個性の竹皮草履

竹皮草履


竹皮草履を家のフローリング履き用として、沢山の方にご紹介させて頂くようになったのは、かれこれ、もう20数年前の事になりますろうか。キッカケとなったがは、やっぱりお客様であるスタジオミュージシャン言うがですろうか、その方が録音スタジオで履くのに気持ちがエイので、ずっと愛用しゆう...。そんな話を、お電話か何かで聞いた事がはじまりやったと思います。職業は、ちっくと特殊ではありましたけんど、都会の方が実用履きとして受け入れてくれちゅうという事に、喜びと、嬉しさを感じた事を覚えちゅうがです。


そしてその後も、こじゃんと有名な帽子デザイナーの方が、アトリエでお履きいただきゆう、そんな事も風の便りで伝わってきて、この時はご迷惑も顧みず東京までお会させて頂きに行きましたぞね。西麻布という歌謡曲でしか聞いた事のなかった場所に、迷い迷い、初めて行ってから、こじゃんと緊張しましたけんど、ファッション業界で大活躍されて憧れるような雑誌などに華々しく掲載されちゅうような、高いセンスとお洒落感覚を持たれた方が、毎日、仕事場で快適にご愛用いただきゆう事を実際にこの目で拝見させていただき、さらに自信が深まったがです。


虎竹の里のお年寄りに聞くと地元の安和の小学校も、昔は生徒数も今よりずっと多くてにぎやかな遊び声の響く板張りの教室では、それぞれ草履を上履きに使いよったと教えてくれた事があります。


草履は普通は、ワラ草履ですが、同じく身近な素材で、しかも比較的水にも強い丈夫な竹皮草履も子供達に好まれて履かれていたのです。そんな話も背中を押してくれる形で少しづつ、フローリング履きとしての竹皮草履の認知が広がっていったがです。そりゃあ、そうぞね。考えてみたら今の住宅はフローリングばっかりぜよ。昔の板張りの校舎と全く同じ感覚ながですきに、必ず、一般のご家庭でも皆様お使いいただけると思いよりました。


その竹皮草履ですけんど、自然素材のため、同じ竹皮でも編み上がった感じがそれぞれ違います。堅い竹皮もあれば、柔らかい竹皮もあります。また、ぞうり職人の手によってから丸みがあったり、ちっくと角張っていたり、幅や長さなどサイズも、それぞれ微妙な違いがあるがです。その上、鼻緒に使うちゅう布はハギレを有効活用しちょりますので、竹皮草履は一足一足すべてバラバラ。もちろん、あまりに違う事のないように製造もしよりますし、できあがった後は検品もしっかりしちょりますが、それぞれ「草履の個性」ですぞね。そう思うて楽しんで、この夏も足元サラリの快足感をお楽しみください。


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