2026年10月 6日の投稿

ブダペスト民藝祭でいただいたハンガリーのパン籠を日本唯一の虎竹で再現

虎竹で復刻したパン籠


ブダペスト民藝祭

ハンガリーの首都ブダペスト、世界遺産にも登録されている王宮の丘で開催されるブダペスト民藝祭には海外の職人含めて約1000名も集まり、手仕事の実演や展示、販売を行うというハンガリー最大級の伝統工芸の祭典です。会場を歩いていると、素材は違えど手仕事にかける情熱や職人さんたちの真剣な眼差しに魅了され、ものづくりを愛する一人として胸が熱くなるような素晴らしい体験でした。当たり前ですが、実際来ないと分からないことばかりです。


ハンガリーの籠


ハンガリーの柳細工

そんな熱気あふれる会場の中で、ボクの足が思わずピタリと止まったブースがいつくかありました。それは、地元ハンガリーの柳細工の職人さんのコーナーです。ヨーロッパで古くから柳編みの生活道具が使用されていて、様々な籠類が並んでいました。そして、その中にあったひとつのパン籠のあまりの出来栄えの素晴らしさに、すっかり目を奪われてしまいました。


ハンガリーの柳職人、竹虎四代目(山岸義浩)


洗練されたシンプルな籠

無駄のない洗練されたフォルム、そして素材のしなやかさを生かしきった迷いのない編み目。思わず手に取って、ひっくり返したり光にかざしたりしながら、しみじみと見入ってしまいました。すると、その様子を笑顔で見つめていた職人さんが、言葉は通じなくても手仕事への敬意が通じたのでしょうか、なんとそのパン籠をボクにプレゼントしてくださったのです。遠い異国の地で出会った職人さんの温かい心遣いに、胸がいっぱいになりました。


ハンガリーパン籠


虎竹で再現

日本へ帰国してからも、その柳細工の籠を近くに置いては眺めていました。この素晴らしい編み組みの形を、ボクたちの虎斑竹(とらふだけ)で編み直してみたら、一体どんな籠になるだろうか?そんな想いは、最初から感じていました。丸いまま自在に曲がる柳と、細く割ればしなやかに編み込める竹とは素材は違えど性質は似ているのです。竹なら、表皮と異なる内側の色合いも活かして、柳のような流れるような曲線美を面白く表現できると思っていました。


虎竹で復刻したハンガリーのパン籠


虎竹パン籠完成

そうして完成したのが、こちらの虎竹のパン籠です!ヨーロッパの伝統的な柳細工の造形美と、南国土佐でしか育たない自然の虎模様が見事に調和し、なんとも独特の存在感と趣を放つ籠へと生まれ変わりました。工場の入り口に立てかけていると、光の差し込む加減でそれぞれに自然な艶と素材感が浮かび上がり、ふたつの大輪の花が咲いたように見えます。


柳細工職人


手作りに国境はない

遠く離れたハンガリーで代々受け継がれてきた柳細工の手技が、海を越えて日本の虎竹と出会い、新しい形となりました。食卓でパン籠として使われている籠ですが、果物を盛ったり、そのまま飾り皿としてお部屋に置いておくだけでも絵になりそうです。


ブダペスト民藝祭、竹虎四代目(山岸義浩)


手仕事、モノづくりには国境も言葉の壁もないのだと、改めて実感しています。あのとき笑顔で籠を手渡してくれたハンガリーの職人さんに手渡せる日がくればなんて思っています。





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竹虎四代目

竹虎四代目
YOSHIHIRO YAMAGISHI

創業明治27年の老舗竹虎の四代目。100年守り続けた日本唯一の竹林を次の100年に繋ぐ。日本で二人だけの世界竹大使。

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