白石白雲斎先生の籠

2020年3月28日

  白石白雲斎


竹の世界では非常に高名で国際大会の登龍門といわれる別府大分毎日マラソンのトロフィーとして作品が贈られたり、別府竹工芸伝統産業会館の名誉館長を長く務められていた竹作家故・白石白雲斎先生。先日、そんな同氏のおびただしい数の遺作に触れる機会があった。大きな段ボールからは次から次へと作品が飛び出してくるので、まるで何処か知らない世界に迷い込んだような気分、まさに自分にとっては夢のような時間だった。


白石白雲斎、竹虎四代目(山岸義浩)


今流行りの熱病ではないが少し頭がボッーとした状態で帰社してから久しぶりに本店に展示してある白雲斎先生の作品とパネルを見直してみたのである。ちなみに「白石白雲斎」とインターネットで検索してみても、あれだけ名前が知られた作家の方なのに自身を撮影した画像はあまり見当たない、何枚かあっても晩年のものばかりだ。


ところが竹虎本店には40数数年も前から同氏のパネル写真が飾られている、おそらく50代後半くらいではないだろうか。この写真は二代目竹虎が撮ったものだと思うのは、ちょうど虎竹のヒゴを持って編み込んでいる所だからだ。いずれにせよ竹材を通して、それだけ親密な関係があったという事だが祖父が厳選して届けた虎竹を手に籠を編まれる姿は、白髪の姿しかご存知ない方なら驚かれるような若々しさかも知れない。


白石白雲斎、竹虎四代目(山岸義浩)


よくご覧いただくと写真のふともも部分には小さな焼け焦げがあって、いやがおうにも35年前の大火災で竹虎本社、本店共に全焼した時のことが思い出す。あの夜は虎竹の里中の皆さんが駆けつけてくれて、まず店内のガラスケースに入れられた貴重な作品から搬出いただいた。幸いにも広い敷地の一番遠い所から火が広がったので白雲斎先生のパネルも作品も、お陰様で火災を免れ今日に至ってい。思えば長い付き合いの竹たちなのである。














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大分市指定無形文化財に指定「廻栖野の竹細工技術」

2020年3月25日

廻栖野竹職人


優しい笑顔の職人さんのいる廻栖野竹細工は、平成23年12月19日に大分市指定無形文化財に「廻栖野の竹細工技術」として指定された。いつの頃から始まったかは定かでないようだが良質な真竹が豊富なこの地域に昔から伝承されてきた青物細工なのだ。


マンゴク


主に編まれるものはマンゴク(万石)、コエジョウケ(肥ざる)、イナリグチ(稲荷口)、コメアゲ(米揚げ)など、毎日の農作業や生活の中で無くてはならない大事な道具たち。元々は日本各地の生産地がそうであったように自分達で作って自分達で売っていたものが近年になり行商専門に行う業者に販売を委託してきた。


廻栖野竹職人


そうして暮らしに密着する竹ざるや竹籠は直接的に、あるいは間接的に日々お客様の声に接しながら磨かれ鍛えられて今まで繋いできたのである。


竹包丁


廻栖野竹細工が注目されるのはその独特の竹ヒゴ取りの技法だ。一人が竹包丁をあてがい、もう一人が歩いて引きながらヒゴ取をするという二人一組となって協力しながら長い竹ヒゴを作る独特の方法は日本各地で編まれる竹細工の何処にも見られない。YouTubeで紹介しているので関心のある方は一番下にある動画で是非ご覧いただきたい。


竹工場


そうして作った長い竹ヒゴを操りマンゴク(万石)を編んでゆく。竹細工と言えば今では室内で仕事するのが一般的のように思われているが、このように長い材料を扱う竹細工は庭先や空き地など屋外でされる事も多かった。


竹工場


ムシロの上に座り竹を割る、竹を編む、その横で地鶏が遊んでいるような光景に何度も出会ってきた。しかし雨風の影響を受けてしまいがちなので次第にそのような職人の姿は少なくなった、廻栖野では複数の職人が働ける共同作業場が整備されている。


廻栖野竹職人


必死で竹と向き合ってきた歴史は明るいものばかりではない。しかし、大分市指定無形文化財に指定されて人の見る目が変わったと話す顔は心から嬉しそうだ。同じ大分県別府の竹を全国に知らしめ、初めて重要無形文化財保持者(人間国宝)になられた生野祥雲斎氏の事を思い出した。
















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コロナウィルスで中断、フランス国内巡回展「日本の日常生活の中の竹」

