曲線美の竹籠、磯テゴに隠された口巻きの秘密

 
磯テゴ、ウニ籠、磯籠


「秘密」なんて言うと大げさであるけれど、職人や自分たちが当たり前にように思って何も言わないと、いつの間にやら似ているけれど何処か頼りない竹籠ばかりになってしまういそうだ。昔から長く日本人に愛されてて山で、海で、川で、畑で、家で使われてきた竹籠は美しく強いのである。


磯テゴ、ウニ籠、磯籠


これは地元では磯テゴと呼ばれている籠で、ウニが沢山獲れる地域でもあるのでウニ籠と呼ぶ人もいるが一般的には磯籠として名前が通る籠だ。


磯テゴ、ウニ籠、磯籠


丈夫さの秘密は肉厚にとった竹ヒゴで作る竹輪にある。この丈夫な竹輪を口巻にあてがって巻いていく。


磯テゴ、ウニ籠、磯籠


実は口巻に補強の竹をあてがっている籠は多い。素材自体が細い篠竹細工などでは、昔の職人の仕事を見ると丸竹をそのまま巻き込んでいて感動すらする。ところが篠竹の籠の場合には外側に口巻が飛び出してしまう(これには、篠竹籠の理由があるのだが)。


磯テゴ、ウニ籠、磯籠


それが磯テゴときたら内側に竹輪をあてがい巻き込んでいるから、底から立ち上がって口巻にいたる優しく綺麗な曲線がそのままなのだ。普通に使っていたら、どうしてこんなに強度があるのか不思議に思ってしまうかも知れない。


磯テゴ、ウニ籠、磯籠


さて、今回は磯テゴが完成した画像を用意し忘れてしまった。下のYouTube動画の最後に持ち手を付けた竹籠全体が登場するので是非ご覧ください、本当に口部分にゴツイ竹輪が入れられているなど外側からは分かりません。やはり「秘密」なのだ。




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