龍馬ブーツについては、何度かお話しした事あるので、もしかしたらご存知の方もおられるかも知れない。もう二十年近く前の事だろうか?いつも作務衣なので、出掛ける時の足元は自社で作っている竹皮スリッパや、自分がどうしても製作したかった竹皮男下駄(歯下駄)の事が多かった。ところが、東京出張した冬のある日、ビルから外にでると雪が降っているではないか!鼻緒の履物を履かれる方ならご存知かと思うが、冬の下駄は寒い!タビックスをビショビショに濡らしながら、ようやく駅のホームに辿りついたら、何と...電車が雪で止まっている!足先は冷たくなって凍えて倒れそうなほどだった、あの時ほど、靴が恋しかった事はない(笑)。
そこで、外に出かける時には長靴で行くことにした(両極端ですが)。作務衣に長靴、うんうん、見た目はそんなに悪くはない。ところがっ、今度は逆に暑いのだ!夏にムシムシする都会で膝から下から蒸れてどうにかなりそうになった(笑)。そこで、何か良い履物はないかと思った時に、たまたま出会ったのが龍馬ブーツ。長靴より短く、下駄のように寒くないからちょうど良いだろう、郷土の英雄である龍馬さんのように駆けられるようになるかも知れない。亀山社中のあった長崎の靴屋さんが作っていたので取り寄せて以来愛用させて頂いている。
数年前に、何の間違いか?外国の王室にお伺いできるお話しが舞い込んできた。残念ながら、その話自体は無くなってしまったけれど、その時に靴も新調せねばと連絡したら、何と龍馬ブーツの製造が中止になるとの事だった。ギリギリ滑り込みセーフで一足だけ確保させてもらったけれど、今後は作られないと思うと大切に履かねばならない。
そこでだ、初代龍馬ブーツは腕の良い革職人さんの協力をいただき、穴の開いた部分はツギハギしながら。二代目も底を貼り替えながら長く履き続ける体制を取っている。壊れた竹籠を修理して使うのと同様に、手直しすればするほど愛着が増してくる。
竹虎は創業130周年を記念し、よさこいチーム「すさき~真実~」さんと連携して地元須崎市に感謝の意を込めてた日本唯一の虎竹よさこい地方車「虎竹号」を制作した。このプロジェクトでは、クラウドファンディングを通じて資金を調達し、持続可能な天然資源として注目される虎斑竹を活用したのだが、今月に入りご支援の皆様へのお礼もようやく完了した。
500本の虎竹を用いて完成した「虎竹号」は、よさこい祭りで地域の魅力を全国に発信し、観客の注目を集めたと思う。また、思いもかけなかった地方車奨励賞を受賞し、製作に携わった職人たちの誇りともなり感謝している。一連の活動をまとめた、特集ページ、竹虎創業130周年記念!日本唯一の虎竹よさこい地方車「虎竹号」も出来たので、よろしければご覧ください。
竹は、持続可能な資源として注目されており、建築、製紙、繊維、エコロジー等さまざまな分野での利用が進んでいる。そんな竹の利用促進、研究、継続的な管理についての議論や情報交換が行われているのが世界竹会議(World Bamboo Congress)という国際的な会議だ。今年の4月に、台湾で開催された第12回世界竹会議(World Bamboo Congress Taiwan)には、前回のメキシコ大会に続いて虎竹製EV「竹トラッカー」を運んで会場を疾走させてもらった。
台湾には、良質の竹材があり、その竹材資源活用の研究は日本より数段進んでいる。かつての日本もそうだったと思うけれど、人と竹の距離が近くて、竹に親しんでいる方が多いようにも感じている。なので、世界竹会議にも興味を惹かれる面白い竹製品が多々あり楽しかった。
さて、今日は、そんな世界竹会議で制定されている「世界竹の日(World Bamboo Day)」だ。竹は東南アジアだけでなく、南米やアフリカなどにもあり、それぞれの国や地域での活用が期待されている。そんな竹を世界的に見直してもらいたいと願いを込められた9月18日に、竹虎がご紹介するのはシンプルな青竹踏み。
青竹踏みは、丸い竹を半分に割っただけの素朴な製品なので、誰が見ても竹だと分かる所がいい。そして、自宅に竹があることで少しでも親しみを感じていただけるのではないかと思っている。そもそも、日本では昔から身近な健康グッズとして一家に一台は普通にあったものではないだろうか。
竹を半分に割っただけと言ったけれど、実は量産しようとすると、竹の伐採から管理までとても大変な製品だが、自分達は青竹踏みを使うリズミカルで楽しい体操を考案してまでオススメしている。見直してみると、かなり恥ずかしい動画でもあるけれど世界竹の日のなので特別公開(?)だ(笑)。
まるで、戦に負けた武将のようだ(そんなに格好の良いものではないが)。
