パリで再開したフランス国内巡回展「日本の日常生活の中の竹」

米とぎざる


たとえば、この普通に見える米研ぎざる一つにしても国産の良いものを求めようと思えば実はなかなか少なくなりました。この竹編みは最近ではあまり見ることのない淡竹(はちく)が使われています、昔ながらの手練れの職人は節が低く粘りがあると好む竹材です。何を隠そう虎竹も淡竹の仲間なので、このざるが生まれる工房の材料置き場に行くだけで何かワクワクしてきます。


生活に密着してきた竹細工は、日本の暮らしをそのまま生き写しするようなものです。昔の大家族の頃の米研ぎざるや味噌漉しざると言えば一抱えもあるよなうな大きなものがありましたが、現在竹虎で紹介するサイズは23㎝か25㎝サイズまでです。


パリ展示会候補の竹籠


都会ではお一人暮らしの割合が自分の思っている以上に多いことに驚いて数年前からはお一人様用の椀籠なども作るようになりました。職人が遊びや力試しに通常編んでいる籠のミニチュアに挑戦することがありますけれど、少し大袈裟に言えば、段々とそんなレベルに近づきつつあります。


長く続いてきた日本の伝統竹文化はこうして少しづつ微妙な変化をしながら今がある、そんな事も今回のフランス国内巡回展「日本の日常生活の中の竹」ではお伝えしたくて作品を選びました。不思議なものです、昨年末に長い時間をかけて厳選した竹細工たちではありますが、今考えば又まったく違くチョイスになりそうです(笑)。


パリ竹展示会場


パリは日本と比べるとずっと厳しい外出制限があったと聞いていますので本当に大変だったと思います。まだまだ油断はできないかも知れませんけれど中断していたフランス国内巡回展「日本の日常生活の中の竹」が再開したと嬉しいお知らせをいただきました。パリ会場は9月末までこちらで開催されています、1, rue Dante, 75005 Paris(tel : 01 44 41 50 10)関心のある方には是非足を運んでいただきたいです。


箕職人


また、パリ会場終了後は下記のリオン、ツールーズの各会場で開催予定です。詳しい企画内容、日本の竹についてはリンク先にも掲載されています。何卒よろしくお願いいたします。


■リオン会場
会期:2020年10月以降
46 Rue du President Edouard Herriot 69024 Lyon, tel : 04 78 38 30 40
■ツールーズ会場
会期:リオン会場終了後
5 Rue Croix Baragon 31000 Toulous, tel : 05 61 14 51 50





竹は社会的に低く見られてきた

竹虎四代目(山岸義浩)


竹の仕事は社会的に低く見られてきた歴史があるからだろうか、特に年配の職人は仕事を見られる事を嫌った。写真などもっての他だと怒りだす、「竹細工と知られると、めんどい(恥ずかしい)から材料は家の裏に置いてくれ」とも言う。しかし、本当にそうか?これだけ美しく、機能的で人々に喜ばれる竹がそうか?家業を継いでから、そのような場面に出くわす度にずっと違和感を感じてきた。


虎竹の里


この成り立ちには、おそらく竹特有の性質も関わっている。竹は生活のあらゆる場面で活用されてきたが地下茎をしっかりと張って伸びていくことから防災面でも大きく役立ち沢山の財産や人命を助けてきた。台風銀座とも言われる高知のような豪雨地帯に暮らしていて、荒れ狂う川の流れを頻繁に目にする自分などからすると現在のように土木工事が発達していなかった時代に護岸用として植えられた竹はどれだけ頼もしく見えた事かといつも思う。


職人の手


そして、そんな川岸に生える竹には、山林で一本づつ厳しく管理されていた樹木と違ってハッキリとした所有権はなかったのだろう。しかも、毎年どんどんと生えて3ヵ月で親竹と同じように繁るので少しくらい伐ったとしても誰に咎められるでもない。自分の土地も持てなかった人々にも元手不要の生業として歓迎されたと想像するのだ。


何せ本物の竹職人は刃物ひとつあれば何でも作りだす。竹を伐り倒して束にする際にも紐すら不要だ、近くの柔らかい若竹をパッと伐ったかと思うとパンパンと割ってロープ代わりにする。縛り目をクルクルッとねじって重たい竹をまとめてしまう、何と格好が良かったことか!


