ネズミは捕らない、ニオイを取る竹炭黒猫ちゃん

消臭竹炭猫


気持良さそうに背伸びをしている黒猫ちゃんが一匹、あたかも本物と見間違えそうですけれど、これが竹炭塗料で仕上げた作り物なのです。だからネズミは捕らない、ニオイを取る竹炭黒猫ちゃんです。


竹炭ペットボトル用


竹炭は備長炭に比べて数倍の消臭力があることが知られていて今やすっかり生活の中に定着した感があって嬉しく思っています。原料となる孟宗竹が現在の日本ではほとんど利用される事がなく本当にもったいなく感じているからなのです。


竹炭ペットボトル用


竹虎でも袖垣や庭垣の製造が盛んな頃には毎月のようにトラックに満載された孟宗竹を使っていたものです。高知では竹籠など編組細工に使う職人さんもいますが極々少数派、だからこのペットボトル用を竹炭マドラーとしてご提案し、少しづつご愛顧いただけるようになってきました。


竹炭アイマスク


竹炭マドラー用の竹炭は細く割ってから焼き上げますので手間がかかりますけれどこのだけ幅広い竹炭を焼くの実は大変な技術が必要です。竹が炭になる過程で窯内は1000度もの高温になり素材の竹がねじれたり、ヒビ割れたり、このように銀色に輝く美しい色合いに出来あがるのはごく一部だけの事もあります。


大きく綺麗に焼き上がったものだけを竹炭皿として販売しています、竹炭製品がこれだけ沢山あってもお皿などあまり見かけないのは焼き上げる技術がそれだけ難しいからなのです。


消臭用竹炭


何も竹炭黒猫ちゃんで無くとも低温で焼いた消臭力の強い竹炭をこうして車の中で使っている方もいます。細かい粉が落ちる場合がありますから不織布の袋などに入れておげはもっと良いかも知れません。


孟宗竹


孟宗竹は中国から渡って来て日本人の暮らしを助け、大いに役立ってきた愛すべき竹材です。江戸時代には武家の庭に植えられてステータスシンボルになっていた竹、大きく生命力も強いため里山で広がりすぎるなど耳にする事もあるものの活用方法によっては再び注目される存在となれるのです。


続・お昼ご飯が100倍美味しくなる弁当箱出来ました!

白竹風呂敷セカンドバッグ


昨日の30年ブログで白くないのに「白竹」と言っている理由がお分かりいただけましたでしょうか?元々は真っ白い竹が20年使っていると、このような飴色に変色してくるのです!


白竹風呂敷セカンドバッグ


実は今回のこの弁当箱復刻にも紆余曲折ありましたけれど、まあそれはさておき編み上がったばかりの白竹弁当の時にはこれでもコンビニで買った弁当であっても10倍は美味しい!心持が全く違います。


ですが、やはりまだ若い感じは否めません。100倍美味しくするには是非20年、30年と使い込んで修理もしながら飴色になった弁当箱でいただきたいものです。


白竹風呂敷セカンドバッグ


先ほどから「弁当箱」と連呼していますが、実は弁当箱以外でも皆様のアイデアで使い方は広がりそうですので正式には白竹風呂敷セカンドバッグと命名しています。


しかし、どうやって使うの?


よくぞ聞いてくれました(笑)この動画をご覧いただければユニークなセカンドバッグの使い方と魅力が更にお分かりいだたけるのではないかと思っています。




お昼ご飯が100倍美味しくなる弁当箱出来ました!

白竹風呂敷セカンドバッグ、弁当箱


世の中には色々なお弁当箱があると思いますが、自分が20年来持っているこのような竹製弁当箱は見た事ないのではありませんか!?まるで風呂敷で包むような形に見えますので、ずっと風呂敷弁当箱と呼んでいました。


虎竹伐採


虎竹の里はちょうど今は竹伐採の季節でもあり山に入る機会も多くなりました。青く晴れ渡った空、キリリッと冷え込む朝、そんな時には近くに卵焼きが美味しいと評判のお弁当屋さんがあるのでお昼を買うのです。パックに入ったオニギリ二個、卵焼、お新香が定番で、もちろんそまま頂いても美味しいです。しかし、この白竹製風呂敷弁当箱に入れると、あら不思議!10倍...いやいや100倍も美味しくなってしまうのです。


えっ?白竹だって...?
その弁当箱?全然白くないやん。


そんな疑問を持たれた方もいるかも知れません。この動画をご覧いただけば問題一発解決です!




