人知を超える竹と笹の違い、竹の花

淡竹

と笹の違いについてご存知でしょうか?何となく背丈が高いものが竹で、低いものが笹と区別されている方が多いようです。これは確かに間違いではなくて概ね当たっています、しかし実は背の低い竹もあって大きさだけでは判断できかねます。竹も笹も筍から大きくなりますが、この筍の皮が成長に伴いすっかり剥れてしまうのが竹であり、ずっと竹皮が剥れないものが笹という見分け方もあります。


矢竹


矢竹などは竹皮がついたまま剥れない種類であり笹類です。しかし、これも竹皮が剥れ落ちる笹類があったり竹皮が付いたままの竹類もあるようで明確に分類することは難しいようです。呼び名についても「竹」と名前がついているのは少しおかしいのではないでしょうか。根曲竹、スズ竹など竹細工に多用されるものも「竹」と呼ばれるものの全て笹の仲間です。反対に高知県で洗濯籠に編まれてきたメゴ笹(オカメザサ、カグラザザ)は「笹」と言うのに竹類です。


こうして呼び名が混乱している事自体、竹と笹の明確な違いの難しさを表しています。世界に1300種類、日本国内だけでも600種ある竹笹ですから仕方ないかも知れません。


黒竹開花


近年、孟宗竹の開花が見られるようになっていますけれど高知県では黒竹の開花も始まっています。一年を通して青々と美しい竹林に、突如としてこのような光景が現れるのですから、竹の開花を不吉な事の前触れとしていた時代もあるのも納得できる気がします。


黒竹の花


120年に一度という人の一生を思えば長いサイクルなので竹の開花のことも詳しくは分かっていません。竹と笹についても、竹の開花についても、虎竹の色づきにつても全て神秘のベールに包まれたまま、竹は人知を超えているのです。






続・恐るべし根曲竹

小菅小竹堂作根曲竹掛花籠


昨日は、ほとんど見られない根曲竹玉入れ籠をご紹介いたしました。雪に鍛えられる寒い地方の竹ですから西日本ではあまり見る機会がありませんが、関東で活躍されていた小菅小竹堂さんの作品に根曲竹の掛け花籠があったことを思い出しました。新潟のお生まれですので身近な竹と感じられていたのかも知れません。


飯塚琅玕斎作根曲竹掛花籠


竹工芸の世界で人気を誇る飯塚琅玕斎作の花籠にも根曲竹は使われています。東日本では日常的に籠やざるに多用されてきた竹材なので、こうして偉大な大作家の方が花籠に編まれるのも自然なことだったのです。


竹ペン置き


そう言えば自分の愛用するペン置きにも根曲竹は使われています。一見根曲のようでないと思われそうなものの実は竹と竹とを縛って留めてある部分が根曲竹。このように細かく、まるで籐のような柔らかな使い方ができる竹材は本当に稀です。


根曲竹ステッキ


ちなみに自分がたまに使う事のあるステッキにも根曲竹のものがあります。この細さで頼りなく感じる方もおられる事かと思います、しかし全体重をのせてもしなりはするものの折れるように素振りは皆無。手に粘りと強さが伝わってくるよう、しかも割れもしない、凄い竹材です。


続・竹と笹

ホウライチク


をお話しする時に、もうひとつ忘れてはならないのがバンブー類です、真竹や淡竹のように地下茎を伸ばして広がることがなく株立ちで成長する竹です。高知で良く目にします蓬莱竹(ホウライチク)は、元々は熱帯系の植物で日本には火縄銃に使うために入って来た竹ですが、株立ちで田畑に広がる事もなく、しっかり土壌を固められる事から護岸用として多用されてきました。


何度かお話ししていますように、川の流れの急になるポイントには良く植えられているので小さな頃からずっと不思議に思っていた竹なのです。高知ではシンニョウダケとも言われる竹、よほど川縁が好きな竹だと勝手に思っていたものの後から考えると全て人が防災を考えて植えたものでした。熱帯系の竹ですので南国土佐の暑い日差しの気候が合うのでしょう、この蓬莱竹もかなりの大きさです。蓬莱竹がこれくらいに成長するには100年近くかかっています、つまり長い間この川の流れを見守り続けてきてくれた地域の守り神とも言えます。

 
蓬莱竹


昔から台風銀座と呼ばれ大雨に悩まされてきた土地柄です、このような蓬莱竹の林は珍しくありません。知らない土地だとしても遠くからでも一目で分かります、こうして並んで繁る蓬莱竹に沿って川が流れています。もちろん護岸用として活躍するだけではなくて、その節間の長さを活かした竹細工にも使われてきました、蓬莱竹(ホウライチク)の竹ざるに少し書いていますので関心のある方はご覧ください。