箕


思うに竹は柔と剛の相反する性質を併せ持つ不思議な素材だ、その加工性の高さで日本人との数千年の共に歩んできた。そして、竹をとりまく人々の向き会い方も、時と場合によって「聖」であったり「俗」であったりまるで正反対なのだ。このことは竹の世界を深く魅惑的なものにしていて心を掴まれたら離してはくれない。



虎竹茶×沢渡紅茶

沢渡茶、岸本憲明、竹虎四代目(山岸義浩)


豊かな仁淀川の流れに沿った山肌に、何筋にも連なる茶畑が美しい沢渡に来ました。そもそも此処にお伺いする事になったのは今年はどうしもて作りたいと思っていた虎竹茶があったからなのです。


虎竹


虎竹の里、安和(あわ)は古くから有数の港町だった須崎と久礼の間にある集落なので「あわい=間」から「あわ」になったとされています。どちらに行くにも峠がありお遍路さんの難所としても有名でこんな小さな村なのに昔から宿屋が数軒あり旅の人々を迎えて来ました。


沢渡茶


そんな方々にも振舞っていたのでしょう、身近にあった虎竹の葉をお茶にする話を聞いており手さぐりで製品化したのはもう10年以上前の事になるかと思います。以来、食の専門家の方にご指導いただいたり製茶メーカーさんと製法を変えたりと取り組んできましたが今回はついに他の素材とのブレンドという事を決めました。


沢渡茶、岸本憲明


実はお茶の素材というのは思うよりもずっと種類が多く、高知でも様々なお茶が作られ愛飲されています。しかし、お茶ならばまず一番に思い浮かんだのは沢渡茶の岸本憲明さんだったのです。


沢渡茶、工場


摘み取られたばかりの茶葉が加工されていく時の素晴らしい香りと、変わって行く様子は衝撃的でもありました。力強い茶葉しかイメージしていませんでしたけれど、新茶は生鮮野菜そのものだと感じます。


沢渡茶、岸本憲明、竹虎四代目(山岸義浩)


岸本さんのお茶への情熱は加工工場の蒸気など寄せ付けないほど熱かった(笑)


沢渡茶畑


しかし、一番心を打ったのはこの光景です。仁淀川があってこその朝霧、急斜面を切り開いて先人か達が作ってきた茶畑。それを、これからも繋いでいきたいという思い、聞けば聞くほど虎竹の里の竹を思い出さずにいられませんでした。


虎竹の里


この虎竹の林は麓からずっと上に登ってきた所にありますが、沢渡の茶畑にあるような石垣が積まれています。以前は芋畑だったところを100年前に大阪からやって来た初代宇三郎が竹林に変えたのです。


虎竹茶試作


虎竹の里と沢渡は似たような背景を持っていると感じました。ひとつのお茶にするにはピッタリではないか、それが今度の虎竹茶です。緑茶、紅茶、ほうじ茶と何度も試作して社員にも飲んでもらいながら配合を決めました。


沢渡茶、竹虎四代目(山岸義浩)


選んだのは沢渡紅茶です、虎竹の竹林と沢渡茶園の風を感じてもらえればいいと思っています。





仁淀川町、沢渡茶

沢渡茶、岸本憲明、竹虎四代目


高知と愛媛の県境に近い仁淀川町に沢渡という所があります。土佐三大祭のひとつである、秋葉祭りが行われる所と言えば分かる方も多いかも知れません。高速道路が開通してからは、松山に向かう主要道路だった国道33号線もめっきり交通量が減って過疎化が進み現在では20人が暮らす集落。近年、ここで作られるお茶が注目されているのです。


沢渡茶、仁淀川町


高知市からUターンしてお茶の生産に取り組む岸本憲明さんは、会社を立ち上げて間もない頃に一度竹虎にお越しいただいた事があります。そんなご縁もあって沢渡茶の活躍にはずっと目を離せずいて県外の方へのお土産にさせて頂く事も度々あったのです。


沢渡茶、岸本憲明、竹虎四代目(山岸義浩)


しかし、同じ高知県内とは言え仁淀川町自体に馴染みがあまりなくて沢渡がどのような場所かも写真で見る事しかありませんでした。だから今回初めてお伺いする機会があり、この土地に立ってみて本当に驚いたのです。何と美しい場所なのでしょうか!?


