虎竹三年、柿八年

日本唯一虎竹林


「虎竹三年、柿八年」...?あまり聞いたことないにゃあ...。何か間違うちゃあせんろうか?そうそう、「桃栗三年、柿八年」ではないかよ。桃や栗は実がなるのに3年かかる、柿は更に年月がかかって8年かかる事を成すには、それ相応の時間がかかるという諺ですぞね。おっと、こんな言葉が聞こえて来そうですが何ちゃあない、他のところではどうかは存知上げませんけんど、日本唯一の虎竹の里では「虎竹三年、柿八年」ながやき。


虎竹は虎竹の里の間口で言うたら、たったの1.5キロ程度の狭い谷間でしか成育しない不思議な竹ですけんど、だからと言うて、この里に生える竹に全て虎模様が付くかと言うと、実はそういうワケではなくて色付きの良くない竹も沢山あるがです。そして、竹は毎年どんどん生えるという事もよくお話しますけんど、苗木など植えなくとも地下茎で広がり、筍から、たったの3ヶ月で親竹と同じ十数メートルの高さにまで成長するのですが、大きさでだけ立派でも、やはり人間と同じで一人前になるには、それ相応の時間が必要になってくるのです。


今の子供達も背が高く、身体の大きさだけで言うたら大人と同じ、けんど、中身まで大人と同じですろうか?やはり学校などで教育を受け、色々な試練を乗り越えて一人前の人として成長していくがと思います。虎竹も全く同じ事ながです。背の丈は親竹と同じく立派に見えても、その中身は柔らかく、台風のような強風がくれば折れてしまう事もあれば、仮に伐採して竹細工に使おうと思っても若竹は使いものにはなりません。今年生えた竹は青々としちょりますので明らかに色合いが違うのが分かりますけんど、このように、そもそも虎竹で一番大切な、独特の虎模様が実は3年経たないと色付かないのです。


「虎竹三年、柿八年」こう言われるのも(勝手に言いゆうがですが)お分かりいただけるのではないですろうか。けんど、まっこと人と同じ、見栄えだけではイカンがです。


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