虎嘯風生

 
虎嘯風生、細合喝堂老師


虎嘯風生(こしょうふうせい)と書かれた色紙は京都臨済宗龍宝山大徳寺山内龍源院住職であられた細合喝堂老師の筆によるものです。虎嘯けば風生ず(とらうそぶけばかぜしょうず)とは虎がほえれば風が吹き荒れる、英雄がひとたび立つと世の中に風雲を巻き起こす、優れた人物が時を得て活躍する様を言います。


図面角竹


虎嘯風生の色紙を飾るのは図面角竹の色紙立て、虎柄になった模様が色紙とバッチリです。図面竹を、虎竹と間違えられる事も多いですが、良くご覧いただきますと節のラインが一本線なのがお分かりいただけますでしょうか?この30年ブログ「竹虎四代目がゆく!」を長くご愛読いただいておられる方ならピンとくるかと思いますが、この竹は孟宗竹、虎竹とは違う種類の竹です。孟宗竹を京都清水銘竹店の職人技で、このような虎模様に作り出しているのです。


虎嘯風生、細合喝堂老師


来る寅年にこれほど相応しい色紙と色紙立てはありません。まさに感無量、2022年はこの虎に学びながらの一年なりそうです。


寅年の向かって

 
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いよいよ明後日には2022年を迎えますが、皆様新春の準備は整っておられますでしょうか。歳末押し迫まる中、今年は昨年とは少し違って親族、ご友人と集まる機会もあって忙しくされているのかも知れません。それにしても早いものです、干支一周前の竹虎年賀状を手に思っています。前の寅年はこんなでした、来年はどんなでしょうか?


実は、この2010年には某受賞をさせていただいた舞台挨拶で虎に扮して一曲唄わせてもらっていました。すっかり忘れていましたけど、こうして動画が残っています(笑)




そして更に2016年の竹虎新年会でも虎が復活します。声をかけても誰ひとりやろうとしない隠し芸を新春早々披露して(リハーサルまでしたのに)ドン引きされている動画もあるのです。タイトルがいいですね「ぼっち社長に贈る!ああ無情!誰もやらないので竹虎四代目が一人隠し芸の新年会2016」。


さあ、皆さん明るい寅年に向かって頑張っていきましょうっ!!!




四国の皆様!日々の暮らしを彩る四国のてしごとごよみ2022に虎竹ピクニックバスケットが掲載です

四国のてしごとごよみ2022


いよいよ年の瀬ですが皆様は来年のカレンダーの準備は済ましましたでしょうか?そう言えば竹虎の恒例の企画で今月お買い物いただいた皆様には2022年竹虎カレンダーをプレゼントさせていただいておりました。もしかしたらお届けした竹虎カレンダーを早速壁に取り付けてくださったお客様もおられるかも知れません、ありがとうございます!


四国のてしごとごよみ2022


カレンダーの替え時は、一夜飾りが良くないと昔から聞いています。本日の29日は「二重苦」につながるので避けた方が無難で結局自分の場合は毎年仕事納めの28日に済ませる事にしています。しかし本日は竹虎カレンダーや、カレンダーの替え時のお話ではありません。


実は、四国エリアでトップクラスのLPガス供給会社として60年以上、地域の方々に親しまれ利用者件数43万戸の四国ガス燃料さんが作られる四国の手仕事カレンダーがあります。時を超えて輝くものとして、豊かな自然に育まれた四国生まれの宝物、人の手により磨かれてきた、きらめく逸品を紹介いただく中に何と!竹虎の虎竹で製作したピクニックバスケットを掲載いただいているのです!


虎竹ピクニックバスケット


今年は寒いせいか例年よりも虎竹の色づきも良くて良質の竹が山出しされていて少しホッとしていますが、そんな竹林に続く現場から虎竹細工はじめ四国の手仕事についてYouTube動画で少しお話させてもらっています。「灯台もと暗し」とはこの事です、近くなのに意外と知らない工芸品に自分もビックリしているのです。




来る寅年に、虎竹に虎文字を一刀彫した御守り

 
さぬき竹一刀彫「虎竹御守り」


さて、今年もあと4日。やってくる2022年の寅年は何といっても「風は虎に従う」という故事にあるように、大きな変化の風で世界中を覆っているモヤモヤした雲を吹き飛ばしてらいたいと思います。そんな願いも込めて、さぬき竹一刀彫で黄綬褒章も受賞されている西村秋峯氏に日本唯一の虎竹に虎の文字を彫り込んだ御守りを作っていただきました。


