竹虎四代目なりきりセット来高!

竹虎四代目なりきりセット


先日のブログでもお話しさせて頂いている通り、光岡自動車Like-T3がやって来たもののその後は日本唯一の虎竹自動車プロジェクトは、なかなか目に見える進展が出来ずにおりますぞね。今回のプロジェクトは、ご存じのようにクラウドファンディングという新しい手法を使うて全国から135名様ものご支援の手を挙げてもろうちょります。それだけに応援いただきます皆様からの期待や注目の高さをいつも以上に感じながらですので、そのプレッシャーが職人の手を止めてしまっていると言う事もありますろう。


ちょうど虎竹の里での年に一度の伐採シーズンと重なり、これから忙しい時期となりますので、そのありたでも作業の遅れは出てくるのは間違いありません。けんど、自分達に乗り越えられない壁はやってきませんので、とにかく最高の車を作るべく一歩また一歩と踏み出すだけやと思うちょります。


さて、クラウドファンディングでは、ご支援いただく皆様にそれぞれの金額に応じた特別な商品をご用意させてもらっちょりました。そのひとつに「竹虎四代目なりきりセット」というものがあったのです。これは自分がいつも愛用しよります藍染め作務衣と、竹虎で実際に使われる竹虎前掛け、首に巻くマフラーならぬ竹虎タオルがセットになったものですぞね。作務衣は、永六輔さんも愛用しているという笹倉玄照堂のものに竹虎のロゴ入り、お尻部分のポケットなども付けてもらった別注品。前掛けはFBの日本唯一虎竹部の部員の一部の方にしかお分けしちょりませんし、祖父の時から同じデザインで使い続ける竹虎タオルは暮れに職人や内職さんに手渡しする品ですきに当然今まで誰からに販売した事もお分けした事もないもの、なのでこの「竹虎四代目なりきりセット」は、かなりレアなものという事が言えますぜよ。


このレアな「竹虎四代目なりきりセット」をご支援いただくだけではなく何と高知までお持ちいただいて着替えて見せて下さった素晴らしい、お客様がおられましたちや。確かに今回、高知にお越し頂くついでがあったとは言え、お客様は神様です、というフレーズがありましたが、まっこと神様のような方ですぞね。インターネットやクラウドファンディングは決して仮想空間でもゲームのような事でもありません、こうやって血の通い、心の通じる現実そのものの世界です。だから通信販売も「通心販売」だと言われる方がおります。リアルな世界以上に本気、本物、本質がますます大事かも知れません。


光岡自動車Like-T3が、やって来た! その2

光岡自動車Like-T3


人と違う事をすると目立つのでイヤだという考え方もあるようですけんど思い起こしたら自分の場合は何でも人と違う事と言うのが選択の基準やったですにゃあ。小学校低学年の頃やったろうか、文房具でも靴でも何でも誰も持っていないもの、珍しいもの、見た事のないものに惹かれよりましたぜよ。


今度の日本唯一の虎竹自動車プロジェクトも子供の頃から何ちゃあ変わってないことの証明ですろうか。京都の竹で作られた竹の自動車を見て、これは自分も乗ってみたいにゃあという事からスタートしましたけんど、せっかく竹という素晴らしい素材が日本全国に何処にでも身近にあって、その気になれば、いくらでも活用できるはずなのに誰も知らない事やし、珍しい事なら自分がやってみたい...まっこと小さい頃と同じ精神構造ですぞね。


けんど、いざ多くの皆様の応援をいただきながら光岡自動車の車も竹虎にやってきたものの、いざ車体カバーを外してみたら、むむむ、なかなか前途多難ぜよ。それから何日経っても何ともならん、どうやったらエイろうか?思うたより高い高い壁が立ちふさがっちゅうようですぜよ。


日本唯一の虎竹自動車プロジェクトデザイン画


デザイン画は、近くに住む方がイラストレーターをされよって是非にという事でお願いしたがです。安和で生まれ育った若い方の中には「模様があるのが竹やと思いよりました。」などと言われる方もおるくらい、この虎竹の里に暮らして昔から日本唯一の虎竹を肌で感じて来られた方はやきに間違いないろう。


描いていただいちゅうデザイン画も、なかなか素晴らしいちや。こんな車が走りだしたら、どんなに楽しいろうかとワクワクするぜよ。ところが、こんなデザイン画まであるのに、実物の車は何ひとつ進んじゃあせんがです。まあ、今まで地図も何もない、その場あたりの生き方して来ちょりますので、そりゃあ、そうやろう。けんど、心配はないがです。頭の中には、お客様と二人、満面の笑顔でハンドルを握って疾走する姿だけはハッキリとあるがです。


心安らぐ竹の灯り

竹灯り


寒さに肩をすぼめながら帰ってきて温かい灯りの家に入ると、まっことホッとしますちや。竹は涼しさの演出に使われる事が多く、夏に一番の需要があることは間違いないのですが、こと灯りとなりますと竹の照明は光を優しくしてくれ、又趣のある雰囲気を醸し出してくれますので、まっこと(本当に)素晴らしいと思いますぞね。


自分などは小さい頃から竹の照明器具に囲まれて育ちました。昔は大手電機メーカーさんのカタログにも竹照明器具は沢山掲載されちょったがです、天井から吊すタイプのものもあれば、スタンド型のものも色々と見た事がありますし当時の竹虎の店舗にも照明器具のコーナーがありましたぞね。あれだけ展示もされ、カタログにも掲載されていたという事は今とは比べものにならないくらい普及しちょったはずです。実際、昔から竹の照明に関わってこられた職人さんにお話しを伺うと、店舗用や業務用と言うだけではなく、一般のご家庭用としても、かなりの数量が製造されていたと聞きますから一昔の皆様のご自宅には、竹の照明も多かったのではないかと思うのです。


竹傘


照明の光に浮かび上がって強調される竹ヒゴのライン、昔ほど色々な編み目の製品が出来るわけではありませんけんど、竹灯りの美しさとぬくもりを本当に少しでもお伝えできればエイと虎竹スタンドライトはあるのです。丸傘のタイプと丸筒のものがありますけんど、更に、これからは部屋の隅や長い廊下等にも使いやすいような四角い形の灯りができないかと思いを巡らしているがです。


職人さん自家製脱衣籠

職人さん自家製脱衣籠


壁に面白いものが立てかけてあるので、これは一体何やろうと思うて色々と考えてみました。まず最初に思ったのが背負い籠ですちや、背負い紐はありせんでしたが簡単に取り外しできるので山や畑に行く時にはサッと縛って使うのかも知れません。けんど、それにしては横幅が広いので樹木の密集する山道では歩きづらそうですので実用的ではありせんにゃあ。本来、背負い籠は使う方の肩幅に合わせて作られよったとも聞きましたのでこれは背負い籠には不向きながぜよ。


横から見ると竹編みがUの字に曲がっているので、ここに何か物を入れるのには間違いないとは思いよりました。ただ、どこで、どうやって使うのかが問題やったがです。良くみたら取り付け金具のようなものもありますし壁に引っ掛けて使うようです。まあ、それなら家の中ならどこでも使う方の自由な発想でアレコレ使えますろう。ただ、この大きさなら部屋着を入れたり、パジャマを放り込んでおく脱衣籠などにはどうやろうか?そう思って、これを編まれて、ご自身で愛用されゆう職人さんに尋ねてみたらお風呂場の脱衣所で使われゆうとの事でした。


そうやって聞いて改めて見てみると確かに一つあれば便利そうですぜよ。壁にかけられる所があれば、それほどの場所もとりません。竹職人さん自身が便利に使われる籠なら、間違いないろう。更に一番良いのは、かなりのボリューム感がありますので壁面も部屋の雰囲気も、随分と格好良くなることは間違い無い事ですぞね。


光岡自動車Like-T3が、やって来た!

