すっかり春です。このような陽気になると、お出かけのお供は自然と、軽やかで明るい色目の白竹の出番です。近年では、季節によって持ち歩く手提の色合いなど、あまり気にされる方は少なくなりましたが、やはり自然と白竹に手がのびるのです。今日の気分にぴったりだったのが白竹蓋付き手提げ籠バッグ、と言っても、どこにでもあるような竹バッグではありません(笑)。
この籠バッグは、地元高知の"レジェンド"と呼ばれる熟練の竹職人さんが、長年培ってきた技を注いで編み上げた特別な逸品。集大成と話されるだけあって、厳選した白竹を使った丁寧な仕事ぶり、特筆すべきは籠の上蓋です。上蓋の裏側には丈夫な竹を通して補強を施し、何といっても開閉がカチリと気持ちよく決まる構造!縁の仕上げには矢筈巻や芯巻の籐が丁寧に巻かれ、見た目だけでなく耐久性もしっかりと備えています。この蓋があることで、外出先での使い勝手は全く違ってきます、県外への出張にも安心して持ち歩く事ができるのです。
実は以前、街で革のトートバッグをカッコよく持ち歩いている方を見かけて以来、国産メーカーや海外ブランドのバッグをいろいろ見て回った時期がありました。どれもおしゃれだし、機能的で、試しに肩に掛けたりするとワクワクするのですが...どうも、何かが足りない。そう、やっぱりボクには竹の持つ温もりや、その技の向こうに竹人の見える竹籠しかないのです。最初からこんなに素敵な竹籠がすぐそばにあったのだから、実は探し回る必要などなかったのです。
ボクもそうですが、ノートパソコンを持ち歩く方は多いと思います。そこで、たまに「竹籠は、中にノートパソコンを入れたらキズがつくのでは?」と聞かれることもあるのですが、そこはちょっと工夫をしています。以前購入して、そのままになって使っていなかったTUMI(トゥミ)のバッグに付属していたPC保護スリーブを中に入れて使っているのです。竹籠自体が適度なしなりと強さを持っているので中身も安定していてとても快適です。
少し使い込んで飴色になりつつある白竹の自然な色合いと軽やかな素材感が、作務衣の藍色にも馴染みます。涼しげで、ナチュラルな雰囲気もあって、出先で「素敵なバッグですね」と声をかけていただきます。春風と一緒に、軽やかな気持ちで出かけたい日には、こんなナチュラルで個性あふれる竹籠バッグがぴったり。毎日の暮らしの中にこそ、ちょっとした特別感と自然の温もりを添えてくれるのが竹手提籠です。
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