


国産竹皮


「雨後の筍」という言葉通りに、筍は水分があるとグングンと成長する。そして、1日に1メートル以上も伸びるという、驚異的な生命力を発揮する中で、竹皮を脱ぎ落としていくのだ。ところが、真竹の成長時期は梅雨の湿気の多い時に重なるため、竹林に落ちた竹皮をそのままにしていると腐りやすい。だから、毎日のように竹林に入り、前日に落ちた竹皮を拾い集めて回っている。




自然の筍は大きさはそれぞれ違うから、当然その筍を包んでいる竹皮のサイズは一枚一枚異なっている。国産竹皮の生産が多かった時代には、専門の職人がいて神業のような速さで竹皮を大きさ別に選り分けていた。


日本製竹皮


ところが、今では選り分けるほどに大量な量が流通する事はない。業務用などには、とても出来ないが、安心して竹皮をお使いされたいご家庭のお母様方に少しづつご提供させてもらう事はできる。だから、サイズは細かく選別することなく、50センチ前後のサイズと40センチ前後のサイズの2種類だけとしている。


日本製竹皮


幅は16センチから22センチまでと、かなり差があるけれど、これも天然の国産竹皮を皆様のお手元に安価にお届けするためにはご承諾いただきたいと思っています。それでも、竹皮は毎年筍が生えるので、国内の多くの竹林で全く活用される事なく朽ちている、それを少しでも皆様のお役に立てられると嬉しいのです。


おっと、この白っぽい竹皮は虎竹の里の淡竹(虎竹)のもの。真竹と淡竹は太さも見た目も似ているものの、竹皮だけはこのように全く違っているのだ。



国産の竹皮付竹串が復活!

国産の竹皮付の竹串


国産竹串がようやく復活した。こう聞いて、皆様はどのように感じられるだろうか?竹串なんか、どこにでも売っているし店頭から消えた事など一度もないではないか、何が「復活」なのか?焼鳥屋さんはじめ、食材に関わる方々なら少しはこんな事を思われるかも知れない。しかし、ほとんどの方は竹串など考えた事もないから、最初から意味が分からないのではないかと思う。


日本製竹皮付串


しかし、竹串の事を意識されていない日本に暮らす大多数の皆様も、実は日常的に竹串を手にされている。スーパーに入って総菜売り場を歩けば、和食、洋食、中華それぞれに竹串を使った食品が並ぶ。そもそも串の種類も、丸い竹串だけではない。その他にも、鉄砲串、平串、角串、団子串、田楽串、松葉串、結び串など一部をご紹介しただけでこんなにある。


国産カマボコ型竹串18センチ


そんな多くの竹串がある中で、やはり一番多用される丸竹串。日本で製造できなくなった、この丸竹串を何とか国産の竹を使い、日本の竹職人の技で復活させたのだ。竹は表皮部分が維管束(いかんそく)と言う繊維が密集していて強い、だから竹皮を2分残したカマボコ型の竹串にした。


国産竹串


竹串はまず先端の尖りが大切だ、加工機械を操り大量に作らねばならないが、まさにここが難しい。まだ、竹串など国産か知らないけれど関係無いと思われている方、もうすぐ土用の丑の日で鰻を食べられるのではありませんか?大量に消費される鰻の蒲焼には竹串が使われているから、多くの日本人は知らなくとも竹串のお世話になっている(笑)。


孟宗竹竹林


国産竹串18センチ


日本では孟宗竹の竹林面積が一番広いものの、筍などに利用される以外、竹細工や竹製品に活用される事は本当にごく一部だ。畑としてではなく、たくましい自然の中で大きく育っている孟宗竹は、人様の役に立ちたいと願っているように思う。そこで、多くの竹串には孟宗竹が使われている。ところが、竹皮付竹串は表皮の美しさにもこだわっているので何と真竹を使う。




以前、製造されていた国産竹串工場の活気があった頃の様子を動画に撮っていた。丸串の他に角串がある、小さい頃の竹虎の工場を彷彿させる、竹を切る音、叩く音、機械が回る、手慣れた手付き、あの職人さんが語りかけてくれる、久しぶりに見て涙が出た。



国産山葡萄手提げ籠バッグの修理

山葡萄手提げ籠バッグ


山葡萄手提げ籠バッグはシンプルな網代編みがいい。ボクが昔から愛用している物は、馴染の職人さんから頂いたり、母から譲られたもの、あるいは元々は東北の農家さんで背負い籠として使われていた籠なので、多くは定番の網代編みだ。もしよかったら、下でご紹介している動画「黒光り!数十年使う山葡萄細工、手提げ籠バッグの魅力」をご覧ください。




先日は、山葡萄といえば夏しか持てないのでしょう?とお客様からご質問いただいた。確かに竹細工でも、以前は白竹で編んだ手提げ籠を冬に使うのは違和感があるようにも思えたが、そのような感覚も随分前になくなった。今は一年通して皆様にご愛用いただいている、同じように山葡萄手提げ籠バッグも季節を問わずオールシーズンだ。まあ、兎に角使い込んでシブイ風合いになった籠は手放せなくなるから、使えば分かる(笑)。