四国運輸局高知運輸支局Like-T3


先月、見事にクラウドファンディングを達成させていただきスタートさせてもらった日本唯一の虎竹自動車プロジェクトの主役であるLike-T3が、いよいよ虎竹の里に到着する、その日がやったきましたぜよ!遙々富山の光岡自動車の工場からトラックに運ばれてくるのです。


実は十数年前までは高知から富山まで大型トラックと4トン車とを連ねて数人がかりで毎年売り出しに行きよりましたのでその距離は誰よりもよく知っているつもりながです。あの遠くから、やってくるのか...そう思うたら朝から、ワクワク、ソワソワ、とてもじっとしちょけません!途中で四国運輸局高知運輸支局に立ち寄ると言うので、そこまで出迎えに行ったがぜよ。何を隠そう、この光岡自動車Like-T3は高知県下はおろか四国でも登録は初めてとの事ながです、全国でもまだ十数台が走るだけの本当に珍しいレアな車というのを改めて感じたがですぞね。


虎斑竹専門店 竹虎、Like-T3g


そして、虎竹の里まで運ばれたLike-T3がトラックの荷台からおろされ竹虎の工場に入ってくるがぜよ。この瞬間が、虎竹の里にタイヤ下ろした瞬間であり、四国を初めて走った瞬間でもありますろう。日本唯一の虎竹で車が出来たら面白いにゃあ...。ただの自分の一人よがりな思いが、周りの人に繋がって、クラウドファンディングで応援いただく皆様に繋がって、その思いの塊が自分で動きながら、ゆっくりとやって来るがです。


Like-T3納車


トラックで運んで来てくださったのは光岡自動車さんと提携されて運送や車体の管理をされている整備会社様やった。社長様にも奥様にも、初めて四国運輸局高知運輸支局の駐車場でお会いさせてもろうた時から、今回のLike-T3の竹自動車への変身をこじゃんと楽しみにして下さっちゅうのが、お顔の表情からもヒシヒシと伝わってくるがです。


(株)山岸竹材店、Like-T3


これは、光岡自動車の工場にお伺いした時に、現場でずっと製作されゆう社員の方からも、現場から離れた営業の皆様から、クラウドファンディングを応援いただいた経営陣の方からも伝わる期待感と同じながです。そして、それは、そのまま全国の皆様の期待であろうかと笑顔の中にも気が引き締まる思いですぞね。


竹虎四代目


曲びつ丸弁当

 
曲びつ丸弁当


木製の弁当箱は、自然素材のものが好きな方でしたら一度はご覧になられたり、手に取られたりした事があるのではないですろうか?日本はフィンランド、スウェーデンに次いで世界第3位の森林国ですきに、竹はもちろんですが、森林資源も、もっともっと色々に活用されていかねばなりません。このような身近な弁当箱等にも日本の木が使われちゅう事を多くの方に知っていただけると嬉しいと思うがです。


蓋を開けると檜材のエイ香りが漂う、この曲びつ丸弁当を見る度に、田んぼのすぐ横にあったあの工房を思い出すがです。檜材を薄く削っておいて丸い形に曲げた素材が沢山積まれた作業場からは近くの美しい山々が見え何と環境の素晴らしい所でモノ作りをされゆうのだろうと感心したがぜよ。


桜の皮


曲びつ丸弁当の本体部分は檜材を使いますが、蓋と底に使うのは湿気に強く、縮みが少ないと言われるサワラ材ぞね。こうやって木材の性質によって一つの製品でも部位により使い分けるのは流石ですにゃあ。工房には細い短冊状になった桜皮が沢山ありましたけんど、この桜皮で縫うようにして檜材をしっかり留められよりました。


このような弁当箱ですが初めてお使いになられる前には、少しお入れが必要なのはご存じですろうか?これは檜材だけの事ではなく、例えば杉材で作る虎竹タガおひつにしても同じなのですが自然そのままの木のニオイや苦味がご飯にうつる事があるがです。そこで、それを防ぐため一度アク抜きせねばなりませんちや。簡単な方法としては、熱湯を全体にかけて布巾等で水気を拭き取り乾かせる方法もありますが全体を水洗いした後、中に米のとぎ汁や、お湯に適量のお酢をいれて暫くそのままに置いて置く方法もあるがです。


その後軽く水洗いをして布巾で拭き取り、陰干しで乾かしてからご愛用いただけます。自然素材の弁当箱は、こうして何かと手がかかりますが、その手間自体も楽しんで木や竹と触れあっていただきたい、そんな風にいつも思いゆうがです。


虎竹和紙と手漉き職人

虎竹和紙作り


竹繊維の紙というと意外に感じられる方もおられるかも知れませんが、実は昔から作られていたのです。竹を細かく砕いて繊維質にして和紙にする工程は、楮(こうぞ)や三椏(みつまた)等の自然素材と基本的には違いがないと思うがです。身近な植物ですので、それを加工して和紙にするのは、ごく当たり前の事やったかも知れません。


現在では、かなり大規模に竹紙を作られてる会社様があって、前にこのブログでも紹介しましたが、一度見学にお伺いする機会があって拝見させて頂きましたが広大な工場内には大きなトラックが砕いた原料の竹チップを運び込んで来て、そのチップのがまるで小山のように積み上げられちょって、こじゃんと(とても)驚いた事があるがぜよ。こちらの会社様で使うのは日本の竹の中でも最大級の大きさのある孟宗竹でしたが、自分達が作る竹和紙なら、やはり日本唯一の虎竹を使うて作りたいと思いよりました。


幸いな事に高知県の場合には土佐和紙の技術と伝統があり、手漉きの職人さんがまだまだ健在でもあり、和紙作りには願ってもない環境と言えるかも知れませんちや。そこで、虎竹和紙作りを始めて、レターセット、ハガキ、名刺などの商品を販売させていただくようになっちょります。全てが手作りの虎竹和紙作りで、これは面白いと思うた事が色々とありますけんど、本日ご紹介させていただきたいのが和紙を乾燥させる工程ですぞね。


虎竹和紙作り


もしかしたら前にも、ちっくとお話させていただいた事があったかも知れませんが、虎竹和紙を製作いただいた和紙工房には、三角柱の形をした見慣れない金属の大きな塊がありました。一体、何のための道具なのか皆目分らなかったのですが、実はこの金属の塊は手を近づけるとほのかに温かいがです。どうやら全体を温められる仕組みになっているようぜよ、そして和紙にどう使うかと言うたら、これが凄い、漉き上げたハガキや名刺を、この金属の上に整然と貼り付けて並べていくのです。


この金属の三角柱はゴロリ、ゴロリのと回転するように作られちょって、一面に和紙を貼り付けて終わったらゴロリ...回転させて次の面に又並べられるようになっています。つまり、この温かい金属版に和紙を貼り付ける事により熱で乾燥させていたのです。


ゴロリ、ゴロリと三回転した頃には最初に貼り付けた和紙は完全に乾燥されていて、そのまま商品となっていく、まっこと良く考えられちゅう機械ですちや。竹でも、一本、一本、大事に扱っていきますけんど一枚、一枚、手をかけ、愛情をかけて仕上げていく土佐和紙の伝統を垣間見る思いながです。


第57回の京銘竹・竹製品展示品評会

第57回の京銘竹・竹製品展示品評会


第57回の京銘竹・竹製品展示品評会が京都で開催されちょりました。以前、滋賀県で開かれている竹の市に参加させて頂きましたが、このような竹のセリ市があるのは全国でも京都と滋賀だけですろう。滋賀県でのセリ市は、のどかな田園風景の広がる中に建つ大きな倉庫での開催でしたが、京都の竹の市は京都市内にある京都竹材商業協同組合会館で開かれちょりました。