西村秋峯氏


西村秋峯氏の竹一刀彫の技は以前にYouTube動画でもご紹介させてもらっていますので、ご存じない方は是非一度ご覧ください。彫刻刀一本で太い孟宗竹に描かれるがごとく刻まれていく様子はずっと観ていても飽きません。




さぬき竹一刀彫「虎竹御守り」


せっかくなので何人かに配って差し上げようと思いお願いすると、次々に虎文字を彫り入れた御守りが出来上がります。


西村秋峯氏


香川県指定伝統的工芸品のさぬき竹一刀彫の伝統や、西村秋峯氏の神業のような細かい彫などを知っていただきご関心を持つ方が増えればとも思いますので、御守りは少し多めに用意いただいて来春早々に何かの形でご紹介できる機会を持ちたいと考えています。


さぬき竹一刀彫の虎


虎が吠えています、まさに「虎嘯風生(こしょうふうせい)」虎うそぶけば、風生ずとは、優れた才能の人が機会を得て活躍するチャンスの事を言っているそうです。自分はもちろんの事、皆様一人一人にとって、そんな寅年になればと思います。


幻のメゴ笹、奇跡の手付き果物籠

メゴ笹手付き果物籠


かってメゴ笹洗濯籠が「幻」と聞かされていたお話を何度かさせていただきました。オカメ笹とも神楽笹とも呼ばれるメゴ笹は、しなやかで編みやすく、竹のように割ってヒゴ取りする事もなく使えるので非常に秀逸な竹素材だと思います。ところが伐採してから、すぐに使用しないと数日のうちに乾燥してしまい曲げる事すらできなくなってしまいます。

 
メゴ笹手付き果物籠、竹虎四代目(山岸義浩)


そんな幻のメゴ笹に、今度はこのような小さく可愛い手付き果物籠ですから昔の自分からすれば、まさに奇跡と言っても大袈裟ではありません。


メゴ笹手付き果物籠


昔はコタツにミカンが冬の定番でした。どこの友達の家に遊びに行っても必ず居間のテレビ前にドンと置かれていて家族団らんの中心にあったのです。思い出すと、母の実家には囲炉裏がありましたので炭火を囲む暮らしがコタツに変わっていたのでしょうか。そんなコタツは現在では姿を消しつつあるものの、ミカンは健在です。


メゴ笹、オカメササ、神楽笹


メゴ笹は自然の竹材そのままに編んでいきますので、太い材料は大きな籠に、小さな材料はこのような小振りな籠に使います。


竹細工職人


メゴ笹籠


編み上がったばかりのメゴ笹は、歓声があがるほど鮮やかな緑色を放ち美しいものです。しかし、この青さは工房だけで味わえる色合いで、これはこれで良いものではありますが本当のメゴ笹の良さは色合いが落ち着いてからにあります。長く愛用して驚くほど軽く、硬く締まりベージュ色になった洗濯籠など本当に手放せません。




情報プラットフォームと高知家健康経営アワード

高知家健康経営アワード2021、情報プラットフォーム<br>


情報プラットフォームは高知県産業振興センターが発行している冊子です。全国の各都道府県に産業振興センターがあり同じような冊子を作り地域経済の発展に尽力されているかと思いますが、今回はこの冊子ではなく裏表紙に掲載されている高知家健康経営アワード2021についてです。


高知家健康経営アワード2021


高齢化の進む高知県では、今年も職場の健康づくりのユニークな取り組みを紹介すべく高知家健康経営アワード2021を開催して5社の受賞企業を発表いただきました。竹虎も自社の青竹踏みを使った健康への取り組みが評価され嬉しい受賞をさせてもらっています。何と当たり前と思っていた青竹踏みをご存じ若い世代が増えて来る中、青竹踏み体操も考案しましたので日本古来の健康器具は無くさないよう皆様に伝え続けていきます。




白竹ヒシギ四ツ目編み盛り籠

 
白竹ヒシギ四ツ目編み


竹を細く割った編組細工では沢山作られていますが、このように幅広くとったヒシギで編む籠はあまり見かける事はありません。だから、このようなダイナミックな形は小さくとも目を引きます。口巻のカズラもかなり丁寧なあしらい、籠を製作した職人気質が伝わります。


火抜き真竹


火抜き真竹


しかし、これだけ白竹の竹肌が前にでる細工だと竹材もかなり選ばねばなりません。火抜き独特の艶や色変わりが楽しめれば最高です。


白竹ヒシギ四ツ目編み




日本唯一の虎竹伐採2022

 
虎竹伐採


今年も虎竹の里では日本唯一の虎竹の伐採シーズンを迎えています。細く急な山道を竹の束を担いで下りてくるのはベテランの山の職人。キャタピラーのついた竹運搬機に一束づつ積んでいくのです。