何故か目を引く竹照明

竹籠照明、竹ライト


フラリと入った店に吊るされていた竹籠照明は簡素な作りではあるが目を引く。竹ヒゴ、四隅に縦に入れられた力竹、口巻のあしらい等いつか農家の納屋で見かけた籠に良く似ている。


竹籠


あれは職人さんの仕事場にお伺いした時だ、納屋には古い箕や面白い竹の道具があるものだか入口の片隅に置かれていた芋籠として使われていた籠と同じ作りだ。


納屋の竹籠


プラスチックや金属製のものに多くが代替えされたとは言え、まだまだ田舎には現役で頑張る働く竹籠があって嬉しくなる。


鳥籠


メジロや鶯を自宅で飼うことがなくなって、自分の小さい頃なら地域に一人や二人はいた竹籠作りの職人はいなくなり竹製の鳥籠もすっかり姿を消した...ところが、これはどんな鳥が飼われていた籠だろう?縦長の籠がかけられていたりする。


飯籠


天気の良い日には庭先で伸びの良い真竹を割って足付きの飯籠にちょうどの竹籠を編むお年寄りがいる。


染め竹入籠


染め付けた竹にしてはどうもツヤがあって、まるで本物の煤竹のようだ。聞けば製作してから数十年もたっているとの事、時の流れで味が出た染竹で飾られた小籠が鎮座する。此処では、まだまだ竹が健在のようだ。


新しい御用籠が出来ました。

御用籠


職人さんが編むことができなくなった籠の一つに御用籠があります。少しの年配の方でしたら昔よく走っているのを見かけていたホンダ・カブや自転車の荷台に太くて真っ黒いゴムで縛りつけていたのを覚えておられるのではないでしょうか?丈夫な荷物入れとして多くの方に愛されてきた四角い竹籠が御用籠でした。


御用籠力竹


丈夫さの秘密が縦横に何本も入っていた骨太い竹ヒゴです。重たい荷物を入れて少しくらい乱暴に使っても平気なくらい、これでもかっ!というほどの力竹でした。今回新しく製作した新御用籠も昔ながらの作りとまではいかないものの出来るだけ堅牢に仕上げていますので野菜籠等としてお使いいただけます。


真竹


竹はちょうど伐採の時期を迎えていて御用籠の材料でもある真竹で編まれる籠やザルも少しづつ出来あがりつつあります。せっかく生えてくる竹です、虎竹の里の竹だけではなく真竹も活かせるものは100%活かしていきたいというのが自分の気持ちです。


御用かご、野菜籠


出来なくなった籠もあれば、新しく出来るようになった籠もあってこうやって竹文化は繋がっていくのだと思います。足技の凄い職人が真竹で竹ざるをスピーディーに編んでいます、まるで手が四本あるかのような達人技。このような技術はこれから先は少なくなっていくのかも知れません。




京銘竹品評会2019

染め亀甲竹


何ともシビレてしまう形、太さ、ねじれ、色艶。亀の甲羅のように見える事から亀甲竹と呼ばれるです。節のラインが一本なので元々は孟宗竹ですが独特の風貌がそのまま固定化されて面白い竹になりました、この竹は更に染めて他にはない圧倒的な存在感を放っています。


京銘竹品評会


京都で毎年開催されている銘竹品評会には、ここでしから見られない竹が集まっているので楽しみにしていました。


図面竹


日曜日の朝のテレビ番組「サンデーモーニング」で出演者の後ろに活けられている竹を虎竹ではないか?とお問合せを何度かいただいた事がありますけれど実はあの竹は少し似てはいますがこの図面竹という竹です。


ゴマ竹


図面竹にせよ、このゴマ竹にせよ自然にできたものではなく自然の力を借りながら京都の竹林で職人が創り上げた竹なのです。それにしてもこの図面の角竹のゴマの付きようなで素晴らしいの一言です。


紋竹


又これも虎竹に似てなくもありませんが紋竹という模様のついた銘竹。


紋竹


近づいてみると紋々になった模様は花弁のようにも見えます。


京銘竹品評会


白竹


しかし、京都の竹といえば白竹につきます。晒竹とも呼ばれて油抜きをした後、太陽の下で日の光に晒すことによって白く輝く竹になっていくのです。


京都白竹


熱湯で油抜きをした竹もありますが美しいのは火抜きしたもの、一目で違いが分かる輝きは時間が経つにつれて飴色に成長していくのです。


数珠玉白竹


「根上り」と職人が言う本来は根っこになる部分が地面から伸び上がり竹になるものがあって、見てのとおり数珠が並んでいるような数珠玉と言う竹ができる事があります。このような竹を伐採することもないので京都以外で見る機会のない銘竹です。


白竹


茶華道の本場だけあって竹へのこだわりが尋常でない土地柄です。樋(ひ)ともミゾとも言うへこみの走る竹も珍重されているようで竹文化の奥深さを感じます。


足裏のオアシス、青竹踏みの使い方動画

青竹踏み


先月、東京のイベントには青竹踏みを持参していました。誰でも知っていると思っている身近な竹製品でも今の若い方でご存じない方が想像以上に多いようでなのです、そこでその場ですぐにフミフミ試してもらって竹の良さを体感いただこうと思ったのでした。


インスパイア、谷中修吾さん


イベントとは渋谷ヒカリエで開催されていました「インスパイア2019」。代表の谷中修吾さんも当日はステージで会場で立ちっぱなしのようでした、青竹踏みはそんなお忙しい皆さんの足の疲れを癒すオアシスのようなものです(笑)。


