茶の湯炭
茶の湯炭というのは、お茶席で炉や風炉でお湯を沸かすのに使われる炭の事です。主にクヌギの木が焼かれることが多く、切り口をご覧いただくとお分かりのように、菊の花のように見えるので菊炭と呼ばれています。樹の皮が剥がれていない、切り口が丸くなっている、均一で細かい割れが入っているものが良質だとされ、茶道では、季節や流派によって、それぞれ大きさなども異なります。近年では、お茶炭としての使い方だけではなく、消臭、除湿、などの機能性や見た目の格好良さを活かしたインテリアとしても人気の炭です。
樫材を専門に焼き上げる窯元
クヌギが使われる事の多い茶の湯炭ではありますが、ズナラ、コナラ、樫などが焼かれる事もあります。特に、こちらの窯元では豊富な樫材を活かした炭焼きをされています。樫と言えば備長炭を思い浮かべかる方もおられるかも知れません、備長炭は白炭(はくたん)です、こちらで焼き上げるのは黒炭(くろすみ)で、火付きが早く、弾けないのが特徴です。緑に囲まれた広々とした敷地内に、こんなに沢山の樫の木があるのだと驚くほど伐採されて集めらたれ木材が積み込まれています。
樫の菊炭
クヌギの菊炭と比べると樫の方は、ヒビ割れが少なくも見えますが、お茶炭としてもご家庭のインテリア用としてもお使いいただいてます。
窯立て
炭窯に木材や竹材を入れて行くことを窯立てと言います。まだ熱の残る炭窯に、隙間なくビッシリと樫の木材を入れていくのは大変な重労働、一心不乱に樫と向き合う職人さんは頭からバケツで水をかぶったように汗にびっしょりです。
竹炭とは共通点も多いものの、全く異なる工程もあり興味深い樫の黒炭焼きです。竹虎が竹林を管理して竹を伐採し、山出し、そして加工、製品、お客様のお手元にお届けしているように、こうして焼き上げられる樫炭も、山々で伐り出され運ばれてここで人に役立つ製品となっています。まさに山の恵み、虎竹と同じ本物の地域資源に感じ入り、皆様にお届けしたい気持ちが高まりました。
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