青竹杯


京都での乾杯は条例で清酒と決められちゅうのをご存じですろうか?まず品評会は青竹に注がれた清酒の乾杯から始まりますぞね。ちっくと遅れて行ったのですが、お世話係の方に用意いただき本当に恐縮したがです。さらに、竹の集まりでは、当然のように、このように清々しい青竹が使われる事が多いようなのです、以前の京都竹の大会でもやはり竹杯で宴席はスタートしましたにゃあ。


亀甲竹


京都が誇る白竹や図面竹、ゴマ竹、亀甲竹など普段あまり身近に触れる機会のない太く立派な銘竹まで手に取り見られるだけでも楽しくなってくるのに、市場で聞いたことのある魚や野菜のセリ声と同じように竹が競り落とされる光景は、滋賀の竹のセリ市と同じぜよ、まっこと新鮮なのです。


石割竹


それにしても竹は奥が深い、知っているつもりでも知らない事ばかりちや。また、狭い日本の小さな業界のはずですが地域によっての違いなどもあってから、やっぱり面白いがぜよ。この根付きの孟宗竹は縦に割れが入っていますが、これは「石割」と呼ばれています。柔らかい筍の時に、ちょうど石に当たりこの部分だけ割れているそうですが、このの自然な景色を活かして花筒など作るとなかなか渋い物が出来そうですちや。


竹セリ市


朝10時から始まる品評会ですが竹のセリ市も端の竹材から順をおって進んでいきます。竹材生産者の方にとったら自分の子供を見守るような気持ちで成り行きを見ていますし、竹材を使う業者の方々もそれぞれの竹を、どう活かしてお客様に提供するのか熟慮しながらだと思います。


図面垣


竹のセリ市では竹材だけでなく、京都らしい図面の袖垣や、大きな穂垣なども並べられちょります。そう言えば、もう随分と前の事になりますが竹虎本店にトラックで大きな穂垣が積み込み運ばれて来た事があったのです。何枚も担ぎおろしましたけんど、これが重たくて数人がかりで持たないと運べないものもあったように記憶しちょります。今回、こちらにお邪魔させていただいて、この時の穂垣が、この竹のセリ市で分けて頂いたものだと分かりましたぞね。聞けば、祖父の時代には、ここにある竹だけではなくて、別の倉庫においてあった竹まで積み込んで帰ったと言いますので自分などは全く知るよしもないような、竹にとっても景気の良い時代が昔はあったようなのです。


黒穂


竹は稈の部分は言うに及ばず、枝も捨てるところがないように使い切っていましたので枝打ちした後の竹枝を集めてくれる山の職人さんもおられるのです。今では需要も少なくなりそんな事はありませんけんど、毎年シーズンになれば「一体どこからこんなに沢山の竹枝が出てくるのやろうか?」と不思議に思うくらい集荷場には竹枝が積み込まれていたのを思いだしますぜよ。カサが張るので余計に大量に見えるのですが、多い時には10トントラックで何度も積み込みに行くほどでしたので今から言うたら想像もできませんろう。集めた黒穂は竹虎だけでは使い切れません。他社様にもお分けするために数人がかりで金型につめてロープで縛って荷造りしますが、それがちょうどこのような形になっていたのです。


孟宗竹


竹の油抜きには乾式と湿式、つまり炭火やガスバーナーの炎で熱を加える方法と、熱湯で熱を加えて油抜きする方法があるがです。京都は乾式のガスバーナーで油抜きしていくのですが、やはり晒し竹を見ると、熱湯を使う湯抜きの場合と比べると色艶が乳白色に仕上がり、経年変色にも特有の趣があるがです。


晒竹(白竹)


孟宗竹だけを見ていても、そんな京銘竹の仕事の丁寧さや美しさを見て取れて、それぞれの職人さんの竹への深い愛情も感じられますけんど、更に火抜きの真竹を拝見させてもろうたら又格別ぞね。工場に沢山在庫してある竹屋さんに行くなら別として、こうして色々な竹を見比べ出来るのが竹のセリ市ならではの事かも知れませんにゃあ。


煤竹


囲炉裏の煙に燻されて100年、200年と経った竹の宝石のような煤竹がズラリと並んじょります。30年ブログ「竹虎四代目がゆく!」を、いつもご購読いただきます方でしたら濃淡部分が縄目であるとご存じかも知れません。この部分が実際に縄で縛られ、長い風雪を過ごしてきた証とも言えるかと思うがぜよ。この煤竹も茅葺きの家から真っ黒い竹を一本づつ丁寧に取りだして洗い、油抜き、矯め直しなどの手をかけた後、ようやくこうした輝きを放つ竹になるがですぞね。


ところが同じ煤竹であっても、地域により出来上がる竹の質が違うのです。これは、寒い土地ほど囲炉裏に火を入れている時間が長いので竹の出来具合に大きく影響するというのが一つ。そして、それだけではありません、囲炉裏で燃やす材質によっても色づきに違いができるのです。だから、煤竹も全てが同じという事ではなく、やはり産地があり同じ竹のように見えても価値が全く違ってきます。数百年の時を経た煤竹は茶華道で珍重される素材ですが、奥の深い世界が広がっている事を垣間見る事ができるがです。


第57回の京銘竹・竹製品展示品評会


竹炭モンブランと竹炭鯛焼き

竹炭モンブラン


食欲の秋は、実りの秋でもありますが、ちょうど今年出来たサツマイモを使った美味しいスイーツを社員が手作りましたぜよ。頂に甘栗を王冠のようにかぶったモンブラン。栗で作るからモンブランと思いよりましたが、「いやいや、山のようにモコモコ作ればモンブランではないですろうか?」と言うものですから、ああ、そうかなあと納得したがです。


裏ごししたサツマイモとクリームチーズ、牛乳、砂糖を混ぜ合わせたそうなのですが、三色の山になっちょります。一つはプレーン山、抹茶山、そして竹炭パウダーを乗り込んだ竹炭山ですぞね。それぞれがリッツクラッカーの上に鎮座して、誰かの登頂を待ち望んでいるかのようにも見えますちや。竹炭パウダーは2%弱混ぜたそうですが、意外に黒がハッキリ出た印象です。このような、なめらかな食感のスイーツの場合には竹炭が多少口に残る事もありますが今回の竹炭モンブランは、それもなく、美味しく頂けたそうですぜよ。


竹炭鯛焼き


もうひとつは、紅白のめでたい鯛ならぬ白黒の鯛。型に入れてレンジとオーブンを使うて焦げ目も付けた、ちっくとこだわったスイーツなのです。こうしてみたら竹炭鯛焼きは身体の模様もクッキリ表れちょって、なかなかの出来映え。竹皮に包まれていますが、知らない方が竹皮を開いた途端にこんな鯛焼きが目に飛び込んできたら、なかなかインパクトがあるますろう。


話題には事欠かない竹炭パウダーを使ったスイーツ達、けんど見た目だけではもちろんありませんぞね。炭の微粉末は昔の忍者が解毒の為に肌身離さず持ち歩いたと聞きますが、現代社会でも竹炭パウダーにはデドックス効果等を期待される方が多いのです。まだまだ研究をする余地はあると思いよりますが竹炭をガリガリかじっていた炭職人さんに胃腸の悪い方はいないと言い伝えられるように先人の知恵には何かあると感じちゅうがです。


2016年竹虎カレンダー「申」

竹虎四代目(山岸義浩)


