これであなたも竹職人の仲間入り!?

竹職人


手作りに関心のある方は結構多くてご自分の空いた時間を利用して色々なモノ作りにチャレンジされています。講師の先生がいて教えてくれる教室もあれば通信教育のようなものもあって、前に見たことがありますが本当に様々な習い事があることに少しビックリした事を覚えています。料理などは詳しく解説されていると聞ききますので、もしかしたら最近ではYouTube動画をご覧になりながら趣味を楽しまれている方もおられるかも知れません。


やはり日本人と竹は長い長いお付き合いがあります、今まで竹など全く知らなかった方でも歳を重ねるごとに何となく竹が気になりだす事は自然のように思います。そして中にはご自分で籠やざるを作ってみたいと考える方もおられるのです。実はそんな方からのお問い合わせも前々から沢山ありますので竹虎では【竹編み職人なりきりセット】届いたその日から竹職人、すぐに編み始められます。虎竹細工編み方・作り方キット(DVD付き)というセットをご用意しています。


日本唯一の虎竹、竹虎四代目(山岸義浩)


このセットさえあれば、自分の編んだ世界にひとつだけの虎竹花籠「松田一輪」が完成します(笑)。多くの皆様が少し誤解されている事があるのですけれど、竹籠を作る場合やはり一番大変なことは竹ヒゴを取る事です。編むという工程ばかりがクローズアップされていますから見落としがちですけれど良い竹ヒゴができないと良い竹細工は生まれません。


ただ、こちらのセットでは竹ヒゴが8割、竹編みが2割と言われるほど大変な竹ヒゴは折れることも想定して必要分以上に用意してセットにしてありますのでお手元に届いたらすぐに編み始める事ができます。DVDだけで編めるのだろうか?初めての方の心配もご無用です!毎年インターンシップの学生さんたちがこのセットを使って花籠を製作しています、もちろん当社の職人は全くお手伝いはしません。しかしそれでも早い方なら2時間、遅い方でも学生さん同士で助けあいながら4時間程度で作り上げています。


何といいましても日本唯一の虎竹で花籠ができると言うのが嬉しいところ。分かりやすいようにプロの方にお願いして作ったDVDがかなり費用かかりましたので全く赤字のセットですけれど虎竹に親しんでもらえれば良いと思っているのです。





伝統の国産竹皮草履作りを支えるモノ

竹皮草履


竹皮草履は鼻緒の雰囲気でかなり変わります、天然藍染めの生地を使ったものはキリリと引き締まってワンランクアップした上質感が漂っているのです。


淡竹竹皮


そんな竹皮草履の材料集めも今月いっぱいくらいでしょうか、雨ばかり続く季節にしか集めることのできない竹皮ですが孟宗竹、真竹は本体編み用として、また淡竹は前ツボ部分用にと、まさに日本最大有用竹の皮を集めて活用しています。


竹皮


長雨の晴れ間を見ては、このようにして集めてきた竹皮を天日干しします。一日干して風で飛ばされたものを集めて納屋に仕舞い、また翌日天気をうかがいながら乾燥させるという昔から変わらないリズムがここにはあるのです。


竹皮ぞうり製造


竹皮草履を編む工程をご覧になって竹皮の中にナイロンロープが使われていると心配される方がおられますが誤解です(笑)。仕上げの段階でナイロンロープは引き抜かれて中に芯材として残っているのは地元産の藁で作った藁縄だけです。


竹皮草履用稲わら


地元産の藁は近くの農家さんの田んぼの刈り入れ等を手伝って確保しています。思えば本当に自然の恵みから生まれたものだけで出来ている竹皮草履なのです。


稲打ち機械


大きな機械が鎮座しています。凄い迫力ですけれど、それもそのはず実はこれは稲藁打ち機械、竹皮草履職人達にとっては守護神のような存在です。意外と硬い藁を細工に使用する場合は、まず柔らかくする必要があって昔は竹皮草履に使う稲藁も石の上に置いて木槌で叩いていました。ところがこれが重労働で古老の職人には大変な仕事だったのです。「この機械が無かったら15年前に辞めていた」そう話す職人もいるほどの効果抜群の働き者。YouTube動画で最初に出てきますので激しい音に驚かれないようにしてください。






横味噌こしザル×丸味噌こしザル

飯籠、竹虎四代目(山岸義浩)


ここにひとつ面白い竹籠があります。面白いと言っても自分の小さい頃には、このような縁側の上の軒先にはご飯を入れて吊り下げられていた普通の飯籠であり、おそらく今でも田舎の家を訪ねると台所の片隅や納屋に仕舞われているかも知れない何処にでもあったポピュラーな竹籠のひとつなのです。