竹類、笹類、バンブー類と竹と言っても色々と種類があることがお分かりいただけたかと思います。日頃何気にご覧いただく竹も日本人の暮らしに昔から深く関わってきただけに少し知っていると面白い事があるのです。孟宗竹と淡竹、普通の方からすれば太さ以外に見わけのつかない竹も、この動画で簡単に見分けられるようになります(笑)。





竹と笹

孟宗竹林


は木でもなく、草とも違う竹特有の丈夫さ、しなやかという特性を持ち、身近にあって手に入りやすく加工性も高いことから縄文の時代から籠の素材とした使われてきています。竹の生育域というと日本や中国を思い浮かべる方が多いかと思います、しかし東南アジアやオーストラリア、中南米、アフリカなどの温暖で湿潤な地域に広く分布して、世界に約1300種、日本には約600種があるのです。


雪と竹


もともと南方系の植物なので孟宗竹などは日本の北限が青森か函館あたりと言われてきましたが近年の温暖化で少しづつ変化しているようにも感じます。そう言えば30年近く前には北海道のデパートにも売り出しに行ったことがありました、クマザザなどは沢山あるものの大きな竹がなくて竹製品は結構珍しがられた覚えがあるのです。


孟宗竹


竹は他の木と違って、受精しなくても地下茎から毎年筍が伸びてきて生育域を広げていきます。ところが、60年とも120年とも言われる間に一度、竹が花を咲かせることがあります。竹の花が開花すると、群生している竹が一斉に枯れてしまいます。虎竹の里の古老に聞くと虎竹の林も一部で開花した時期があり、やはり一帯の竹がすべて枯れたそうです。


竹の花


では竹の花というのはどんなものでしょうか?実は竹はイネ科の植物です。なので竹の花もまるで稲穂のような姿をしています。日本の竹の品質が世界最高と言い続けています、ササニシキやコシヒカリといった世界最高レベルの美味しいお米ができる日本で同じイネ科の竹の品質が良いのは自然な事だと考えているのです。


孟宗竹皮


そんな竹ではありますけれど竹には仲間に笹もあって、皆さん日ごろあまり疑問も持たずにおられますけれど一体竹と笹の違いをご存知でしょうか?実は最初に答えを言ってしまいますと明確な違いは分かっていないのです。もちろん大まかな選別はされています。まず背丈で別れていて背丈の高いものが竹、低いものが笹。両方とも筍から成長していきますが、その筍の皮が稈からすべてなくなるのが竹皮がずっと残ったままなのが笹といった具合です。


メゴ笹、オカメザサ


メゴ笹洗濯籠


しかし、背丈の低い竹もあって例えば高知ではメゴ笹と呼ばれて洗濯籠などに多用されるものがあります。これは全長で1メートルから2メートル程度の高さで竹としては小さいものですが竹類なのです。浅草の酉の市でオタフクの面をつける素材なので「オカメザザ」とも神楽に使うので「カグラザザ」という呼び名もあります、すべて同じ植物のことで「ササ」と名前がついているのに竹類なのです。


スズ竹


背丈の高い笹もあります、たとえば昔は弓矢の矢にしたことに名前の由来のある「ヤダケ」高さは長いものだと5メートル程度になりますが笹類です。幕末に新選組の副長として活躍した土方歳三が「将来武士になったらこれで矢を作る」と武士になる決意をこめて生家の庭に植えたという話があります。また、数寄屋建築に使われるという事で竹虎でも結構取り扱っていたメンチク(メダケ)も稈の高さは4メートル程度になります、「ヤダケ」「メダケ」と竹のような名前がついているのに笹類です。現在一斉開花はが始まって竹林が枯れてしまっているスズ竹も「竹」と付きながら笹の仲間です。



捨てる所のない竹素材

竹皮草履竹皮鼻緒


長い梅雨がようやく開けて竹皮の整理をしながら少しづつ編み始めている国産竹皮草履です。自分の一番好きな竹皮鼻緒は若干耐久性に劣るため最近ではあまり製造していません。地味ですが実はこれはが昔から主流に履き続けられてきた草履なので少しでも作れるようにしたいと考えています。


国産竹皮草履用の竹皮


しかし、こうして竹皮を天日干ししているのを眺めていると改めて思います。筍が竹へと成長する過程で脱ぎ捨てる竹皮は草履に編まれるほか、おにぎり弁当用の包材としての活用方法もあります。