山葡萄手提げ籠バッグ


海外の生産の山葡萄が増えてから、技巧にはしる編み方の籠が増えたが、やはりこうして見ても定番の籠が好きだ。先日は、修理のご依頼を頂いて艶の良くなった籠をお預かりした。編み上がったばかりの少し武骨な表皮が、滑らかに艶やかになりつつある素晴らしい籠だった。





土佐の山間に蓬莱竹

ホウライチク


「自由は土佐の山間より出づ」と言われるが、その高知の中山間地域は急斜面が多い。とにかく山々がそそりたって険しく、谷間を縫うように流れる川沿いに、曲がりくねって奥へ奥へと進む細い道は、遂に未舗装の道路に変わる。ガタゴト言わせながら車は埃を巻き上げながら走り続け、やがて脇の小道を下りて行く。


そこにあったのは大きな蓬莱竹(ほうらいちく)、淡竹や真竹と違って地下茎が横に伸びることがなく、根元が詰まった状態で大きくなる。高知の古老の職人はシンニョウダケとも呼ぶが、このような竹が生えていると言う事は、この山深いここにも人の暮らしがあったという事を感じる。


護岸用の蓬莱竹(チンチク)


雨が多く河川の増水に悩まされてきた地域では、護岸にこの蓬莱竹を植えている所が多い。川の流れのきつくなるカーブの所にポツリと生えていたりするから、小さい頃から不思議に思っていたけれど、実は先人がわざわ植えていたのだ。株立ちで、その場所から広がったり動く事もないので、山の境界線としても役立ってきた竹でもある。




YouTube動画でご紹介しているように、人の命や財産を守り続けてきた竹であると同時に、節間の長さとしなやかな材質から竹細工にも重宝されてきた。


桜箕、日置箕


たとえば、竹虎で桜箕としてご紹介させてもらっていた日置箕。細く取った蓬莱竹の竹ヒゴに桜皮を挟んで編み上げていくけれど、節間の長さと粘りのある性質ならではの緻密さと美しさがある。


寿司ばら


寿司バラには、孟宗竹と真竹と蓬莱竹が使われている。名前の通り、バラ寿司を作る道具だけれど、網代編みの部分には節間が長い蓬莱竹を用いるので、滑らかな編み目の上でバラ寿司も美味しく作る事ができるという訳だ。鹿児島や宮崎県で使われていた寿司バラ、今でも使っている方がおられるのだろうか?乾燥を防ぐための蓋まで付いているのだから、凄いとしか言いようがない。



新しい天然藍染の国産焼き磨きの女桐下駄

天然藍染の国産焼き磨きの女桐下駄


女性用の桐下駄が出来あがってきた。焼き磨きで仕上げられた下駄は、どうやって作るかと言うと、まず桐材をバーナーで焼いて焦げ目をつける。真っ黒くなった木肌を、今度は機械を使って丁寧に磨いていく。そうすると木目が浮かび上がり、光沢のある美しい下駄に仕上がるのだ。


国産桐下駄


近年は下駄というと、海外で製造されたものも多いのではないかと思うけれど、軽くて肌触りのよい桐材を使ったこの下駄は国産で作られている。


天然藍染の国産焼き磨きの女桐下駄


天然藍染の国産焼き磨きの女桐下駄


下駄は夏の浴衣にあわせて履いたりされる方がほとんどで、日頃は鼻緒の履物はあまり履き慣れないと思う。そんな若い方々には、足のホールド感のよい幅の広い鼻緒をオススメしている。


天然藍染の国産焼き磨きの女桐下駄


高知のお隣、徳島県藍住町には代々続く藍農家さんがある。その中でも、白花小上粉と言う品種にこだわって十九代続く佐藤家での仕事には感銘を受けた。そして、そこで出来たスクモを使って藍染される職人さんが又スゴイ。鼻緒の生地は、こうして染められたもの、藍染の事をよく耳にするものの実際はどんな風に職人の手が加えられているのか?ウェブサイトを見るとお分かり頂けます。



機械ではありません、虎竹六ツ目ランドリーバスケット

虎竹六ツ目ランドリーバスケット底編み


先日、お客様とお話ししていて驚いた事がある。ご年配のその方は店舗の籠を手に取りながら「どの部分を職人さんが作るのですか?」と質問されるのだ。「えっ?」どの部分というか、一本の竹を割ってヒゴにして、編み上げて仕上げるまで全て手仕事だと説明するとポカンとされている。


虎竹六ツ目ランドリーバスケット


あまり竹細工などを使った事もなく、関心がある方ではなかったそうなのだが、竹籠とは機械で作るものだと思っていたそうなのだ。これは笑い話ではない、自分達にとっては当たり前だからお伝えせずにいると、もしかしたらこの方のようにご存知なかったり、関心を持つ事ができない方は多いのかも知れない。


虎竹六ツ目編み籠職人


日本唯一の虎竹の事、そしてその竹を使って編み上げられる六ツ目ランドリーバスケットの事、もっと知っていただく努力が必要だと痛感した。


虎竹六ツ目ランドリーバスケット


しかし、まあ確かに、このように丹精な籠をご覧になられると、機械でも使っているのかなあと考える方がいても不思議ではないか。この季節に軽やかな籠は涼味を感じて大好きです。