沢渡茶


眼下に仁淀川の見える急勾配の土地を耕し石垣を積んだ茶畑は先人の血と汗の結晶。なるほど岸本さんが地元に帰り、この景色を守りたくなるのも分かります、いや守らないでどうすると思いました。


沢渡茶、岸本憲明


祖父の背中を見て育ったと言います、この険しい地形が美味しいお茶を作ると言います、ところがその伝統も消えかけていたと言うのです、まるで自分達の虎竹とそっくりでした。


沢渡茶、岸本憲明、竹虎四代目(山岸義浩)


手入れされた茶畑、茶葉の収穫、大型機械が導入された加工場、地域ぐるみでお茶生産に取り組む本気さはビシビシと伝わってきます。凄い、この豊かな自然の恵みと気持ちの良い人達が生きる沢渡は凄いです。


竹虎四代目(山岸義浩)、沢渡


岸本さんの経営される「茶農家の店 あすなろ」は残念ながらお休みされていました。かって、おじいさんが茶葉生産のために仲間たちと作った会の名前に由来する人気のカフェです。再びオープンしたら是非とも多くの皆様に行って実際に感じてもらいたいです。きっと心から感動します、そして高知をもっと好きになるはずです。





お気に入り竹帽子と竹籠バッグで夢の中

竹虎四代目(山岸義浩)、YOSHIHIRO YAMAGISHI


昨夜、旅をする夢を見た。お気に入りの竹帽子と竹籠バッグを持っていた。緑豊かな山々を縫うように美しい川が流れる渓谷を歩いて行く。すると子供の頃に帰ったかと思うような懐かしい集落があって、温かい人たちがいた。


竹虎四代目(山岸義浩)、YOSHIHIRO YAMAGISHI


バス停で誰かに何かを渡そうとしていた。こういう時には、あれこれ色々と収納できる大型の竹バックは重宝する。その人は満面の笑みで喜んでくれた。


竹虎四代目(山岸義浩)、YOSHIHIRO YAMAGISHI


行く先は分からない。しかし、次に旅する時には特別な竹の鞄で出かけよう。渡辺竹清先生に製作いただいた煤竹アタッシュにしようか?それとも内側の革のあしらいまで美しいスズ竹にするか?どちらにするのかは、まだ決めていない。





京都から届いた筍

筍


は衣食住とすべてに関わって日本人の暮らしに深く根差した植物だ。古から人に寄り添い文化、思想にも大きく影響してきたので竹を全く知らない方でも竹林に入ると知らぬ間に笑顔になる。それもそのはず、笑うという文字には「竹」が入っているのだ。


筍


さて、この季節の楽しみと言えば、やはり筍だろう、今日は遠く京都から美味しそうなものが届いていて一日中ワクワクしていた。筍は薄く切って豚肉と一緒に甘辛く煮るのが山岸家の定番、大きな鍋で作って、来る日も来る日も筍を食べる。最後に煮詰まったところにとき卵を入れてタケノコ丼にすると格別に旨い。自宅で食事をする事が多くなっているが、あちこちで我が家の名物料理が生まれているのではないだろうか。


四方竹の筍寿司


そうそう筍と言えば、何も今の季節とは限らない。高知の南国市白木谷には有名な四方竹があって、この筍の季節は秋。直径で言うと黒竹くらいの細い竹でありシャキシャキとした歯ごたえが何とも言えず美味。特徴は丸いはずの竹が四角い事であり名前の由来ともなっている。中国原産で高知に持ち帰り育てられるようになったのが明治10年頃らしいけれど今や土佐の郷土料理のひとつとして定着しているから、やはり竹は凄い。



昨年秋の帰り道

秋の山里


昨年の秋、帰り路を急ぐ山道で思わず立ち止まった事がりました。大きな樹木に沢山立てかけられている木材は、足場か何かかと思っていたのですが改めて見てみると足場にしては随分と太く長さも様々でし。建材にするために仮に置いているのではないかと思いましたが、どうも既視感があるのです。どこかで見たような...?


