新しい白竹やたらざる

白竹やたらざる


これからは暑い夏に向かって竹ざるの季節です。日頃あまり竹に馴染みのない方でも、ざる蕎麦などで涼を味わう機会は多いと思います。笊には青竹や白竹など色合いの明るい竹材が好まれますが、今回白竹でちょっと変わった笊が編まれてきました。ヤタラ編みとは「やたらめったら」という言葉から来ているように、キッチリとした編み方ではなく職人の感性で自由に編み込まれています。

 
白竹やたらざる


竹ザル


底の足部分に使われているのは籐です。籐にあまり注目されてる事はありませんけれど、これほど違和感なく竹細工に多用され、しなやかで使いやすい秀逸な素材はありません。この足部分も籐があってこそ編むことのできる細工です。


柄付きの横編みざる

 
竹お玉


茹で上がった食材をすくいとるのにも、水切りするのにもキッチンにひとつあれば何かと便利な持ち手付きの竹お玉なのですが、実はよくご覧いただくと丸ざるに持ち手を取り付けているのではありません。何と一本の丸竹の片方を細く割って、その部分を編み込み丸いザルに仕上げているのです。


米研ぎざる


米研ぎざるの出来栄えの良いものが少なくなりました。このような横編みは竹細工の代表的なものですし海外製造も沢山あって見慣れているのか気にされる事も少ないですが実は本当に使える籠にするのは難しいのです。ただでさえ大変な竹ざるを一本の竹の先端に編み上げる今では希少な一品です。




漆仕上げの渋い虎竹網代ざる

 
虎竹網代ざる、竹虎四代目(山岸義浩)


普通は網代編みした竹ざるというと、これからの季節には土用干しなどに活躍する60センチ、40センチサイズの大きな竹ざるをまず思い浮かべます。ところが、この虎竹を使った網代編みざるは暮らしの中で日常使いするものとは少し違って漆仕上げで小振りでもあり、どうやって使うおうか?と考えてしまう高級感漂う作りです。


虎竹網代ざる


縁巻


竹ざる裏


裏面も縁のあしらいと言い、漆を塗布した竹ヒゴの色合いといい綺麗です。


虎竹ざる


虎竹網代ざる


工芸品と呼べそうな逸品の竹ざるには虎竹という素材は最適だと、つくづく感じます。


青竹蕎麦ざるの雨模様

真竹蕎麦ざる


青竹そばざるの季節がやって来る。渦になった編み込みを一面に広げると、まるで水面に降る雨模様のよう、スズ竹蕎麦ざるなどと見た目が良く似ているけれど、青竹表皮を活かした竹ざるは硬く丈夫だ。これから青さが抜けてきて晒の白竹のような色合いになってきて、それから段々と飴色への変化する。


蕎麦ざる


お蕎麦屋さんからのご要望が一番多い竹ざるという事からも、その実用性の程がうかがえる。大が約24センチ(8寸)、小が約21センチ(7寸)の2種類のサイズ、一般のご家庭なら一生使えるに違いない。


蕎麦ざる


網代編みからのヒゴ回しが熟練の技を感じさせる、近くでじっくり見てもやりは凄腕。日本の夏にはやはり、こんな本物の竹ざるが必要だ。


網代底水切りざる足付き30cm

 
網代底水切りざる足付き30cm


キッチンで活躍しそうな足付きの竹ざる、大きさも直径30センチと手頃です。しっかりした編み込みに細い足で心細く感じる方もおられますでしょうか?


竹ざる、竹虎四代目(山岸義浩)


けれど、全く大丈夫。竹細工も時代と共に変わっていくというのは常々申し上げている事ですが、竹ヒゴの幅や厚みが薄くなり編みやすく見栄えを大事にする仕事が多くなっています。ところが、この竹ざるは昔の籠のDNAを色濃く受け継いだ堅牢そのもの。