梅雨明けしたのに、虎竹八ツ目編み傘立て

虎竹八ツ目編み傘立て


虎竹フロアライト(丸筒)をお求め頂いたお客様から、アイデアを頂戴して製作した虎竹八ツ目傘立てがある。ちょうど梅雨時だったのだが、思ったよりも良いものが出来あがり喜んでいただけたと思っている。そう言えば、以前は何種類かの傘立ても虎竹で作っていたのに、どうして近年はなくなってしまっていたのだろうか?そんな事を思い起こさせてくれる契機ともなった。


虎竹フロアライト(丸筒)


海外からの観光の方も増えてきて、ホテルや飲食店も以前のような活気を取り戻している。どちらかと言えば大きなサイズで、店舗様向けの虎竹傘立てばかりだったので、ここ数年はご紹介するチャンスもなかったのだ。けれど、この竹灯りのようなホッとする和のデザインが玄関先にあれば素晴らしい。


虎竹八ツ目編み傘立て


直径が約30センチ、高さは52センチという大型の虎竹傘立ての試作が編み上がってきた。黒のツヤ消しで塗装した金属製の筒を入れると、白竹だったらもっと編み目が際立つだろうが、虎竹の場合はシックな感じで渋い。梅雨が明けた青空の下では、もしかしたら出番がないのかも知れないと思いつつ、来期を目指しています。





見逃すと損する、国産竹ざる大集合

竹虎の国産竹ざる


竹虎には、それこそ小ぶりで可愛い直径21センチのザルから、梅干し作りの土用干しには一番多用されている60センチと大型の国産竹ざるまでいろいろと取り揃えている。竹材も虎竹、真竹、淡竹、孟宗竹、スズ竹、篠竹など一口に竹といっても、これくらいの種類が使われているし、編み方も網代編み、四ツ目編み、ゴザ目編み等技法も色々だ。


国産竹ざる60センチ


サイズも分かれているので選ぶのに迷ってしまわれそうなら、国産竹ざるをオススメする。高知で昔から編まれてきた網代編みの竹ざるで、伝統的に主に孟宗竹を使って作っている。古老の竹職人はザルとは呼ばず「サツマ」と言うから、恐らく技法は鹿児島から伝えられたに違いないと思う。60センチが大きい場合には、40センチのサイズをお選びいただくと良い。


ふたえばら


国産四ツ目編竹ざる


ふたえばらと言って裏面に六ツ目編みの補強が入った竹ざるもあるけれど、意外と少なくなって皆様もご覧になる機会の少ないのは四ツ目編の竹ざるかも知れない。


日本製四ツ目竹ざる


通気性の良い四ツ目竹ざるには、見た目の美しさまで考慮して真竹を磨いた竹ヒゴを使ったり、日本唯一の虎竹で編んだりしたワンランク上のクラスもご用意している。そうそう、竹ざるに「国産」とわざわざ付けているのは、やはり海外製のモノとは区別していただきたいからだ。国産と付いていない竹ざるも、竹虎の場合はもちろん日本の竹にこだわり国内で製造された物だけなのでご安心ください。





真竹磨き丸底手提げ籠が6個できました

竹磨き手提げ籠バッグ


磨きの竹細工の経年変色は本当に見事だ。YouTube特別販売でご紹介するこの籠は、自分が昔から愛用している真竹磨き丸底手提げ籠と同じ形。使い込んでいるうちに、色合いが飴色を通り越して赤茶けた感じになっていて、渋さ満点になっている。


真竹磨き丸底手提げ籠


現在、限定で6個だけ編み上がってきた籠の色合いはこんな感じ。一番前に写っている赤茶けた手提げ籠と見比べると、ご存知ない方がご覧になられたら本当に同じ竹籠か?もしかしたら着色されているのかと思うかも知れない。


真竹米研ぎざる


ところが、編み上がったばかりの磨きの細工はさらに瑞々しくこのように青い。職人が一心不乱に編んでいる工房に足を踏み入れると、むせるほどの青竹の香りがすることすらある。





梅雨の晴れ間に土用干し、国産えびらが大活躍

国産竹製エビラ製造


梅雨が上がったかと思えば、まだ上がりきっておらず、今朝は天気が良くて気持ちいいなあと思いながら工場に来てみれば、急な雨で竹材が濡れてしまったりする。このような長雨の中でも青空の広がった時を見逃さないようにして、梅干しをエビラ等にのせて天日干しするのが土用干し。まさにシーズン真っ盛りとあって、エビラ用の木枠も少しだけ製造するようにした。

日本製えびら


エビラは太く丈夫な孟宗竹を網代編みした竹材に杉材で作る木枠をはめ込んで製作している。竹編みには、もちろん防虫剤やカビ止めの薬剤などは使わず、そのままの生の竹を使っているので湿度の高いこの時期か製造にも随分と気を使っている。


土用干し用エビラ木枠製造


土用干し、梅干し


それでも、お客様からご指摘をいただく事があるので有難い。元々は養蚕農家で使用していた蚕棚が原型なので、すっかり途絶えていたものを復刻して以来、その都度工程を見直し少しづつ良い物にブラッシュアップさせている。このように沢山の梅作りをされる方を拝見すると、そんな職人たちの努力が報われているように感じて嬉しい。