毎年恒例となっちょります竹虎カレンダー作りの季節が早くもやって来ましたぜよ。この間、カレンダー用の画像を選んで製作をお願いしたばっかりのような気もしますけんど一年というのは自分の年齢を重ねるごとに短くなっていくもののようですにゃあ。このカレンダーは、いつものように年末までのお買い物をして頂きました皆様に先着2016名という事でプレゼントさせていただきまよりますが、絵柄は今年に竹虎に新しく仲間入りした新商品達が中心となっちょります。この12ヶ月のラインナップを見ても、ああ...この商品は今年出来たものなのかとか、職人さんの事や、販売できるようになるまで苦労した事などが色々と思い出されてきて、自分としても振り返りが出来て楽しいがです。


2016年竹虎カレンダー


振り返りと言えば、この一年に何があったかも2016年竹虎カレンダー企画ページでご紹介しちょります。アッと言う間の一年ですが、そんな短い間に起こった事とは思えないような色々な事も起こっていますにゃあ。その中でもランキングベスト3を社員が選んでくれちょりますが第3位のストックホルム国際見本市でのドイツ人デザイナーステファンさんとの竹家具展示、第2位の地元安和の皆様が開いてくれた「竹虎四代目への道」出版記念懇親会、そして第1位は、全国の皆様から多大なご支援と応援をいただいて何とかスタートする事ができた日本唯一の虎竹自動車プロジェクトとなっています。


中でも、ちょうど昨日、富山の光岡自動車さんより納車のあった日本唯一の虎竹自動車プロジェクトの本体ボディーとなるLike-T3は、今年のランキング1位であると共に、完成は来春予定ですきに、もしかしたら来年2016年のランキング1位となりそうな予感もしよりますぜよ。クラウドファンディングで温かい声援には竹虎は本当に元気づけられ、勇気奮い立ちました。自分達にしか出来ない事を、「真っ直ぐにやっていけ!」そう言っていただいている気がしちゅうのです。来年は、この車を走らせて全国の皆様に笑顔を届けられるようにしたいと誓うちょります。


羽田国際空港に満開、竹灯りの花

羽田国際空港の竹イルミネーション


浜松町からモノレールに乗り換えて早朝の羽田空港に向かいます。まだ辺りは夜のように真っ暗なので、もしかしたら?とドキドキ待ち遠しく思っていたことがあるのです。それが羽田空港国際線の竹のイルミネーションぜよ!以前、たまたま灯りを点灯する少し前に竹が立てられるのを見た事があったがですが、その時には海外の方にとって日本のイメージと言えば竹なので、国際線のロビーに竹を設えて送迎するのは素晴らしい事やにゃあと眺める程度でした。


羽田国際空港の竹イルミネーション


ところが、この竹を用意されたのが京都の東洋竹工さんという昔からお世話になっている竹屋さんであり、竹へのこだわりをお伺いする機会があったものだから、いつかはイルミネーションの灯っている時に、どうしても拝見したいと思いよったがです。


羽田国際空港の竹イルミネーション


けんど、イルミネーションが美しく映えるのは夜ですろう。そんな時に東京の羽田空港...しかも国際線に行く機会は一体いつあるろうか?そう考えよったがです。ところが、最近は夜が明けるのが遅い...もし、竹イルミネーションが早朝でも点灯されちょったらもしかしたらチャンスはあるのでは!?


羽田国際空港竹灯り


そんな事を思いながらモノレールで国際線のホームについたら感激ぞね!車窓からもロビーの竹灯りがハッキリと見て取れるのです、急がないと陽が登ってきて明るくなるかもと思い飛び降りて小走りに改札を抜けたら...、ありゃあ、さすが国際線ですにゃあ。こんなに朝早いというのに大きな荷物をもった人達が沢山行き交いよります。


羽田国際空港竹灯り


そして、その向こうに、正面にも、右側にも左側にも、おっと二階部分の奥の方にまで何と美しい竹の光が輝いちゅうがぜよ。これは、まっこと凄いですぞね、この竹の枝の優しく、柔らかい表情、このイルミネーションの雰囲気は、とうてい竹でないと実現不可能ですろう。けんど、まっこと凄い、灯りの色合いによっては、まるで竹に満開の桜が咲いたように華やかなのです。


竹イルミネーション


竹のイルミネーションには、多くの方が見上げて魅入ったり、写真を撮ったり、まっこと羽田空港が竹の灯り一色になっちょって竹の新たな一面を見せてもろうたような気持ちになって何とも嬉しいがです。竹の灯りを近づいてよく見てみたら、竹枝にしっかりと小さな電球が無数に取り付けられていて、この彩りを演出がされていますが、これだけの沢山の同じようなサイズの竹を用意できる事は、実は普通の事ではないがですぞね。


羽田国際空港の竹イルミネーション


竹など山に行けばいくらでもあるように思われちょりますが、それぞれ伐採時期もあるし太さや高さや性質は全て違うのです。この空港ロビーのように天井の高さが決まっていて、稈(かん)の部分から枝の出る高さまでも指定があるような場合には、余程の竹の量の中から厳選せねばならず、これだけ揃った竹を準備できるのは全国でもそう多くはないですろう。東洋竹工さんは東日本の竹と西日本の竹の違いまでも教えてくれましたが、なるほど手入れの行き届いた広い竹林があってこそ、これほどの見事な竹を揃えられるのだと納得するがぜよ。


羽田国際空港の竹イルミネーション


今まで白く雪のように輝いていた竹達が、こんどは青く輝きだしましたぞね。竹イルミネーションは、竹それぞれにも変化がありますが、こうやって彩りにも変化があり、飽きることなく空港に来られた世界の人達を歓喜に包んでいるようです。


いつも言う事ではありますけんど、「竹」+「二人」=「笑」です。竹を通して、誰かと誰かの心が通じあうて笑顔になる。竹には、昔からそんな不思議な力があると思いよります。今のような時代、世界へ繋がる羽田国際空港だからこそ、竹を通した笑顔が広がることを願いたいがです。


日本ネット経済新聞賞「地域貢献賞」受賞

日本ネット経済新聞賞「地域貢献賞」受賞


今年で二回目となります日本ネット経済新聞賞「地域貢献賞」を受賞させて頂けるという事で、東京ビックサイトまでお伺いさせてもろうちょりましたぞね。日本ネット経済新聞は日本流通産業新聞社さんの発刊されている主にインターネット通販に特化した記事を掲載されゆう新聞社さんながです。そこで、その一年に様々な取材を通してEコマースの企業様と多く接せられ記事を書かれているので、活躍著しい会社様を表彰することにより業界全体を盛り上げていこうという考えで表彰をされる事にしたと言います。ネット通販らしい「多店舗展開賞」、「スマホ賞」、「海外EC賞」、「ソーシャル活用賞」、「オムニチャネル賞」など11のジャンル賞に今年は合計25社の企業と1つの商工会が表彰されたがです。


日本ネット経済新聞賞「地域貢献賞」


竹虎が頂きました「地域貢献賞」には、おせち料理で有名な福岡の有限会社久松さん、岐阜県中津川市に本社を置く株式会社サラダコスモさん等地方からの発信に力を注がれる会社様も同時に受賞されちょります。久松さんには、この9月に初めてお会いしたばかりやったし、サラダコスモさんのある「ちこり村」には7月にお伺いしたところやったので何がご縁も感じますが、それぞれの地域で大きな役割を果たし、雇用面も含めた貢献をされているという事が認められたとの事でした。


日本ネット経済新聞賞「地域貢献賞」竹虎受賞


竹虎の場合には、狭い地域でしか成育しない虎斑竹(とらふだけ)という竹を守り続けちょります。創業以来121年という長い社歴になりますが、その歴史に近い時間をずっと、この竹と地域と共に歩み続けてきましただけに「地域貢献賞」と聞きますと、どうしても虎竹の里を思うてしまうのですが、評価いただいたのはそれだけではなかったようですぞね。