飯籠


面白いと言うのは、この飯籠の成り立ちにあります。飯籠は、本体部分と蓋部分に分かれていますけれど良くご覧いただいたら、それぞれの編み方が違うのにお気づきいただけるはずです。ご飯を入れる本体部分は横編みと言って竹ヒゴが手前から向こう側に向かって編まれてるのに対し、蓋部分は菊底編みで編まれているので竹ヒゴは丸い形に沿ってグルグル回っています。


飯籠


かっては味噌こしに使われる事が多かった事から「横味噌こしザル」と呼ばれていた本体の竹編み。


飯籠


こうすると分かりやすいかと思いますが、そんな本体部分に対して蓋は「丸味噌こしザル」ともいう菊底編み。放射状に伸びた少し幅広の竹ヒゴに、細い竹ヒゴを回りして編まれています。


めしかご


今では家電の発達、生活様式の変化で飯籠を使うご家庭はほとんどありませんので、本体編みの部分はサイズも小さくして米研ぎざるとして残っています。


飯籠


蓋部分も水切りに使って頂きたいと思って足を付けて台所籠として製造は続いています。


手付きメシカゴ


それぞれ違う編み方を併せて一つの飯籠として販売されていたのは、生活道具として飯籠が無くてはならなかった時代でした。大量生産に応えるために実は本体部分と蓋部分は別々の職人達が作っていたのです。まず「横味噌こしザル」を編むと、今度は別の職人がそのザルの形に合わせて「丸味噌こしザル」を蓋として編んでいきます、編み方が違えば材料の竹ヒゴの取り方も違うので効率化を極めた結果でした。


飯籠の蓋は「カチリ」と音をたてて閉まります、これは非常に難しい熟練職人の技なので蓋作りの職人もさぞ大変だったのではないかと思います。それにしても隣合わせた集落で150人もの職人達が、一方は「横味噌こしザル」をもう一方は「丸味噌こしザル」を編み一つの製品として日本中に販売されていたとは本当に夢のような話。皆様にお届けさせていただく竹編みひとつひとつはそんな夢の続きなのです。






パリで再開したフランス国内巡回展「日本の日常生活の中の竹」

米とぎざる


たとえば、この普通に見える米研ぎざる一つにしても国産の良いものを求めようと思えば実はなかなか少なくなりました。この竹編みは最近ではあまり見ることのない淡竹(はちく)が使われています、昔ながらの手練れの職人は節が低く粘りがあると好む竹材です。何を隠そう虎竹も淡竹の仲間なので、このざるが生まれる工房の材料置き場に行くだけで何かワクワクしてきます。


生活に密着してきた竹細工は、日本の暮らしをそのまま生き写しするようなものです。昔の大家族の頃の米研ぎざるや味噌漉しざると言えば一抱えもあるよなうな大きなものがありましたが、現在竹虎で紹介するサイズは23㎝か25㎝サイズまでです。


パリ展示会候補の竹籠


都会ではお一人暮らしの割合が自分の思っている以上に多いことに驚いて数年前からはお一人様用の椀籠なども作るようになりました。職人が遊びや力試しに通常編んでいる籠のミニチュアに挑戦することがありますけれど、少し大袈裟に言えば、段々とそんなレベルに近づきつつあります。


長く続いてきた日本の伝統竹文化はこうして少しづつ微妙な変化をしながら今がある、そんな事も今回のフランス国内巡回展「日本の日常生活の中の竹」ではお伝えしたくて作品を選びました。不思議なものです、昨年末に長い時間をかけて厳選した竹細工たちではありますが、今考えば又まったく違くチョイスになりそうです(笑)。


パリ竹展示会場


パリは日本と比べるとずっと厳しい外出制限があったと聞いていますので本当に大変だったと思います。まだまだ油断はできないかも知れませんけれど中断していたフランス国内巡回展「日本の日常生活の中の竹」が再開したと嬉しいお知らせをいただきました。パリ会場は9月末までこちらで開催されています、1, rue Dante, 75005 Paris(tel : 01 44 41 50 10)関心のある方には是非足を運んでいただきたいです。


箕職人


また、パリ会場終了後は下記のリオン、ツールーズの各会場で開催予定です。詳しい企画内容、日本の竹についてはリンク先にも掲載されています。何卒よろしくお願いいたします。


■リオン会場
会期:2020年10月以降
46 Rue du President Edouard Herriot 69024 Lyon, tel : 04 78 38 30 40
■ツールーズ会場
会期:リオン会場終了後
5 Rue Croix Baragon 31000 Toulous, tel : 05 61 14 51 50