青竹踏み


会場では沢山の方に靴を脱いで足裏にイタ気持ちのいい竹ならではの心地良さを体感いただき大好評でした。


虎竹の里日本晴れ


この季節、虎竹の里は毎日気持ちのよい青空が広がっていて、ともすれば日中は汗をかくほどサンサンと太陽が照り付ています。


竹踏み


絶好の天日干しの中、乾燥させてお客様のところに運ばれていく青竹踏みたち。使い方の決定版は既に1万5000回を超える再生回数のYouTubeの動画でアップしていますので是非参考にされてみてください。




リニューアル!これからの季節大活躍する鬼おろし

鬼おろし


竹はどこまでも面白い素材で縦に割って細いヒゴにすると非常に柔軟でしなやかな性質となりますが、その反面肉厚のまま使うと普通の木材などより遥かに高い硬度を持ちます。身近な例が爪楊枝で木材をつかったものは先端がすぐに折れたり、ひしゃげたりするにの対して竹爪楊枝の先端はかなり強めに扱ったとしてもシャープな先部分を保ったままなのです。


そんな性質を活かして大根おろしが作られています。まるで鬼歯のように見えることから鬼おろしと言いますけれどこの竹歯から摩り下ろされる大根はシャキシャキ感満点で全く水っぽくありません。一度体験するとこの鬼おろし以外では食することができなくなるほどなのです。


鬼おろし、大根おろし


ところが、この鬼おろしが今年は特にひどい虫害にあっていました。孟宗竹は身が厚くて食べやすいのでしょうか、タケトラカミキリもチビタケナガシンクイムシも大好きなのです、素材のうちに穴をあけてくれれば、その竹を使わなけば良いのでまだ助かります。(それでも竹材を山から伐り出して運んできた労力は報われません)


しかし、鬼おろしに完成された製品になってから虫が喰うので本当にお手上げ状態です。一体どれくらい無駄になった事か分かりません、そこで本格的な鍋シーズンを前に鬼おろしを完全リニューアルすることにしたのです。


鬼おろし、大根おろし


今までの白っぽい鬼おろしに比べて色が薄茶色になっていますが、これは熱と圧力をかけて炭化加工しています。加熱処理なので安全に防虫だけでなくカビに対しても高い効果がある方法です。鬼歯の部分が少し色が違うように思えた方は素晴らしいです!実は少し薄めにしている鬼歯部分は加熱することにより強度が落ちてしまうので炭化加工していません。


孟宗竹


先日の30年ブログでもお話しさせていただきましたように、竹の虫が今まで入らなかった竹材にも入るようになり竹の管理がますます難しくなっています。温暖化で虎竹の色づきが良くないとは何とも申し上げていますが気候変化はそれに留まらず、もしかしたらこれからも様々な影響があるやも知れません。


先週は荒れ放題になった放置竹林を見ました、うっそうとしたジャングルのような山からはやはり良質の竹は出てきません。山の職人の高齢化で伐採自体も昔のようなキメの細かい対応はできかねている所も大きな課題です。寒くなってきて食害は一段落したものの竹と皆様の暮らしを繋ぐ自分たちの挑戦は終わる事はありません。




命には終わりあり、竹には果てあるべからず

竹四ツ目編み


いつも竹虎四代目の30年ブログをご覧いただいてる皆様はご存知ですが、初めての方がおられたら「エビラ」と聞いて思い出すのは東宝映画『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』に登場する怪獣です(笑)あ、もちろんある程度のご年配の方々に限るかも知れませんが。


四ツ目編みざる


エビラは昔から農家さんでは重宝されてきた竹編み平籠、通常は竹ヒゴの目のつんだ網代編みタイプしかありませんでした。ふと思い立って四ツ目編みタイプも復刻しましたけれど、しばらく製作することのなかった四ツ目編みざるも作ってみようかと思っています。


茶碗籠


ところで「歌は世につれ...」などと言われます。実は竹も世につれ、人につれなのです。大家族だったころの茶碗籠や飯籠は一抱えもあるほどの大きさでしたが、今では家族の人数も随分少なくなってきました。ひとり暮らしの方も多いと聞いてお一人様椀籠という小さなサイズを製作してお陰様で好評をいただいております。


かるい、背負い籠


この小さな籠は何かお分かりでしょうか?独特の形と編み方のかるいと呼ばれる背負い籠です。横からみると底の方が狭くなる逆三角形になっていて最初は不思議に思いますけれど急峻な斜面に置いてそのまま背負うことが出来るという先人の知恵の詰まった素晴らしい籠なのです。


これも椀籠同様に小さくしたのか?