白竹


そっくりな光景は、すぐに思い出しました。湯抜きした真竹を同じように樹木に立てかけて天日に晒している時の様子です。熱湯で油抜きしたばかりの竹は最初は黄色い色目をしてますけれど、こうして太陽の光を浴びることによって白竹になります。白竹の事を「晒竹(さらしだけ)」と呼ぶのは、こうして天日に晒すからなのです。


建材用の木材にしても白竹にしても、どちらも樹木に多すぎるくらい沢山立てかけて、まるで添え木をして支えているようにも見えます。コロナウィルスで揺れる社会を皆が心を一つにして支えなければならない今の世界みたいです。添え木は一本でも多いほうがいい、多すぎることは決してありません。


竹虎ライブ配信、生電話チャレンジとは?

【ライブ配信】生電話チャレンジ


一昨日の4月16日に少し思い立ってYouTubeのライブ配信をすることにしました。実は、今回のコロナウィルスの影響で竹虎でも本社工場やウェブサイトの運営は通常通り行っていますものの、工場に隣接した本店はどうしても接客業務となりますので閉めた方が良いだろうと思って今週から臨時休業とさせてもらっていたのです。今年で創業126年になる竹虎は実店舗を立ち上げてからでも50年になりますけれど、この長い歴史の中でも災害の他で長期のお休みするのは初めての事だと思います。


竹虎本店


昼間なのに電気を消した薄暗い店舗を歩いていると沢山の竹籠や竹ざる、花籠、手提げ籠バッグたち、それから弁当箱、竹箸、カトラリー、竹炭製品や作家の工芸作品など様々な竹製品たちが寂しそうに語りかたけくるようです。せっかく、これだけの日本の竹が一堂に会していながら店を開けられないというのは、いかにも残念で。そこで、ふと思いついたのが最近動画配信に使っているYouTubeでした。


確か動画をライブ配信できる機能があったはず...!?


竹虎本店


すぐに見つかりました!こうなると、すぐにやってしまいたいのが自分の性格です。でも、これが正確かも知れません(笑)悪い頭で色々考えるて仕方ないのです、とにかくまずやってみようと思い開始したのがYouTubeライブ配信「竹虎四代目 生電話チャンレジ」なのです。


電話番号を大きく入れたプラカードを首から提げていますけれど、ライブ中にお客様からの電話をリアルに受けて何でもお問い合わせにもお応えしますし、商品を販売しようと考えたのです。結果、先日の第一回目の配信では違う電話がかかってきて、その通話中にお客様から電話いただいてしまって出ることができず、30分間の配信は失敗に終わりましたが、やってみないと分からない事が数点あって次に繋げられます。


竹虎本店


来週は第二回目のライブ配信を予定しています。今度はフェイスブックはじめSNSで日時を予告してから始めようと考えています。30年ブログ「竹虎四代目がゆく!」をご覧いただいております皆様も是非よろしくお願いします!


第一回配信の様子はコチラからご覧いただけます。

清水銘竹店の火抜き

清水銘竹店


京都には祖父の代から親しくお付き合いさせていただいている清水銘竹店さんと言う会社様があります。こちらでは竹虎とは少し違った方法で油抜きの加工をされていますので今日はじっくり拝見したいと思ってお邪魔しました。


虎竹


虎竹は日本でも高知県須崎市の一部でしか成育しない虎模様が特徴の竹ですが最初から虎模様が竹にあるわけではなく、油抜き専用窯に入れ700度のガスバーナーの熱で一気に加工していきます。窯に入れる前と後では竹表皮のツヤが全くちがって虎模様がクッキリと浮かび上がるのですが、この油分をウエスで拭き取って磨いていきます。そして、すぐ後ろには置かれている矯め木でまだ竹が熱せられて熱いうちに曲がりを矯正していくのです。


清水銘竹店、職人


さて、一方京都の清水銘竹店さんには敷地内に入るやいなや沢山の竹が並んでいます。おっと工場入口では竹を一本一本、丁寧に水洗いされています。油抜きの前にひと手間かけるのが京銘竹のこだわり、こうして大事に製竹した竹が会社建物前から裏側にまでもズラリと立てかけらてれいました。


昭和45年に竹虎本店が完成した際には、店舗正面の屋根部分に孟宗竹の根付がそのまま使われていましたけれど最近ではあまり見ることのなくなった竹根のついた竹や、中には角ばった竹まであります(笑)


清水銘竹店、竹根


ええっ?角い...竹は丸くないの?