日本唯一の虎竹


虎竹の成育している竹林は、どこも急峻な斜面地ばかりです。


日本唯一の虎竹


伐竹すると竹と竹の間をスルスルと山出しの道まで滑り落ちていきます。


虎竹運搬機


年期の入った運搬機も、久しぶりの出番に嬉しそうにも見えました。


虎斑竹


近年、色づきが芳しくない虎竹ですが今年はどうでしょうか?まだこれからではありますものの、昨年などと比べると寒いせいか色づきは少し良いようで楽しみにしています。




続・幻のメゴ笹洗濯籠を編む、小春日和の庭先

 
メゴ笹洗濯籠


神楽笹やオカメササとも呼ばれるメゴ笹洗濯籠は、素材自体はかなり秀逸で、そして籠素材としては少し特別な性質を持ち合わせていますものの関東より西、特に四国や九州などでは何処にでも見られる普通の竹素材のひとつです。


茶碗籠にも最適なメゴ笹(神楽笹、オカメササ)


編み方も昔なら銭湯などで見られた普通の脱衣籠と同じ形であり、昔から籐やシダなどの自然素材を使っても全く同じような籠が作られてきました。


メゴ笹洗濯籠底編み(神楽笹、オカメササ)


特別なのが竹材の性質です、伐採して青々としているうちは柔軟性があり最高に扱いやすい籠材です。虎竹や真竹のように割って幅や厚みを揃える手間もいらず、そのまま細い丸竹で編んでいけるので仕事の効率も比べ物になりません。


メゴ笹竹籠職人(神楽笹、オカメササ)


底編みが始まりました。メゴ笹が職人の自由になるのは4日から5日。水に浸けて様子をみながら保管していても、せいぜい1週間程度しか使えません。


編みかけのメゴ笹洗濯籠


だから、自分が数日間に編めるだけの素材を伐採してくるのです。素材を使い切れば、次の籠編みの素材を集めに行くという繰り返しです。


メゴ笹茶碗籠(神楽笹、オカメササ)


青々とした編みやすそうなメゴ笹が、見ている間に籠として形を変えていきます。


オカメ笹、神楽笹洗濯籠


ところが、職人の手で扱える事出来る短い期間を過ぎると、メゴ笹の色合いは数日で抜けたように落ち着いてきます。こうなってくると竹材自体が堅くなり素材として全く用いる事はできません、つまり反対に言えば、それまでに編み込んでおけばガッチリ締まって固まり、耐久性の高い籠としてご愛用いただけるのです。




幻のメゴ笹洗濯籠を編む、小春日和の庭先

メゴ笹伐採


メゴ笹洗濯籠が「幻の籠」と呼ばれていたのは一体どうしてでしょうか?自分も入社したての数年間は、他の職人から話だけは聞くものの新しく編まれた籠を見たことがなかったという程の希少な籠でした。それには理由があって、実はメゴ笹は伐採した後に時間をおかず、すぐに編まねば硬くなって籠に作る事ができなくなってしまうのです。


メゴ笹の葉


高知県ではメゴ笹ですが、全国的には酉の市でオタフクを飾ることからオカメザサ、あるいは神楽に使うカグラザサとも呼ばれます。笹の葉が特徴的だと記憶されている方もおられるかも知れません、青々とした葉が茂っていますので細工のためには全て取り除きます。


メゴ笹竹籠職人


とても小さい竹ですから鎌で刈り取るように伐採したメゴ笹、伐採したら手際よく葉をむしり取りヒゴごしらえしていくのです。


メゴ笹


こうして葉を取り除いたらヒゴごしらえは完了です。(笑)


メゴ笹籠職人


メゴ笹


メゴ笹は、稈の高さが1~2メートル、直径が3~5ミリと小さいことから笹と名前が付いていますが竹の仲間で、細いながらも非常に丈夫で強い性質を持っています。また、竹肌がツルツルとした丸竹そのままで編み込んでいきますので衣類の繊維が引っかかる事もなく、まさに洗濯籠を編むために生まれてきたような素材なのです。


メゴ笹素材


近年は竹の虫害が増えているので竹材の品質管理には十分注意しています。伐採時期もしっかり守り、晩秋からの寒い時期だけに伐採して、伐採した分だけを籠に編んでいかねばならないメゴ笹洗濯籠は、一年でも本当に短い期間しか製造できず、数量はおのずと限られます。