いえいえ(笑)さすがにこれでは背負う事もできません。こんな逸品でも需要が少なくなる中で室内使いできるように編み方、形そのままに小さくした「かるい」です。自分達にも覚えがあります、今までの技術を活かして何とか現代に必要とされる品を作りたい、そんな苦悩の思いが籠になっています。しかし、それにしても良い出来栄えです。できることならもう一度、名人飯干五男さんの工房で一日座ってみたいと思うのです。




国産竹ざる、万歳

竹ざる


編み上がったばかりの竹ざるは、まだ瑞々しさが残っていて青竹の香りが漂っています。今日は気持ちのよい日本晴れなので竹ざるたちをズラリとならべて天日干し、昔なら当たり前の光景ですが現代にこれだけ沢山の数が揃っているのを見ることは日本広しと言えどもそうある事ではありません。しかも、これでまだ半分。


竹網代


西日本の竹ざるの多くはゴザ目編みか、この国産竹ざるのような網代編みが多いのですが高知では網代編みの竹ざるを「サツマ」と呼びます。竹の技術者の多かった土佐と日本一の竹林面積を持つ薩摩とは昔から人の交流が盛んだった事が最近分かってきました。職人の行き来がある中で、当然技術交流もあったろうと想像できますので網代編みの竹ざるは鹿児島から伝わったものであり呼び名も「サツマ」となっていると思います。


竹ざる製造、サツマ


大きな干しざるは農家でも大変重宝されてきましたけれど網代編みはこの大きなざるには適していますので多くの職人が作る事になり竹ざるの代名詞として「サツマ」の名前も定着したのです。




松竹梅、竹重箱で寿ぎのお節料理

お節料理、重箱


「松竹梅」と言われ古来日本では竹は縁起の良い植物であり、その真っすぐ伸びる姿からも一年の節目にこそふさわしいと思っています。そんな竹で作られた重箱に入れられたお節料理で、まさに日本の大きなひとつの節目である2020年をスタートさせるのが良いのではないでしょうか。


お節料理、重箱、弁当箱、ランチボックス


二段になった竹製重箱には井型仕切りがひとつ付いています。


青竹酒器、青竹盃


若竹を伐ったばかりの清々しい香りを楽しめる青竹酒器や青竹盃があれば気持ちはお正月。


お節料理、重箱、弁当箱、ランチボックス


竹製二段重箱には十文字仕切りタイプも用意されています。


お節料理、重箱、弁当箱、ランチボックス


お節も良いですし、行楽シーズンにもご愛用いただけます。


重箱、ランチボックス、お節、お弁当箱


これから寒い季節に向かいますが、木版画家倉富敏之先生の版画からいただいた網代編み模様を模った竹虎オリジナル風呂敷に包めばみんなでランチタイムを屋外で楽しめます。


虎竹箸


そして最後は漆で仕上げた虎竹箸、虎は千里を駆ける覇気のある動物として知られます。その虎模様をまとう日本唯一のお箸で新年への橋(箸)渡しです。


ミステリーサークル!?別注の虎竹ミニトング

別注虎竹ミニトング


こうして並べると一体何だうろか?と思ってしまいますけれど実は先日別注で作らせて頂いた虎竹ミニトングです。こうして並べてみるとちょうど丸いサークスができるくらいの数がありました。


虎竹ミニトング


21.5センチある長いサイズのトングに比べて3分の1の7センチと小さくとのご注文でした。製作がかえって大変なくらいのサイズでずか、お漬物や紅ショウガを摘まんだり、薬味を入れるのに使ったりするには良いようです。


虎竹ミニトング


何はともあれ小さくとも沢山の虎竹トングがそれぞれの場所で使われて食卓に彩りを添えているのではにないかと想像するのは嬉しい事なのです。


竹炭シャンプーの使い方、石鹸シャンプーの洗い心地をご覧ください。

竹炭シャンプー、竹炭リンス


竹炭の消臭力や吸着力が注目されている中、肌にやさしく自然環境にも配慮した竹炭シャンプー、リンスを作ることにしました。自分の場合は髪の毛も短いですし元々竹炭石鹸で頭からつま先まで洗ってすませていましたので竹炭シャンプーの使い心地にも大満足していました。


竹炭シャンプー、竹炭リンス


そこで竹炭シャンプーを女性社員に配って使ってもらったことがあるのです。きっと竹炭パワーに皆が喜んでくれるとばかり思っていました...ところがっ!


竹炭シャンプー、竹炭リンス


そもそも合成界面活性剤の入ったシャンプーを使っている社員が大多数でしたので特に髪の毛の長い方、カラーリングをして髪の毛が痛みがちになっている方など散々でした。キシミがあるし手櫛がとおらず泡立ちも悪く二度と使いたくないとまで言われました。


確かに市販されているシャンプーとは使い心地は違いますが石鹸シャンプーには他にはない良さがあり洗い心地があるのです。虎竹の里竹炭シャンプー、リンスを愛用する竹虎社員が対談形式で魅力を語ります。




続・近年の竹と害虫

 
食害、タケトラカミキリ


先日から何度かこの30年ブログでも話題となっている気候変動による自然界の変化。虎竹の色付きは数年前から感じていた事なのですが今年一番多く見られた竹の変化の一つに竹の虫による食害がありました。


この真竹に開いた大きな穴はタケトラカミキリという虫によるものです、表皮だけを残して竹の中身を食い荒らしてしまうので最悪の場合には手で軽くつまんだだけでボロボロと竹が崩れてしまうほど。同じ仲間で姿形はそっくりなベニカミキリという赤い虫もいて対処には例年対処には苦労しているのです。


