花籠のある暮らし、染縄抜篭

 
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花籠 染縄抜篭


竹細工と言えば花籠がスター選手のようにも感じていましたが、近年では竹花籠はあまり需要もなく時代の移り変わりとしか言いようがありません。けれど、この染縄抜篭と名前のついた花籠のように存在感のある竹編みを見ていると何処かに光の当たるステージがあるのではないか?そんな思いにかられてしまいます。


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花籠 染縄抜篭


確かに新しい竹籠ではないものの、そんなに昔に編まれたものではありません。竹を染めて編み込んだ後にホコリ入りという加工を施し編地から雰囲気を漂わせています。


花籠、竹虎四代目(山岸義浩)


確かな技に裏打ちされた竹籠はやはり立派です、手にした感触が全く違います。だから余計に惜しいと思わせるのです。


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花籠 染縄抜篭持ち手


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花籠 染縄抜篭


竹の素材自体の事や使い方、あしらいを熟知していた職人達がプロとして作った籠の数々を知ってほしくて今になって竹花籠を見返しているのです。


宮川征甫氏と虎斑竹

 
宮川征甫氏作品


竹虎二代目義治と懇意にしてもらっていた竹作家のお一人に宮川征甫先生がおられます。若い頃から何度かお会いさせて頂く機会のあった先生は物静かでとても品のある方でした。ところが初めて拝見した作品が見上げるような太い孟宗竹に巻き付くように彫り出してある迫力満点の昇り龍だったので、そのギャップに驚いたことを覚えています。


宮川征甫氏、竹虎四代目(山岸義浩)


現在、竹虎本店に展示している最大の作品はこのような大きさで虎竹の竹林で鶏が遊んでいます。美しい竹林も鶏たちも全て日本唯一の虎竹を使って創作されていて背景そのものも竹で出来た言わば竹のキャンパス、そこに象嵌細工で見事な竹の世界を表現されているのです。


宮川征甫氏作品


祖父の注文で製作されたと思いますが、この作品自体が虎竹の里です。朝を告げる鶏は縁起の良い鳥で伊勢神宮でも神の使いともされています、どんな苦しい時にも「朝の来ない夜はない」そんな教えを自分たちに遺してくれている気がずっとしていました。


宮川征甫氏、竹虎本店


また、鶏は商売繁盛につながると昔から言われており、特に尾長鶏は新年にその置物を飾ると良いそうです。尾長鶏と言えば高知県原産で国の特別天然記念物に指定されていますので、その辺りも熟慮されたのではないかと思っています。


宮川征甫氏衝立


宮川先生独特の作品は数点あって、久しぶりに大きな衝立を出してみました。以前は分からなかった気づきや感動があり、やはり大きな作品も展示しておかねばと思っています。




富士笠と富士山と竹骨職人と

 
富士笠


400年の歴史がある越中福岡の菅笠でも優雅な富士笠を見ていると真っ青な空の下で雪をかぶる美しい富士山を思い出す。


空からみた富士山


菅笠の竹骨


富士山の雄大さには感動するが、自分の場合はそれよりも感極まるのが富士笠の下に隠された竹骨だ。写真の右前に「富士(五寸)」と書かれているのが富士笠の土台となっている竹骨、日本の笠は雨の日にさす傘も含めてイコール竹なのである。


菅笠製作


この竹骨に耐久性、防水性の高い菅を一針づつ縫い付けて作られる笠のことを以前もこの30年ブログでご紹介した事がある。この地方の女性が嫁入り道具として菅笠作りの小箱を持参する話を職人さんの仕事場で聞かせていただいたのは忘れられない。


菅笠のプラスチック骨


ところが竹骨に魅入られた菅笠にも抗えない時代の変化がやって来て久しい。竹骨職人が減少したせいで量産できなくなった菅笠の下に見えるのは何とプラスチックなのだ。竹を使う事ができなくなった現状を憂いているけれど、それよりこの事になんの疑問も持たない、知らない人々の多さに閉口する。


感動する菅笠竹骨


菅笠竹骨職人


厳冬の中、色々な種類の竹骨を製作し続けている職人は本当に楽しそうだった。これが全て、自分の大好きな竹人だと思った。


富士笠


あなたの笠は竹骨だろうか?美しい富士山が本物ならよいのだが。


竹炭枕は土窯作りの竹炭粒を3キロ入れて一つ一つ手作りされます

 
竹炭まくらで快眠


一度使いはじめたら手放せなくなった竹炭枕には土窯で焼き上げた竹炭粒を3キロも詰めていて、まさに本格派の竹炭枕です。柔らかさを考えて蕎麦殻を入れたり、ポリビーズやプラスチックパイプと混ぜているものがありますけれど自然素材である竹炭粒だけの少し硬めの寝心地はクセになります(笑)。


