
虎竹縁台、サステナブル★セレクション一つ星獲得
この度、竹虎が50年以上に渡って製作を続けてきた虎竹縁台が、なんと「サステナブル★セレクション 2025」において、栄えある一つ星認定をいただきました! 長年、地元特産の竹と向き合い、竹の可能性を多くの方に伝えさせて頂いてきたボクたちにとって、これほど嬉しいお知らせはありません。地域資源を守りながら、コツコツとモノづくりをしてきた事が、こうした形となって評価されたことに心から感謝しています。

サステナブル★セレクションとは?
ところで、サステナブル★セレクションとは一体どのようなものでしょうか?ご存じ無い方も多いのではないかと思います。持続可能な社会の実現を目指し、その理念と手法に基づいて開発された製品やサービスを選定・推奨するという、とても意義深いプログラムだと感じています。雑誌「オルタナ」と言えば、自然を愛する方々には広く知られた本ではないかと思いますが、発行されている株式会社オルタナ様と、一般社団法人サステナ経営協会様が共同で実施されています。今回、虎竹縁台が頂いた一つ星認定は、ボクたちのものづくりが、現代社会において求められる「持続可能性」という大きなテーマに、小さいとはいえ貢献できていると認められた証かと感じています。

虎竹縁台に宿る、唯一無二の魅力
認定された虎竹縁台は、高知県須崎市安和地の特産である虎斑竹(とらふだけ)を素材に使用しています。この虎斑竹、その名の通り竹の表面に虎の縞模様のような独特の斑紋が浮かび上がる、本当に個性豊かな竹です。土佐藩政時代には、藩主山内家へ年貢として献上されていたという歴史を持つほど、昔からその価値が認められてきました。この虎竹を一本一本、熟練の職人の目で厳選し、長年培ってきた竹加工の技術で縁台へと仕上げています。

コンパクト設計
この虎竹縁台は、3人掛けに対応する150cmの幅広設計でありながら、竹虎二代目義治のアイデアで折り畳み可能な構造になっています。使わないときはコンパクトに収納できるので、ご自宅の縁側や庭先はもちろん、飲食店、商業施設、観光地など、様々な場所でお使いいただけます。竹ならではの軽さ、しなやかさ、そして何よりもその丈夫さを兼ね備え、自然素材ならではのぬくもりを感じられるアイテムとして、お陰様で多くの方に親しまれています。

自然との共生、地域との絆
竹虎には「虎竹のある暮らし」という理念があります、虎竹の里ならではの地伝統素材である虎竹や、高知県産の黒竹、四万十川流域のカズラを使い、地域の資源を活かす取り組みとしても、今回の認定で認められたのではないかと思っています。微力ではありますものの、地域経済の活性化はもちろんのこと、長年培われてきた職人技術の継承する竹虎のモノづくりは、単に製品を生み出すだけでなく、地域の文化や暮らしを守り、未来へと伝統を繋ぐことでもあるのだと考えています。

小さい頃から竹家具に囲まれて育ったのは本当に幸せなことだと思います。祖父である竹虎二代目義治が、竹の世界では異色の作家でもあられた宮川征甫先生と懇意だったので、その独創的な感覚で創作された竹製の調度品を、普通に生活の中で使わせてもらっていたのです。子供の頃には、当たり前だと思って、それが竹だと気づくこともなく、どれだけの技術と時間が費やされているかも知らずにいました。
だから、休憩室に置かれている宮川征甫作の家具たちを、同じように社員が何とも思わず使っていることを責められません(笑)。知らないと、その価値が分からないのです。竹虎で働いて頂いている社員の竹への知識や思い入れは、日本トップクラスだと思いますが、それでも関心がないと見えるものも見えていません。やはり竹については、ボクはお伝えしていかないと誰も知らないままだと教えてもらっています。

それは、さておき。6月10日の30ブログ「竹虎四代目がゆく!」で持ち手をリニューアルさせた竹アタッシュケースを思い出してください。どうでしょうか?竹のあしらい、製作技法が全く同じだとお気づきになられると思います。数十年ぶりに出てきた、このアタッシュケースを見て、すぐに宮川先生の作品だと気づいたのは、この竹家具を毎日のように目していたからなのです。