チビタケナガシンクイムシの食害


久しぶりに箱を開けて覗いてみた竹簾には普通には見られない粉のような物が落ちていますけれど、これがチビタケナガシンクイムシの仕業。


チビタケナガシンクイムシの食害


3ミリ程度の小さな虫なので、このように竹粉が落ちてきてはじめて食害に気づきます。


チビタケナガシンクイムシの食害


孟宗竹、真竹、淡竹など竹の種類に関係なく食害にあいますけれど放っておくと薄い竹ヒゴなど切れてしまいそうになるくらいの旺盛な食欲なのです。


熱湯と竹籠


気づいた時にすぐに熱湯をかける、竹の様子を見ながら浸けこむなどして食害を止めます。一度では食害が止まらないことも多く何度か粘り強くやらねばなりません。


竹の害虫


光に透けてみると、こんな甚大な被害の事もあるのです。こうなると強度も落ちてしまい安心してお使いいただく事はできません。自分たちは竹がこのような食害にあわないようできるだけの管理をしていますがどれも100%ではないのが現状です。


もちろん薬剤などは自分自身が大嫌いなので使用しませんが、どうかすると建材等で防虫加工されたものでも食害がある場合もあるのです。あまり竹の虫について語られることはないものの、これも竹の自然の姿です。古来こうして竹と日本人は寄り添いながら暮らしてきた事を竹製品をご愛用いただく皆様にはご理解いただきたいと考えています。


竹林


そして近年の気候変動による食害の変化には注意深く見ていくものの原因は環境条件だけではなく山の荒廃であったり職人の高齢化であったりと自分達自身の問題でもあるように感じています。


「NO BAMBOO NO LIFE」、竹のない生活はありません。これから竹のある暮らしをご提案していく中で、ご愛用いただく皆様に竹を知ってもらう事がますます大切になってきました。


カムバック、竹皮草履職人

 
国産竹皮草履編み


80歳を過ぎた職人が又仕事がしたいと竹皮草履の現場に帰ってきました。以前のように手早く編むことはでませんが自分のペースでゆっくりと身体と相談しながらコツコツと丁寧に仕上げる手さばきは相変わらずです。


国産の竹皮はほとんどが有効活用される事なく竹林で朽ちていることを思えば本当に貴重な竹皮草履の製造。稲刈りの後に干した藁を縄にない竹皮を編み込むいつもの光景、竹は何を隠そうイネ科の植物なので相性の良いのは間違いないのです。




竹虎の竹皮草履は下駄やスリッパに加工する場合にも型にはめて形を整えるような製法ではありません、竹皮の履き心地を優先させて裏面の毛羽立ちを抑える程度にしています。


国産竹皮草履


だから特に下駄のように台の形が決まっているものに竹皮編みをあわせる場合には手編みの正確さが要求されるので竹皮職人の中でも熟練のごく一部の編み手しか作ることができないのです。


国産竹皮草履ならではの編み込み


竹皮の均等な編み込みは長年仕事をしてきた職人の証です。


竹皮下駄


何気なくご愛用いただく竹虎の竹皮下駄は、こうして桐材の台にピッタリの竹皮編みができる熟練職人の技があってこそなのです。


虎竹の里「社歌」コンテスト

虎竹の里


「虎竹の里」と聞くと山のイメージがあるかと思いますけれど実は虎竹の成育する山々は高知の太平洋に面した地域にあります。他の場所に移植しても虎柄の模様が着かない不思議な竹の秘密の一つに、この海からの潮風が影響しているのではないかとも考えられていますので虎竹は海と山との共同の産物とも言えるのです。


虎竹の里、竹虎四代目(山岸義浩)


伐採の時期を迎えた竹林では忙しく職人たちが働きます。竹屋は昔から「夏痩せ」ならぬ「冬痩せ」、一年分の竹を仕入れるシーズンなのです。




さて、そんな竹虎にはテーマソングというものがあります。高知県土佐市のシンガーソングライター江口美香さんが来社されて初めて日本唯一の虎竹を知り、自分たちの事をお話しさせていただく中で制作いただいたものです。


まっすぐ」と名付けられた曲の録音が行われたのは何と竹虎工場内、コーラス部分には全社員が参加して歌っていますが立ち並ぶ虎竹たちにも歌に加わってくれているかのように感じていました。




あまり馴染みはないものの「社歌」というものがあって、校歌と同じようなものだと思います。社歌とテーマソングは微妙に違う気もしつつ、今年も社歌コンテストに竹虎ノミネートいただいております。ワンクリックで投票いただけますので是非応援何卒よろしくお願いいたします(笑)。

新登場の白竹蓋付き脱衣籠について

蓋付き脱衣籠


あまり見なくなったせいかハッと目にとまる四ツ目編み蓋付きの脱衣籠が新登場しました。近年、白竹の質も思わしくない中でよくこれだけ程度の揃った竹材を使って編み上げているなと言うのが第一印象です。