竹炭枕に入れる竹炭粒


しっかりとした竹炭枕なので大きな工場で製造されていると思われている方も多いかと思いますけれど、実は全て一つ一つ手作りです。竹炭を機械で細かく粒状に砕いた後の選別も手作業で行っています。


竹炭枕用の竹炭粒


これが竹炭枕の中身に入れる竹炭粒、大きな粒、細かい粒とバラ付きがあって頭に当たる感触はどうなのか?と思われるかも知れません。しかし、このような粒の違いがあることにより大きめの竹炭粒のゴツゴツ感がなくなります。


竹炭まくら計量


竹炭まくら不織布


竹炭まくらキルティング


計量から不織布を貼り付けたキルティング生地の枕に入れるのも、もちろん縫製するのも全て手慣れた職人の手仕事で作業は進みます。いわば「快眠」を作り出す様子をYouTube動画でご覧いただけるようにしました。




真竹の簾、孟宗竹の簾、丸簾

 
別注すだれ


良く目にする竹簾ですが一般のご家庭用だけでなく、飲食店や食品加工場でも様々なサイズのものが使われています。このような大量に使用される竹製品は、多くの竹材が必要ですし価格的な事からほとんどが海外からの輸入品になっています。ところが特別な食品を作ろうとする場合には、それ相応の特別な簾が必要なことがあって海外の品質に満足できない食品メーカーさんもあられるようです。そこで国内で何とか自分たちの思うような品質のができないものか?と言う事で自分達もご協力せさていただくのですが、普段から竹材が流通していた昔と違い、そもそも現在では竹材自体がそう簡単ではありません。


別誂え簾


たえとばサイズが大きく節間の長い真竹で製作したい簾があったとします。毎年伐採していれば山主がいて、今年伐採できる良質の竹林があって、山の職人がいて、伐り時期さえ合えば真竹も用意できるでしょう。ところが真竹で簾など作る事がなくなり一度途切れてしまった竹の輪は元通りにはなりません、仕方なく節間の短いものの材料の揃う孟宗竹を使う事になります。できるだけ節間の長い部分を選別して使いますので一部分しか使えないのでコスト高です、しかし真竹のようにはいかないのでユーザーの方からすれば満足度は高くないという悪循環が起こってしまいます。


下のYouTube動画で紹介しています丸簾などにしても、一見何処にでもありそうです。もちろん、かっては国内でも機械化しながら製造している工場があったものの、現在では編まれなくなり数枚の試作なら何とか出来るというようなレベルです。おそらく本当の意味での日本製最後の丸簾職人の仕事を以前に動画に収めていて幸運だったと思います、どうかご覧ください。




竹ブーツと龍馬ブーツ

 
竹ブーツ


今日は竹で編まれたブーツのお話です。実はこれ竹職人がクリスマスに向けて作ったもので中にお菓子など入れるプレゼント用だったそうです。そういえば小さい頃に両親が買ってくれたケーキ屋さんか何処に並んでいた赤いブーツに似ています、実はこのサンタクロースのブーツは日本だけのものらしいですが竹編みでブーツを作るなどさすがです。


龍馬ブーツ


坂本龍馬


ブーツと言えば自分はいつも龍馬ブーツなるものを愛用しています。新しいものが大好きだった龍馬が長崎で手に入れて履いていたと言うのは有名ですけれど、そのブーツを研究して復刻された方がいたのです。使うほどに足に馴染み、風合いが深まります、そして傷んだところは手直しできる、その修理自体も時と共に味になってくるなど同じ自然素材だけあって革製品と竹は良く似ています。




竹の声に導かれた大火災の夜

 
竹虎大火災


この世の中には、目に見えない力があるとずっと感じています。しかし、それは別に特別な事ではなくて、いわゆる「虫の知らせ」とか言われるようなものであり、長い人生の中では時折訪れて導いてくれる大事な瞬間であると思っています。37年前の今日、普段は寝つきの良い自分は全く眠る事ができず何かの声を聞いて布団から起き出しました。網戸の向こうでは雨がシトシト降っています、いつもと変わらぬカエルの鳴き声だけがする静かな夜でした。


竹屋の火事


今でも大学の夏休みで帰省中の自分が、どうしてパンツ一丁の丸裸のまま傘もささずに母親のサンダルを足先に引っ掛けて真っ暗な工場に向かったのか不思議でなりません。大火災の第一発見者となった時の事を思い出すのは楽しくはありません、文字に書くのも同じです。


山岸竹材店の火災


とにかく、竹虎は大火災となり我に返ると翌日の正午でした。


竹虎火事


竹虎四代目が第一発見者となった大火災


地域の皆様にはご心配をおけかし、夏の間はずっと後片付けに追われる竹虎を助けていただきました。遠く県外からも続々と応援の方々が駆けつけてくれて感謝しかありませんでした。