せっかくなので、この竹家具を少し詳しくご覧いただきたいと思っています。細い竹ヒゴを一本一本並べていき、正方形にカットしたものを縦横にならべた市松模様。これだけの大きさになると、さらに圧巻、改めて圧倒的な存在感だと魅入ってしまいます。

両サイドも、宮川先生ならではの十八番とも言える三角形の竹パーツで表現したデザイン。小学生の頃、竹を切るのは何と難しいだろうと思っていたので、先生に聞いてみたことがあります。一本づつ異なる竹素材を、ひとつ、ひとつ同じ三角形にするために特別な鋸を使っていると先生から聞いたことを覚えています。

このブログ書きながら、同じ市松模様にアタッシュを触りたくなって傍らに持ってきました。この家具もそうですが、アタッシュケースにしても、ボクの稚拙なカメラワークでは現物の色合いも風格も表せません。今度の出張には、必ずこのアタッシュと共に行きますから、どこかで見かけたら是非お声をかけてください(笑)。

竹家具の背面も、この通り竹のあしらいです。製作当時は真っ白だった白竹が、長い年月で、このような飴色に変わりました。この竹のしつらいは、祖父が初めて作った茶室に向かうドア一面に貼られていました。虎竹が使われていましたが、宮川先生に依頼したものだと今頃知りました。

夏の強い日差しを避けて、日陰の縁台に腰かけると、スーッと涼しい川風が吹きぬけ、それと共にチリンチリンと風鈴の音。エアコンで温度を下げた室内も良いですが、こうして自然の涼味を感じられるのも、日本の暑い夏ならではの風物詩です。最近は、あまり風鈴の音色を耳にすることも少なくなりましたので、たまに聞こえてくる優しく甲高い音は、本当に嬉しいものです。
風鈴の起源をご存知でしょうか?中国では、竹林に青銅製の鐘のような「風鐸(ふうたく)」を吊るして、風の向きや音の鳴り方で吉凶を占う風習があったそうです。そんな大陸から伝来した風鐸を日本では魔除けに使い、風鈴となったと言いますからもともと、竹林で使われていただけあって、風鈴には竹が相性抜群なのかも知れません。

だからという訳てもないのですが、竹虎では今年、新しい風鈴を3種ご用意する事にしました。黒竹いかだ風鈴は、深みのある黒竹を筏状に組んだ風鈴です 。虎竹の里は、日本唯一の虎竹の産地ですが、すぐお隣の町では昔から良質の黒竹が生産されています。高知県の黒竹は、古くは竹笛の素材として多用されていましたが、茶道、華道などにも使われる品格ある竹材です。現品限りではありますが、ひとつひとつ独自の表情を持つ風鈴に仕上がっています。

赤染いかだ風鈴は、女竹を鮮やかな赤色に染め、筏型に組んだ製品で、元々は花籠の下に敷く花台として作られています。和洋どちらのインテリアにも調和しそうな赤染めは、竹の素朴さを保ちつつ色彩で新たな表情を醸し出しています。

最後に日本唯一の虎竹で編んだ四海波風鈴です。馴染の形と可愛いサイズで花籠としても人気です。「四海波」には四方の波風が治まり平和でありますように、との願いが込められていますから現代の世の中にこそ必要な籠のひとつと言えそうです。これらの竹風鈴は、短冊をお好みのものにすることで雰囲気も変わります。暑くなりそうな今年の夏には、竹風鈴の心地よい音色に自然の風を感じていただきたいと思っています。

亀甲竹とは、まさに亀の甲羅のような形に竹の稈が変形した非常にユニークな竹だ。元々は孟宗竹の変異したものが固定化したものだが、これも土壌や気候によるのか、虎竹が虎竹の里以外では見られないように、成育地域から移し替えると育たない場合がある。あ、いやいや、生命力の強い竹なので育たない事はないのだけれど、虎竹の模様が付かないのと同様に、亀甲竹の場合は特徴であるコブが段々となくなっていくから面白い。

さて、そんな亀甲竹は形状の特異性から、様々な竹器や室内装飾に取り入れられてきた。昭和の時代には、お花を習う方も多かったので亀甲竹の一輪挿しなども沢山製造されていたが、すべて自然の意匠だから当然同じものはふたつとない。

特徴のある脹らみのる竹もあれば、普通の円柱形のものもある、そして太さまバラバラだ。

そこで、色々な形やサイズがある事を知って頂いた上で、お客様にご紹介させて頂くようにした。

当社おまかせになるので、どんな竹をお届けできるかはお楽しみだけど、モノによったら半額になっているものまである。それでも、お使いいただける方の手元にあった方が竹たちも幸せというものだ。