水切りざる


足も細くとも節が入って強度は十分、これだけ底が開いていれば通気性は全く違うし水切れもバツグンです。


篠竹底編み足付ざる


篠竹底編み足付ざる


竹ざるの底をつけないように編み込みで足を作る秀逸な篠竹のざるもあります。水切りざる足付きのように短く切った足を取り付けることを良しとしなかった職人の美学だったのか、これはこれで魅かれる竹細工です。今回の足付きざるを編んだ職人さんとは違いますが、ほとんど同じ網代底を編む早業の職人のYouTube動画がありますのでご覧になられていない方は是非どうぞ。




遂に出来ました、四ツ目エビラハーフサイズ

 
干し野菜にエビラ


今までありそうでなかった四ツ目編みエビラのハーフサイズを作る事にしました。そもそもエビラ(竹編み平籠)そのものが、養蚕が盛んだった頃の農家の仕事道具であり今の日本で見られるといえば歴史民俗資料館のようなところでホコリをかぶっているような代物なのでご存じの方は多くありません。


土用干しに四ツ目編みエビラ


昔から定番であった網代編みのものがあれば十分に事足りているのですが、近年ご自宅で梅干しを作られたり、手軽にできる干し野菜の美味しさや栄養効果が知られるようになって竹虎のお客様の中にご愛用いただく方が少しづつ増えて来た事もあり、前々から復刻したかった四ツ目編みを製作する事にしたのです。


便利なハーフサイズの干しざる


自分たちのような田舎に暮らす者にとりましては90センチ×60センチという通常のサイズが当たり前で使いやすいと思っています。けれど、やはり都会暮らしの皆様には使うにも収納するにもハーフサイズくらいがちょうどだと言うお声を多くお聞かせいただきます。昨年は通常サイズしかご用意ありませんでしたものの、ようやく今シーズンからはお手頃な大きさで通気性の良い四ツ目編みもお選びいただけます。




もう出来ません、70cm特大サイズの竹ざる

 
70cm特大竹ざる


須崎の漁港には、子供たちなら何人も入るような大きな大きな竹編みの生簀籠が無造作に置かれてあった記憶がある。あの時には何とも思っていなかったけれど、あれだけの竹を扱うには竹の技はもちろんだがかなりの腕力も必要な竹細工だった。


竹編み生簀籠


生簀籠は、いつの間にやらなくなって今では中土佐町久礼の大正市場に飾られているものが見られるくらいだろうか。下から見上げても大迫力、こんな籠が浜にゴロゴロしていたので良い時代だったのかも知れない。竹籠や竹ざると言えば農家とか山間部で使われているイメージがある、しかし実はこうして海の仕事にも大きく関わり無くてはならない存在だったのだ。


青竹ざる


この丸ざるも太く良質な真竹を伐り出してくる職人がいなくなると同時に編む職人も高齢化で小さな籠は大丈夫だが、このように力のいる大きな籠になると、なかなか思うように編めないのだ。それでも、こうして青々とした竹ざるが出来ている。これだけのサイズで、この堅牢さ、日本ではすでに見る事のできなくなった深ざる、一般の方はあまり見る機会もないが、昔からの仕事でどうしても必要な方々が待っている。




野菜が安い今だからこそ、干し野菜をオススメします!

 
干し野菜


NHKのウェブニュースで野菜が安いと報道されています、何といつもの半値と言われていますので消費者の立場としては嬉しいのですが知り合いの農家さんの事を思うと複雑な気持ちになってきます。気候が良くて豊作だったもののコロナウィルスで飲食店向けの消費が落ち込んでいることが原因との事です。そこで、こんな時こそ野菜生産者を応援するという意味でも家庭で沢山野菜を食することを考えると高知などでは普通に家庭で作ってきた干し野菜にも注目すると良いのではないかと続いています。


エビラ


エビラは元々は養蚕の盛んな頃にカイコ棚として使われていたものが土用干しや干し野菜に非常に便利という事で今では多くの愛用者がいる道具ですが、これも地元では普通の生活具だったものなのです。木枠には紐を通す穴を開けていますから軒先やベランダなどに吊るして使う事もできるのです。


網代編み竹ざる


先日、新しく仲間入りした網代底平ざるなども干し野菜づくりには活躍します。初めての方などで50センチサイズではちょっと大きいという方も、40センチサイズでしたら手頃なで使い勝手が良いかと思います。