竹虎火災


何十年経っても竹虎の燃える炎を見ていると心臓がドクドクしてきます。けれど、あの火が今でも自分の中で燃え続けているような気がします、きっと竹虎四代目はあそこで生まれたのです。




お一人様用の新しい網代底蕎麦ざる

 
ざるそば


やはり、この季節になるとザル蕎麦です。実は四国生まれの四国育ちのせいなのか、若い頃から蕎麦かうどんか?と言われれば圧倒的にうどんでした。ところが年齢を重ねるほどにモチモチした食感と喉越し、噛み応えのある太い麺はもちろん大好きではあるものの、スルスルッと入る蕎麦と優しい香りの良さも少し分かってきたように思います。


竹ざる


蕎麦は竹ざるが大事です、美味しいと評判のお店ほど国産でもかなりこだわったザルを使っていたりします。この夏もあまり外に出かけられずご自宅で過ごされる多くの方に少しでも本格的な名店気分をお届けしたいと思って網代底の蕎麦ざるを作りました。


網代底竹ざる


竹虎四代目(山岸義浩)、竹笊


大きな竹ざるばかり編んでいた職人に20センチサイズの竹ざるを作ってもらうのは初めてです。小さい竹ざるの方が編むのが大変ですが、さすがに熟練の手は違うと感じる出来栄えです。


蕎麦ざる


新しい竹ざるに美味しいお蕎麦を盛りつけたら、テレビで東京リンピックの応援を楽しみたいと思っています。




韓国のお客様からの手紙と虎竹

 
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韓国のお客様から丁寧な日本語の文字で手紙が届きました。高校生の時から「いつかは、いつかは...」と心の中で何度も思いながら手にできる日を楽しみにして下さっていたとは!感激すると共に日本唯一の虎竹を守っていかねばと奮い立つような決意を新たにしています。


虎竹、竹虎四代目(山岸義浩)


これから先に見える自分達の行く道は、虎竹の里の竹林に向かって続く細く曲りくねった険しい山道と同様に厳しいものです。けれど、このような方の支えがあると知れば又明日から一歩、また一歩と進んでいけます。




白竹網代ミニ弁当箱をリニューアル

 
白竹網代ミニ弁当箱


とても可愛い白竹網代ミニ弁当箱がリニューアルしました。竹の弁当箱と聞けば真っ先に思い浮かぶ竹ヒゴの目がギッシリと詰まったこのような編み込みを網代(あじろ)編みと呼びます。緻密に編まれているので丈夫だけれど、竹のしなやかさがあり、通気性も良いという、まさに弁当箱に最適の作りなのです。


白竹網代ミニ弁当箱


今回の網代弁当箱は「ミニ」と名前が付くだけあって本当に小振りなのでメインのお弁当箱には女性の方でも小さいと思います。けれど、デザート用として果物やスイーツなどを入れてお使いいただくか、もう一品プラスワンのおかず入れとしての用途などがあるのではないでしょうか。


竹弁当箱


白竹弁当箱


実はこのような編み込みも小さい方が編みづらく難しいものですが、もちろん大きなサイズ同様に美しい仕上げとなっています。底からご覧いただきましても綺麗な形がお分かりいだけるかと思います、力竹もしっかりです。


網代編み弁当箱


プラスワンにミニサンドイッチはいかがですか?アイデアで色々とお楽しみいただける熟練の竹職人ならではの竹弁当箱ができました。下段にあるYouTube動画では虎竹で網代編み弁当箱を製作していきます、この白竹網代弁当箱も全く同じ手順でひとつひとつ編まれています。




日本の夏に新登場!ご家族で美味しいスダレ蕎麦皿

 
竹製箱型すだれ蕎麦皿


オリンピックの開催を間近に控えた今年の夏も暑くなりそうです。自分の場合は夏バテ知らずといいますか、有難いことに食欲が落ちる日などは少ないのですが、それでもスルスルッと入るザル蕎麦や素麺が嬉しい事もあります。やはり日本の夏にはザル蕎麦だよ!という皆様にオススメしたいのが今回新登場いたしました竹製箱型すだれ蕎麦皿なのです。


蕎麦せいろ


実は今までもザル蕎麦をいただくための蕎麦せいろという同じように簾を使った製品がありました。ところが...この蕎麦せいろ天然の孟宗竹を使った風合いの素晴らしいものではありますものの簾の下に板もなく通気性が良い代わりに水切りした蕎麦から滴がたれて食卓を濡らしてしまうという難点がありました。


竹製ザル蕎麦


そこで、新しく製作いたしましたすだれ蕎麦皿は「箱型」と名前が付いていますように底付です。簾で余分な水気はしっかり落とすものの水分は底から漏れることがなくご家庭のテーブルに水を垂らす事はありません。