レアなスズ竹手提げ籠バッグの修理完成

スズ竹手提げ籠バッグ修理


お客様からスズ竹手提げ籠バッグの修理依頼を頂いた。スズ竹は、竹と名前が付いているものの細く背丈も低い笹の仲間だが、しなりがあり非常に耐久性の高い素材だ。だから、このように大きな穴が開いてしまうのは珍しく、今回は底の四隅を補強していた籐が傷んでしまったようだ。


スズ竹手提げ籠バッグ


120年ぶりと言われるスズ竹の花の開花があって、もともと手に入りにくいスズ竹の素材は竹虎には無いので色目の似た真竹を代用して下地を作り籐かがりをしたら、この通り!


スズ竹手提げ底編み


底部分も竹ヒゴが折れてしまって小さな穴になる程だったけれど、同じように色目とヒゴ幅をあわせた真竹で補修場署が分からないくらいに手直しできている。


スズ竹手提げ籐持ち手


実は籐持ち手も全てやり直さねばならない程傷んでいた。持ち手の芯は何とか使えるが、その他は全て巻き直しだったから、少しハードにお使いいただいているのかも知れない。


スズ竹手提げ籠バッグ修理完成


こうして修理が完成した竹籠を見ていると、まるで見違えたようだ。この手提げ籠は、スズ竹市場籠などより細く繊細な竹ヒゴを使った、ソフトな滑らかさと見た目が美しいワンランク上の手提げだ。普通の籠より3~4倍の手間がかかる逸品なので、こうして蘇った籠をこれから何十年とご愛用いただき風合いを益々深めていただきたいと思っています。




スズ竹市場籠と言えばビニールパイプ持ち手のこの形。定番の籠は、このようにして編まれています。



「家の光」雑誌掲載

家の光8月号第99巻第8号


雑誌「家の光」はJAグループの出版・文化事業を営む一般社団法人家の光協会さんが手がけている。元々は農林水産省が所管されていたそうで、農家さんを中心に多くのヘビーユーザーがおられるようだ。この雑誌の【ふるさとダイアリー】のコーナー「広がれ!地域の根っこ」で取り上げて頂いた。


虎竹の里雑誌掲載


「地域の根っこ」とはJAグループらしいネーミングだが、自分たちの虎竹はまさに根っこであり全てがここから生まれ、ここに戻ってくる。つい先日、真竹を使う青竹酒器のお話を料理関係の方と長く話していて、青竹は竹と言っても生鮮野菜と同じだと考えてくださいとお伝えした。


竹虎雑誌掲載


青竹は瑞々しくないと値打ちがないけれど、反面カビやすく、切り口から美しい青さはドンドン色褪せていく。しかし、思えば青竹でなくとも虎竹も土佐藩政時代には現在のように成育していなかったものを、明治になって以降、移植して育てながら竹林面積を拡大させてきたのは、まさに農業だろう。だから良く耳にするように、1次産業×2次産業×3次産業=6次産業化が不可欠なのだ。



白竹手付ランドリーバスケットの大きさ

白竹手付ランドリーバスケット


この白竹手付ランドリーバスケットを製作する事に決めたのは随分と前の事になる。洗濯物を入れられるような、手付きの籠はあまりないので面白いのではないかと思って少し大振りな籠をとサイズも決めた。ところが、たまたま欠品となり、新たに編んでもらった籠達を手にする機会があった。久しぶりに改めてマジマジと眺めてみて、二枚重ねになった竹ヒゴのあしらいや、丸竹を輪切りにした足部分など良く考えられている。


白竹手付ランドリーバスケット


そして、やはりタップリ収納サイズだ(笑)。一世帯当たりの人数は減少傾向だし、仮にこのランドリーバスケットいっぱいに洗濯物が入ると重さも結構なものになりそうだから、あまりお歳を召されたご婦人には使いにくいのかも知れない。だから、このランドリーバスケットは小さいお子様のいる若いご夫婦のご家族向けという事になる。



竹製鬼おろし、キチラブ掲載

竹製鬼おろし


この鋭い歯を見ると、なるほど鬼と言われるのが納得する。竹製鬼おろしは、とにもかくにもこのギザギザの鬼歯がポイントで、大根おろしだけでなく人参やリンゴなども摺り下ろせる秘密は竹素材の硬さにある。竹は本当に不思議な特性を持っていて、細く割って薄くしたヒゴは柔らかく、しなやかな優しさがある反面、ある一定の厚みがあればフローリングや壁材などの建材にも使われるような硬度があるのだ。


キチラブ


孟宗竹の太さ、厚み、丈夫さなどを活用した鬼おろしを「キチラブ」というキッチンから暮らしを考える、ライフスタイルマガジンに取り上げて頂いたので、改めて使い方や、どのようにして製造されているのかも知っていただければと思っている。




動画の中に出てくるように、今まで皆様が食されていた大根おろしとは随分違ったシャキシャキ食感があり、自分はサラダの上に盛って馬路村のポン酢しょうゆなどで頂く事が多い。


竹製鬼おろし雑誌掲載


竹製鬼おろし雑誌掲載


竹製鬼おろしには竹皿が別売りであるのだが、摺り下ろす時にも固定されて使いやすいので初めての方などには特にセットでお求めいただく事をオススメしている。


竹製鬼おろしg


それでは一体どんな風にこの竹製鬼おろしが作られていくのか?竹籠などの工房とは少し雰囲気が異なる、大型の機械が並ぶ工場で手際よく製造される様子も是非ご覧ください。





国産竹皮、お待たせしました復活します!