鳥の巣


小鳥たちの遊ぶ近くの森には、孟宗竹で作られた巣箱が見えています。暖かい小春日和の庭先で、父から受け継いだ籠編みの音だけがいつまでも聞こえていました。




最後の寿司バラ職人

バラ寿司用竹ざる


この竹細工を見て何か分かる方は少ないと思います。緻密に編まれた網代編みを六ツ目で補強した二重編みですが底の竹ざるに上蓋がピタリと閉まるように製作されています。


寿司バラ、竹虎四代目(山岸義浩)


このような竹ざるを寿司バラと呼んで、寿司飯を作る生活道具として使うのは鹿児島県と宮崎県だけです。寿司飯を作るための細かい網代編み、乾燥を防ぐ上蓋、どれも最後の寿司バラ職人らしい確かな技で仕上げられています。

 
寿司ばら


縁部分や六ツ目編みには孟宗竹、真竹を使い、繊細な網代部分には節合いの長い蓬莱竹を使います。




素晴らしい出来映えの寿司バラについてはYouTube動画でもご紹介しています。


寿司飯を作る蓋付きザル


蓬莱竹の寿司バラ


寿司バラは何と言っても蓬莱竹の網代編みだと思います。節間が長い株立ちのバンブー系の竹で鹿児島や宮崎など温かい地域では良く護岸竹としても見られ防災面でも役立って来た竹です。直径約45センチのこの竹ざるにも節がなく編み込み面は手で触れるとツルツル、なるぼとこれなら美味しい寿司飯が作れそうだと感心します。


蓬莱竹(ほうらいちく)の事をご存じない方は是非こちらのYouTube動画もご覧いただけると嬉しいです。まさに土地の守り神なのです。




リモート出演させていただく「ザ!鉄腕!DASH!! 」明日放送予定です!

ザ!鉄腕!DASH!! 第3回DASHデミー賞


こうして画像を見ていますと、ついこの間の事ように思い出される暑い一日です。巨大水鉄砲作りにはTOKIOの松岡昌宏さんと長瀬智也さんがお越しになられていました。真っ直ぐに矯め直した孟宗竹を使った、考えた事もないようなチャレンジの紆余曲折は明日のテレビをご覧いただく事にして、収録当日に集まった沢山の須崎市民の皆様に改めて感謝したいと思います。


ザ!鉄腕!DASH!! 巨大水鉄砲


水鉄砲を大きな竹を使って100倍の大きさに製作する事も至難の技です。しかし、それを100人の力を合わせて押し出すのも大変な事です、ご協力いただいた地元須崎高校の皆様も既に社会人になられていると思いますけれど、今でもあの夏の日は忘れずにいてくれているでしょうか?本当にお世話になりました、ありがとうございました。


ザ!鉄腕!DASH!! 第3回DASHデミー賞


ザ!鉄腕!DASH!! 第3回DASHデミー賞、竹虎四代目(山岸義浩)


今となっては良い思い出しかない「ザ!鉄腕!DASH!!」で、DASHデミー賞に選んでいただき大変光栄で嬉しく思います。あの日の新荘川の川原がまるで地元のお祭りのようにテントが並び、まさに黒山の人だかりのごとく楽しそうに賑わう人々が集う機会に協力できて心から嬉しく思っていました。


ザ!鉄腕!DASH!! 第3回DASHデミー賞巨大水鉄砲発射


ザ!鉄腕!DASH!!山岸義浩リモート出演


それはそうと、明日の番組では三人の方が出演されて番組が進行していきます、そのメンバーが凄いのです。まず、巨大水鉄砲作りのため虎竹の里まで来られて、一緒に孟宗竹も伐ったTOKIO松岡昌宏さん、そして別の番組ではありますが、竹虎工場にお越し頂き虎竹の矯め直し作業をしていただいた事のあるTOKIO国分太一さん、更に横浜中華街を日本唯一の虎竹電気自動車竹トラッカーに乗って走ってもらった関ジャニ横山裕さんのお三方でした。

 
ザ!鉄腕!DASH!!竹虎四代目リモート出演


一度お会いさせていただいた芸能人の方に、リモートとは言え再びお会いするなど田舎者の自分には考えられません。収録時間は、ちょうど竹虎の終業時間と重なっていました。いやあ嬉しいなあとニヤニヤしている所に帰宅途中の社員も興味津々という様子で覗き込んみながら帰っていきました(笑)。