竹虎四代目(山岸義浩)、ザル蕎麦


お蕎麦屋さんであれば、蕎麦せいろでもツユを入れる蕎麦猪口や薬味皿などと一緒にお盆に揃えてテーブルまで運びますから、たとえ水気が落ちても問題なかったのです。しかし、ご家庭で本格的なザル蕎麦を楽しみたいという方が増えてきました今日、ご自宅に合わせて進化させた蕎麦皿だと言えます。


竹製箱型すだれ蕎麦皿


竹集成材を使ってお蕎麦を盛り付けた時の見栄えや食べやすさも考慮して製作しています。夏のご家庭の定番の一つに加えていただきたい竹器なのです。


竹製箱型すだれ蕎麦皿


側面の竹材底部分には小さな出っ張りを作っていますけれど、これが又とても便利です。


竹製箱型すだれ蕎麦皿


片づけ時などにご家族分の蕎麦皿を重ねて持ち運ぶ時には小さな出っ張りがカチリとはまって安定感抜群です。




保存瓶と竹

 
白竹保存瓶


ガラスや陶器と竹を組み合わせたものも実は少なくありません。スターバックスでカップに取り付けてもらうスリーブのように、熱湯を入れて熱くなった陶器も竹編みで覆うと持ちやすくなります。この白竹広口瓶もそんな竹細工のひとつとして生まれたのです。


白竹広口瓶(保存瓶)


夏は特に涼し気でキッチンにあるだけで楽しく気持ちになりそうです。


白竹広口瓶(保存瓶)


最初の試作では虎竹なども使ってみましたがガラスには合わずに白竹だけが残りました。


白竹広口瓶(保存瓶)


輪弧編み保存瓶


もう長く定番でありますので、そろそろもっと新しい展開を考えたいと思います。


国産の竹熊手をご存じですか?

 
黒竹熊手、竹虎四代目(山岸義浩)


庭掃除に使う熊手はご存じかと思いますけれど、その先端は竹でなくてはなりません。落ち葉やゴミをかき出す時に竹の微妙なしなり程使いやすいものがないからです。金属製の熊手やプラスチック製のものもありますが竹の自然な柔らかさには遠く及びません。


クマデ


そんな熊手には、こんなサイズの超強力なタイプがある事をご存じでしょうか?もちろん国産、日本の竹を使って一本づつ丁寧に作られています。


黒竹柄


熊手など国産とか輸入とか考えた事もない、そんな方も多いのでしょうか。そんな方には是非、ブログの最後にご紹介しているYouTube動画をご覧いただきたいのです。国産にこだわり製造を続ける熊手工場の職人たちを見てください、熊手はこうやって一つづつ作りだされています。


竹虎四代目、熊手pg


熊手は実用品としての他に福をかき集めると言われて縁起物としても多くが流通しています。そこで大量生産するために考え抜かれた工場の専用機械は圧巻、日本の竹製品の底力を感じます。




幸せ、竹虎四代目の竹ハンガー

 
竹虎四代目の竹ハンガー


作務衣を着ていて暑くないですか?」連日の猛暑でよく言われる言葉です。実は、もうすっかり慣れているので結構大丈夫なのです、昨日も炎天下の竹林に入っていましたが山にいる時も工場でも長袖の方が原竹を安心して扱えます。夏用の作務衣もあるにはありますけれど生地が薄くて頼りなくあまり好きではありません。何度か着たものの結局いつもの定番に戻るので一年通して同じ作務衣たちを着用しています。


作務衣用竹ハンガー


しかし、さすがにデスクワークに戻った時には部屋のムンムンする温度に閉口する場合があります。そして、そんな時に活躍するのが竹虎四代目専用の竹製ハンガーなのです。まあ、ハンガーとは名ばかりで本当は職人が試作した抱き枕です、上着を脱いでサッとかけられて本当に便利ですしサイズもピッタリなのがいいのです(笑)。


竹ハンガー


現在、竹虎で販売させてもらっている抱き枕は白竹で編んだものだけです。少し前には、この磨きのタイプがありました「磨き」とは竹表皮を薄く剥いだ竹ヒゴを使う細工で表皮の美しさ、経年変色が魅力のひとつです。こうして竹を身近に置いて愛用できるのが一番の幸せです。


空間を演出する虎竹ペンダントライトが出来ました

 
虎竹ペンダントライト、竹虎四代目(山岸義浩)


コロナ禍ではありますが宿泊施設や飲食業界では少しづつ新しい動きが出てきているようです。知人の携わるホテルも来週にオープンとの事でスタッフの方はじめ関係の皆様が頑張って準備に追われています。この虎竹ペンダントライトも、そのような大勢の方々が集う場所に設置されるとの事で納期がギリギリになってしまいましたものの何とか完成してお届けする事ができました。


虎竹ペンダントライト


虎竹灯


虎竹のフレームを球形に組み合わせただけに見えますでしょうか?確かに難しくはないですが、まん丸にするのには少しテクニックが必要です、そしてこのようなタイミングで短期間に数量を揃えるのも大変です。


虎竹電気


虎竹照明、竹虎四代目(山岸義浩)


竹灯は不思議と人の心を落ち着かせてくれてくれものです。まあ、楽しみはこの虎竹達に灯が入って安らいだ雰囲気のロビーでソファーに腰を下ろすことでしょうか。




虎竹色紙掛けをご存じですか?