白竹蓋付き脱衣籠


衣装籠


美しい編み込み。軽くて手触りがやさしく、しなりがあって丈夫という竹ならではの使い心地のよさ。蓋付きでこれだけのサイズでありながら扱いも簡単です。


衣装籠


角物の竹籠で傷みやすい角の四隅はしっかりと籐巻で補強されています。


蓋付き脱衣籠


通気性のよい脱衣籠としてだけでなくお使いの方次第で色々と活用できる竹籠です。見た目にも清々しく涼しげ、季節はずれではありますが竹虎は竹しかありませんのでご容赦ください(笑)、しかし生活様式も大きく変わってきましたので白竹でも今は一年通してご愛用いただいています。


角脱衣カゴ


角物の脱衣籠といいますと今年のはじめから夏にかけて大量に用意させてもらった磨き衣装籠を思い出します。これだけの数を製作する事はなくなりましたので、この写真だけ見ていると昭和初期か?とさえ思ってしまうそうです。新登場した白竹蓋付き脱衣籠は当然沢山作る事はできません、ひとつ、ふたつお使いいただける方にお届けできればと思っています。


「DESIGNART TOKYO」山本滋己さんの木×虎竹

「DESIGNART TOKYO」山本滋己さん作品


「DESIGNART TOKYO」というアートイベントが開催されていてそのメイン会場であるワールド北青山ビルの一階フロアに山本滋己さんの木と虎竹を組み合わせた作品が展示されていました。


「DESIGNART TOKYO」山本滋己さん作品


丸い穴を開けた木材と竹材の組み合わせた作品はアートでもあり家具でもあるそう。


1「DESIGNART TOKYO」山本滋己さん作品


こうして見ると竹笛のようでもあります。


「DESIGNART TOKYO」山本滋己さん作品


作品に虎竹を選んでいただいて光栄に思っています、ベルリン在住の山本さんが母国での展示会に竹を取り入れたのは日本人の血でしょうか。近未来的でもあり、自然素材の温もりと懐かしさも感じる作品は丸竹をそのままに使っているので割れを心配しましたが本人はあまり気にした様子もありません。


山本滋己、竹虎四代目(山岸義浩)


きっと、もっと遠くを見ているのだと感じました。


続・竹虎カレンダー2020

竹虎カレンダー2020


今年も恒例の竹虎カレンダーができあがりました。本店にご来店された皆様やインターネットでお買い物いただきましたお客様のお荷物に同梱させていただいております。例年、見開きページには一年を代表するような事柄を取り上げて掲載させてもらっていますが2019年は何といいましても創業125周年で取り組みましたボックスカートレース用の虎竹車REIWA-125号の製作とスペインはビトリアでのレースだったと思います。


竹虎カレンダー2020


そして、その後の東京よみうりランド特設会場で開催されたレッドブルさん主催レースでは日本全国から集まった強豪59チームの中から準優勝という信じられないような結果となりました。まだまだ年内にやらねばならない事もありますものの、こうして振り返りますと今年も皆様からの大きな応援をいただいた一年ではなかったかと思っています。


竹虎カレンダー2020


竹虎カレンダー2020


塩月寿籃、竹虎カレンダー2020


虎竹アーマー姿の竹虎四代目が「東京オリンピックもエイけんど竹の世界で金メダルを掴むぜよ!」と嘯いています(笑)気が早いですが、そんな心構えで来年は頑張ります、何卒よろしくお願いいたします。


自然豊かな国、日本のマタタビ蕎麦ざる

マタタビそばざる


マタダビという秀逸な素材を探し出した先人の英知は素晴らしいものです。9月末からちょうど今頃までが伐採の季節ですが黒っぽい小枝のようなマタタビの表皮を剥ぐと雪のように白い木肌が現れます。


マタタビ蕎麦ざる底編み


4本から6本程度に割って幅を揃えたヒゴは編組に適した粘りとしなりがあり、網代底もこのように綺麗なマタタビ蕎麦ざるに編み上げることができるのです。


マタタビそばざる


笊の裏側からみた編み目模様も美しく、これがあの黒っぽい小枝だったかと思うと不思議です。


マタタビ籠


マタタビは水にも強く、手触りがよく、そして軽いことから扱いが容易で台所用品として重宝されてきました。特に水分を含むと目がつんで小さな米粒も編み目に挟まなくなりますので米研ぎザルには最高といえます。


マタタビザル


更に使っているうちに真っ白な色合いが段々と飴色に変化していくのも竹と同じように魅力のひとつです。実はひとつだけ飴色に変わりつつあるマタタビの弁当箱を持っていますが、蓋をとると日頃は重なっている部分だけがまだ白いまま残っていて変色の具合を知るバロメーターとなっています。


日本はこのように自然に恵まれ、伝統ある豊かな国だと言う事を蕎麦ざる一枚から知ることができます。


布袋竹の遍路杖

布袋竹、遍路杖


布袋竹は布袋様のお腹のようなふくらみがある事が名前がついています。この特有の繊維のねじれ、ふくらみの面白さはグリップに最適なので釣竿にも多用されますし、お洒落なステッキにもなりますので四国お遍路さんが使う遍路杖としても好評です。