竹皮おにぎり弁当


竹皮に包むオニギリ弁当、こんなにシンプルなのに自然素材の持つ吸湿性、通気性、抗菌性まである超スグレモノなのだ。ところが、職人の高齢化や輸入品の増大などがあって国産竹皮の伝統は失われてしまい、ご要望の声を頂く事もありながら販売をする事が出来なくなっていた。そんな待望の国産竹皮が戻って来るのだ。


タケノコ


竹皮と言っても一体何なのか?先日、若い方と話していて、もしかしたら竹皮が竹のどこの部分なのかピンと来ていないのではないかと感じる事があった。そこで一応ご説明させていただくと竹皮はタケノコを包んでいる皮の事だ。


若竹の竹皮


分かりやすい画像が孟宗竹であったので、ご覧いただくがタケノコが竹に成長する過程でこうして竹皮を脱ぎ落としていく。この落ちた竹皮を拾い集めて乾燥、平らに広げたものが竹皮だ、ちょうど梅雨の時期と重なるので濡れたままの竹皮はカビやすく竹皮草履の職人なども毎日のように竹林に入っている。竹に残っている竹皮を剥ぐと竹が傷んでしまうから、自然に落ちた竹皮だけを集めるためだ。


拾い集める竹皮


竹皮を集めて土場に広げているとクルクルの丸まってしまうので天日干しにもコツがいる。


竹皮


平らに伸ばせば正真正銘の国産竹皮が出来あがる、直接オニギリなど食材を包むモノだけに安心して使える国産にこだわる方は多い。そもそも、皆様に手に取ってもらえる形にしないと竹林で次々に朽ちていくだけだから、資源の有効活用という意味あいも大きい。


水に湿らせる竹皮


細く裂いて使う竹皮


初めての方は触って硬いと感じられるかも知れない。しかし、水に浸けて湿らせると柔らかく、しなやかで使いやすい素材だと言うことがすぐにご理解いただける。とても強く破れにくいのだけれど、それでいて端をつまんで簡単に細く裂く事のできる特徴も併せ持っている。


竹皮チマキ


洗って干して何度も使える竹皮


チマキなどにも使う国産竹皮は、使い捨てではないところが最高に素晴らしいと思っている。竹皮の使い方に詳しくご説明しているように、水洗いして乾燥させれば繰り返しご使用いただけるのだ。




今では見られなくなった、貴重な竹皮生産の匠の技をYouTube動画にしているので是非皆様にご覧いただきたいと思っています。



白竹の竹玉(たかだま)ペンダントライト

白竹玉照明


いつもの竹職人の仕事場に入る土間に、無造作に転がっていたのは白竹で編まれた竹玉(たかだま)だ。最近、球形の竹編みはペンダントライトや飾りとして大小色々なところで見かける事もあるけれど、この竹玉は他とちょっと違う。美しい白竹を厳選しているだけでなく、竹のヒゴ幅を違えてセンスよく作られている。聞けば、このバランスに仕上げるのにかなり苦労されたようだ。


白竹玉灯り


それもそのはずで、実は職人本人が元々照明に使う竹傘を専門とされていたのだ。昔の日本の住宅には、普通に竹照明が使われていて大手電機メーカーのカタログにも国産竹細工が掲載されていた。多い時には4~5人の職人と共に分業体制を取って数百という竹灯りの注文をこなしてやって来られた方なので、室内を照らす竹玉には思い入れが人一倍なのだ。


白竹玉ペンダントライト


竹虎でも虎竹を使った竹玉灯りを何度か製作した事があるけれど、これほどの完成度のあるものではなかった。この白竹玉に灯りが入るとどんなんだろうか?前々から見たいと思っていたところ、ちょうど秋に拝見できるチャンスがありそうなので喜んでいる。地元で有名な格式のあるホテルの数室にだけ使われているそうなので、いずれ皆様にもご覧いただきたい。





国産で復活なるか!?竹楊枝

国産竹楊枝、日本製竹つまようじ


国産竹楊枝について今日は少しお話をしてみたいと思う。爪楊枝なんて小さなモノどうだっていいよ...まあ、そう言わないでいただきたい、「一寸の虫にも五分の魂」である。日本の竹を使って日本の職人が日本で製作した竹楊枝が三種類、自分の手の平に並んでいる、上から最近試作した国産竹楊枝、次が自分が愛用している昔に製造されていて現在残り少なくなってしまった国産竹楊枝、一番下はこれも製造中止となった竹皮付の国産楊枝である。