 
虎竹色紙掛け


虎竹で作られた色紙掛けがありますがご存じでしょうか(笑)?おそらく色紙掛けなるもの自体を見た事も聞いた事もない方が殆どかも知れません。いやいや、もしかしたら色紙をあまり持っていなかったり、飾る習慣などないようにも思います。


虎竹色紙掛け


「新しい自分が見たいのだ 仕事する」
自分はたまたま陶芸家河井寛次郎の言葉が書かれた色紙を飾っていたりしますけれど、自分の世代より少し前までは色紙を飾るのがもっと一般的だったのか竹細工でこのような製品は多く作られていました。色紙をどうやって固定すること言いますと黒竹の小枝をVの字にカットして挟むのです。


虎竹色紙掛け


虎竹色紙掛け


虎竹の渋い色合いが色紙を引き立てます、もちろん壁に吊り提げられるように紐も付けています。少し前の日本の住宅は置物を置いたり、このように壁面を飾っていたのですから、やはり時代です。


虎竹色紙掛け


こうして見ると一体何に使うものなのか分からない若い方の声が聞こえてきそうです。骨董品的に見られるかも分かりません、けれど新品バリバリの竹細工です。


丸亀うちわ職人

 
団扇、竹虎四代目(山岸義浩)


団扇(うちわ)と言えばエアコンの普及した現代では夏祭りに手にするくらいの方もおられるかも知れません。しかし、やはり身近な夏の小道具には変わりなく目にする機会は多いと思います。一口に団扇と言っても様々でプラスチック製の物あり、竹団扇もありですが竹製の団扇はほとんどが輸入となっています。


丸亀うちわ竹骨


完成品はもちろん、竹骨の状態で海外から運ばれてきて国内で紙の部分だけ加工すれば完成するのです。ところがそれでも、安価な製品が出回る中で国産の竹にこだわり、昔ながらの伝統の製法を守り続ける団扇職人がいます。


太助灯籠


これは太助灯籠と言って香川県は丸亀港のシンボルとなっています。その昔、今のように交通機関が発達していない当時は金毘羅詣は船が中心でしたので参拝客はこの灯籠を目印に入港して来たのです。そして、丸亀団扇は、大勢のお客様でにぎわう丸亀のお土産物として全国に知名度を上げていきました。


丸亀うちわ竹骨


その伝統は続いて現在でも香川県の団扇出荷額は40%の京都を抑えて全国シェアの47%近くを占めて全国一位を誇っています。


うちわ竹骨


この団扇の本場丸亀の地で今回国産団扇にこだわる職人の技を拝見したのです。


丸亀団扇竹骨


団扇

うちわ竹骨

うちわ


現在竹虎では虎竹和紙に柿渋で仕上げた虎竹和紙渋引団扇をウェブサイトに掲載しています。これは100年経過した柿渋の美しさに憧れて製作しているものですが、もうひとつ丸竹を使った団扇を前々から復刻したかったので来夏に向かって進めていく予定です。




梅雨の終わり、黒竹番蛇の目傘

 
和傘


そろそろ梅雨が終わりそうな頃に和傘の話題です(笑)。黒竹番蛇の目傘は竹と和紙で作られています、機能的に言えば軽くて持ち運びも便利、お手入れも簡単な洋傘が機能的には優れているかと思います。ただ自分の場合は、竹虎自体が127年前に和傘の竹材屋として創業している事もあり小さい頃から身近でもあり愛着もあったので20代の頃から使っていました。


高知の雨はかなり強く降りますので実は和傘向きの地域ではありません。雨粒に叩かれて和紙が弱くなり、雨の度に広げて陰干しするなど手入れもしていたつもりですが穴が開いてボロボロになってしまいました。そうなっても和傘は何か風情があり捨てられずずっと愛用していた事を思い出します。


番傘


ある男性のお客様からいただいたお声があります。


「梅雨真っ只中の今、この「黒竹番蛇の目傘」を差して、古都鎌倉のアジサイ寺を散策しました。普通なら雨の日の散策は嫌ですが、「黒竹番蛇の目傘」を差していたので、傘に当たる雨音を楽しみながら、心はウキウキ、ワクワクでした。古都の雰囲気にもピッタリで、他の観光客の視線に何とも言えない一種の優越感のようなものも感じて楽しい一日でした。」