竹炭枕をリビングでもご愛用いただいているお客様を知ってから、それなら少し大型のクッションタイプを作ったら良いのではないか?そう考えて作ったのが国産の高温竹炭を18リットルも詰め込んだ竹炭クッションだ。

製造前にも色々と試作と試用を繰り返したが、販売開始した今でもお客様の声なども頂戴しながら規格は柔軟に変更したいと考えている。現在、販売中の竹炭まくらは竹炭が10リットルだから比較すると1.8倍の容量が入っている。


炭は昔から神社仏閣などにも多用されてきた。消臭や湿度調節の機能はもちろんだが、埋炭等でいわゆるイヤシロチと言われる澄んだ空気感があり、リラックス効果を感じられる方も多い。本能的に心地よいものを知っているのか室内のペットが竹炭枕から離れないと聞いた事もある。

いずれにしても、竹林の心地よさは毎日通っても思うところ。そんな竹を皆様の身近に置いて生活に役立てていただくのに竹炭は最適だと思っている。
ところで、このYouTube動画をご覧になられたでしょうか?竹炭の調湿能力は、竹の専門家である自分達でもビックリ!ご存知ない方は、是非一度ご覧いただけると嬉しいです。

蘇素任さんの竹ソファを、国立台湾工芸研究センターで初めて拝見した時の衝撃は、10年経った今でも鮮明に覚えている。見慣れているはずの竹編みの球ではあるものの、それを繋げてソファにするだろうか?発想の自由さ、面白さに驚いて、竹の可能性はまだまだ広がっていくのだとワクワクした。

その時には作品として展示されているので座る事はおろか、触る事もできなかったけれど、磨き細工特有の竹肌が飴色になるほどの長い時間をかけて、遂に作家の方にもお会いする事かでき、ソファに座る願いも叶った。

これだけ色合いが違ってくると、色違いのバリエーションのように勘違いされる方が多い。ところが、これは同じ作品である。元々、竹は経年変色していくのが楽しみなのだが、竹表皮を薄く剥いだ磨きの竹ヒゴを使っているので、更に色合いは深く、変化は早い。

蘇さんのご自宅に置かれている一人掛けの椅子も、惚れ惚れするような風合いになっていた。

出会った10年前が蘇る(笑)。


竹ソファと別に、室内にはヤタラ編みの座椅子も置かれている。

この椅子にも初めての時には、一体誰がどんな事を思って製作されたのか?と不思議に気持ちになった。それまでも国内の展示会で、台湾の竹工芸は先進的なモノが多く興味を持って見ていたが決定的な作品のひとつだ。

竹ソファはリラックスして座るものではなく、インテリアの要素が強い。けれど、このヤタラ椅子は竹ヒゴの弾力があり座椅子とし使い心地もよく機能性は十分だ。

更に、蘇さんのお部屋には竹ソファに使われた竹編みの球を組み合わせた竹灯りが設えられている。竹と光は良く似合うものだが、この照明は一段と良く出来ている、まるで浮雲がただよっているかのように感じられて雰囲気が素晴らしいのだ。

虎竹とは、独特の模様が特徴の竹であり、古くからその美しさを高く評価されている。江戸時代には土佐藩山内家への年貢として献上されていた記録も残る由緒ある竹でもある。この虎竹の里の自然環境で育まれた虎竹は、しなやかさと強さを兼ね備えているので、特性を活かし花籠などにも多用されてきた。

赤染めは、虎竹の持つ自然な模様を際立たせるために選ばれた技法だ。深みのある赤は、見る人に温かさを感じさせ、花を生けることでさらにその美しさが引き立つ。色とりどりの花が映えるこの水盤は、どんな空間にも華やかさを加えてくれると思う。

竹虎の願いは、この赤染亀甲水盤を通じて、皆様の生活に潤いを感じてもらう事だ。花を忘れてしまった生活をされていないだろうか?花を一輪でも生けることで心が和らぎ、日々の暮らしに彩りが加わる。季節の花を楽しみながら、自然の美しさを感じていただければと思う。