「ザ!鉄腕!DASH!! 第3回DASHデミー賞 どデカいヤツら大集合」明後日12月19日(日)19時から放送予定です

 
ザ!鉄腕!DASH!!撮影


もう随分と前の事なのに、今でも稀に竹関係の方からは巨大水鉄砲の話が出る事があります。「ザ!鉄腕!DASH!! 」という人気テレビ番組は知っていましたので最初お話を頂いた時には面白そうだと思いました。


極太孟宗竹


ところが、話を聞いてすぐに全く無理な話だと分かります。孟宗竹という日本には身近に大きながあります、だから電話の相手の方は少し苦労すれば、きっと実現可能だと思われているようでした。


孟宗竹林


全長15センチの竹水鉄砲を、100倍の15メートルの長さに作って、一人で押して使うところを同じく100倍の100人の力で水を発射させたいと言うのです。思わず吹き出してしまうような構想でした、少しでも竹の事を知っている方なら瞬時にお断りしてしまいます。


孟宗竹、竹虎四代目(山岸義浩)


自分もすぐに製造できませんと伝えました。ところが相手は怯みません、実は竹虎に来るまでに何度も同じようなやり取りをされて来ていたのだと後で知りました。


「日本中の竹屋さんに断られました。」


短い沈黙の後、電話口でこう言われるのを聞いてカチリとスイッチが入ったのでした。


ザ!鉄腕!DASH!!孟宗竹矯め直し


竹の巨大水鉄砲が出来ない理由は大きく三つあって、その一つが竹の曲りです。竹を真っ直ぐだと思われている人ばかりかも知れませんけれど、竹は伐り倒してみると右へ左へ曲がっています。その曲りを矯め直しという矯正作業で真っ直ぐな竹に加工しているのです。


ザ!鉄腕!DASH!!、竹矯め直し


ただし、孟宗竹のような太くて長い竹を矯め直すなど創業100年を越える竹虎でもそうそう経験がありません。ホークリフトまで持ち出して四苦八苦してどうにか真っ直ぐな竹に加工します。


ザ!鉄腕!DASH!!竹虎工場の孟宗竹


後の出来ない理由は、節がある事と元は太くてウラ(先端)に行くにしたがって細くなる竹材の特徴です。節を全て抜いて、水を押し出す棒が元からウラまでスムーズに通るようにせねばなりません。竹はただの筒ではない事を改めて皆様にお教えさせてもらった覚えがあります(笑)。


さて、この時の放送が明後日の12月19日(日曜日)午後7時からの「ザ!鉄腕!DASH!! 第3回DASHデミー賞 どデカいヤツら大集合」にて甦ります!巨大水鉄砲をDASHデミー賞なるものに選んでいただいたとの事なのです。自分もチラリとリモート出演させてもらう予定です、ご存じない方は前代未聞の大きさの水鉄砲が登場しますので是非ご覧いただきたいですし、前に観られた方も懐かしみながらお楽しみいたたければと思っています。




「虎竹の里の暮らし」が地球のこどもに掲載されました

 
地球のこども、Children of the earth


「地球のこども」は公益社団法人日本環境教育フォーラムが年二回発行されている機関誌です。今回は、寒さを楽しむ、温もりを感じる冬号に虎竹の里の暮らしを取り上げていただく事になりました。


地球のこども、Children of the earth


それぞれの地域には、ずっと伝統的に続いてきたその場所ならではの季節の風物詩があるのではないかと思います。しかし、虎竹の里でご紹介いただいた干し野菜は全国各地どこでても見られる冬の光景です。


四ツ目編みエビラ籠


ただ、その道具であるエビラ籠は珍しいものかも知れません。元々は養蚕の盛んな頃の蚕棚として使われていた物を、蚕を飼す事がなくなり干し野菜に転用したのが始まりです。


干し大根、シイタケ


今日も晴れ渡っている寒空の虎竹の里では、当たり前のように大根やシイタケを庭先に干しています。夏ほどではないにせよ、南国の強い日差しにカラカラになった野菜の旨みをギュッと濃縮されています。


エビラ籠竹職人


田舎では普通のサイズも都会では少しオーバーサイズと言われる方もおられます。半分サイズのものをご用意していますので、残った野菜は是非干し野菜として食べ残しを減らすだけでなく、栄養価もアップし、何より美味しくなる野菜を知っていただきたいと思います。




逆台形六ツ目編みの竹籠

六ツ目編み竹籠


広い口部分が底に向かうに従ってギュッと絞られた、台形を逆さにしたような少し変わった形の六ツ目編み竹籠を見つけました。口巻も丁寧ですし、竹ひごのあしらいも美しく熟練職人の仕事です。元々は花を活けるために編まれた籠との事ですのでオトシを入れて水をはり、重心を下にすればそれなりに安定感があるのかも知れません。しかし、花籠としてではなく小物入れ等に使おうと思えば底が小さすぎて少し不安定です。