布袋竹、遍路杖


それにしても布袋竹と一口にいいますが一本として同じ表情のものはなく、それぞれがオンリーワン、虎竹の色付きと同じです。




この700度のガスバーナーで一気に油抜き加工をします。


油抜きの竹材


油抜きの加工をすると切り口からこれだけの水分が噴き出してきます、竹は糖質の多い植物ですので糖分を含んだ油成分。中国では淡竹から取るこの液体を竹瀝(ちくれき)と呼んで喘息や肺炎の民間薬としています。


布袋竹、遍路杖


さて、この油分をウエスで拭き上げるとこの光沢なのです。何か透明な塗料を使っているのかと、お客様から聞かれる事もあるくらいですけれどもちろん何もしません。自然の竹の持つ力と魅力を引き出すお手伝い程度しか人の出来ることはないのです。


布袋竹、遍路杖


居合のつもりでしょうか?このような使い方は厳禁です(笑)。


特注の竹簾で漉く土佐和紙は...?

特注竹簾


別誂えで色々なサイズの竹簾をご用命いただく事がありますけれど、これだけ長いものはあまりありません。しかも今回はこの竹簾で和紙を漉くと言います、和紙職人さんの方も初めての仕事なので竹簾作りも手探りです。和紙漉きに最適であろう一枚が完成したところなのです。


竹和紙繊維


竹虎では虎竹繊維を使った和紙を土佐和紙職人さんにお願いして漉いてもらっています。ドロドロの繊維質になった材料が手漉きされる様子をご覧になった事はありますでしょうか?




このようにして和紙漉きをする際、今回の動画では使っていませんでしたが水切り部分に使われるのが竹簾なのです。


和紙漉き


どんな風合いの和紙が漉きあがるのでしょうか、漉きあがった土佐和紙は東京の某ホテルさんの壁をすべて飾ると言います。和紙風壁材ではありません、本物の手漉き和紙で作られる空間というのはどんなに温もりがるのか今から楽しみにしています。


近年の竹と害虫

竹林


今も台風による大きな爪痕が残されている日本では気候変動による災害がテレビニュースでも取り上げられています。これからは海面の温度が高くなることによる台風の大型化も心配です。温暖化によって自然界の生態系も少しづつ変化が見られるようになり南方系動植物の北限が年々北に上がっているという専門家の話も聞きました。


チビタケナガシンクイムシ


そんな事も影響しているのか近年、竹材が虫に食われる事が非常に多くなりました。この小さな穴はチビタケナガシンクイムシの食害にあったあとです、このような穴が沢山開いて最悪の場合には竹材の強度もなくなってしまいます。今までこんなに虫が入る事は無かったのに...と職人は口々にいいます、ずっと昔から同じように管理してきた竹たちです。ゆっくりとではありますけれど変化しつつある大きな自然の流れを感じずにいられません。


荒れた竹林


山の職人の減少によって荒れてしまう竹林が多くなっている事も一因だと思います。竹が成長が早く素晴らしい素材であって、これからの未来に向けてもっともっと活用されるべきものだと言うことは常々申し上げている通りです。しかし、竹の三悪「割れ」「カビ」「虫」を忘れてはなりません。昨日は丈割竹(壁竹、木舞竹)のお話しをさせてもらいました、実は昔から「竹の旬は壁竹職人に聞け」と古老の内職さんが話していた事を思い出します。


竹四ツ目編み


つまり壁竹は長く使う住宅の壁材として使われる非常に大事な部材です。虫害にあうような事があってはなりません、特に武家社会だった頃の竹材管理の不備は切腹ものだったそうですから命がけで竹林を観察し読み切っていたのではないでしょうか。


虎竹伐採


竹虎では竹伐採の期間などについてルールを厳守するだけでなく虎竹以外の竹素材についてもこれから出来うる対策をしていかねばならないと考えています。


竹四ツ目編みエビラ完成

竹四ツ目編み


エビラ籠とは元々は養蚕農家が蚕棚として使っていた竹編みの平籠の事で、最盛期には今では考えられないくらいの数が使われていました。近くの河原に運んで洗っている様子を何かで見た覚えがありますが、小山のようなエビラの量に驚きました。だから蚕を飼わなくなった現在でも近所の農家さんに行けば必ず一枚や二枚は見つかるものです。


民族資料館の四ツ目エビラ


なので高知の歴史民俗資料館にも多数のエビラが保管されていて前々から気になっていた四ツ目編みエビラを来年に向けて復刻してみたいと思っています。四ツ目編みは網代編みに比べて更に通気性がよく梅干しや野菜干しには適しています、しかし何より古い四ツ目エビラの竹の枯れた風合いが、ずっと忘れられずにいたのです。


