
食欲をそそる蒸籠料理
その日のホテルの朝食は、一番乗りだったせいか、宿泊客が少なかったせいか、広いレストランには誰もおらず、まだ薄暗く静まりかえっていました。けれど、バイキングの料理を取に行った先の厨房では、蒸籠からモウモウと湯気が立ち上り、思わず朝から食欲全開になります。どの蒸籠の蓋を取っても、良い香りと共に立ち昇る湯気の中から出てくるのは美味しそうな料理ばかり。

美味しく便利な調理道具
なるほど、こうして沢山のお客様相手にも蒸籠は本当に便利な道具だと分かります。色々と楽しみながら食材を選んでもらえますし、料理を温かいまま提供するのにも向いています。さらに食材の追加の場合にも一番上の蒸籠を取り除き、最下段に新しい蒸籠を加えるだけです。

蒸し料理の素晴らしい所は、肉まんや蒸しパンのようなものから、肉、野菜、チマキなど色々な食材に使うことができることです。

だから、次の蒸籠には何があるだろうか?とわくわく楽しくなってくるのです。

大好きな中華料理
ボクは中華料理も大好きで、もう30年近く前の事ですが現地の方から「お前みたいに、地元の料理を何でも食べる日本人は見た事ない」とお褒め(?)いただいた事もあるほどです。今回も、あまりの美味しさに、ついつい食べて過ぎてしまいました。

優れた蒸籠の特徴
さて、こうして自分自身がお客様の立場になってみても、蒸籠とはスグレモノだとつくづく感じるのです。世界中に輸出され、人気となっているのが良く理解できますし、大きな工場から小さな工場まで何処もフル稼働しているのも納得です。

ただ、昨日もお話させて頂いたように全ての蒸籠メーカーが同じ品質のモノ作りをしている訳ではありません。
竹蒸篭についても、毛竹(孟宗竹)ばかりでなく、竹表皮に少し特徴のある羅竹という竹材が使われたりしています。

蒸籠メーカーにより異なる仕様
杉蒸籠は、内側も杉材で仕上げる場合、竹材にする場合、本体のポプラ材の厚み、さらに「蒸とら」のように強度を上げるためにツメの外側部分だけを竹材にするなど、それぞれのメーカーや職人により考え方も、作り方も異なっているのです。

数十人の職人が、それぞれの部署で流れ作業のように蒸籠を製造している大規模なメーカーもあれば、家族経営のように数名だけで製造を続けているアットホームな職人の仕事場もありました。

ボクが訪問させていただいた工場の多くでは、蒸籠部材は外部で製造され効率化が図られていました。


昨日も少しご覧いただきました竹材加工の工場には、広いスペースに原竹が積み上げられていて、次々に切断されたかと思うと加工機械に運ばれて竹材に変わっていきます。

りん木にする竹を敷いて、乾燥させる竹材を並べているところに出くわしました。虎竹の里でも似たような光景が見られる事もありますので少し懐かしい気持ちがします。

さらに、今回はのどかな山々を越えて車を走らせてました。町の工場から少し離れた農村部で内職をされている職人さんの仕事場にもお伺いさせてもらいます。
竹の内職仕事
YouTube動画でもご紹介していますが、ちょうど竹虎にもかつては本社工場から離れた場所に内職をしてもらうための工場があり、今回お伺いした職人さんと同じように、ご自宅の納屋や室内で、仕事を続けてくださっていた方々も沢山いました。この辺りも同じなのだなあと感じます。

内職さんの仕事場には竹材が沢山積み込まれていました。

こうして竹林から最終製品の蒸籠まで、場所を変えながらも沢山の職人さんの手を経て皆様のお手元に届けられます。

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