2020年3月24日

パリ竹細工展示会


連日、世界的に猛威をふるっていますコロナウィルスのニュースを耳にしない日はありません。この影響で1月24日からパリで開催していましたフランス国内巡回展「日本の日常生活の中の竹」は残念ながら休止となっています。4月10日まで開催された後は5月のリオン、10月にはツールーズと会場を回る予定でしたが今後の見通しは今のところたっていません。


パリ竹細工展示会


テレビで観ますとヨーロッパでは深刻な事態となっているようです、特にイタリアなどが大変で誰一人歩いていない異様な街が映し出されています。昨年の夏には虎竹製ボックスカート「REIWA-125号」でレースにも参加させてもらい、すっかり身近な国になっているスペインでも流行と聞きます。Ivanさんや、ご家族、陽気な仲間の皆さんはお元気でやっているだろうか?この状態がいつまで続くのか...?


フランス国内巡回展「日本の日常生活の中の竹」


展示会の事があり、いつもにも増してフランス国内のニュースにも注意していますが、マクロン大統領が「ウイルスとの戦争状態」というような発言までされていました。今は日常生活が戻る日を信じながらじっと耐える時期なのかも知れません。


フランス国内巡回展「日本の日常生活の中の竹」


日本の竹は日本人の暮らしの衣食住の全てに関わり磨かれてきました、少しづつ変化してきた伝統の中で繋がってきた竹細工だからこその美しさをご覧いただきたいと思い今回の展示となりました。展示会は中断されご覧いただけなくなっていますので、せめて動画で籠たちをご鑑賞いただきたいと思っています。
















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感動と驚愕の国産竹材「楽屋」秘話

2020年3月11日

宇佐の漁師さん、竹虎四代目


この辺りで一番のオススメと聞いてやってきた銚子港「浜めし」は、さすがに人気店だけあって暖簾をくぐると昼前というのに満席状態。足を踏み入れてると正面奥の座敷に陣取る目付きの鋭いお客様と目が合った...こっ怖い!!あの人は、きっと店のヌシに違いないと思って一番離れた遠くの席に座った。


しばらくすると、どうもこのヌシのいる座敷席の様子かオカシイ。とにかく皆が何度もジョッキを注文しているのは良いとしても、これだけ沢山のお客さまでガヤガヤしている店内でもハッキリと聞こえてくる大きな声は...間違いなく土佐弁だ!?気になってヌシの方を見るとコチラに向かって手を振っているではないかっ!?


ええっ!オレに...!?
悪い事でもしたのかっ!?
恐る恐る近寄ると


「おまん、須崎の竹屋じゃろ」


浜めし


何と、このグループは須崎市の隣、土佐市の宇佐港からやってきた漁師さんたちで、ヌシと思っていたのは船頭さんだった。これは嬉しかった。初めて来た知らない町で懐かしい方言に高知の皆様。


漁師の方々は自分のように飛行機や新幹線でやって来るのではない、板子一枚下は地獄と言われる漁船に乗り、命がけで遠くまでやって来て束の間の休息を取っていたのだ。そう思えばここだけでの話ではないように思える。枕崎や焼津などカツオの水揚げでも有名な港をはじめ日本中のアチラコチラで、この店と同じように土佐の漁師が束の間の骨休めをする場所があるに違いない。頑張っているなあ、自分もやらなれればと気合が入る。格好が良い、さすが海の男たちだ。


竹の楽屋


それにしても何故、高知から遠く離れた千葉県は銚子にいるのかと言うと近くに楽屋と呼ばれる竹で設えたセンリョウ成育場が沢山あるからなのだ。


孟宗竹


日本最大級の孟宗竹は現在あまり活用方法がなく、各地の里山で荒れ放題になっている竹林が問題視される事がある。しかし、その竹を農業資材として大量に必要とされるなら面白いのではないかと思ったのだ。


竹工場


それにしても楽屋の工場は、数十年前の竹虎を思い起こさせてくれる素晴らしく懐かしい場所でもあった。何時間でもいたい、いや出来るなら一日中でもいたいと思った。日本は案外狭いようで広い、しかしここでも自分達も含めて竹産業が同じく抱える課題があった。動画でもお話しさせてもらっている。
