日本ネット経済新聞賞「地域貢献賞」


2000年のスタートという当時としては全国的にも例をみなかったインターネットの学びの場である高知e商人養成塾という活動に関わらせていただき、自分もその中で育ててもろうてきちょります。そこで、今では代表として、ささやかではありますが自分の出来る範囲の事を、恩師である京都でTシャツ販売をされよりますイージーの岸本栄司塾長への恩送りのつもりでさせて頂きよります。早いものですにゃあ、この塾も今年で16年目ですちや。竹に節がありますように、何にでもそれぞれの節があると思うちょります。節があるから真っ直ぐに、高く伸びていっても強い、地域貢献賞が一つの節目にして次に繋がっていけばエイのです。


全日本竹産業連合会会長賞表彰

山岸家1965


自分の大好きな一枚の写真があるがです。50年前、まだまだ貧しい時代やったのか、今のように何でもモノがあるワケではなかったがです。テレビは白黒やったし、自家用車もあまり走っていなかった、洗濯は井戸から手押しポンプで汲み上げた水を大きなタライに張って洗いよりました。竹虎も、手狭な倉庫と借地で竹の仕事をしよりましたので竹を積み込んだり、干したりするのは虎竹の里のすぐ前に広がる安和海岸ぜよ。自分は寄せては返す波音の聞こえる浜の、ずっと向こうまで広げられた竹の中で遊んで育ったがです。遊び相手は祖父がどうしても飼いたいと家族を説得して警察犬訓練所にまで預けてしつけたシェパードの「アトマ」。この一枚は自分が幼かった頃の、そんな山岸家のある日の一枚ぜよ。


「ずっと後ろに写っている、吹けば飛んでしまうような掘っ立て小屋のような建物が竹虎の本社ぞね」若い社員や学生さんに、ことあるごとに話すたび、目を丸くされますちや。毎日休みもなく働く祖父と父、真っ黒くなって帰って来たらガツガツ音をたててご飯を食べて、裸電球の下の団らん。まっこと幸せやった。この一枚の写真から、竹虎二代目の自信、三代目のやりがいが伝わってくる。熱うなる。


第56回全国竹の大会鹿児島県大会


自分は大学四回生の夏の大火災がキッカケで卒業するとすぐに実家に戻ってきたのです。帰ってきたものの竹が好きになれるワケがない、こんな仕事と思うて大嫌いやったがです。辞めたくて仕方なかったけんど、他にできる事もないきに続けるしかなかったがぜよ。けんど最初から竹に生きて、竹に死のうと思うちゅう人など、いや竹に限らず何でもそうです。初めから本気になっている人などおりますろうか?それでも、竹虎のような歴史のある凄い仕事、繋いでいくのは簡単ではないがです。自分は今でも、とても満足に継がせてもろうちゅうとは思うてないばあやきに。


第56回全国竹の大会鹿児島県大会


50年経って、この写真を見て亡くなった祖父と祖母に報告したいことがあるがぞね。竹虎は全日本竹産業連合会会長賞の表彰を頂きました。今年は鹿児島大会とあって、さすが竹の本場ですちや、会場には500人もの方が集まられちょって、こじゃんと緊張しましたちや!けんど何とか、あんなに遠く、高く、近寄り難いと思いよったステージに上がらせて頂きました。


第56回全国竹の大会鹿児島県大会


もちろん、自分が頂いたものではありません。曾じいさんが旗をたてたこの地に、おじいちゃんや、おばあちゃんが、天王寺の工場から本社を移し志を継いで苦労してくれたお陰やろう。父や母が後に続き、自分たちは、ただその後に続かせてもろうちゅうだけながぜよ。これからも少しでも、あの日の竹虎に近づけるように竹節が一つ、また一つとあるように、一つづつやっていくだけなのです。


全日本竹産業連合会会長賞表彰


使う竹籠

六ツ目弁当箱


いつも作務衣なので「一体、作務衣は何着持っているのですか?」と聞かれる事があるがです。はっきり数えた事はないのですが作務衣は20数着持っていて、その中で頻繁に着るのが15着くらいです。20年くらい前に出会った笹倉玄照堂さんというメーカーがあるのですが、ここの藍染め生地が素晴らしいと気に入って今では、ほとんどコチラの作務衣を愛用しよります。数年前からは、お尻のフラップ付きポケットや背紋への刺繍なども入れた竹虎オリジナルの作務衣まで製作いただくようになっちょりますが、実は一点だけ不満な点もあるがです。


それは、生地が年を追うごとに変わってきて昔の藍染め生地がなくなるのは仕方ないとして、作務衣上着の内側ボタンながです。以前は外紐と同じように内側も紐で縛れるようになっちょりました、ところが数年前よりボタン穴を3段階に調節できるボタン式に変更になったのです。これは、これで普通の方は着やすく便利なのかも知れません。ところが自分のように毎日仕事着として着るとなると多少着る時に手間がかかっても、紐の方がしっかり縛る事ができて良かったのです。ボタンは確かに着脱は早いのですが、どうしても糸が弱くなって外れる事もあり、耐久性の点では紐に軍配があがります。


まあ、しかし、それを言うてもいきませんきに仕事中にボタンが外れてしまわないように、糸を何重にもして補強しちょります。工場など職場なら、まだエイですが、前に県外への出張中に外れてしまった事があって、ちっくと困った事がありましたぞね。さて、ボタン補強のために取りだして来たのが裁縫箱ですが、竹編みのなかなか格好のエイものですろう。実はこれ、虎竹六ツ目弁当箱。アイデアで竹籠は色々な用途があるのが楽しいところですが、まっこと人に使われゆう竹はイキイキとしちょって、表情がエイ。裁縫が苦手な方だったとしても、こんな竹籠に道具があれば気持ちも変わりますろう。


虎竹ヒシギについて

虎竹ひしぎ


虎竹ヒシギとは、丸い竹一定の長さに切断して一箇所だけを縦方向に割った後、金槌の先端が細くなったような専用の道具で割延ばして板状にしていくものですぞね。竹虎の場合ですと、このヒシギを袖垣に使うことが多いのですが、このヒシギを全面に貼り付けたヒシギ垣のようなものもありますし、内装用の腰張り等にも使われることある竹素材の一つながです。


ヒシギは、こじゃんと手間のかかる材料でもあります。竹を一本一本叩きながら平たく熨して行く作業は時間と根気の必要な工程ぜよ。一時はヒシギ叩きの機械を作った事がありますが職人が手で叩くのには遠く及びませんでした。袖垣を沢山製造していた頃にはヒシギ専門の内職さんに沢山来ていただいてトントン...トントン...朝から夕方まで賑やかな音が響いていたのを今でも覚えちゅうのです。


虎竹ヒシギ貼り天井


さて、そんな虎竹ヒシギを、この度堂々リニューアルした東京は赤坂にある土佐料理「祢保希(ねぼけ)」さんが使うてくれちゅうと言うのです。けんど、さすがに大都会の真ん中で何十年も暖簾を守り続けられる老舗店だけあって、普通の使い方はされちょりませんぞね。なんと、天井の一部のワンポイントに寄木細工を思わせるような切り貼りした絶妙な模様の出し方をされています。さすが...上を見上げたまま暫く顎を下げることができませんでしたちや。


土佐漆喰の龍


高知の食を伝えるお店様だけあって、店の構えや内装にも土佐独特のものを使いたいという社長様の考え方で日本唯一の虎竹もこうやって天井を飾らせて頂いちょります。けんど、圧巻ながは土佐漆喰の壁で睨みをきかす龍ですぞね。実は土壁の土台には竹を使いますので、自分も少しは関心があり漆喰壁の建物を見てまわった事もあるかですが、このような立派な龍が舞う壁というのは、そうそうあるものではないのです。土佐の味と、土佐の技、高知にいても感じる事のできない「高知」を赤坂で堪能できることに感激した夜やったがぞね。