ちょうど一週間前の、よさこい祭りでのメイン会場である追手筋。踊り出す前にはこんなに元気だった。
踊り終えて、次の帯屋町商店街入口でも、まだまだ体力は余っていた(笑)。音楽担当のNEW CINEMA WEEKEND81さんと談笑している。
ところが、この帯屋町は距離も長いが、踊り子隊が詰まっていてなかなか前に進まない。「一体いつまで続けるのだろう?」そんな事を思いだしていた。
そして、商店街を出る頃には力尽きてこんな感じ。写真家ミナモトタダユキさんにもご迷惑をかけてしまった。別の意味でも忘れられない130周年記念となりました。
よさこい祭りの地方車の多くはレンタカーだから、踊りが終わると当日の深夜か、あるいは翌日には綺麗サッパリと解体される。製作するのには時間がかかるが、こうして取り外していくと何とも呆気ないくらい早い。見る見るうちに単管パイプだけの元のトラックの姿になった。
今回は、真っ直ぐに矯め直している虎竹一本一本を、一人一人の踊り子に見立てていた。
500本を使用させてもらった竹を取り外すと、どこかの名庭にありそうな月見台のように美しい。
竹は全てビス留めしていたので全て取り外していく。
始りがあれば、必ず終わりがある。そして、また次の新しい始まりとなるのです。
速報の電話には本当に驚いた、何と虎竹で製作した地方車が地区競演場連合会地方車奨励賞を受賞したと言うのだ!地方車製作をする事が正式に決まってから、地方車にも表彰があるという事は聞いていたけれど、まさか自分達が選ばれるとは思ってもみなかった。
受賞式は後夜祭の開催されている真っ只中、賑やかな踊り子隊が帯屋町を通り過ぎて行くのが見えた。
高知の夏は、よさこい祭りと共に行く(笑)。
今回の受賞は、すさき~真実(まっこと)~さんで地方車を製作させて頂けたお陰で頂戴する事ができた。職人の励みにもなるし、虎竹を知ってもらえる機会にもなったと思う、すべての方に感謝である。
よさこいは炎天下の中、正午からスタートになる。複数の会場を力の限り踊っていくので、熱いハートや踊りの技も必要だが、なにより体力だ。しかし、今回は自分達にとっては130年に一度の事なので、虎竹の地方車に合わせて虎竹アーマーで地方車に乗り込ませていただいた。
地方車にはお立ち台が設えてあって、その上からボーカルの方が唄い、楽器の演奏があり、踊り子を煽るマイクパフォーマンスがある。
メイン会場である追手筋から参加させてもらう。
そこから帯屋町商店街、高知の中心の街を踊り抜けるが、ここが長い。
どんな感じだったのか?短いYouTube動画をご覧ください。
竹虎創業130周年記念で製作したいと思ってから、どのくらいの月日が流れたのか。早かったのか、遅かったのか、とにかく、よさこい地方車は完成した。
後は、「すさき~真実(まっこと)~」さんに、お渡しするだけになった。
そこで、最後に竹虎の職人には苦労した所やこだわりなどを話してもらう事にした。
直接関わっていない社員も、ずっと地方車の完成を見て来たのだが、改めて今日の姿をどう見ているのか聞いてみた。
どんな感想が聞けるのだろうか?是非、YouTube動画をご覧ください。
ようやく虎竹地方車仕上げの段階まで何とかこぎ着けた。「こぎ着けた」と言う表現が本当にピッタリくる今回の製作だ、いくつもの案があったけれど、その都度に竹と相談しながらここまでやってきた。
竹と相談する等と言うと変に聞こえるかも知れないけれど、実際に現場では、あの竹や、この竹、倉庫の奥に仕舞われている竹を見ながら作業を進めていた。
方向が見えてきて、やり方さえ決まれば、後は早い。竹を割り、ヒゴを創り六ツ目に編んでいく。猛暑との闘い、そして時間との闘いだ。
いよいよ、ここによさこいチーム「すさき~真実(まっこと)~」さんの「すさき」の文字を入れて完成する。
職人全員参加でピッチを上げて進めてきた地方車製作。連日の猛暑だから、時間との闘いであると共に、暑さとの闘いでもある。
よさこい地方車の主な役割は、踊り子の先頭を走って大音響の音楽を鳴らす事だ。それと、もうひとつ、地方車の上からチームの煽り役が声掛けしたり、歌い手がマイクを握る事も多い。荷台後ろには大きなスピーカーが設置されていて出入りできないので、側面にはドアが必要だ。
そこで、助手席側には狭いながらも出入りできるドアを設置している。
大きなシート状にした六ツ目編みを、二枚繋いで側面を飾っていくのだが、ドアの部分は竹ヒゴを切断してズレないように製作している。
ドアを出来るだけ多く開けるために、この部分少し間隔をとる事にした。
炎天下の地方車作りは、もうすぐ終わる。