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竹籠が飾られたエシカルなドーナツ屋さん

2020年3月 6日

koeドーナツ


ランチの後はスイーツと決めているので甘い香りに誘われて店内に入ってみると驚いた。ずっと店の奥の奥まで梅干しざるをザックリ粗編したような竹籠が隙間もなく飾られていて壮観である。


koeドーナツ


さすが京都だと思いながら店名を見直す「koe donuts」。こちらのお店では「オーガニック」「天然由来」「地産地消」にこだわられていると言う。


koeドーナツ


「持続可能な未来へ」という言葉もサイトにあったので継続利用可能な唯一の天然資源と言われる竹に着目されたのかも知れない。


koeドーナツ


それにしても天井を覆い隠すほどの沢山の竹編みを見ていると昔の荒物屋さんを思い出して懐かしくなってくる。


koeドーナツ


やさしい空間に浸って優しい気持ちになって店を出た。しばらく歩いてドーナツを食べていないことに気づいた。













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東山慈照寺、銀閣の竹垣

2020年3月 3日

東山慈照寺


銀閣寺垣


東山慈照寺とは言わずと知れた世界文化遺産にも登録されている銀閣寺。渋い色合いになった銀閣寺垣が総門から中門への参道に続いています。


銀閣寺真竹


銀閣寺の青竹


さすが京都らしく銀閣寺には伸びの良い美しい真竹が沢山目につきます。中門に設えられた竹の青さと立派さに心躍りつつ境内への期待は高まるのです。


東山慈照寺


東山慈照寺には有名な銀閣、向月台、銀沙灘、東求堂などがありますが、それらを全て見渡し遠く京都の街並まで望める展望所があります。その景色の素晴らしさはもちろんですが、実はそこに登っていく階段通路に設えられた竹の手すりの造形美に感動したことがあります。


銀閣寺展望所への竹手すり


銀閣寺展望所への竹手すり


手すりは曲がりくねった石段に沿うように立てられていて、その造りが凄かったのです。初めて拝見して驚いたのは、ついこの前のような気もするもののスケジュール手帳を見直してみたら既に7年も前のことでした。


銀閣寺展望所への竹手すり


そんな前の事なのに実に自然に丁寧に竹を活かして作られた手すりは、まるで先日見たばかりかのように目に焼き付いています。竹の切り込みや接合部分は裏側にして出来るだけ表側のお客様からは見られないように工夫されています、銅線の巻き方ひとつ隙がありません。


銀閣寺展望所への竹手すり


そもそも、この見事な切り口を見ればどれだけ竹に精通した職人が製作に携わっているのか伝わってきました。久しぶりに銀閣寺にお伺いしたのは、この竹の手すりを再び拝見したいと思って楽しみにやって来たのでした。


銀閣寺展望所


ところが、今回の銀閣寺では残念ながら竹の造作は見られませんでした。


銀閣寺展望所手すり


ちょうどやり替えの時期だったのかも知れません。素っ気ない鉄製の手すりがあるだけだったのです。


銀閣寺の青竹手すり


この石段に続くまでの庭園通路の所々には見事な青竹が使われていて隅々まで手入れの行き届いたお庭に映えています。


銀閣寺の青竹手すり


東山慈照寺の竹手すり


その青竹が石段に上がる鉄柱で止まってしまっています。これから石段の手すりに竹を設えていって頂き、以前のあの素晴らしい竹手すりを、あの匠の技を見てみたいと心待ちにしています。


銀閣寺の穂垣


手入れの行き届いた庭園を抜け東山慈照寺の出口付近には竹枝の節を丁寧に揃えた見事な穂垣があります、竹が多用される京都の竹へのこだわりを改めて感じるような仕事ぶりです。


銀閣寺井戸蓋


銀閣寺


銀閣寺の建仁寺垣


そんな圧巻の竹に囲まれた中、もう一つだけ竹を扱う者として残念に思ってしまう光景があります。それは展望所に向かう道中にあり、総門からの銀閣寺垣と同じように時間の経過と共に味わいの出てきた奥に向かって伸びる建仁寺垣です。


塩ビ建仁寺垣


通路横からまっすぐのびる部分には天然竹が使われていますものの右に曲がった遠くの継ぎ目から先は塩化ビニール製の建仁寺垣になっていました。プラスチックには風当たりが強くなっていますけれど全てがダメだとは思っていません、人工竹は耐久性が高く施工も簡単であり天然素材に比べると真新しい雰囲気を長く保つことができる利点があります。商業施設や個人の住宅などではコスト面から採用される事も多いのは仕方ないことです。


天然竹材


しかし、どうしてもこの場所には不自然に見えて仕方ありません。人と同じように竹が年齢を重ね風合いを深め、古くなり朽ちていく様を愛でるのも日本の心です。これは何も銀閣寺だけの事ではありません、世界から日本文化に触れるべくお客様が来られる所であればこそ長く培われた職人の技で作り出す本物の竹がふさわしいのではないでしょうか。