竹炭入りポット

竹炭飲料水用


こじゃんと人気になっていると聞くお店行くとテーブルに置かれちゅうポットには竹炭が入られちょりました!なるほど、だからか...という訳ではないと思いますが、こうした水一杯であってもお客様に美味しいものを提供したいという心意気が店全体の雰囲気となって繁盛店に繋がっているように思うたのです。


秋も深まってきました。テレビニュースで見る東京の様子は、まるで真冬のような装いの日がありますぞね。厚手のロングコートやダウンジャケットにマフラー、革手袋...。さすがに南国高知は、まだそこまでではありせんが、やはり朝晩肌寒くなってきてコーヒーもホットが嬉しい季節です。ピッチャーに竹炭を入れた竹炭ミネラルウォーターは作っていませんが、夏場などは、まっことこれが水道の水やろうか?と飲むたび思う事がありますちや。欲を言えばレモンでも少し入っちゅうとさらに素晴らしいのですが、竹炭を入れた水が美味しくなるのは気のせいではないようです。


備長炭などに比べても効果が高いことが、長い間人気を保ちつづけてきている理由のひとつですが、やはり最大の理由のひとつは原料となる竹が日本中で豊富であり、毎年どんどん生えるという生命力ですぞね。竹炭も無尽蔵とも思えるほど生い茂る孟宗竹の有効活用のひとつ。今までの竹の活用方法は、もしかしたら、ほんの一部やったかも知れんがです。竹の神秘的な力は、まだまだ解明されておらず、もっと素晴らしい人への貢献ができるのではないかと考えちゅうがです。


西武渋谷店、SHINDOさんのシリコーン

西武渋谷店


西武渋谷店の地下には見た事のあるシリコーン素材のお香立てが並べられちょりました。おっと、自分はお香立てと言いましたがインセンスホルダーと言うそうですぞね、そして隣にはキャンドルホルダーもありますぞね。開発したのは福井県にあります繊維や産業資材などを扱われているSHINDOさんぜよ。


ストックホルム・ファニチャー・フェア


今年の2月にSHINDOさんとはジャパンクリエイティブのプロジェクトでご一緒させていただき北欧最大の家具国際見本市ストックホルム・ファニチャー・フェアに参加させてもらったのです。この時に初めてシリコーン素材の作品を拝見したのですが、早いもので、あの出品から数ヶ月で商品化となり、こうして都心の百貨店を飾るとは素晴らしいがですちや。


ストックホルム・ファニチャー・フェア


シリコーンという言葉は聞く事がありますものの、どういう特性のあるもので、何に使われるものなのか実は、自分はあまり知らない素材でありました。今回のザデイナー、ピエール・シャルパンさんとさんとの開発で、暮らしの中で気軽に使える製品となり初めて手にする事になった方ば恐らく自分だけではないと思うのです。デザイナーさんとのコラボによりシリコーン素材の可能性を広げる製品開発をされたとの事ですが、間近にこうして見本市への展示から販売までの流れを見せていただくと勉強になることばっかりです。


感動の竹練り

竹練り天狗


「タン!タン!」大きな音を打ち鳴らして地域の若者が舞う竹練りは迫力がある。小さい頃から見慣れてちゅうワケではない初めての方が突然見たら竹と竹とが打ち鳴らされる音、地面を叩く乾いた大きな音に驚き、真っ青な秋空に消えていく様子に、何とも言えない懐かしさや、温もりを感じる事もあるのではないかと思うのです。


天狗の面は見た事があっても、いざ鳥の羽を頭に飾り、たすき掛けした天狗の様子は飾られてちゅう、それとは全く別モノながです。小さな村で、ずっと大切に伝えられてきたお祭りを盛り立てる重要な役割を果たす、この日ばかりは安和天満宮の秩序の守り主のような凛とした雰囲気さえありますぞね。


だから、竹練りの躍動感と共に、天狗には魅入られるのですろう。今年、竹虎に入社したばかりの県外出身の社員が思わず筆をとって描いた二枚の内、一は枚は天狗だったのです。


安和の竹練り


お祭りから、早くも一週間が経とうとしゆうとは、まっこと年末が近づくに従って時間が早回しになっちゅうようぜよ。竹練りは他の地域にも残っているようですが、虎竹の里の竹練りで使われる竹は全て虎竹ちや。別に虎竹を使わねばならないという決まりは無いと思いますが、要するに他の所では考えられませんけんど、
虎竹の里では身近にある竹と言えば虎竹しかないと言う事ながぞね。


けんど、まっこと絵というものも不思議なものです。写真よりも鮮やかにその日を蘇らせる事があるですにゃあ。何年も前に見た竹練りの音や、澄み切った空の色や、少しヒンヤリとしていた風の感じまで、ありありと浮かんでくる気がするがぜよ。



第2回日本ネット経済新聞賞「地域貢献賞受賞」頂きました。

 
第2回日本ネット経済新聞賞


この度、第2回となります日本ネット経済新聞賞の中で「地域貢献賞」と言うものを頂く事なりましたぜよ。突然の事で、まっこと驚きましたけんどインターネット活用に力を入れる企業様を中心に掲載される日本ネット新聞さんだけあって、多店舗展開賞、スマホ賞、海外EC賞、ソーシャル活用賞、オムニチャネル賞など、少し聞き慣れない専門用語のつけられた賞などがあり特徴的ですぞね。そんな受賞には、各部門に全国から合計25社が受賞され、今週の金曜日に東京ビックサイトで受賞式が予定されちゅうのです。


竹虎が受賞させて頂きました「地域貢献賞」は文字通り、地域への貢献を評価して頂くものだと思います。けんど、地域への貢献といいますと、竹虎の場合には実は特別何かが出来ているワケでもなく、地域に貢献させてもらっていてると言うよりむしろ、地域の皆様からは100年前の曾祖父の時代からずっとお世話になり、助けて頂いてきちょります。虎斑竹は土佐藩の時代には藩令により積極的に外に出すことがなかった竹ですので一般には全く知られていなかった竹でした。当時より、この知名度のない虎竹を、この地でしか色づかない日本唯一の虎竹として広く認知いただくためには山主さんはじめ地域の多くの皆様のお力添えと協力が必要やったのです。


元々、大阪天王寺での創業した山岸竹材店は「竹亀」という屋号でありましたが、それが現在の「竹虎」に変わるほど虎斑竹の生産量が増え、日本全国で認められ知っていただけるようになったのは60年も前の話ぞね。それから現在に至まで、自分達は虎竹の里で何かにつけ大きな恩恵を受けながら今日があるのです。今回の地域貢献賞の受賞を契機に改めて考えてみましたが、今でも地域から自分達に頂くものばかり、この受賞にもっと胸が張れて、ふさわしい会社になるように、そして恩返しが出来るように、ますますの研鑽が必要ですろう。


鰻の竹筒

 
鰻捕り用竹筒


先日、テレビを観ていたら小舟で鰻捕りをされている方が撮しだされていました。鰻捕りの道具といえば最近ではプラスチック製のものなどが沢山あるようですが、何を何を、やはり鰻捕りは昔から竹ながぜよ。その小舟の上にも竹筒が何本も乗っちょりましたので、おおっ!さすが!と、それを見つけてしもうたらテレビに釘付けですぜよ。けんど、まっこと面白いがです。テレビのアナウンサーに紹介される鰻のワナである竹筒は、ただ節を抜いただけのもの。入り口にも、出口にも(まあ、どちらが入り口か出口か分かりませんが)栓も何もない、本当に、ただの筒ながです。