雨が楽しみになるほどの魅力が確かにあります。


蛇の目傘


さて、自分の場合にはボロボロになってしまった傘の和紙ですけれど、水を弾くためにエゴマ油、アマニ油、桐油という3種類を職人が独自に配合して塗布されています。和傘の製造が少なくなった今、このような細かいノウハウや分業化が進んで沢山の手を経て完成してきた伝統を途絶えさせないためには、それぞれの技を継承していかねばならず容易な事ではありません。


竹虎インターンシップ2021参加者募集開始しました!

 
竹虎インターンシップ


毎年、地元の大学生を中心に参加いただき続けてきました夏のインターンシップが昨年の2020年は開催する事ができず残念に思っていました。それで今年はどうするのか?7月に入ってようやく方向性を決めてzoomで開催することに決定しました。zoomでのコミュニケーションはどうしても希薄になりがちだと最初は好きではありませんでしたけれど毎日のように使うようなってからは考え方も随分と変わってきたのです。


オフラインのインターンシップは、遠くからお越しいただかねばならず学生さんによっては虎竹の里の民宿に泊まられる方もいました。近年では県外からの参加の方も増えつつありましたが、やはり高知県と言う事でハードルは高かったと思います。しかし、オンラインなら全国どこからでも参加してもらえます、いやいや日本だけでなく世界中からアクセスいただける事を思えばワクワクします(笑)。


虎竹福音鈴


と言うことで昨日から竹虎インターンシップ2021の募集をさせてもらっています。こんなに遅くなって学生の皆様に届くのか?心配もしてますけれど1日だけのzoom開催です、気楽にご応募ください。言葉の問題がありますものの海外からの参加も大歓迎です、このような言葉の壁もあと数年の事、今のペースでテクノロジーが進めば自分の言葉は自分の声質でそのまま世界の言語になると思います。


いよいよ来月の8月19日(木)開催のインターンシップでは竹虎工場長によりますワークショップを予定していて虎竹福音鈴を皆様にお作りいただきます。当日までに虎竹素材をお手元にお送りしたいので締め切りは8月13日(金)、海外からの方は8月上旬までにお申し込みいただきたいです。始めての試みなので不手際は多々あろうかと思っています、そんな事も楽しみながら参加いただける方だけお申込みください(笑)。




「素晴らしい出来栄えで感動しました。」黒竹玄関すのこ

 
黒竹玄関すのこ


黒竹玄関すのこを作った当時は、まだ黒竹の竹林が綺麗に整備されていて毎年季節になると沢山の黒竹が山出しされていた。大量に伐り出されているものだから2トン車や4トン車では間にあわず10トントラックで行かねばならない事もあった。こんな話をすると輸入された黒竹を港まで受け取りに行ったのか?少し事情に明るい方ならそんな風に勘違いされるかも知れない。いやいや竹虎は地元の竹にこだわっているので当然国産竹材しかない、やはり古き良き時代だったのかも知れない。


黒竹玄関すのこ


しかし、過剰生産とも言える中で積み上げられ残されていく黒竹の山が増えてきた。そこで何とかしたいと考えて製作したのが、この黒竹玄関すのこだった。いざ作るとなると簡単なようで難しい、サイズや高さを何度もやり直して踏み心地の良さを追求した。


黒竹玄関すのこ


こんな物作っても誰が買うのか?職人が冷ややかなのはいつもの事だが、自信があったのはこの道50年のベテラン職人の竹を矯める技だった。曲がった黒竹を真っ直ぐに矯正しているから一つの製品を継ぎ足して使う場合にもこのように美しい、いずれお客様には伝わるだろうと思っていた。




黒竹玄関すのこ


今朝、お客様から「素晴らしい出来栄えで感動しました。」と嬉しいお便りが届いた。


黒竹玄関すのこ


このようなお声をいただけるから発売から20年近く経った今でも何とか製造を続けられている。本当にありがとうございます。




限定で染竹四ツ目コンビニ籠

 
【限定】染四ツ目コンビニ籠


竹コンビニ籠などと言ってますけれど元々は随分と前に花籠として編まれたものです。このような染めの竹製品は一時期大量に輸入されてきましたので、しっかりご説明しないと安価な竹細工と間違われるかも知れません。しかし、手にした瞬間にさすがは地元でも名うての職人が編んだだけの事はある頼りがいのある作りだと分かります。