犬矢来


京都の街を歩くと目を奪われるような竹の造作物に出会えます。それは、この雅な都で古くから竹が磨かれ令和の時代まで繋がってきた証であり大切な日本の竹のありようです。


たとえば、この犬矢来。製作をされた職人を何となく思い浮かべる方はおられるでしょうが、その素材を加工する職人、吟味して伐採する職人まで遡るとどうでしょうか?京都の竹の奥深さは、竹への思いが竹林からお客様の手元まですべてが繋がっている事です。これからの時代も、きっとそうあるように願っています。
















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二度目の須崎市立朝ケ丘中学校総合学習

2020年2月29日

竹虎四代目(山岸義浩)


須崎市立朝ケ丘中学校の授業にお伺いさせてもらいました。テーマは前回と同じく「NO BAMBOO NO LIFE」という事に決めていたので、これは日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」で行かねばならないと思い乗っていったのです。


朝ケ丘中学講演、竹虎四代目(山岸義浩)


虎竹そのものは持っていって見てもらうのですが、たった一つの小さな思いが形になって沢山の人を巻き込み横浜まで1000キロを走ったり、行ったこともないメキシコまで運ばれていって世界50カ国の国と地域の皆さんから絶賛されるなど実際に夢が形になる事をリアルに感じてもらえると思ったのでした。


朝ケ丘中学講演(竹虎四代目)


それにしても昨年同様に、こちらの中学生の皆さんは明るく、元気で挨拶もしっかりしてくれます。明徳中学時代、とにかく誰にでも知らない人に挨拶することを6年間徹底的に教えられ感謝してますけれど自分が挨拶いただくようになると改めてその大事さを感じます。


竹虎四代目(山岸義浩)


また、朝ケ丘中学の先生方の指導が良いのだと思いますけど自分の意見をハキハキと言う積極性が素晴らしいのです。意外と知らない大人とは話ができなかったり、身構えてしまう事があるのではないかと思うのにコミュニケーション力が高くて自分の学生の頃と比べると本当に恥ずかしいくらいです。


竹虎四代目(山岸義浩)


さて、そこで自分たちの問題になります。このような素晴らしい生徒がいるのにこの内の何割が須崎に帰って来られるのでしょうか?これから高校、大学と進学するにつれ高知市内の高校、それから東京や大阪の大学に進学される方も多いはずです。そして優秀な人ほど田舎に帰らないと言われていて実際自分の周りでもそのような気がしています。


「高知に帰って来てください」とつい言ってしまうものの意味がないのは自分でも分かっています。この生徒さんたちが未来を感じ夢みられるような須崎にするには、まず自分が毎日を毎日楽しむ事だと話しながら思いました。


朝ケ丘中学講演


講義が終わってから竹トラッカーを見学したいとの事で先生がゴーサイン出すと生徒さんたちは一斉に走りだします。


朝ケ丘中学講演、竹虎四代目(山岸義浩)


名は体を表すという言葉があるように「朝ケ丘」という名前にふさわしい爽やかな生徒の皆様の様子も竹トラッカーと共に写っていますので是非ご覧ください。

















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大阪市立東洋陶磁美術館「竹工芸名品展」

2020年2月24日

四代田辺竹雲斎作虎竹インスタレーション


4月12日までの日程で大阪中之島にある大阪市立東洋陶磁美術館にて開催されている「竹工芸名品展」は凄いです。エントランスには四代田辺竹雲斎さんの創作された躍動感あふれる生き物のような竹インスタレーションが来場者を出迎えてくれます。


日本唯一の虎竹、竹虎四代目(山岸義浩)


このインスタレーションに使われているのが、只今山出しシーズンを迎えている日本唯一の虎竹という事で実際にこの目で見たいとお伺いしていました。


大四代田辺竹雲斎作虎竹インスタレーション


四代田辺竹雲斎さんのインスタレーションは正木美術館からはじまりニューヨークやパリでも拝見させて頂いていますが、ますます技に磨きがかかっています。はじめて目にされる方にしても、またどんな空間にあっても不思議な意志や命のようなものを感じられるのではないかと思います。


大阪市立東洋陶磁美術館


自分達の場合は一日中、生活そのものが竹だけですけれど一般の方にとりましては、竹は縁遠いものだと感じる事が少なくありません。東洋陶磁美術館は東京での会場と比べても交通の便もよく大阪駅からもすぐ近くにあり静かでゆったりと作品を鑑賞できます。


四代田辺竹雲斎虎竹インスタレーション


竹虎も126年前の創業は大阪天王寺でした、関西の方にも一人でも多くの方に竹工芸に足をお運びいただきたいと思ってましたら帰り際に何とこちらの美術館様から招待券を沢山頂戴いたしました(笑)。


