
昔は虎竹の里では牛肉といえば、すき焼きと決まっていたように思います。と言っても日頃は、牛肉など贅沢品だったのであまり食されることはありません。ところが、「今日はウチは、すき焼きやき」と友人が楽しそうに話す日があったのです。それは家のお祝いとか記念日だとかもあったのですが、印象的に覚えているのが虎竹の山出しに使うキンマ(木製のソリ)作りが完成した日の食事でした。虎竹の里は、お遍路さんの難所と呼ばれていた事もあるくらい、東の高知方面行くにも、四国霊場第三十七番札所の岩本寺がある西に行くにも峠越えのある不便な場所にあります。遠くからは、通ってこられないので山仕事の必需品であったキンマ作りの職人さんは、山の職人さん宅に寝泊まりして納屋でキンマ作りをしていました。確か1週間程度かかっていたように覚えていますが、完成して引き渡しの日には、労をねぎらうために普段はあまり食べることもなかった御馳走のすき焼きをしてもてなしていたのです。

だからでしょうか?霜降りのよいお肉を見たら、まず、すき焼きを思い出します。特に最近では、年齢のせいかA5のようなお肉をステーキで食べられなくなりましたので、霜降りを食べるのは、ほとんどすき焼きだけかも知れません。熱したスキレットに、割り下にくぐらせた牛肉をのせて少し焦げ目ができるくらいで食べるのが好きです。この食べ方には、やはり脂身の多いお肉の方が適しているように思います。けれど、それも、だんだんと脂が重たくなり、2~3枚食べたらもう後は野菜ばかりになってしまいます。
そこで、そんなすき焼きを、もっとサッパリと美味しく楽しめるために登場するのが竹製鬼おろしです。大根おろしを、すき焼きにいれてみぞれ鍋ならぬ、みぞれすき焼きというレシピをインターネットには沢山掲載されています。すき焼き鍋に大量の大根おろしを入れる方法もあるようですが、ボクの場合は溶き卵にタップリの大根おろしを入れて頂きます。

本当にあっさりして、少ししか食べられなかった霜降り牛肉が、追加で何枚もいけるくらいです。しかし、やはりポイントは大根おろしです。竹製鬼おろしのように、水っぽくならず、粗いシャキシャキ感のある大根おろしが食感も良く、肉や野菜のうまみを引き出してくれます。初めての方は、竹製鬼おろしがどのような物なのか?YouTube動画をご用意していますので、是非ご覧ください。また、竹製鬼おろしは、竹細工の工房にしては珍しく機械化された製造工場で作り出されています。そんな様子も動画でご紹介していますので、関心のあられる皆様には一度ご覧いただきたいと思っています。そして、今度のすき焼きの際には、だまされたと思って大根おろしを使ってみてください!若い世代の方々よりも、中高年の皆様には、もう大根おろしの無いすき焼きは考えられない!そんな風にお感じになられるほど、美味しく食事していただけるのではないかと確信しています。

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