実は先日、無印良品が竹資源に着目して様々な商品開発をされているという事を動画にもさせてもらった。大量生産するには豊富な竹材が必要なので必然的に中国などでの製造になるのだが、そのラインナップの中にも竹楊枝があった。驚くのはその価格、何と180本入りで99円(税込)だ。


国産竹皮付楊枝


そんな安価で、そこそこの品質の竹楊枝が日本中で手に入る時代に、なぜ今さら日本で竹楊枝を製造する意味があるのか?いい質問だ、答えは「自分が使いたいから」に他ならない。


国産竹楊枝


この細さの竹楊枝は、繊細で使った事のない方なら少し頼りなく感じてしまうかも知れない。ところが、竹素材で一番強い竹皮を残してあるから、これだけ細くとも、しなりがあり何回か使えてしまう程丈夫で全く折れない。そうなると、この細さは狭い歯茎に使うのに最高の逸品となるのだ。


日本製竹妻楊枝


今回復活できないかと考えているのは、この竹皮付の楊枝ではなく自分が愛用している画像右端に写っている丸竹タイプの楊枝である。真ん中の試作と見比べてみてほしい、試作楊枝もそれなりの完成度で単品でご覧になれば問題無くお求めいただけるかも知れない。しかし、実際に使ってみると雲泥の差がある事にすぐに気がつく、楊枝の命である先端の鋭さが違うのだ。そして、竹楊枝の先端の「先付け」こそ製造の壁となって思うような出来になっていない。これを乗り越えられたら、先端がすぐにつぶれてしまう弱い木製楊枝など手に取る気など無くなってしまうような、鋭利で強い国産竹楊枝が帰ってくる。





真竹を磨いた四ツ目の衣装籠が美しい理由

真竹磨き衣装籠、竹虎四代目(山岸義浩)


竹を磨く言うのは、アールのついた専用の刃物を使って竹表皮を薄く剥いでいく事だ。青竹の素材そのまま使う竹細工の場合は、竹に元々の個性があって色合いが異なる上にキズやシミなどもあるので竹材を選別する場合がある。ところが竹表皮を剥いでいくと、均一感のある竹ヒゴが取れるから仕上がりの美しい籠を作る事ができるのだ。


真竹磨き衣装籠


しかし、竹を磨く工程は思うより手間がかかるから結構敬遠する職人もいる。今回のように少しまとまった数量の衣装籠となると尚更だ、このような大きさだと延々と真竹の磨きと格闘せねばならない。


真竹脱衣籠


ただ苦労して編まれただけの事はあって、磨きの竹細工の出来あがった時の瑞々しい青さは格別である。経年変色も早くて赤茶けた風合いを楽しむ事もできる。


真竹ランドリーボックス


ほんの数年前までは大中小と3個セットで製作していた。丸籠でも角籠でも昔は、お客様の使い道によって数種類のサイズ展開をするのは当たり前だったから3入個や4入個に重ねて店先に並んでいたものだ。


真竹磨き洗濯籠


需要の減少と共に、いつの間にか3個セットなど夢のようなお話しになってしまった。沢山の籠を積み上げて運ぶ事も、見る事もできないが、お求めいただく方がいる限りは灯は消したくたいと思っている。





本当は自分用だった白竹一本手提げ買い物籠

白竹手提げ籠バッグ、竹虎四代目(山岸義浩)


とても良くできた竹手提げ籠バッグだ。竹のあしらいが丁寧だから、遠くから見ても腕前の確かさが伝わってきた。手にした持ち手の太さもしっかりしていて握りやすい、籠の容量にしては丈夫すぎるくらいの底に入れた力竹も格好がいい。大小の二つのサイズを使い分けしながら自分が愛用するつもりだった。


白竹一本持ち手買い物籠


いずれ長く使っていれば、前から持っている一本持ち手の手提げ買い物籠のような色合いになっていく。竹の楽しみ方は、こうして息が長いものなのだ。そもそも荷物を入れて持ち運ぶ籠だから、傷んでしまう事もあるけれどその都度手直ししながら日本人は竹と付き合ってきた。


竹手提げ籠


先日もお客様にご依頼いただいた修理の手提げ籠をお届けさせてもらった。随分と前の籠で今では開花で少なくなったスズ竹を、市場籠の竹ヒゴよりずっと繊細にして編み込んだお洒落バッグだったが、本当に喜んでいただけて自分達の方が感謝の気持ちでいっぱいになった。


白竹買い物籠


そんな事を考えていて、置ききれないほど沢山あるマイバッグの仲間入れしてもらうより、毎日のようにご使用いただける方にお譲りした方が籠にとっても幸せかも知れないと思った。そこで、いつものようにYouTube特別販売を用意して、それぞれ一点限りで近日ご紹介予定です。何卒よろしくお願いいたします。





7月7日「竹の日」、かぐや姫の千歳誕生日?