竹根細工


竹根の部分も地下に埋まっている部分なので活用されていないかと言うと竹根の景色も美しい茶器に変身するのです。


虎竹茶


こうして竹皮、竹根、稈、小枝そして竹葉まで捨てる所なく使い切ることのできるのが竹の素晴らしさ。今年の虎竹茶は仁淀川上流沢渡で作られる紅茶をブレンドして今までで最高の美味しさ、この暑さです冷やしてお試しください。





竹縄鼻緒の下駄を見て

竹縄鼻緒の下駄


渋い、渋すぎる下駄。何が渋いかと言うと鼻緒にご注目ください、これが竹縄鼻緒なのです!竹縄と書いて「たかなわ」と読みます。竹虎の草履には竹皮鼻緒がありますけれど、これは比べものにならない丈夫さ!かって現代のような強度の高いロープがない時代には、お祭りの山車が道路を通る際などに竹縄で結束していないと通行許可が下りなかったという日本では昔から最強ロープとして活躍していたものです。今では知る人も少なくなった竹縄の伝統を守り続けている人々が東秩父村にいるのです。


竹虎四代目(山岸義浩)


実は自分は昔から城郭ファンです(笑)お城そのものも好きですが更に好きなのは石垣。色々な積み方があるのですが驚くようや大きな石をどうやって運んだのか?現代に残るまで、どんな方法で崩れないように堅牢に積み上げたのか?それぞれに先人の知恵が詰まっていると考えるだけで時間を忘れてしまうのです。そして、そんな建設現場でなくてはならなかったのが竹縄だったのではないかと思っています。


山葡萄紐


強いだけなら他の自然素材でも例えば山葡萄のツルなどはかなりの強度があります。何回か職人さんから頂いたことがあって今も手元に持っていますけれど確かに丈夫そのもの、しかし、竹の圧倒的な違いは身近な里山に沢山あって手に入れやすかったことです。


竹林


現代においても継続利用可能な唯一の天然資源と世界的に言われるほどの凄まじい生命力も他にはあまり見られない素晴らしい特徴です。地下茎を伸ばし毎年筍を生やして増える様は自然素材に頼らなければならなかった当時には、まさに夢の素材、天の恵みのような存在だったに違いありません。





淡竹、真竹と孟宗竹の見分け方

虎竹筍


虎竹の里では、そろそろ筍の季節を迎えています。日本唯一の虎竹は淡竹の仲間なので筍も特徴的なのですが、面白いのは竹皮に真竹孟宗竹のように模様がついていない事です。筍の時には模様が付いていないのに大人になって虎模様が付く虎竹と、筍の時には模様がしっかり付いているのにその竹皮を脱ぐと模様のない真竹や孟宗竹、不思議です(笑)。


孟宗筍


淡竹、真竹、孟宗竹という日本三大有用竹と言われる竹の中で筍が生えるのは孟宗竹が一番早く既に今年も何度か食された方がおられるかも知れません。孟宗竹に続いて淡竹(虎竹)が生えて、その後今月~6月中旬あたりに真竹が旬を迎えるのです。


虎竹トンボg


孟宗竹の筍は太くて美味しくて、筍の代名詞とも言えると思いますが淡竹も非常に味が良いので昔から好まれて食されている筍です。だから虎竹もきっと美味しいはず、ところが虎竹は3年ほど経たないと色付きが来ません。つまり筍の時には、良し悪しの判断がつかないので父も祖父も曾祖父も、虎竹と出会って100年間誰も食したことはないのです。


ところで虎竹ばかりと思われがちな虎竹の里にも少しは孟宗竹が植えられています。食料としても建材や加工用としても太く長い孟宗竹は本当に重宝されていたからです。そこでYouTube動画では淡竹、真竹と孟宗竹の簡単な見分け方をご説明しています。





竹の記憶

根付孟宗竹


この根付の孟宗竹の何と立派なことか、京都の清水銘竹店さんにお伺いすると威風堂々たる風格で出迎えてくれる竹達です。竹林にある美しい姿をそのままに掘り出し、運び出し製竹するには大変な労力と技術が必要なのですが一般的にはあまり目にする機会の少ない根付の竹を見る度に思い出す光景があります。


竹虎本店パンフレット昭和45年


それが今から50年前の昭和45年に開店したばかりの竹虎本店なのです。高知県西部の清流四万十川が全国的に知られるようになる少し前だったように思いますが、当時四国一長いと言われた焼坂トンネル開通で交通量の増加しだす国道56号線沿いに竹虎としては初の展示場としてオープンした店舗の正面屋根には、この根付の孟宗竹が一文字に飾られていました。