四代田辺竹雲斎虎竹インスタレーション


そこで先着20名様に招待券をプレゼントさせてもらいます!ご希望の方は下記の動画をご覧いただきお気軽にお問合せください。少しお時間いただく場合もありますが、お手元にお届けさせていただきます。この一枚の招待券が「竹世界」への入り口になれば嬉しいです。

















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第60回目全国竹の大会「次世代につなぐ竹ワールド」

2020年2月19日

竹の大会京都大会


全日本竹産業連合会、京都府竹産業振興連合会主催で記念すべき第60回目の全国竹の大会が「次世代につなぐ竹ワールド」というテーマで開催されました。竹の大会には筍生産からはじまり、竹林管理、伐採、製竹、製品加工、施工や販売、竹細工職人や工芸家、音楽奏者、そしてNPO法人で竹林整備をされているような方まで、およそ竹に関わると思われる様々な参加者がおられるのが面白いところです。


竹の大会京都大会


今回は京都での開催とあって京うちわや御所人形など長く続いている伝統産業の方々と竹業界の若手とのパネルディスカッション、そして千家十職、柄杓師第十四代黒田正玄氏の記念講演が楽しみでした。


竹の大会京都大会


Thiraphong Tangthirasunanさんは今回も来日されています、タイ国には資源となる竹が豊富にあってその活用には本当に熱心で頭が下がります。


放置竹林、竹やぷ


竹の大会には竹に関わる様々な方が集うと言いました。竹林というのは日本の森林面積から言うとわすが0.6%とかありませんが、が古来人々の暮らしに無くてはならない素材であったたために多くが里山にあり身近に感じられます。そんな竹林が現在このような「竹藪」となっている現状を全員が等しく憂い、それぞれ違う立場から何とかしたいという思いは一つなのです。













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東秩父村の竹縄(たかなわ)作り

2020年2月 5日

竹縄


竹縄と書いて「たかなわ」と読む竹の縄は現在のようなナイロン製のロープや紐がない時代には本当に重宝されただろうと思います。自然素材の縄と聞いてまず多くの方が思い浮かべるのは藁を使った藁縄だと思います。稲作農家が多かった当時だと材料は身近にあって比較的容易に作ることもできますので安価に流通もしていたものです。


しかし藁は水に弱く耐久性も高くありません、藁を使った草履も雨降りに一日外で履くとダメになってしまう程。その点、竹の皮を使う竹皮草履は水にも強く藁とは比べ物にならない丈夫さを誇ります、同じように縄に使う場合にも竹縄は他の自然素材にはない圧倒的な強さが売り物だったのです。


竹縄材料


竹縄の材料は真竹や淡竹の新竹を使います。その年に生えた竹の枝葉が開いて3日目が伐採時といいますが、3.5メートル程度の長さに切り揃えて油抜きの加工をするのです。一度のこの作業を映画で拝見した時のことが忘れられません。虎竹の油抜きなどと違い豪快でした、まるで高知特産のカツオのタタキを思い出すような火の勢いでした。それもそのはずタタキは藁を燃やしますが同じように竹縄の新竹油抜きも大麦を使い一気に大きな火で炙るのでした。


油抜きしてその場でカマをつかい1.5センチ幅の小割竹(サッパ)を作り束にして運び1週間程度は夜露を避けながら天日干しした後、農閑期まで屋根裏で保管します。竹縄作りをする前にサッパの束は1週間水につけて柔らかくするのです。


竹縄


こうして水に浸けた素材をウスバという刃物で厚みのある竹材なら12枚、薄い素材でも6枚に剥いでいきます。


竹縄


これをメダケを芯にして片よりして一本の紐状のものを作り、クモデという木製の十文字の形をした道具に巻き付けます。


竹縄


竹縄


更に縄ぶちの作業、片よりした竹縄を三本ないにします。


竹縄


竹縄


木製のよりかけ機にかける準備をしています。


竹縄


同じように竹で作った竹縄の束子、これでより機で仕上げた竹縄をこすって縄目をつぶしていくのです。


竹縄


昔は菜種油が使われていたようですけれど、今はゴマ油をつけて擦っています。


竹縄


仕上げ前と後でこれだけの違いがあるのです。


竹縄


竹縄


こうして人々の暮らしを支え、地域としては貴重な現金収入でもあった竹縄が完成します。竹から縄というイメージはあまりないかも知れませんけれど、先人は柔らかい若竹を使うなど工夫をして最強のロープを生み出すことに成功していたのです。

















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