自分も小さい頃から近くの川や用水路で鰻を捕ってきましたので、今でも職人の作る鰻うけ(鰻筌)など道具には詳しいつもりでいましたが、竹筒だけというのは、まっこと初めて拝見したがです。高知で昔から使われる鰻うけ(鰻筌)には片方に、エギ(コジタ)などと呼ばれる竹製の入り口があり、一度入ったら出られないような仕組みに作られちょります。このような仕掛けにも竹の柔軟性が十分に発揮されているのですが、自分達が昔から知っている竹編みの道具でなくとも、たとえば表皮を薄く削っただけの竹筒を利用したものでもエギを固定する引っ掛けのようなものを本体に付けています。プラスチック製のものにも、このような入り口の仕掛けはありました。


鰻捕り用竹筒


ところが、今回の漁法では、エサもなければ栓もなく、ただ竹筒を川底に沈めておくだけのようでした。こんなんで、はたして効果的な漁が出来るがやろうか?仮に竹筒に入っていたとしても川から上げる時に逃げられるのではないろうか?色々と考えよりましたが、船上で漁をされる方を観ていたら川から、ゆっくり、ゆっくり竹筒を上げていき水面近くになると網を下にすけて鰻を捕まえるという方法でした。まあ、これですとエサを入れる手間がいらず、鰻の入っていない竹筒は又そのまま次の時まで沈めてちょけば良いので、効率的かも知れませんにゃあ。道具も竹を切って、節を抜くだけなので何十本でもできそうです。


それにしてもエサも何もなくても竹筒に入って、川から上げられる間も逃げずにいるとは鰻にとって、頃合いの太さの竹は余程居心地のよい快適スペースながですにゃあ。鰻は大好物ですけんど、ますます鰻が好きになってきましぞね。


うなぎうけ(鰻筌)の製作風景

水切れ抜群、足付き竹ざる

磨き当縁ざる


自分は肉も大好きですが、野菜も大好きなのです。もしかしたら、これは高知が野菜王国で、特別美味しい野菜がふんだんにあるせいかも知れませんにゃあ。最近でこそ野菜はスーパーで買いよりますが、特に子供の頃などは近くの方や、竹職人さんに頂いた野菜が毎日食卓に上がりよりました。これだけ明るい太陽の光を受けて育った採れたて新鮮野菜を食べて育っちょりますので自然と野菜好きになったのかも知れんがぞね。そんな野菜好きの自分が、これからの季節は楽しみにしちゅうのは、やはり鍋料理。肉や魚も美味しく食せますが、野菜もまた美味しく頂けるのが鍋ぜよ。


だから、この季節は毎年のように鍋料理の名脇役として国産の使い勝手のよい竹ざるをご紹介しよりますぞね。水洗いした野菜をサッとのせて食卓に運べる便利さ、竹の清々しさが更に野菜を綺麗にみせてグツグツと煮立つ鍋の湯気と共に、食欲も登りに上がっていくのを感じるがです。


磨き当縁ざる足付き


本日ご紹介したい名脇役は、磨き当縁ざる。カマボコ状にとって水切れを良くした竹ヒゴをしっかり編み込んだ竹ざるの縁は、細い籐で丁寧に仕上げられちょりますので上品な雰囲気に仕上がっているのです。この竹ざるに竹の身部分を削りだした足を三箇所に取り付けたタイプが新登場しました。何てことのない小さな足なのですが、底面にゆるいカーブのある竹ざるは安定感がありませんが、この小さなな足を付ける事で思う以上の安定感ですぜよ。さらに、底面がテーブル面と接地しないので通気性も良くなり、水洗いした野菜などの盛りざるとしては最適となっちゅうがです。どうやら、今年の名脇役は決定ですろうか。


季節外れの竹抱き枕

竹抱き枕(竹夫人・竹婦人)


東京のテレビ局から電話があって白竹抱き枕ゴザ目について色々とお話しをさせて頂く事になったがです。こんなに秋も深まった季節外れの時期に竹の抱き枕かにゃあ...?不思議に思いよりましたが、どうやら何か別の話題があって、それに付随しての紹介のようですぞね。竹の抱き枕は、竹夫人(竹婦人)とも言われちょります。普通の抱き枕は一年通して使えるものがあるかと思いますが、竹の場合は、竹編みの空洞が風通しがよく、竹表皮の清涼感と共に夏の暑い時期にだけ多用されるものなのです。


温暖化もあってか夏の電力消費量は凄いものがあるようです。そんな中、環境意識の高まりや節電を考える中でエアコンの設定温度を上げるための工夫が、いろいろとされてきちょりますが 竹の抱き枕もそんなアイテムの一つとして注目されているのです。これも別に新しいものでも何でもありませんぞね、団扇くらいしか涼をとる手段の無かった頃には重宝されてきた快眠グッズであり、目新しいモノだと言うていただく方がおられましたが、実は日本人が忘れてしまっているだけの竹細工ながです。


韓国の竹抱き枕


もっと言うたら竹は熱帯性の植物で東南アジア一帯にあり、各国でその地域にあわせた竹細工が発展、継承されてきちょります。お隣の国、韓国でも竹抱き枕は同じような形のものが編まれよりました。韓国の若い方達にしても、もしかしたら日本同様に竹の抱き枕などご存じない方が多いかもしれませんが竹の本場、潭陽(タミャン)では竹職人さんが編まれていたのを拝見した事があります。美しい竹林が広がる土地柄もあり、竹への親しみが深く、地域ぐるみで竹文化を盛り上げていこうという人々の思いが伝わる街なのです。


台湾の竹抱き枕


同じように台湾にも形がそっくりな竹抱き枕がありましたぜよ。このような竹編みを拝見する度にアジアは竹で繋がっちゅうという思いを強くするのですが、近年は、どこともエアコンが普及しちょりますので本来の使い方もありながら、照明器具やインテリアとしての使われ方も多いように思われました。また、アジア各国の街で売られています竹製品の中には中国製のものも予想以上に多いのです、だから、もしかしたら輸入の竹抱き枕などもあるのかも知れませんにゃあ。


竹抱き枕(竹夫人・竹婦人)


もう何年も前になりますが、ただの六ツ目編みの抱き枕では面白くはないと思うて、自分がデザインを描いたものを職人さんが形にしてくれたのが今の白竹抱き枕ゴザ目ぜよ。海外で見かける竹抱き枕は、竹表皮部分を剥いだ磨きの竹ヒゴで編まれたものが多かったのですが、より強度を出して耐久性を高め、竹肌の触り心地をヒンヤリさせるために白竹を使うちょります。熟練の竹職人が編み上げる竹の曲線美を、ご体感いただきたいと思うちゅうがぞね。


竹虎掲載紙面の新聞バック

高知新聞バック


新聞バックというものをご存じですろうか?虎竹の里も高知県の西部に位置しますけんど、更に、ここから四万十川方向に車で走り、雄大な川を横目に山道を進んでいきますとると四万十町十和なる所があり、そこに人気の道の駅「四万十とおわ」さんがあるがです。ここは前々から、こじゃんと(とても)面白い取り組みや商品開発をされていて全国的にも注目される道の駅なのですが、新聞バックは確かここで生まれたものだったように思いますぞね。


何と四万十川は全長196キロもあって、その源流は意外に須崎市の近くにあるのです。そんな事もあり、四万十川清流保全には自分達も、本当に気持ちだけですけんど協力させてもらいよりますが環境を考える中で紙資源の有効活用という事で、この新聞バックが出来たように覚えちょります。


