2026年7月 9日の投稿

茶源郷・和束町の伝統の茶籠修理させて頂いた、その後

伝統の茶籠


和束町の伝統の茶籠

京都府相楽郡和束町を、今回初めて知る事ができました。宇治茶の名前は有名でよく耳にもしていますが、実はその宇治茶の約4割を生産する、日本有数のお茶産地であり茶源郷とも呼ばれる美しい茶畑が広がる地域なのです。高知も知る人ぞ知るお茶の産地がありますので、少しは分かっているつもりでいましたけれど、さすがに美しい産地の景色に目を奪われました。確かに、茶源郷です、ちなみに虎竹の里は「竹源郷」と呼ばれるようにならねばなりませんね(笑)。祖父の代からずっと使い続けてきたという、歴史と思いの詰まった伝統の茶籠修理は、そんな和束町のお茶農家さんから届いたのでした。


日本茶畑


茶籠への思い

先日のブログでも、昔からの知り合いである「おぶぶ茶苑」さんの記事の中で少し触れさせていただきましたが、お預かりした竹籠からは、長年お茶作りの現場を支えてきたという自負と、竹に対する並々ならぬ深い思い入れがひしひしと伝わってきたのです。


茶籠の竹ヒゴ


今の時代には、あまり使われなくなってしまった非常に珍しい古い技法で編まれた籠でした。孟宗竹を使い、幅の広い竹ヒゴを取って編み込まれています。職人たちが目を丸くするような竹ヒゴを、どのようにして修理して、さらにこれから先も長く使っていただける強度を持たせるか?まあ、孟宗竹を使った竹細工をしているから何とかなるとは思っていましたが、試行錯誤しながら現代ではお目にかかれない昔ながらの籠を無事にお届けすることができました。


製茶工場


籠が活躍する製茶工場

やはり、実際にこうして使い手の方々の現場にお伺いすると、初めて分かること、教わることが本当に多いモノだと改めて痛感させられます。既にこのような伝統の籠は、地元の竹職人も皆無なので、同じような機能をもったプラスチック製の製品がいくつかあるようです。それでも、愛着のある籠を手直してまで使いつづけられたいのには、仕事のしやすさだけに留まらない使い手の思いが伝わってきます。


京都和束紅茶


クラフト紅茶

こちらの製茶工場では、なんとクラフト紅茶を製造されていて人気になっているとの事でした。伝統的な日本茶の産地で紅茶?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実は日本茶も紅茶も、元をたどれば全く同じお茶の樹から作られるものなのです。ボクも以前、虎竹茶の製造に何度か挑戦した時に初めて知って深く納得したのですが、日本茶と紅茶の違いは、その発酵(酸化)の度合いにあります。日本茶は茶葉を摘んですぐに加熱して発酵させない不発酵茶。一方で、紅茶は茶葉の持つ酵素を最大限に活かして完全に発酵させる完全発酵茶なのです。


プラスチックの箕


そう考えると、お茶作りのプロフェッショナルである伝統的な産地の農家さんが、その素晴らしい技術と気候風土を活かして紅茶を手がけられるのは、不思議どころか、ものすごく自然で必然的なことなのだと腑に落ちました。


和束紅茶


京都和束紅茶

今、京都和束紅茶を淹れ、その深く豊かな香りを楽しみながら、遠く和束町ではるばる修理を終えて戻っていったあの茶籠のことを思っています。おじいさんの代から、お父さん、そして現代のクラフト紅茶の挑戦へと、時代を越えてバトンを繋ぐようにして使い続けられる竹籠。自分たちの竹の仕事が、そんな素晴らしいお茶の歴史の一端をこれからもほんの少しでも支え続けていけるなら、これほど嬉しく、誇らしいことはありません。





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竹虎四代目

竹虎四代目
YOSHIHIRO YAMAGISHI

創業明治27年の老舗竹虎の四代目。100年守り続けた日本唯一の竹林を次の100年に繋ぐ。日本で二人だけの世界竹大使。

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