新しい竹の命

2013年10月 7日

煤竹花籠


この煤竹の花籠の事は、前に一度お話させて頂いた事があるかも知れませんぞね。けんど、あんまり美しい「新しい命」ですきに、どうしてもお伝えせずにはおれんがですちや。「新しい命」というのは煤竹の事。煤竹は、囲炉裏の生活をしよったその昔に、天井裏で煙に燻されて長い長い年月の間に自然に炭化され渋い色合いになった竹の事ながです。


色の濃淡が見えるがは縄目の部分ぞね。そこが煙に当たらず薄い色合いで残っちゅうがです。煤竹の竹細工は、その製品自体の素晴らしさは当然ですけんど、この竹そのものの価値、長い時間をかけた本物しか醸し出す事のできない風格がたまらん魅力ながです。


けんど、こんな凄い竹やったとしても、屋根裏にある時には煤けて真っ黒いただの汚れた竹みたいぞね。磨かれて、選別され、職人の手によって形づくられ、第二の人生ならぬ、第二の竹生を歩みだすがです。そう言う意味あいでの「新しい命」やと思うがです。


花かごの工夫


さて、この花籠には、もうひとつビックリの工夫がありますぞね。それがこの、内側部分ながです。花を活けるオトシが中に入りますけんど、横幅の広い花籠の形やき、オトシを安定させるために丸いオトシをいれる輪っかが中に作られちゅうがです。


ちっくと感動しませんろうか?まっことの凄さを改めて感じるがぜよ。100年古民家の屋根裏で、しっかり屋根を支え過ごした竹がこうやって今度は表舞台にでて、また次の100年、人の目を楽しませてくれる。考えたら煤竹は、人の役にこじゃんと立つ竹やと言う事ができると思うがです。













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柔と剛の竹

2013年9月27日

竹集成材


は硬く、真っ直ぐなイメージがあるかと思いますぞね。もちろん間違うた竹の姿では無いのです。海外では高層ビルの足場に竹が使われちょったり、家屋や建造物など耐久性を要求されるところに竹が用いられる事を見てもその通りぜよ。


けんど、竹は縦割して細く細く竹ヒゴにすると柔らかく、しなやかな素材にもなりますぞね。他の自然素材では出すことができないような、やさしい曲線や、温かみのある丸みは竹の可能性の広さを雄弁に物語ってくれるがです。


技術がすすみ、一定の幅や厚みにした竹を圧着した集成材なども作られるようになっちょります。今まで木材のように角材として使う事ができなかった竹で、新たな製品づくりが進みゆうがです。弾力性や熱で曲がる加工性の高さなど、竹の特徴を活かしたらまだまだ面白い竹の世界が見られそうですちや。













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竹の根っ子

2013年9月25日

竹根


これは立派です!一体何かと言うと、お分かりになりますろうか?そうです、実はこれが竹の根っ子ながです。竹根自体にも節があって、一見すると曲がりくねった竹のようにも見えなくはないがですが、太い部分から細くヒゲのように根が沢山伸びちょります。かなりの部分を切り落としたがですが、こうやって見ましても竹の強い生命力を感じるのです。


少しくらいの力では、曲げようとしても折ろうとしても弾力があり反対にはね返されてしまうほどぞね。しかも、こんなに太い竹根なら尚更強靱ぜよ。そして、これが縦横無尽に地下を張り巡っちゅうのだから「地震の時には竹藪に逃げろ」と昔から言われた地面の固さも納得なのです。


それにしても竹根の個性と扱いの難しさに脱帽ぞね。竹も自然のモノですきに、それぞれ違いがありますけんど竹根に比べると伐採年数が揃うちょりますのでそれなりに対処できるがです。


けんど、たまるか、竹根は土中にずっとあってから古い、新しいなど見分けや堀分けする事ができないがです。これを皆様に満足いただける商品にするには、まだまだ越えないといけない山がありそうちや。まっこと山越えせんとイカンがは竹山だけにして欲しいにゃあ...。