真新しいアスファルトの道路の向こうから、沢山の社員さんや地元の方々と共に見上げた空の色まで今でもハッキリと覚えています。


ゴマ竹


さて、ゴマ竹という竹があます。名前の通り、まるでゴマのようなブツブツが出来る面白い竹で、アピオスポラ・シライアナ(Apiospora shiraiana)あるいはアピオスポレラ・バンブサエ(Apiosporella bambusae)と呼ばれる糸状菌によってゴマが出るのだそうです。このような難しい菌の名前は知りませんでしたが、小学校の頃など竹林で遊んでいると立枯れした竹にゴマが出ていたり、長く放置されている竹材にも同じようなゴマで出ているのを見て育ちましたので身近な存在の竹でした。


煤けたゴマ竹


自分の見ていたゴマは自然に発生したもの、ところがゴマは人工的に作って銘竹として仕立てられている事を後になって知ります。今ではあまり使われていない竹虎のバックヤードの柱には図面角竹のゴマ竹が使われていました。角竹というのは筍の時に四角い木型をはめて成長させて四角い形にします。そしてゴマ竹にするには成長した竹の枝をすべて打ち払い立ち枯れ状態にします、そうすると竹に菌がついてゴマ状の竹になっていくのです。自然界の力に人が手を添える形ですので、どのようなゴマになるかは職人にも分かりません。


バックヤードの柱に使われている竹を良くご覧いただきますと煤けているのがお分かりいただけます。実はこれは自分が大学4回生の時に起こった大火災の名残なのです。一晩中燃え続けて竹虎は工場も事務所も本店も商品を満載した大型トラックも全てが無くなりました。遠くまで見渡せる、一面焼け野原となって何とも言えない無力感でした。


しかし、自分は火事の第一発見者となったからこそ竹虎に入社して今があります。現在、あの時とは比べようもない程の変化に今後どうなっていくのかも分かりませんが、いつかは「あの事があったから今がある」と思える日が必ず来ると強く信じています。



感動と驚愕の国産竹材「楽屋」

孟宗竹を使ったセンリョウ成育場「楽屋」


皆さんは「楽屋」と聞いて何を思い浮かべられるでしょうか?舞台俳優や歌手の方などが控室として使う楽屋をまず想像されるのかも知れません、しかし、今日皆さまにご紹介したい「楽屋」は少し違います。


千両


お正月の縁起物と知れられて門松などにも使われることもあるセンリョウという植物があります。晩秋にツヤのある緑色の葉に鮮やかな赤色の丸い実のコントラストが美しくて、おめでたい雰囲気があり新春飾りには最適とされています。


門松用の松


こちらの農家さんからも季節になると門松用の松と共に大量のセンリョウが全国に送られるそうです。茨木県神栖市(かみすし)は、このセンリョウの生産量日本一を誇る地域なのですが、この成育に「楽屋」が大活躍しているのです。


農業用竹資材


実は楽屋とは9尺(約2.7メートル)の長さに切った孟宗竹を約2センチ幅に細く割って針金で編み込んだ簾状の竹材で四方はおろか天井までびっしりと覆ったセンリョウの成育場の事でした。


孟宗竹を使ったセンリョウ成育場「楽屋」


孟宗竹を使ったセンリョウ成育場「楽屋」


センリョウは強い日差しや風に弱いと言います、冬でも比較的温かな海辺の地域で栽培されていますものの竹の簾で海風を防ぐと同時に、日差しを遮らないと葉が日焼けして赤くなってしまいます。


孟宗竹を使ったセンリョウ成育場「楽屋」


耐久性を考えてビニール製の覆いで遮光した農家さんでは日焼けを防ぐことができなかったそうです。そこで結局、自然素材であり通気性の良い竹材が使われ続けられていました。


楽屋中国製


とにかく大量の孟宗竹を必要とされますので安価なだけでなく大量調達のできる中国製簾が8割から9割をしめる現在、まだまだ日本の竹を使って昔ながらの仕事を続けられている会社様がおられると聞いて茨木県内に沢山ある孟宗竹を使って製造を続ける佐藤竹材店さんにお伺いしたのです。


孟宗竹


この辺りは平地が多く良質の竹の伐採、運搬には恵まれています。


佐藤竹材、孟宗竹


全国的に少なくなっている竹の切子が3名で伐り出した竹はクレーン車を使って積み下ろしされ工場の敷地まで運ばれてきました。


楽屋竹材切断


ホークリフトで丸鋸のある切断台まで運ばれ寸法通りの長さに揃えられます。


菊割


菊割


すぐ横には菊割の機械が置かれていて感激します!竹の太さにより最適な割幅に揃えられるように十数種類の菊割が吊るされていました!