【限定】染四ツ目コンビニ籠


【限定】染四ツ目コンビニ籠


細部も当時の丁寧な仕事ぶりを今に伝えてくれているかのようです。


染四ツ目コンビニ籠


そこで持ち手が少し細身ではありますが大事にお使いいただける方に手提げ籠としてご紹介する事にしたのです。もちろん元来の花籠や小物入れとしてもご活用いただければ嬉しいです。


手付き竹籠


染四ツ目コンビニ籠


既に残り少なくなっています。古い職人さんに聞いたら販売価格は、昔編んだ時の値段とあまり変わらないそうです(笑)。そこが人気なのかも分かりませんけれど、ページにあるだけですので好きな方の元にお届けできればと思います。


7月7日。竹の日そして、かぐや姫の誕生日

 
雨の孟宗竹の若竹


本日、7月7日はあまり知られていませんが「竹の日」。日本の竹人にとっては記念すべき日であり又竹取物語に登場するかぐや姫の誕生日とも言われています。さて、そこで以前も話題にさせてもらった事があるのですが皆様にもっと良くご理解いただきたいと思い改めて30年ブログでお話させてもらいます。


「これぞ竹取の翁が竹林で見つけた、かぐや姫の竹です。」


そう言ったら、いかがでしょうか?なるほどと信じられる方もおられるのではないでしょうか?それくらい光輝いて見える竹があります。一年中いつでも見られるわけではありません、今年の梅雨は長雨で困っていますけれど日中でも薄暗いような曇り空の日に竹林に行くとこのような竹を見つけられる事があります。


孟宗竹


晴れた日に行くと普通の竹にしか見えないのに、どうして白く光っているように見えるのでしょうか?実は二つの要素があります、一つは若竹、そしてもう一つは湿度です。孟宗竹の若竹には産毛のような細かい毛が表面に沢山あります、筍から竹になってドンドンと成長していく時期にちょうど梅雨があって竹達にとっては水分豊富で好都合なのですが、その湿気が生まれたばかりの竹表皮について少し暗いような竹林の中では輝きを放ち本当に浮かびあがって見えるのです。


ただ孟宗竹というのは渡来種で1728年に京都に移植されたという説と1736年に鹿児島に移植されたという説がありますがどちらにしても300年足らず前の話です。かぐや姫の登場する「竹取物語」は日本最古の物語と言われていて9世紀から10世紀に出来たそうなので当時の日本には孟宗竹はなかったのです。


それでは一体、かぐや姫の生まれた竹は何なのか!?


光の中の虎竹


それは淡竹(はちく)に間違いありません。淡竹のひとつの特徴として白く粉が吹いたように見える竹表皮があります。何を隠そう日本唯一の虎竹も淡竹の仲間ですが、独特の虎模様はこの白塗りした下に隠されています。虎竹と言っても全ての竹に色付きがあるのではなく、一級品の色合いになるのは一部の竹だけです。ずっと色付きのない竹も多いのですが、そのような竹に何かの拍子に日の光が当たった瞬間、「光輝く竹」が表れ竹取り物語の秘密が解けた事を確信するのです。遥か昔、翁は淡竹の林でこのように光る竹を見つけて、かぐや姫が誕生したのです。




JAL国際線・国内線機内誌「SKYWARD」に竹携帯箸が掲載

 
JAL国際線・国内線機内誌「SKYWARD」


昨年からのコロナウィルスで飛行機に乗る機会が減ってしまいましたので、空の旅を恋しく思われてるいる方も多いのではないでしょうか。高知に暮らす自分などはJRも悪くないものの、少し不便な事もあって何処かに行くと言えば龍馬空港から出発していました。そこで航空会社様にはその都度お世話になり有難く感じておりましたが、今回はそんなJALさんの国際線・国内線機内誌「SKYWARD」に虎竹漆箸と黒竹筒箸箱の携帯箸セットを掲載頂きました。


動画をご覧いただきますと良くお分かりになるように、実は日本唯一の虎竹漆箸はこのようにして一本づつ竹を選び手削りしています。職人の感覚で製作していきますので若干の違いがある事がありますので漆で仕上げた後は虎竹の模様や微妙な違いを見ながら一膳のお箸に合わせています。




そして漆箸を収納する黒竹筒箸箱は、こんな職人技で作られているのです。




安全には気をつけての空の旅でしたら是非機内にある「SKYWARD」をご覧ください。ドキドキわくわく旅心をくすぐる楽しい機内誌は、以前は座席前のポケットに入れられていましたけれど現在はCAの方にお願いしてお持ちいただくようになっているかも知れません。


JAL国際線・国内線機内誌「SKYWARD」


竹ざる、YouTube動画再生回数100万回

 


この竹ざるは何の変哲もない昔から作り続けられてきた普通の国産竹ざるだ。日本唯一の虎竹は淡竹(はちく)の仲間だが、日本三大有用竹でもあり日本最大級でもある孟宗竹や竹編みに一番多用されている真竹などの竹材も高知には多いのでそれらの竹を使った竹細工は昔から盛んに行われてきた。