まあ、けんど新聞を使ってバックができるなど考えた事もなかったですが、実際できたものを見せて頂くと、これが丈夫でなかなかエイものながです。最近ではデザインに凝ったものもあって単なる紙バックから進化してファッション性まで兼ね備えたものがあるから本当に素晴らしいがぜよ。


さて、そんな新聞バックを、先日はいくつか頂く機会がありましたぞね。ただし普通の新聞バックではありません、自分達にとったらスペシャルでオンリーワンな新聞バック。何と、竹虎が最近何度か地元高知新聞に掲載頂いちょりますが、その紙面がちょうど読めるように形づくって製作頂いているのです!写真はもちろんですが、文章部分についてさえも全文が読めるように考えた作りになっていて、まっこと心から嬉しくなって、感激してしまうのです。


大、中、小と様々な形の新聞バックを製作して届けてくださったのは当店の昔ながらのお客様でした。竹虎二代目義治が、地域特産の虎竹だけでなく日本全国の竹細工、竹製品を集めた展示場を開設したのは今から45年前の事ながです。それから竹虎本店として、ずっと店を手伝ってきた祖母、そして、切り盛りしてきた店長である母。長い歴史の中で沢山の地元の皆様からのご愛顧をいただいて今日に至っているのです。近年ではインターネットで竹虎を知っていただく皆様も多くなっちょりますが、このような出来事があるたび竹虎を、虎竹の里を守り続けてくれた先人の方々への感謝の気持ちでいっぱいになるのです。本当にありがとうございます!


光岡自動車Like-T3 その2

光岡自動車Like-T3工場


光岡自動車さんの工場では自分の訪問にあわせて製作の進行を調整していてくれました。そこで車体の骨組みの状態から、車体部分を少し完成させた状態など拝見させて頂く事ができたがです。車の製造現場などは、近くの整備工場に行った事があるくらいで、ほとんど見た事がありませんでしたけんど、やっぱり現場にはインスピレーションを刺激してくれるモノがはいっぱいぜよ。



現物のLike-T3を見るのは、これで3回目になるのです。一番最初の時には、実際に大阪の街を試乗させてもらって、操作性や走りに感激しちょりました。しかし、まだこの時点では竹の車になる具体的なイメージなどは無かったのです。都会の大きな道路でも普通車と同じように流れに乗って進める快適な走りに感心し、ただただ、光岡自動車の電気自動社は乗り心地がエイにゃあと思っていた段階やったのです。


光岡自動車工場


2回目に見せていただいた時にも走ることのできる状態の完成されたLike-T3です。この車体に虎竹をどうしていったら良いものか...正直言うて「これ」というものは全く見えて来ませんでした。今回も確かな何かがあった訳ではありませんけんど、繊維強化プラスチック(FRP)のボディのないフレームの車を見せてもらいますと、今まで想像することも難しかった竹の造作やイメージがほんの少しだけでも見えてきたのは大きな収穫やったと思うちょります。


光岡自動車Like-T3車体


繊維強化プラスチック(FRP)と言うと、父親が虎竹の里のすぐ前の海に船外機付きの小型船で釣りに行きよりましたが、その船体を思い出します。糸のような繊維質がプラスチックの中に混ぜ込まれているため軽いのに非常に強度がある素材なのです。車のボディにまで使われるとは知りませんでしたけんど、厚みをつけることによって鉄板等と同じ強さがあるとの事ぞね。ところが今回は竹の強さや、しなやかさ、軽さなどが、鉄板やFRPにも負けない素材であることを広く知っていただきたいための竹ボディ。この車体が、一体どのような竹で形作られるのか?今はまだ、おぼろげに想像するしかないのです。


光岡自動車Like-T3


古来、日本人は竹と共に暮らしてきたと言うても過言ではないがです。毎日の生活には身近で加工性の高い竹が必要不可欠な素材として、ありとあらゆるものが竹で作られちょりました。それなら、車はどうやろうか?車の印象を大きく決めるフロント部分、ヘッドライト、サイドミラーなどは、どうやろうか?公道を走る自動車としての機能、安全性を確保した上で、竹で出来る事は妥協なく全て挑戦したいと思っています。そして、まさに、この挑戦こそ竹虎からのメッセージとなるはずなのです。


光岡自動車Like-T3

光岡自動車「オロチ」


さて、11月になりましたぜよ。皆様の多大なるご支援のお陰で日本唯一の虎竹自動車プロジェクトがスタートしたのが先月10月6日ですので、早くも1ヶ月近くが経とうとしています。お陰様で新聞やテレビなどでも放映いただいて、華々しくスタートしたかの様に見えていますものの、その実、竹虎121年の歴史の中でも、自動車などは創った事などは当然ありませんので一言で言うたら難航しちょりますぜよ。けんど、やった事がないので難しく考える方と、反対に簡単に思ってしまう方がいるのですが、自分の場合は、やった事がないので実は割と簡単にも考えちょりました。


ところが...。


やっぱり、と言うか当然と言いますか、実際スタートしてみてデザインを考えるだけでも暗中模索。何枚かの簡単なイラストは描いてもらったりしたものの、それを、どうやって竹の特性で活かしていくのか?さらに日本唯一の虎竹の良さを最大限に発揮した作りには、どうしたら良いか?日本中の皆様にお伝えしたい、表現したい事は、一つしかありませんけんど、公道を走る自動車において、これを形にするのは至難の業!?まっこと、思うたより10倍は大変ぜよ!!!


光岡自動車


けんど、だからこそ取り組みがいがあると言うものですろう。困った時には現場に行く、これが鉄則かと思いよりますが、足が向いたのは今度の自動車のベースとなるLike-T3(ライクティースリー) を製造する光岡自動車さんぞね。こちらの会社様は、本当にユニークな車作りを昔からされよります。有名な所では「オロチ」をご存じでしょうか?まるでスーパーカーのような超個性的なスタイル、こちらの独創的で自由なモノ作りの思想が素晴らしい一台となって堂々と体現されちゅうように思います。何を隠そう自分も若い頃に、このようなスーパーカーではないのですが、自分にも何とか手の届きそうな光岡自動車さんの車を購入したいと考えた事がありパンフレットまで取り寄せちょりました。実は今回、そんな遠い昔の縁を思いながらの日本唯一の虎竹自動車プロジェクトですが、こちらの会社のある富山県にまでお伺いさせていただいたがです。


光岡自動車車体加工


北陸の空は、あまり晴れる事がないとも聞いちょりますが、この日は素晴らしい快晴!数十年前に憧れた車の製造現場を訪れる自分を歓迎してくれちゅうようでしたぞね。Like-T3(ライクティースリー) の担当の方はお一人で開発から製造までされています。電気自動社で二人乗りのものは、現在のところLike-T3しかありませんでしたので元々選択肢はなかったがですが、お一人で愛情をもってコツコツ作りあげる車と聞いた時に、今回のプロジェクトのベース車とさせて頂きたいと自分の心の中では即決しちょりました。


光岡自動車Like-T3


現場でLike-T3を囲んで色々と打ち合わせの時間を頂きましたが、やはり担当の方からは、この車への愛着を感じます。もっともっと、この車が普及して多くの方に喜んでもらえたら良いのに...、そんな思いが静かに、けんどヒシヒシと伝わってくるのです。だから今回の竹虎の取り組みで光岡自動車さんのこのLike-T3にも注目が集まり、活用の機会が増えるように大いにPRできたらと思うちょります。排気ガスの出ない、音の静かな電気自動車でしかも乗り降りしやすい小回りの効く特性は、狭い路地での配達業務での活用や、坂道の多い観光地巡りなど、活躍できる場は多いように思います。20数年前にパンフレットを片手に、一体どんな会社なのだろうか?どんな所で作られているのだろうか?と憧れを抱いて思いをはせた、まさにその場所に一人立って思うのです。