逆台形六ツ目編み竹籠


そこで、買い物籠にしてみようと思って、ちょうどの革持ち手を作っていただく事にしました。今までなら竹手提げ籠の持ち手は同じ竹にするか、もしくは籐が一番身近で多用されてきました。ところが近年良質の物が輸入されなくなり品薄でもあるので革との組み合わせも面白いのです。


逆台形竹手提げ籠バッグ


さっそくスーパーでの買い物に使ってみました。底の容量が小さいので、いつものように買ってしまうと入りきらないものの強度的には十分です。ただ革持ち手の長さは、もう少し短くして持ちやすくするか、長くして肩に通せても快適に使えそうで悩みどころです。又、完成させて30年ブログでご紹介できればと思います。


虎屋かるかん「虎の子」と虎竹

 
虎屋さんチラシ


平成9年と書かれていますから1997年、つまり24年も前のチラシをご覧いただいています。発行されたのは宮﨑県延岡市の老舗和菓子屋「虎屋」さん、店名にちなんで素材に虎豆を使い、東北伝承の虎舞のデザインれさた掛紙で、かるかん「虎の子」を製造されるに当たって、高知県の虎斑竹を思い出して頂き当社へご用命れさました。そして、お届けした虎竹を写真で撮られて、カラー印刷した虎竹柄の箱を作り、寅年に販売されたのでした。チラシに写るお菓子の箱を良く見てみますと、確かに虎竹が並べらた写真が刷り込まれていて嬉しくなります!


虎竹


寅年、虎屋、虎豆、虎舞、虎の子、虎竹と六つの虎が揃った虎づくしの和菓子、ところがチラシの見出しに書かれているように「もうすぐ十二歳かるかん虎の子誕生うら話」とあって、実は虎屋さんとの縁は何と36年もの前にさかのぼります。自社でも虎竹の美しい虎柄に惚れ込み、包装紙やチラシなど様々な用途に使っていますが、そんな昔から虎竹に着目されていた和菓子職人さんがいたとは感激です。


竹虎チラシ


創業70年の虎屋さんは令和元年に虎彦とお名前を変更されていますが、来年の寅年を迎えるにあたり再び「虎の子」を発売される事となり、改めて当社より虎竹をお届けさせていただきました。虎彦さんの経営理念は「必笑!」だそうです、笑うという文字には「竹」が含まれています(笑)。笑顔は幸福感の象徴なので「安全で美しくおいしいお菓子づくりを通して、お客様の幸福と社員の幸福を求め続け、社業を発展させて豊かな郷土づくりに貢献する」という素晴らしい経営姿勢の会社様から、2022年の寅年に一体どんな美味しいお菓子が誕生するのか今から楽しみで仕方ありません。


SDGsは知っていても、誰も知らない「楽屋」、最後に残された国産竹材

楽屋の竹工場


昨年、ひとつの竹材加工場をご紹介させて頂いた事があります。沢山積み上げられた竹材、竹割機械の動く大きな音、竹の香り、まるで数十年前の自分たちの工場に戻ったかのような懐かしい仕事に見入りました。虎斑竹も虎竹模様のついていない竹材は、壁竹として決まった幅に割っていましたので、まさに目の前で竹割機械を使う職人さんの仕事そのものだったのです。


楽屋竹割素材


ただ同じ竹と言っても淡竹の仲間の虎竹とは違い、かなり肉厚な孟宗竹を使っていますので少しばかり迫力が違っていました。SDGs(持続可能な開発目標)と言う言葉を色々な所で目にしますけれど竹は継続利用可能な唯一の天然資源であり、国内ではほとんど利用されていない孟宗竹の利用は里山保全の観点からも非常に大事です。割った孟宗竹は上手く考えられた機械に一本づつ入れてハリガネで簾状に作られていくのですが、完成した製品を使う用途を聞くと丈夫な竹材を使う理由に納得します。


千両畑


実はこうして製造された孟宗竹簾は、寒い冬場に赤く綺麗な実をつけて正月の縁起物として人気のセンリョウの栽培に使われるのです。センリョウ=千両につながりますので商売繁盛や金運アップとしても知れられるそうですが、強い日差しや風に弱い植物なので成育には日除け、風除けするための孟宗竹簾が欠かせないのです。孟宗竹の簾を使って四方はおろか天井まで囲う「楽屋」を初めてご覧になられたら、きっと驚きます(笑)。もうすぐ迎える2022年の新春を飾るセンリョウは、こうして栽培されているのです。