メゴ笹ざる


干し野菜は素材にもよりますが冷蔵庫で5日ほど保存でき、冷凍庫なら半干しでも1週間、しっかり乾燥させたものなら1ヶ月は日持ちします、その際は密閉できる容器や袋に入れて保存してください。


竹虎四代目(山岸義浩)、竹ざる


メゴ笹の平籠でも二重巻きの竹ざるでも、とにかく竹編みは通気性がよく野菜など乾燥させるには最適。エビラのような角かごでなくても、本当に小さな竹ざるであっても簡単、お手軽に野菜を長期保存できるように干すことができます。竹虎には干し野菜の作り方(レシピ)のページもありますのでこの機会に是非ご覧ください!干した野菜は食材を長期保存できて無駄にすることがないだけでなく「野菜のうまみが凝縮」「味が濃い」「食材の中まで味が染み込む」など感想を話してくれています!美味しさが増していますから良い事づくめなのです。


昔からあった四ツ目編みのエビラ籠を復刻しました(笑)。干し野菜にも最適の竹細工がどのように作られるのか、職人の流れるような圧巻の手さばきをYouTube動画にしています。お時間ありましたらご覧ください。




青い竹ざる

 
竹ざる


ずっと心待ちしていた竹ざるが編み上がってきた、これだけ青々とした真竹だと本当に美しい。


青物細工、竹虎四代目(山岸義浩)


横編みの浅い竹ざるで出来の良いものはかなり少ないが、これはとても綺麗に編まれている。


竹ざる


カマボコというよりV字型に取った竹ヒゴを見ていると、1本づつヒゴを引く姿が思い浮かんできた。


竹ザル


少し広めの磨きの縁巻がいい、笑みがこぼれる。


笊


青物を編む方の中には竹の青さにこだわる方がいる、いつだったか「青いうちでないと売れない」と聞いた事もある。しかし竹の良さはそんな一時の事ではない、お客様の意識から変えないといけないのだ。磨きの縁巻と表皮のついた編み込みは、これから時間をかけて微妙に異なった変色をしていく。30年後、こうして見た姿が一番好きだ。そう、このブログが終わる頃もう一度登場させたい。


梅雨時期の青物竹細工

エビラ、箙


エビラは養蚕が盛んな時代には、今では考えられないような数で作られていたので比較的沢山残っている物なのです。しかし、高知で見かけるのは網代編みか四ツ目編みばかりで、このようにゴザ目に編まれたものは珍しいのです。蚕棚で使うには四角い形のほうが良いように思いますが九州にはカイコバラという平らな網代編み丸ざるがあったし、東北では六ツ目編みの丸ざるが使われていました。


四ツ目編み


今では梅干しに使ったり、野菜を干して乾燥野菜を作るのに使われたりお客様によって使い方はそれぞれです。今年はじめて作った四ツ目編みエビラも久しぶりに復活した四ツ目編み丸ざる60センチや40センチサイズと共に好評で良かったです。


二重編みざる


竹虎では大きい竹ざるは基本的に2尺(60センチ)にしています。これだけの大きさがあって、しかも二重編みになった竹ざるも品切れになりました、「来月には編みあがりますか?」とご質問をいただきますものの竹材自体がなくなっていますので秋以降の竹の旬が良くなってからでないと製造はできません。


匠竹ざる


竹は竹林に沢山あるから、まさか材料が無いとは考える事はないのかも知れません。もちろん竹自体は毎年生えてまさに無尽蔵というくらいありますけれど、伐採する時期が決まっており、その竹に適した時期に伐った材料を保管しておいて一年通して使っていきます。ですから、ある竹製品が予想以上に足らなくなったとしても途中で竹材を確保できませんのでそれ以上作ることはできません。


今年の長かった梅雨では、青竹細工の大敵であるカビや虫にも注意しています、匠の横編み竹ざる65センチは美しく最高の逸品なので喰われたら大変だと先日熱湯消毒しました。竹の青さはぬけてしまいましたけれど品質は全く問題ありません、お使いいただくうちには自然と同じような変色をしていきます。竹の本当の魅力はそれからなのです。