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ひび割れた石臼

2013年9月24日

タガ


臼を今でも使いゆうお宅はボツボツありますぞね。穀物をつく事にも使いよったがですが、一番見かけるのがやっぱりお餅をつく事すろう。自分の小さい頃には普通にお餅をつきよりましたので、お餅を作る機械を始めて見た時には子供達だけでなくて、大人達も偉くビックリして「こりゃあ~便利やにゃあ」と大喜びしたことをハッキリ覚えちょりますので、逆に言うたらそれだけ臼が日常的に使われよった事かも知れんちや。


さてさて、そしてこの石臼ですけんど、実はヒビが入って割れかけちょります。割れてしまうたら、何ちゃあ使えなくなりますので、こじゃんと困ったところへ登場するのが竹。竹のタガでしっかりと2カ所留めちゅうがです。


竹の「タガ」が分かりませんろうか?そうですにゃあ、竹虎の商品でもおひつには虎竹のタガを使うちょります。けんど、これだけ大きい石臼やと重さもかなりのものですろう。このタガを巻いたのは竹が飴色に変わっちゅう事から随分と前の事かと思いますけんど、ずっと、このままタガで割れずにおるという事は、竹の強さ、丈夫さを物語ってくれよります。


日本は古来こうやって修理しながら、大切に生活道具を使うてきた素晴らしい文化があります。「もったいない」という心。身近にあって加工も簡単な竹はこんな思いにずっと応え続けてきた素晴らしい素材ぜよ。













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竹虎マークの入った竹プレート

2013年7月 9日

竹林


は成長がこじゃんと(とても)早く、毎年どんどん生えてくると言うお話は、この30年ブログ「竹虎四代目がゆく!」をご覧いただきゆう方ならいつもお話させていただく事やきに百も承知やと思います。そこで、こんな環境にやさしい素材は他にないですし、もっともっと活用せんとイカンと思うちょりますしもしかしたら自分達にかせられた使命かも知れませんぞね。


そう考えたら竹プレートなどは、サイズが小さいので使用する竹の量としては少ないものの、竹表皮を他の製品に使った後の竹の身部分を利用できますので、竹素材を無駄にしないという点では、なかなかの優等生と言えますろう。


けんど、これが面白いものですぞね、ほんの小さな竹札ですけんどレーザー刻印で竹虎マークが入りますと、とたんに愛着がわいてきます。最近では、自分でも結構お気に入りになっちょりまして、とうとう、いつも持ち歩くバックにも取り付けるしまつ。更には「どうですか?この竹プレート、エイですろう?」そう言いながらバックから取り外して、半ば強制的に差し上げた事もあるくらいながです。


レーザー刻印


一度に、こうやってズラリと並べたら後は機械が自動的に刻印してくれるがです。確かに時間は、ちっくとかかりますけんど、ひとつ、ひとつ手彫りすると思うたら、手間はかからないし、同じものが出来ますし、まっこと、技術の進歩というモノは、ありがたいものですちや。


けんど、それより有り難い事は、こうやって刻印させて頂いた竹プレートを時には竹バックや竹籠などに付けさせて頂いて、全国のアチコチにお届けさせていただける事ですぞね。小さな竹札一枚でも喜んでいただけるお客様がおられる事に深く感謝したいと思うちゅうがです。













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竹とベルティングレザー

2013年6月25日

古い竹籠


ベルティングレザーを、ご存じですろうか?随分前の事になりますけんど、この革で作られた鞄を長い間使いよったがです。もともとは工場の歯車などを回すためのベルトに使われていたという強靱さを持った革で、そのタフさが気に入り愛用しちょりました。


ベルティングレザーは、革をなめした後にオイルに漬けた加工をされちょりますので使った後のお手入れは乾拭きだけ。たまに汚れがひどい時には、ぬるま湯で濡らしたタオルを堅く絞って拭いてくださいと説明を頂いちょりましたが、そうやって使っているうちに何とも言えない光沢が出てきて、使えば使うほど、その色合いが増してきますぞね。普通の鞄に比べたら重さもありましたけんど、仕切りポケットが多く使い勝手もなかなか良いものですきに、どうも手放す事ができず、雨の日も風の日も使いよりました。革がついには穴があくほどボロボロになってしまって、感謝の気持ちと共に、その鞄は使う事はなくなりましたけんど、この古い古い竹編みの艶に触れてふと、あの鞄の事を久しぶりに思い出したがです。