あれから百年、竹虎初代宇三郎の海

 
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虎竹の里を見下ろす、この峠からの景色も、24年前に自分がインターネットに初めて掲載してから随分と多くの方に知っていただけるようになりました。線路が走っているのがお分かりいただけますでしょうか?すぐそこに見えるJR安和駅があった場所に、つい先日に出来たばかりの集落活動拠点が見えます。


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大阪天王寺の竹材商だった宇三郎が小舟で降り立ったのが、この下に見える安和海岸だと聞いていたので小さい頃から、ここには良く来たものです。しかし、夜の景色はあまり見たことがありませんでした、打ち寄せる白い波の音だけが聞こえる静かな里は、100年前と比べられないほど電気が灯り人の暮らしも変わってきたのだと思います。そうやって時代や山の竹たちを取り巻く環境は変わり、虎竹自身にさえも変化が感じられます。変わっていないのは自分だけなのかも知れません。




特大白竹四ツ目弁当箱の編み方

 


四ツ目編みは網代編み(あじろあみ)と並んで竹弁当箱の代表的な編み方であり人気があります。竹ヒゴの編み目をギッシリと詰めていく網代編みに対して、竹ヒゴに均等な隙間を取る四ツ目編みは日本に暮らす自分達にとっては昔から知らず知らずの内に目にしてきた馴染みのある模様です。竹虎の白竹四ツ目弁当箱箱は少し大きめに製作していますのでランチボックスとしてだけではなく、色々な小物収納にもご愛用いただけるかと思います。傷みやすい角部分の籐かがりの補強など熟練職人ならではの手間をかけた竹細工です。


布袋竹の遍路杖

 
遍路杖


布袋竹は、稈の根元の近い部分に布袋様のお腹のような膨らみのある事から名前が付いている竹で五三竹、コサンチク、呉竹等とも呼ばれます。ゴツゴツした竹肌が握りやすいので釣竿の持ち手に使われたり、油抜きをして乾燥させると堅く丈夫なので杖にも多用されています。


布袋竹、遍路杖


竹は秋から冬の寒い時期にしか伐採しません。地元では四国八十八カ所巡りの遍路杖としてお求めいただいていますが、夏前からお客様からご用命いただきながらお届けできずにいたのは旬が良くないためでした。ようやく伐採できて油抜きしたばかりの竹は青々とツヤツヤとしています。何か塗料を使っているワケではありせん(笑)、ガスバーナーの火で炙られる事によって竹から噴き出してきた天然の油分なのです。他の竹と同様に時間が経てば、自然な色合いに落ち着いてきます。




お客様からの「竹虎ノート」

 
お客様からの「竹虎ノート」


先日、竹虎でお買い物頂きましたお客様から二冊のノートが届きました。


竹虎帳面


普通にメモ書きできる白紙のページが綴じられているノートの表紙は、竹虎の印刷物のようですが...?


竹虎ノート


ペラペラとめくってみると、何と虎竹から同梱させていただいたチラシやパンフレットを使って丁寧に作っていただいてるのです。



竹虎通信


虎斑竹


竹虎チラシ


竹虎同梱物


もちろん、今までこのようなノートは頂いた事がありませんので本当に驚きました!社内全員が感激して、二冊は欲しいと言う社員が持ち帰りました。竹虎は創業明治27年、来年は128年目を迎えさせていただきますが、このように応援いただくお客様に支えられて今日があると言う事を改めて感じています。ありがとうございます。




「膝は大事」膝と認知症の関係を岩倉泰一郎博士が語ります

 
岩倉泰一郎博士


世界で初めて人工角質(フィルムスキン(特許番号5137175号))の作成に成功し、その応用拡大を世界の医薬品、化粧品分野に展開されている岩倉泰一郎先生とは、自分が小さい頃からアトピー体質で痒みに悩まされている中で出会いました。


トウガラシに含まれるカプサイシンの効果と皮膚病薬の専門・岩倉泰一郎博士が開発した「フィルムスキン」ひざぽかぽか 竹炭温感サポーター


フィルムスキン応用拡大のうちの一つである竹炭温感サポーターに、竹炭の力で持続時間をのばした新しい製品を開発した経緯と効果を、近年ずっと問題になっている認知症との関わりを含めてと岩倉先生に詳しくお話を伺いました。




餌畚(えふご)の白竹

 
餌畚(えふご)


