
一閑張り行李
最近では便利なプラスチックの収納ボックスが当たり前になっていますが、竹と和紙、そして柿渋だけで作られる一閑張り(いっかんばり)行李は、古くから日本人の暮らしと共にありました。行李のような大きなものだけでなく、手提籠や衣装籠、チリ箱、お盆、小物入れ、団扇や塵取りなど、身の回りにある様々な生活道具に一閑張りの技法が使われた馴染のある竹製品は多かったです。現在では、和紙張りの骨となる竹編みが輸入の籠であったり、竹ではない素材が使われていたりしますが、竹虎では地元の竹を使い本物の国産一閑張りをお届けしたいと考えています。

一閑張りとは何か?
さて、そもそも一閑張りとは何か?と言いますと、一閑張りは「一貫張り」とも呼ばれて、竹で編んだ籠の表面に和紙を張り重ね、仕上げに柿渋や漆を塗って仕上げる伝統工芸です。

一閑=3.75キロにも耐える丈夫さ
呼び名の由来については、一貫の重さにも耐えられるほど丈夫という説や、飛来一閑という職人が広めたという説など諸説ありますが、一貫とは約3.75キロなので、手提のような籠にそれだけの重さを入れてもビクともしない丈夫さと言う事なのです。

こちらが一閑張り行李につかう真竹と竹ひご、そして工程別に並べられた行李です。

四国一閑張りの伝統
実は、四国にはこの一閑張りの伝統が脈々と受け継がれています。竹虎二代目の祖父が元気な頃には、このような竹製品も多々製造され、日本中に流通していましたので、お付き合いのある職人さんが和紙張りの手提げ籠などを持って良く来社されていました。

そして、一閑張りは籠の修理が原点で、閑な時を見つけてはの手仕事だったと代々言い聞かせられていると話してくれましたので、竹虎ではずっと「一閑張り」と呼んでいます。

同じ幅、同じ厚みに取った竹ヒゴでしっかりと四ツ目編みされた下地編みが出来あがりました。

高温多湿の日本の気候から守る
水の豊富な高知の伝統産業でもある土佐和紙を使った下地貼りが完成したところです。一閑張り行李は、衣類や大切な道具を保管するためにどこの家庭でも愛用されていました。それは、この和紙が湿気を吸い、中を適度な湿度に保つ、呼吸するような道具が、高温多湿の日本の気候から大切な衣類を守ってきたのだと思います。

下張りの上に色のついた上張りをして、さらに飾り張りとして濃い色合いのついた和紙を重ねていきます。

サイズや形の別注が可能
行李のような大型の一閑張り製品を、このようにしてそれぞれの工程別にご覧いただける機会はあまりありません。四ツ目編みの竹編みから製作していますので、サイズを変えたり、形を変更したりする事も比較的自由にできるので皆様に喜んでいただけています。

柿渋仕上げ
最後に施されるのが柿渋です。柿渋を塗ることで和紙はコーティングされ、防水・防虫効果を持つようになります。塗りたては明るい茶色ですが、年月が経つごとに色は深まり、独特の艶やかな飴色へと育っていきます。一閑張りのような蓋がある道具の場合には、少し擦れる箇所がでてきます、その部分が柿渋だけでは若干不十分だと言う方もいますので、漆塗布を検討していましたが風合いが違ってくるので今のところ見送っています。

美しい日本の竹
現代日本は、安価な海外製品に押され、国産の伝統的な竹細工が忘れられています。けれど、日本の竹は世界のどこの竹にも負けない美しさと機能性があります。今回、一閑張りを初めて知った方に向けて、製作の工程を出来るだけ詳しくご紹介したYouTube動画をご用意しています。どうかゆっくりとご覧いただきたいと思います。日本には本当に素晴らしい手仕事が続く伝統が残されています。

コメントする