とか言われそうですが、筍の時に四角いかぶせをして大きく成長させた竹は四角に形に育つのです。清水銘竹店さんは、この角竹を創ったり、図面竹とよばれる人工的に竹に模様をつけて育てる竹のスペシャリストでもあるのです。


清水銘竹店


孟宗竹も真竹もあります、それぞれ天日干しされているのは油抜きされて白く変色した竹達です。色が白いので「白竹」、あるいは天日で晒して色を出しますので「晒し竹」ともいいます。しかし、それにしても美しい、竹を使う方からすると竹の材料と見えるかも知れませんけれどここにある竹はすべて竹の製品、一流の完成品です。


清水銘竹店、油抜き


竹は油分の多い植物ですので、熱を加えて文字通り余分な油を抜いていく、そしてその油分で竹表皮を磨いて美しく仕上げていくという加工です。青物細工と言われる竹素材をそのままに、あるいは表皮を薄く剥いで編んでいく磨き細工などの他には一部で青竹そのままに使う製品がありますが、多くの場合はこの油抜きという加工をします。


清水銘竹店、油抜き


昔は竹の油抜きは炭火でされていました。さすがに現在では炭火を使う事はせず、ガスバーナーの火を使います。片面づつ、ゆっくりと熱を加えることによって内側まで火を入れられるのがコチラの火抜きの特徴です。


竹に熱があるうちに矯め加工するのは同じ、竹と相性のよい椋の木で作られた矯め木で曲がりを矯正しています。体重をかけて調整し、ロープをかけて冷まして固定しています、大きな孟宗竹なので虎竹と違い少し時間がかかるようです。何気なく竹にのっているように見える仕事も竹の節をしっかり殺して真っ直ぐな竹材にされています。仕上がった竹は流石に見事です。


清水銘竹店


それにしても竹がそれぞれ本当にキレイです。京都という土地柄長い時間をかけて整備されこのような頃合いの孟宗竹が生産されているのだと思いますが立ててある竹も、まるで別モノのように素晴らしい竹ばかりです。太く長い孟宗竹なので何度かに分けて油抜きしていますが、油抜きした所、していない所のラインも綺麗にそろえられている仕事を拝見していても竹への深い愛情を感じます


熱を加えられて竹から油が染み出してツヤツヤと輝いています。竹をまず丁寧に水洗いして汚れを落としている事で油抜きがより加工しやすくなっています。当社と比べると拭き取っているウエスの汚れ具合が、まったく違っているのです。


清水銘竹店、真竹


工場にはこの白竹の他にも図面竹、煤竹、紋竹はじめ京都らしい銘竹がいっぱいです。実は、竹の油抜きには湯抜きと言って熱湯を使ってする方法と、今回見ていただきましたガスの火を使う火抜きという2つの方法があります。しかし、竹はやはり、火抜きの綺麗です、特に時間が経つにしたがって飴色の何ともいえない色合いに変色するのは火抜きならでは清水銘竹店さんは火抜きにこだわり様々な竹を製竹されるのです。






虎竹と図面竹

白石白雲斎虎竹花籠


祖父と懇意だった白石白雲斎さんの沢山の遺作に触れて、自社に展示している作品を見直してみた。虎竹花籠の底に入れられた銘を見てから、ふと横にある図面竹であまれた籠を手に取った。図面竹を籠に編んだ作品はかなり珍しいのではなかろうか?竹虎に数ある花籠の中でも改めて考えたらこの一点限りである。


白石白雲斎虎染め花かご


同じく白雲斎さんの作品でも、これだけハッキリと色が違っていれば別の竹材だとお分かりいただけるかと思うのだが、もしかしたら虎竹と図面竹を区別付けづらいのかも知れない。


白石白雲斎図面花籠


明日の日曜日には朝8時から関口宏さんが司会を務める「サンデーモーニング」という番組がある。毎回豪華な花が中央に活けられていてスタジオを明るく彩っているが、少し離れた横側に同じく装飾の一部として図面竹が使われている。「あのテレビに使われているのが虎竹ですね?」と何度か言っていただいた事があるけれど、その都度「あれは虎竹ではなく図面竹という竹ですよ」と教えて差し上げている。そんな事を図面竹で編まれた籠の底と虎竹の籠の底を見比べながら思い出した。