日本唯一の虎竹


さて今朝の天気はどうかと思っていたけれど、青空が広がり眩しいばかりの朝日の差し込んむ気持ちの良い朝となった。今日は七夕、笹の葉に願い事を書いた短冊をつるして星に願い事をする日でもあり、天の川で織姫と彦星が1年に1度だけ会える日ともされているから空模様が気になる方も多いと思う。そして、更に7月7日は皆様ご存知の竹取物語に登場する、かぐや姫の誕生日とも言われ「竹の日」に制定されている。


孟宗竹


かぐや姫はから生まれたのだが、その竹は一体何だろうか?ずっと前から考えていたけれど、まず思い浮かぶのは日本最大級の孟宗竹である。太く、長い孟宗竹の竹林を見ていると、その節間に小さな女の子がいても不思議ではないように感じる。


梅雨の孟宗竹


実際、ちょうど今頃の梅雨のある日、竹林に入っていて驚いた事がある。雨雲で薄暗い竹林に、遠くからでもまるで光輝いて見える孟宗竹が浮かび上がっていたのだ。これは竹取の翁でなくとも目にとまると、思わず駆け寄ったものだ。


雪の孟宗竹


筍を食する事が多いので一般の皆様にも馴染の深い孟宗竹は、南は九州から北は東北の雪深い地域まで日本中、津々浦々に生えているので昔から日本にあった竹と思われている。ところが、実は諸説あるけれど300年ほど前に中国から渡って来た竹なのだ。そうすると、1000年前に作られた日本最古の物語である竹取物語の時代には日本に無かったはずの竹という事になる。


真竹


孟宗竹でないとすれば、日本三大有用竹の中でも竹細工に一番多用されている真竹だろうか?しかし、真竹は青々とした美しさが特徴であり、どうもイメージが異なる。


虎竹林、竹虎四代目(山岸義浩)


さて、そこで虎竹だ(笑)。いえいえ日本唯一の虎竹から、かぐや姫が生まれたという事ではない。そもそも竹取物語の舞台となった「かぐや姫の里」だと言われている場所は日本に何カ所もあるのだけれど、もちろん虎竹は生えていない。ただ、虎竹と同じ仲間である淡竹(はちく)が最有力候補ではないかと信じている。


淡竹、虎竹


これも、ある日、虎竹の里の山道を走っていて思わず急ブレーキをかけた事がある。天気の良い日だったが、日陰になった虎竹の竹林に、その竹にだけ太陽の光が差し込み、まるで自分を手招きしているかのように輝いていたのだ!そうなのだ、淡竹は竹表皮に薄い蝋質の膜があって白味をおびている。虎竹は、その下に虎模様の柄が隠されているけれど、その時は柄など全く関係なし、本当に光っていた。


淡竹、竹虎四代目、YOSHIHIRO YAMAGISHI


淡竹なんて小さな竹だろう?誰がそんな事を言っているのか。確かに孟宗竹のようにはいかないが、それでも十分に大きな竹はあるし、身が薄いから中で暮らす「かぐや姫」にとっては見た目以上に快適空間だったのは想像に難くない(笑)。





スミトオシ

スミトオシ、炭篩


この編み目の粗い箕はスミトオシとか炭篩(すみふるい)と呼ばれる炭窯の職人が使う竹箕の一種である。実は炭を焼くのは大変で、高度な技術が必要とされる。熟練の炭職人でも今頃の雨が続いて湿気の多い時期には、いつものような炭が焼けないと嘆く事もある。同じ炭窯の中でも綺麗に焼けている炭もあれば、そうでない炭もあるのだが窯出しされた炭は灰や小さな破片を落とすために、このスミトオシにかけて選別しているのだ。


竹炭バラ


今ではこのような道具は作る事もないし、極一部を除いては、ほとんど見られなくなった。竹虎でも竹炭バラを選別していて最終的に一番細かい粒状のものを選り分ける時には金属製の網を使っている。


箕職人


このような箕は、かつては農作業に欠かせないものであったし四国だけでも土佐箕、伊予箕、阿波箕、讃岐箕などあって、西日本には33カ所もの産地があったそうだ。ところが需要の減少と共に急激に姿を消した原因のひとつには、竹細工の中でも作りが独特で製作が難しかった事、そもそも伝承されてきた職人が少なかった事などがある。




それだけに無くなってしまった箕にロマンを感じる人は今でもいるのではないだろうか?以前、日本の南の端は鹿児島の箕と東北宮城の竹細工が酷似している動画を撮った。関心のある方は是非ご覧いただきたい。


網代箕、竹虎四代目(山岸義浩)


必要とされ続けていたから、讃岐箕と共に最後まで残っていた土佐箕。伝統は今でもここに残されている。





竹アクセサリーの思い出

竹ブローチお客様の声


お客様から竹ブローチ(結び)への嬉しいおハガキをいただいた。小学校の頃にお母様からプレゼントされて60年愛用されているなんて、涙が出る。


竹ペンダント


今回、お届けさせていただいた結びの竹アクセサリーは、あの頃とデザインも作りも全く変わらないそのままだ。


竹イヤリング


お客様もまだ小さくて、もしかしたら覚えておられないかも知れないが、実はあの頃には竹で編まれたアクセサリーはブローチだけでなくイヤリングやネックレスなど、色とりどりで本当に何でもあるかのように思えるほどだった。


竹アクセサリー


虎竹髪かざり


竹編みや色合いまで上手に描がいて頂いた絵を拝見するだけで、小さな竹細工への思いの深さが伝わってくる。本当に竹の仕事は素晴らしい、楽しいと思える瞬間でもある。





龍の口(たつのくち)