と革。


同じ自然素材でも、まったく違うモノではありますし用途も性質も随分と違うようではありますが、実は革のようにしなやかで強い竹細工もあって、今では無くなって見る事はできないのですが、竹で編まれた巾着袋などもあったほどながです。そして、何より長い間、使用しているうちに深まってくる色艶と愛着とは竹でも革でも、全く同じ使う方と同じように育っていく愛すべき道具という点では違いはないがぜよ。













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赤い逃亡者

2013年6月17日

ベニカミキリ


「こりゃあ、おまん待ちやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


ついつい声を荒げてしまうがは、あの赤い虫のせいながですちや。知らない方がご覧になられたら鮮やな赤い色合いに、ああ綺麗な虫だこと、やっぱり緑の多い田舎はイイわね...などと、思わず笑みを浮かべながら見入ってしまうかも知れませんぞね。


けんど、実は何を隠そう竹の世界では、ちっくと困った害虫。名前をベニカミキリと言うがです。木と同じようににも竹を専門に食べる虫というのがおりまして、主な竹の害虫はこのベニカミキリとよく似ていて、黄色っぽい色に黒い虎模様が入っているタケトラカミキリ、そして、チビタケナガシンクイムシなどがおるがです。


小さな身体のチビタケナガシンクイムシは、竹笊など細かい竹細工などの竹ヒゴも食ったりするし、本当に小さな小さな虫やのに、その竹を食べるパワーは意外と強力で食べられてしまいやすい旬の悪い竹やったら、大きな竹でもボロボロになってしまう事もある程ぜよ。久しぶりに竹製品を動かした時などに目立った穴もないのに、竹の粉が落ちちゅうような場合はだいたいこのチビタケナガシンクイムシと思って間違いないがです。それに対して今回のベニカミキリは、身体も数センチと大きいですきに竹に空ける穴も大きくて主に身の部分の厚い孟宗竹などを好んで食べますけんど、体長がある分、竹に開ける穴も大きくて、こじゃんと目立ちます。まっこと、やっかいな虫ながです。


さて、今日見つけたベニカミキリも、ちょうど好物の孟宗竹の上。赤い色合いは、すぐに目に付きますきに指で掴もうとしたら、


......スルリ。


こちらの動きを察してか、なかなか敏捷な動きちや。今度こそと思うて指を伸ばしても、


......スルリ。


写真を撮ってたのがマズかったのか、そうこうしている内に竹と竹の間に入ってしもうて見えなくなりましたぞね。ほとんどの竹細工の場合には、これらの虫の害を最小限にするために旬の良い時の竹を使う事や、炭化加工という高温と圧力で蒸し焼きにするなど竹の管理に注意する他にはないがです。せっかくの竹を虫に食われる事には毎回泣かされますけんど、心のどこがでは、まあ自然の摂理やきにと思うて憎みきれないところもあるには、あるがですちや。













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小さな竹プレート

2013年4月18日

竹プレート


竹プレートなるものを、ご存じですろうか?そうです、文字通り竹を薄く加工して板状にしたものながですが、紐を通してストラップとか、タグ、札などに色々と使ってみたいと言うお客様もおられるがです。


竹工場におって、竹に囲まれちょりましたら実は意外と、こういう素材の良さというものを見逃しがちになりますぞね。お客様からご意見などいただいて初めて、ああ、そんな使い方もあるがやにゃあ...と感心したりもするがです。


竹箸や、名刺入れなどに刻印するためのレーザー刻印機がせっかくありますので、この竹プレートに竹虎のロゴマークと文字を入れてみましたぞね。まずジグを作って竹プレートがズラリと並べられるようにしてスタートしましたけんど、さすがに枚数が多いですきに時間が、こじゃんとかかります。けんど、レーザーの動きが止まって蓋を開けてみると、おおおっ!!!これだけ沢山できあがりましたきに、あれに使おう、これにも使えるろうか?もっと何かに使えないかと考えゆうがです。


まずは、手近で自分が毎日使いゆう黒いバックにつけてみました。なるほど、付けてみたら、それなりに格好エイがです。ちっくと変わったところでラッピングなどにも上手い事使えたら皆様に喜んでいただけるかにゃあ。こんな小さな竹プレート一枚で、大きな嬉しさをお贈りできることもあるのではないかと思うちょります。













