
日本三大和紙のひとつ土佐和紙
美しい水と豊かな自然に恵まれたこの地、和紙づくりの伝統が息づく高知県には越前和紙、美濃和紙とならんで日本三大和紙のひとつに数えられる土佐和紙があります。昔から馴染がある和紙文化なので、実は学生の頃には当たり前に思ってあまり気にしたこともありませんでしたが、和紙職人の手漉きの技が継承され、今も沢山の製造がされていることは本当に素晴らしいことだと感じています。さて、そんな和紙ですが、原料に竹を使った竹和紙があることをご存じでしょうか?

虎竹を使った和紙づくり
実は、ボクがこの虎竹和紙の取り組みを始める最初のキッカケとなったのが、土佐和紙を使った工芸作家の方と出会い、何度か虎竹とコラボして作品展などを開催させていただいた事でした。高名な和紙工芸作家であられる伊与田節子先生が手がけるアート作品は、繊細な土佐和紙厚さや質感を巧みに使い分けて本物の花の可憐さを表現されていました。一枚一枚の紙を手で染め、形を整えることで、和紙ならではの温かみと優美な姿を作り出します。その素晴らしい技術は、数々の展示会で多くの人々を魅了していましたけれど、土佐和紙にしろ、土佐虎斑竹にしろ高知ならではの自然素材です。土佐和紙工芸に触れたことから、日本唯一の虎竹を使った新しい和紙作りへの発想が生まれました。

虎竹が和紙へ
竹和紙と言っても、実は昔から和紙原料としてあったもので現在でも輸入される素材があります。そのような素材を活用した手漉き和紙なら、比較的に簡単に作ることもできます。けれど、自分たちにしかない虎竹を使った和紙作りをしたいと思うと、そう容易なことではありませんでした。開発当時は、紙産業技術センターの方にお力添えをいただきながら、まずは原料の加工から始めました。虎竹を数カ月もの時間をかけてじっくりと水槽に浸し、柔らかな繊維質にしていきます。ところが、竹には一本一本に個性があり、同じ竹林で育った竹でも、その年の出来栄えにより性質が異なります。

いつも通りの素材にしたと思っても和紙漉には適さず、竹素材を持ち帰り職人たちが木槌でに叩いて素材作りをしたこともあります。

細かい竹繊維にしたところで、いよいよ和紙漉き職人の出番です。清らかな仁淀ブルーの伏流水が、こんこんと溢れ出る土佐和紙の工房へ移ります。

大量の水に虎竹の繊維を溶け込ませますが、繊維が沈んでしまわないようにトロロアオイを加えて水の粘度を上げます。そして漉き桁(けた)と呼ばれる専用の道具を使い、均一の厚さの和紙にするために、職人が水をすくっては何度も何度も振っていくのです。

虎竹和紙名刺
漉き上がった和紙は、水分を切ったのち圧搾機を使って残った水分を取り除きます。仕上げは、スチームで温められた三角柱の形をした金属製の板に貼り付けての乾燥作業です。完全に乾燥した和紙を一枚一枚丁寧にはがしながら、同時に形の悪いものや不純物が入っているものがないか、職人の目で厳しい選別作業を行っていきます。こうして、日本唯一の虎竹を使用した、手漉き和紙ならではの素朴な風合いの虎竹和紙名刺が完成します。

気温や湿度に気を配りながら、熟練の技と経験で一枚一枚を仕上げていくこの作業も細やかな気配りが必要で驚きます。

和紙の魅力
独特の質感や竹の生命力を感じさせてくれる虎竹和紙には、活版印刷や箔押し印刷での印字が可能です。少しソフトでしっとりした高級感のある手触りと温もりを感じられるため、名刺やショップカード、ギフトタグなど、様々なシーンで活躍してくれるのではないかと思っています。高知の豊かな自然と土佐和紙の伝統技術、日本唯一の虎竹がぎゅっと凝縮された虎竹和紙。一枚一枚に職人の手業と竹のストーリーが込められた、世界にひとつだけのプロダクトです。ぜひ、その豊かな魅力を肌で感じてみてください。

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