龍の口


龍の口(たつのくち)という変わった名前のついた竹の道具があると教えてもらった。明石市にある江井ヶ嶋酒造株式会社さんの資料館には、古くから酒蔵で使われてきた品々が展示されているが龍の口はそんな中のひとつだった。


龍の口


竹筒には木栓が入るように加工されている。


竹栓


一体どのように使うのだろうか?考えながら見ていたら、係の方が丁寧に説明していただけた。大きな酒樽に差し込んで蛇口のような役割をしていたのだが、内側の木栓を回す事によってお酒の量を調整することができる。本当に上手く考えられている。


龍の口


龍の口


それにしても、どうして龍の口というネーミングだろう?ここの道具には、蛙、さる、鳩、三味線、てんころ等それぞれユニークな名前が付いている。杜氏さんたちの遊び心で名付けられたと言うから面白い。



現在では見られない特大御用籠

特大御用籠


30年ブログ「竹虎四代目がゆく!」をご購読の皆様だけには、一足先にご覧いただきます特大サイズの御用籠。自分が学生の頃までは竹虎の工場にもリヤカーサイズの御用籠があって、竹の端材などを満載にして焼き場まで二人がかりで運んでいたのを思い出す。けれど、現在ではこのようなビッグサイズは皆無!本当に数十年ぶりに手にした特大サイズに興奮を抑えられない程だ。


特大角籠、竹虎四代目(山岸義浩)


どれくらいの大きさなのか分かっていただくために自分で持ってみた。サイズが大きいだけに力竹ももの凄い迫力だ、大きな良質の真竹がないと作る事はできない、底部分の角を直角に曲げているのだが、90度に曲がっている所だけ色合いが違うのがお分かりいただけるだろうか?このような幅広で厚みのある竹材でも熱を加えれば竹は飴細工のように曲がる、そして冷やせはその形で固定されるのだ。




YouTube動画「昭和の御用籠!竹は世につれ、人につれ 竹チューバー竹虎四代目の世界」では、人の暮らしと竹籠のサイズが密接に関係しているお話しをしている。当たり前と言えば、当たり前のお話しだ。


御用籠


使い込んだ御用籠は仕事の顔をしていて格好がイイ(笑)。ほとんど見かけられない角籠だが、竹工場だけでなく、様々なシーンで用いられてきた。


竹虎四代目(山岸義浩)、YOSHIHIRO YAMAGISHI、特大御用籠


飴色になった御用籠を眺めていると、背負い籠サイズの角籠に干物や海産物を携えて行商に来られていた、おばちゃんを思い出す。


御用籠力竹


そういえば、あのような背負い籠もすっかり姿を消してしまって久しいのではないか。竹の旬が良くなれば、定番の御用籠をお願いするタイミングで復刻してみたいと思っています。





無印良品の竹製品

無印良品の竹製品


無印良品を愛用するファンの事を「ムジラー」と呼ぶらしい。以前お客様に竹虎の竹製品を愛するお客様を「タケトラー」と言って頂いた事があって心から嬉しかったが、そうなれば自分自身もタケトラーの一人だから、タケトラーがムジラーにお伝えする無印良品の圧巻の竹製品のお話を少しだけご紹介してみたい。


まず一言、凄い。今回実際に店舗に行って購入してきたのは竹100%のペーパーナプキン、竹ティッシュペーパー、竹パルプのプレートやボウル、竹ヘラ、竹スプーン、竹フォーク、竹アイスバー、竹箸セット、竹割箸、竹ストロー、それから竹表皮のヒゴを編みこんだ四ツ目籠や、内側の二番ヒゴ、三番ヒゴを使う網代籠だ。


ナプキンやティッシュペーパー、プレートなど竹パルプを使う製品は、継続利用可能な唯一の天然資源であるを最大限に活かせるものではないかと思う。生産国である中国には竹海と呼ばれる、どこまでも続くかのような竹林が広がっている。あの面積の竹たちが毎年生えて、驚異的な成長を遂げると考えれば資源が尽きる事はないのではないだろうか。


使い捨てのスプーン、フォーク、竹割箸なども全てが完璧ではないかも知れないものの、安価で安定して供給される事を考えたら、アウトドアのレジャーは日本のみならず中国でも流行しているらしいので、環境意識の高い若い方々にも大人気に違いない。


竹籠は、言わなければ日本の真竹と違いがないような四ツ目編み籠と、価格を抑えるために竹内側のヒゴを使って網代編みした茶碗籠タイプ。日本での使用を意識した編み方、籐のあしらいなので和風のご家庭でも全く違和感なしだ。


しかし、まだまだ、竹資源を使った製品開発は序の口だと思う。持続可能な唯一の天然資源に遂に着目した大手ならでは商品展開は、今後もっともっと続いていくだろう。再生紙を使ったトイレットペーパーが店内に置かれてあったけれど、これなど竹紙を活用するのにうってつけではないか?いずれにせよ、こうして世界の環境問題に竹が大きな存在感をもってきた事は日本の竹にとっても追い風にしなければならない。