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竹根の入荷

2013年3月 8日

竹根


青々とした今年の竹根を見せていただきましたぞね。このような竹の根っ子部分を一体何に加工していくのだろう?若い方など竹にあまり親しみのない方は分かりかねるかも知れませんけんど、一般的に一番馴染みのあるものを色々考えたら、まず、ブランドバックの持ち手などやったらご存じの方も多いですろう。竹根を使うた有名ブランドのハンドバックを、たまに見かける事もあるがです。


それから他に言うたら、そうぜよ、あれあれ。チャップリンの持っちょった杖、あれは日本製の竹根で製造されたものぜよ。ええっ!?チャップリンは知っちょりますろう?山高帽とチョビ髭がトレードマークの世界的に有名な喜劇俳優ですけんど、自分たちにとったら、いつも腕に提げている竹根の杖の方がよっぽど印象的ではあるがです。


まあ、あの竹根の杖は実際に歩行の補助的に使うというより、細身で飾りのような、ファッションとして持つ杖だと思います。本当に頼りにして使える竹根の杖は、もっともっと太く丈夫なもの。最近はそんな太い竹根の材料がなく、竹虎にも自分が愛用している古い竹根ステッキが一本あるだけながです。


「地震になったら竹藪へ逃げろ」こんな言葉をご存じですろうか?


小さい頃から聞かされちょりましたが、竹林で竹根が縦横無尽に走り、天然の鉄筋コンクリートと呼ばれるような、堅牢な地面になっているのを見るにつけ納得しよりました。細い竹根は竹林の切り立った斜面などから飛び出しているのを伐り取って来ることができますけんど、竹根を掘り起こすと言うのは大変な重労働ちや。だから、山の職人さんでも竹根を集められる方は、もう、ほとんど残っちょりはせんがです。


さて、この細い竹根たちは何になるがやろうか?スプーンやフォークの持ち手に使われたり、様々な竹製品の一部にワンポイント的に使われたり。実は結構用途もあるのです。竹の節が間隔せまく並んじょりますので、そのデザインの面白さもありますし、誰が見ても竹と分かりやすい。日頃は地面の下にあって人目に付きにくい竹根ですが
、いったん日の当たる場所に出てきたらなかなか人気ものではあるがです。













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金婚式...?竹の引き戸

2012年12月 6日

竹引き戸


普通やったら見過ごしてしまいそうな、別段変わった事もない引き戸があったがです。一度、前を通り過ぎた時には何ちゃあ思いませんでしたけんど、帰り際に、ふと足が止まります。引き戸の縦の格子部分に所々白っぽくなっちゅう箇所がありますろう?


ええっ......?もしかして!


近くに寄ってみて驚きましたぞね。


竹節


そしたら、そうながです。白っぽく見えちゃある所は竹の節の部分!この引き戸は縦の格子に竹があしらわれているのです。まっこと(本当に)ビックリぜよ。サササッと、ゾクゾクっと、鳥肌が立つ気分ぞね。厚みのある木の中央部分を竹の幅に溝を入れて、その中にピッタリと竹をはめ込んで作られちゅう。そして、その竹は、表皮を薄く薄く剥いだ「磨き」という加工をしちょりますきに、歳月と共に色がだんだんと落ち着いてきて何とも見とれるばあな渋さになっちゅうがです。これは、感動しましたちや。施主の方のセンスの素晴らしさに脱帽やし竹の事もかなり熟知されちゅうがではないかと思います。


引き戸が完成したばかりの頃は、竹も青々とした色合いで、木部も今よりもっと色っぽい感じやったと思うがです。それが、こうしてピッタリと身体を寄せ合いお互い仲良く年月を重ねて、惚れ惚れとするような色合いに変わり、まるで、一体化したようやにゃあ。時間をかけて、ようやく一つの引き戸に完成したとも言えますろう。そうやにゃあ、銀婚式や金婚式のご夫婦を見るようでもある。いやいや、エイものを見せてもろうたぜよこんな日は帰り道も、心が弾みますぞね。













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