老舗竹屋として、私たちは竹の魅力を伝え続けている。赤染亀甲水盤は、単なる花籠ではなく、心豊かな暮らしの一部として欲しい。あなたの生活空間に取り入れて頂くと自然の美しさと共に、ほんの少し潤いある日々を過ごしていただけたら嬉しい。

ボクが機嫌よく座っているのは、七島藺渦巻円座。65センチと大型の円座は何か特別感があって、とても座り心地がいい。抜群の耐久性を誇る七島藺(しちとうい)という、い草に比べて曲疲労強度、摩耗強度が5~6倍もあって、2倍以上の耐焦性がある事から柔道用の畳として使われてきた歴史のある素材なのだ。
とにかく、ふっくらとした渦巻が圧巻、似たような円座を見かけたら本当の大分県国東半島でのみ収穫される希少な七島藺かどうか?まず確認してもらいたい。そう言えば、先日アメリカで武道を習う生徒さんたちが、師匠の先生へのプレゼント用にお求めいただいたけれど、今頃先生は道場で愛用してくださっているだろうか。良い生徒さんをお持ちの先生です。

虎竹縁台は、虎竹の里の自然と伝統の職人技が融合した逸品として40数年前から作り続けているロングセラーのひとつだ。先月の母の日には色々なギフトを贈られた方も多いと思うが、このようなお母様の笑顔を作らせて頂いている竹製品でもある。
「先日、虎竹縁台が届きました。箱を開けて感動してしまいました。写真で見たよりも素晴らしい出来で、艶、様子、そしてひんやりした手触り、座り心地の良さ、どれも素晴らしいの一言でしか表せません。年老いた母にプレゼントしたのですが、大変気に入ったようで、座っては顔がほころんでいます。母の笑顔を見て、自分も自然に笑顔が出てしまいます。本当にありがとうございました。またよろしくお願い致します。」
また、近年ではベランダやウッドデッキなど、お家庭での暮らしを楽しまれる方が多くなったような気がする。
「我が家の狭いベランダですが、ちょうどいい大きさ・雰囲気で満足しています。数年前より、殺風景だった我が家のベランダの改造に乗り出し、数々の草木と枕木、めだか鉢などで、癒しの空間を作り出しています。以前はキャンプ用のチェアーを置いていましたが、それが壊れ、どのようなものを置いたらいいのか悩んでいましたが、家内が竹虎さんのホームページを教えてくれ、早速購入しました。今ではすっかりベランダになじみ、これから暑くなる夏の夜にビールを飲むには、最高の場所となりそうです。」

このような縁台の技術を応用して、別注で製作した虎竹テレビ台。どのようなお部屋に置かれるのか分かりませんが、和風でも洋風でも現代の暮らしの中に、虎竹の独特の模様、黒竹の光沢、本物の竹が発する雰囲気は、きっと似合うはず。ご家族が集うリビングで自然と調和した生活を楽しむことができると確信している。
お陰様で虎竹縁台の製作動画は、YouTube動画で再生回数87万回を超えて皆様にご覧いただいています。ありがとうございます。

今回、沢山ご注文いただいた竹籠がある、日本人には馴染みある定番の六ツ目編みの小振りなサイズだが一体何に使うのかお分かりだろうか?実は、これが虎竹トイレットペーパー籠で、毎日誰もがお世話になっているトイレットペーパーを収納する籠なのだ。一個がぴったり収まる大きさで編んていて、通気性に優れた編み方、足も付いているため湿気を溜めにくく、常に清潔な状態で保つ事ができる。

竹は、エコフレンドリーな点も大きな魅力のひとつとして最近見直されており、六ツ目編みのランドリーバスケットなども人気となっている。同じ六ツ目編みの籠でも、今回の籠はサイズも小さく、ザックリした作りにして量産できるようにした。和の雰囲気はもちろん、環境への負荷が少ない竹素材という事で、ホテルや旅館では持続可能な取り組みとして取り入れられている所もある。特に海外のお客様に対して環境意識の高い姿勢をアピールする事もできるのではないだろうか。

竹籠の最大の魅力のひとつは、どのようなインテリアスタイルにも調和し、和室にも洋室にも自然に溶け込むことだ。そして、竹の自然な色合いと質感が、特有の落ち着きと癒しをもたらしてくれる。シンプルながらも見た目の美しさと機能性を兼ね備えた籠が、竹の温もりを感じさせながら快適でエコロジカルな空間としてくれるのだ。