割竹


佐藤竹材


竹虎でも20数年前までは、同じような加工で土壁に使う壁竹を製造していましたので本当に懐かしく昔の工場に戻ったようでいつまでも居たい気持ちです!


竹製造場


割竹は内側の節を取り除いて更に半割にされるために機械に通されます。何でもないように見える機械ですが、このような竹材加工機械を製造する会社は日本では随分と前になくなりました。なので新しい機械はおろか部品にも事欠くありさまですので加工機械をうまく調整しながら大事に使っているのです。


孟宗竹を使ったセンリョウ成育場「楽屋」竹材工場


さて、細割にされた竹簾(たけすだれ)が竹編台に運ばれます。職人さんが加工機械に一本づつ割竹を通していきます、するとどうでしょうか!?


孟宗竹を使ったセンリョウ成育場「楽屋」


一本、また一本と割竹が流て来る度に一段づつ下にズレていくと共に針金で自動的に縛られていくではないですか!


孟宗竹を使ったセンリョウ成育場「楽屋」加工機械


簾状の楽屋


こうして国産孟宗竹の割竹を使った丈夫な竹簾が編まれていきます。


簾状の楽屋


後はクルクルと巻き込んで一本の竹簾の製品が完成です。


簾状の楽屋


国内の孟宗竹は使い道がなくて増えすぎて放置竹林などと呼ばれています。そんな孟宗竹を大量に必要とするお客様が近くにいながら海外産に移行してしまうのは近年、中国の人件費高騰もあって価格だけで比べられているのではありません。


簾状の楽屋竹材


確かに2割程度の価格差があるものの品質の高い国産への要望がないわけではないのです。ただ竹材確保から製造の職人不足で数量をまかないきれません。


佐藤竹材


青々とした製造したばかりの竹簾も楽屋に使うと6~7年に一度はやり替えねばなりませんから継続して竹材を活用する仕事でもあるものの竹には旬があって管理の難しい竹に一年通して同じ加工量がないのも昔から抱える竹材の問題です。


日本製の楽屋竹


まさに自分達もそうであったし、多くの竹材を扱う会社が直面してきた大きな課題を今突き付けられている国産の楽屋です。佐藤竹材店さんの製品置き場に積み上げられた国産孟宗竹を使った貴重な竹簾の山を、いつまでもいつまでも眺めていたい気持ちでした。





国産真竹の竹皮について

国産竹皮


竹皮」と普通に呼んでいて日頃から目にしていますので全く何とも思っていませんでしたけれど竹皮が一体何なのか?と疑問に思われている方も中にいると知って驚くことがあります。もしかしたら竹皮の名前が分かりづらいのかも知れません、竹の皮だから竹林に生えている竹のどこかに皮が付いていると想像されるようなのです。


孟宗竹の竹皮


竹皮とは正確には筍の皮の事です。筍は、たったの3カ月で20数メートルの竹に成長しますのでその過程で筍の皮を一枚、また一枚と脱ぎ捨てるようにして伸びていくのです。この脱ぎ捨てられた皮が竹皮です、季節に竹林に入ると筍から竹に変わりつつある竹があちらこちらに生えていますが脱ぎ切れていない竹皮は剥がしては竹が傷んでしまいます。


竹林の竹皮


完全に脱いだ竹皮だけを拾い集め天日干しして加工された物が皆様の知っている竹皮です。しかしこの竹皮を集める職人も高齢化が進み日本の竹皮の99%は竹林で朽ちているのが現状です。


竹皮職人


天日干しした竹皮は焼いたスルメのように丸くなりますので平らにのしていく作業が必要です。そして全て自然素材のため太さや色合い、キズなど見極めながら選別していく技がまた凄いのです。





今では見られなくなった神業とも言える熟練職人の技、こうして動画で見ていてもあの日の竹皮工房の空気感をつい先日の事のように思い返されます。手際よく選り分けていく職人の格好良さ、自信に満ちた表情、凛とした雰囲気、まさに圧巻でした。


国産竹皮弁当


竹林に行けばいくらでもあるものではありません。その季節に筍が落とした竹皮だけを集めて行きますから毎日のように竹林に入るのです。そうした手間をかけ天日干しして作られる国産竹皮、少なりつつあるものの出来る限りお届けできればと思っています。