高知市にもお城の近くに鷹匠町という地名が残っていますが、全国各地の城下町には鷹匠町という町名がありますので、戦国時代の昔から鷹狩りが武士の間でいかに盛んで、鷹を飼育し訓練する鷹匠達が大事に保護されてきたかが分かります。


火抜き


そんな鷹匠たちが使う道具に餌畚(えふご)と呼ばれる餌や獲物を入れる籠があるのです。古い竹籠を元にして復刻された竹籠は、幅広く割った竹材を数枚重ね合わせた形で内側の身部分を耐久性を損なわない程度ギリギリに削っていて見た目のサイズからは想像できない軽さが印象的です。


経年変色の真竹


教えられないと用途が分からない特殊な籠のひとつではありますけれど独創的なフォルムと美しさ、一体誰が考案したものでしょうか?当時の職人さんの腕前とセンスの良さが伝わってきます。これだけ白竹の存在感がある道具なら火抜きの竹が絶対です、年数を重ねる度に深まる色合いが湯抜きとは全く違うからです。


「こんな年賀状はいらない。」恒例!竹虎四代目年賀状企画2022

 
2021年賀状元画像


「こんな年賀状はいらない。」と言いながら来春で34回目となります恒例の竹虎四代目年賀状企画2022年!今年は丑年につき闘牛士となって登場させていただきました。来年はいよいよ寅年、実はまだ何も形になっていません。


竹虎四代目新春年賀寅年


前回の2010年寅年年賀状は、こんな感じでした。




そう言えば、こんな動画も撮っています(笑)。とにかく新しい年は目の前です。




寅年の虎竹漆箸

 
虎竹漆箸


さて、お正月の朝はどんなお箸をお使いになられるでしょうか?新春らしい青竹箸を使われる方もおられるかも知れません、真竹表皮の青々とした色と内側の白い竹肌のコントラストは、日本人が一番好きな色合いではないかと思っています。


虎竹漆箸


自分は例年であれば元日から3日までは「寿」と書かれた紙の箸袋に入った祝い箸を使って、新春4日からは普通のお箸に切り替えて使用するようにしています。新年にお箸を新しくされる方も多いので、このタイミングで使い始められるのではないでしょうか。


虎竹漆箸


来年は12年に一度の寅年。「虎は千里往って千里還る」という虎の勢いにあやかって、2022年を最高の年にしたいと思われる方は日本唯一の虎竹箸です。




虎竹リースを飾り付け

 
虎竹リース


今年、新しく登場ざせていただいた虎竹リースをご覧いただきましたでしょうか?虎竹の里のような田舎でも最近はクリスマスともなれば、それぞれ思い思いのリースを壁に飾っているのを見かけます。緑と赤を基調にしたものが多いようですが、中にはドライフラワーなど使ったお洒落な物もあり一年通して楽しめるものなのです。


虎竹リース


虎竹リース


糖質ダイエットをしているせいでしょうか?沢山出来たので並べて見ていると虎竹リースが何やら焦げ目のついた焼き菓子のようで、やけに美味しそうです(笑)。


虎竹リース


美味しそうな(?)虎竹のまま飾ってもいいですし、お使いの方のセンスで少しアレンジされても全く違う雰囲気になります。まだまだどうなるのか分かりせんけれど、今はコロナも少し落ち着いています、年末・年始は家族やお友達で集まる機会があるかも知れませんので、にぎわうお部屋に飾っていただければと思っています。




アルピニスト?古い背負い籠と力竹

 
背負い籠、しょい籠、かれてご


背負い籠も、昔から日常的に使われてきた生活道具として、全国各地に色々と秀逸な竹籠が編まれてきました。先日出会った背負い籠は、職人さんが随分前に編み上げてからずっとホコリを被っていたもので、本体にタガを巻いて背負い紐を取り付けられるのが特徴です。


古い背負い籠、しょいかご


本格的な登山をされる方々が縦長のリュックを背中の高い位置で背負われているのを見た事があるかと思います。普通の背負い籠は口部分に紐を通しますので、どうしても背負う位置を高くできませんが、このタガ式ならまるでアルピニストのバックパックのように使えて重たい荷物も苦になりません。


背負い籠、しょいご


えっ!?竹籠に思い荷物を入れて大丈夫ですか?それは、この大迫力の力竹をご覧いただければ愚問だとすぐにお分かり頂けるかと思います(笑)。


しかし、背負い籠といえば思い出すのが名人・飯干五男さんの他に類みないような独特の形をした「かるい」です。青竹の香りが、むせるような工房で黙々と編まれる籠の様子をご覧いただけます。