もともとは簡単な竹編みであれば、どこの農家でも家族の使う物は自分達で作っていたものだが、さすがに専門性の高い箕は誰でも作ることはできない。それに竹ざるや背負い籠など比較的に簡単な竹編みも竹職人に任せて、自分達は畑仕事に専念した方がよい...、そうやって竹編みの専業職人が自然とできてきた。


国産竹ざる


交通不便な山間地域の多い四国でも交通機関の発達や軽四トラックでの行商ができるようになると竹細工を遠くに届けられるようになり更に竹仕事に専念するようになった。そんな時代の父や祖父の技を見よう見真似で覚えた竹ざるだ。


熟練の竹職人


今やYouTubeでは様々なジャンルの動画を見ることができる。自分も「竹チューバー」を名乗り商標登録までして取り組んでいる(笑)、盛り上がっているのだとは思う。しかし動画自体が毎日世界中でアップされ増えているので実は再生回数10万回以上は全体の1%以下だと言う。そんな中、この100万回は凄い、そして何よりも100万回で「高評価」が1万人を超えているのが職人の長い竹人生を認めてくださっているようで心から嬉しい。


前略、「倒産」目前でも「挑戦」を諦めなかった職人パワーに触れたいアナタへ

 
虎竹の里、竹虎四代目(山岸義浩)


「工芸とつながる。工芸でつながる。」熱い思いが伝わってくるクラフトレター刊行の辞を改めて拝見すると大いに共感できる所ばかりです。まだまだ始まったばかりで、これから日本中のものづくり文化を次々にご紹介いただけると楽しみに思います。「伝統的なものづくり文化を見直すべきタイミング」と書かれていますが、まさに自分達も百年続いてきた虎竹文化の変革期にさしかかりました。


虎竹


歴史と共に挑戦し続ける竹材メーカー竹虎、100年以上歴史をもつ彼らが「人々の心を打ち続ける理由」とは...こう掲載いただいていますけれど人の心を打ち続ける事など出来ていません。ただ挑戦と諦めない気持ちは沢山の人や竹に支えられて燃やし続けられています。


篠竹の笊をご存じですか?

篠竹底編み足付ざる


篠竹は竹という名前がついているものの太さはボールペンほどの細さしかない笹の仲間です。職人の仕事に行くと、この竹材を割って竹ヒゴにして大量に保管してあってその日に使う竹ヒゴは前日から水に浸けてあります。


篠竹底編み足付ざる


編み上がって乾燥させると篠竹特有の堅さが表皮に現れますが、元々その年に生えた若竹ばかりを伐採し使用しているので水からあげたばかりの竹ヒゴは柔軟性があり扱いやすいのです。


篠竹底編み足付ざる


この篠竹ざるの特徴は通気性の良さ、堅牢な篠竹の性質を活かして網代編みした底の四隅を足にして底が床面つかないように工夫されています。無骨な表情の竹ざるなのに、こんな細かい心配りをしてくれるのかと嬉しくなってきます。


篠竹底編み足付ざる


篠竹底編み足付ざる


油抜きするでもなく、自然のそままの素朴な竹肌はまさに竹林にある竹そのもの。飾らない寡黙がこの篠竹細工の魅力のひとつです。


篠竹底編み足付ざる、竹虎四代目(山岸義浩)


この篠竹を更に極細な竹ヒゴに仕立てて緻密に編みこんだ竹ざるもありますが自分の好みではありません。篠竹は昔ながらのこのざっくり編まれた風情が素晴らしいのです、野菜の水切りでも麺類を盛るにしても重宝する一枚です。




筮竹(ぜいちく)について

 
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当たるも八卦、当たらぬも八卦と占い師の方が良く口にする言葉ですが、八卦とは古代中国の考え方で天、沢、火、雷、風、水、山、地の8つの要素が世を支配していると言います。そんな占いに使われるのが筮竹(ぜいちく)と呼ばれるで作られたヒゴです、見本として送られてきたものには塗装がほどこされていましたものの今回はこの筮竹を塗料を使わず仕上げて欲しいとのご依頼でした。


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竹のスプーンをはじめカトラリー類や竹箸にはウレタン塗装をかけて仕上げています。ところが最近はこの塗装をせずに自然の竹そのままに使いたいというお客様もおられます。食事にご使用されて水洗いしてという毎日の繰り返しで湿気の多い環境ですから色染みやカビなどの問題をしっかりご理解いただいた上でご愛用いただく事が大事です。


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しかし、筮竹のように占いにお使いなられる道具であれば無塗装であっても問題はないかと思います。是非、竹が正しく人を導く占いの手助けになれば嬉しいです。