竹四ツ目編み


あの竹ヒゴが何度も何度も擦れて磨かれ艶のある光沢になるには一体何年愛用すればよいのだろう?そんな事思う間にすぐに四ツ目エビラは完成しました。


竹四ツ目編みエビラ


思った通りの出来映え、しかし新品の四ツ目エビラなど、もしかしたら日本にこれ一枚かも知れません(笑)。


竹四ツ目編みエビラ


竹四ツ目編みエビラ


木枠に入った青竹の四ツ目を見ると丈割を思い出します。丈割は壁竹とも木舞竹とも呼ばれている土壁の芯に使われていた竹材の事です。丈は10尺、つまり約3.03メートルの長さに割った竹の事で、竹虎では虎斑竹の中でも色付きが少なかったり、キズがあったりする二等以下の竹を使っていました。


温暖化の影響でしょうか?虎竹の色付きが今年もかなり良くありません。丈割の製造も二十年近く前には採算が合わなくなり止めています、二等以下の色付きの無い竹の加工が課題です。


東京国立近代美術館工芸館「現代の眼」

現代の眼


東京国立近代美術館工芸館にて竹工芸名品展が開催されています。ニューヨークにある有名なメトロポリタン美術館が所蔵しているアビー・コレクション、日本の美術品が海外のコレクターの目にとまって海を渡っていくという話を聞きます。竹工芸も同じように昔から欧米の方々にその真価を理解していただいていたのです。


現代の眼、竹虎四代目(山岸義浩)


ちょうど竹の旬も良くなり虎竹の里でも竹伐採の季節を迎えていますが、美術館が発行されている「現代の眼」に素材としての竹についてインタビュー記事を掲載いただきました。


現代の眼、竹虎四代目(山岸義浩)


見本誌にチケットが同封くださっていましたので、ニューヨークで感じた時と又違う感慨があるのではないかと思いお伺いしたのです。


竹工芸名品展


東京国立近代美術館工芸館は皇居のお堀を間近に見られる静かな木立をぬけた所にあって天気が良ければ散策するだけでも気持ちが良いものです。今日からの三連休にお時間あれば是非ご覧いただきたい日本の宝があります。


竹虎四代目(山岸義浩)


を知り、竹を愛し、自分の竹世界を持っている作り手には魅かれます。


洗いぞうけ、伝統の竹細工の終焉に

竹職人の工房


ボクは、ちょうどのタイミングでこの世に生まれて来させてもらった。何千年も続いてきた日本の竹文化、代々続く伝統の竹細工、その最後の瞬間に立ち会えるギリギリの時だ。


洗いぞうけ


たとえば、この洗いぞうけ。5尺3寸で編まれていた一升ぞうけより一回り小さく4尺3寸。高知で長い間作られてきた竹細工、何と孟宗竹と淡竹(はちく)で編まれた感激ものの逸品だ。


洗いそうけ


大量の注文に間に合わせるために、もう50年も前からカズラをやめて針金を使ってきた。細く取った竹ヒゴをこの地域では「ネギ」と呼ぶ、家族で営む竹細工は全国的に見ても材料作りは男の仕事だが、ここでもネギを作るのは男達、女衆は編みを担当する。


隣近所が集まって総出してのそうけ作り、材料の竹が運ばれて来た時の話が面白い。なんと一斉にくじ引き大会が始まるのだ。曲りや節間により選別された竹が一本一本並べられて上位に当たった者から好きな竹を使うことができる。素材で籠の出来映えも早さも決まるので想像するだけで職人たちの熱気が伝わってくる一大イベントだったに違いない。


竹籠、そうけ


孟宗竹の口巻は厚く強く、これだけ古くなった洗いぞうけでも抜群の存在感。この口巻の内側は「内縁」、外側は「そら縁」。


竹籠、そうけ


一般的には当縁と呼んでいるが、ここの古老たちは「ふで縁」と言っていた。どうしてふで縁なのか聞くと「ふでるから」、そんな土佐弁聞いた事もない(笑)。


竹籠、そうけ


虎竹も淡竹の仲間なので、どうしても淡竹の風合いには魅かれてしまう。現在、日本には淡竹を巧みに編み込む職人は二人しかいなくなったが、当時はこうして数十人の職人が淡竹と共に生きていたのだ。


竹籠、そうけ、米揚げざる


細い横編みの「ネギ」に対して幅広い縦編みの竹ヒゴは「タツ」。どの大きさのそうけにも籠中心部分の「タツ」には皮付が使われていて「皮タツ」と呼ばれていた。


竹籠、そうけ、米揚げざる


後の「タツ」は皮無の二番、三番、四番...と竹ヒゴが使われる。それにしても「ネギ」を近くで見ると丁寧な仕事ぶり、触ってみると指先に三角形に尖ったヒゴがしっかりと主張してくるようだ。


竹籠、そうけ、米揚げざる


3本の「皮タツ」を挟んで両側にが同じ本数だけ使われるので「タツ」の総数はいつも奇数になる。一升ぞうけには17本、この洗いぞうけには13本の「タツ」が入っている。


竹籠、そうけ、米揚げざる


ボクは、ちょうどのタイミングでこの世に生まれて来させてもらった。こんなそうけが30個一括りになって山のような竹籠達が出荷されていた時代。男達が女達が村全体で竹に向き合っていた残り香だけでも感じられるのは幸せなのだ。