NHKの朝ドラ「あんぱん」は面白いと評判で、毎回楽しみにされている方はボクの周りでも結構います。ご存じようにアンパンマンを生み出した、やなせたかしと暢の夫婦がモデルになっていますので、有難いことに高知観光がまたまた注目されているわけです。さて、そんな人気となっている高知県ですが、高知観光といえば何処を思いうかべるでしょうか?桂浜や高知城、龍河洞といろいろあるとは思いますが、実はボクがいつもイチオシするのは何と言っても五台山にある牧野植物園なのです!パワースポットと言われ若い方で来られる方も多いようですが、近年は更に園内の整備が進んでいます。一度来られた方が季節が変わるこどに何度でもお越しいただき、ご家族で一日ゆっくり過ごせるような素晴らしい施設になっています。
2019年に整備された、ふむふむ広場は土佐の畑、まなびの野原、ふれあいの庭のエリアに分かれた地元高知に関わりの深ふかい野菜、果物、植物が植えられていて、実際に手に触ったり、香ってみたり、ちぎってみたりもできると言う五感で楽しみ、植物への理解を深め「ふむふむ」と納得してもらいたいとの思いから名づけられているそうです。身の回りにいいくらでもある植物ではありますが、実際に案内の方に聞きながら詳しく草花を見ていると本当に驚きしかありません。「ふむふむ」は伊達ではないことが分かります(笑)。
ちなみに、ぐるぐる巻かれた「の」のマークは何だかお分かりですか?「の」を巻いているので牧野博士が使っていたサインだそうです。シャレのきいた方だったのですね。高知特産の虎斑竹は、そんな牧野植物園の「ふむふむ広場」に植えていただいています。
牧野植物園が、もう25年以上前に大掛かりなリニューアルをしたことがありました。その時にも一度、虎竹は移植させてもらっています。命名の父の名前を冠した植物園でも虎模様ができないのか...と思ってきましたので、二度目となる移植には少し期待をしていました。
これが、ふむふむ広場に植えてもらっている虎竹達です。あまりに広く、日当たりもよい場所をご用意いただいているので、移植時にはもっと竹を運んでくればよかったと後悔したほどです。
ところがっ!移植している虎竹に異変が起こっているのです!なんと、虎竹の里から根っこを掘って運び出す時には最高の色づきだった竹の虎模様がすっかり消えてしまっています。
見上げると、虎竹の頭上に暗雲がたちこめているかのようです。
移植させていただいている全てが同じように虎模様が消えてまっているようですが、実はこれはシラクモといって一種の病気です。虎竹の里でも、たまに見かける症状です。虎竹は700度のガスバーナーで熱を加えると、竹に含まれる油成分がにじみ出します、そしてその油分で竹表皮を拭きあげると美しい虎模様が浮かびあがるのです。しかし、このシラクモになってしまった竹は同じような加工をしてもどうにもならず、残念ながら製品としても使うこともできません。
原因はハッキリとは分かりませんが、竹根の生育にと与えていただいてる肥料が、もしかしたら栄養過多なのかとも思いました。虎竹の里の山々は岩肌も多く、あまり肥沃な土質とはいえないからです。
けれど、次の世代を担う若竹たちが希望の光です。竹根がしっかり定着してくれたお陰で生えてきている若竹たちには期待したいと思っています。
新しく生えた竹が、全く虎模様のない青々とした竹ではないか?と思われた方もいるかも知れません。そんな皆様、ご安心ください。虎竹は3年くらい経過しないと色がでませんので、現在は若竹色した竹が年を重ねてからが楽しみなのです。
ちなみに、虎竹移植の横側には牧野富太郎博士も植物採取で使った野冊(やさつ)という道具を紹介する看板が設置されていました。あまり一般的には馴染のない竹細工ですが、野山で採取した植物を大事に持ち変えるには無くてはならない大切な道具なんです。
ボクたちが、虎竹を使って復刻させてもらった野冊は、新しくオープンした売店に展示されています。横にはココットのハンバーグが美味しいと評判のレストランも併設されていますので是非そちらもお楽しみいただけたらと思っています。
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